近年はウィルスや物価上昇の影響から、自炊する方が増えています。家族が多い方は良いですが、野菜を買っても量が多かったり、使い切る前に傷んでしまったりすることも少なくありません。ここでは保存がきくおすすめの常備野菜をご紹介してまいります。正しい保存方法も解説していくので、チェックしてみてください。
野菜は様々な種類があり、常温で保存できるものや冷蔵保存が必須なものもあります。中には消費期限がある野菜もあり、使い切るのが難しい方もおられるでしょう。特に1人暮らしの方や忙しくて自炊できる日が少ないという方は、保存がきく常備野菜を買っておくのがおすすめです。
まずはにんじんです。人参は味噌汁やスープに入れたり、野菜炒めやきんぴらなどの炒め物、カレーやてんぷらなど様々な料理に使えます。人参は購入後にキッチンペーパーや新聞紙などに包んで、冷蔵庫の野菜室で保管します。
キッチンペーパーなどで包むことで湿気や乾燥から守れるので、数週間から長いと1か月以上日持ちします。包む前に洗う必要はなく、保存中にキッチンペーパーが濡れていたら交換すると良いでしょう。
玉ねぎは常温保存ができる便利な野菜です。玉ねぎもカレーや炒め物、新玉ねぎはサラダでも美味しく食べられます。ネットなどに入れて直射日光の当たらない風通しの良いところに吊るすか、数が多い場合は1個ずつ新聞紙で包んで保存すると日持ちします。
長ければ2か月ほど保存できるので、何個か入っている袋入りを購入しても消費できるでしょう。直射日光が当たってしまったり湿度が高い場所は、玉ねぎの水分が蒸れて腐敗しやすかったり、カビが生えやすいため、置かないようにしてください。
玉ねぎは皮をむかずに保存します。皮をむくと中が緑色になっていることもありますが、じゃがいもと違って毒素が含まれているわけではなく、むしろケルセチンという成分が多く含まれて健康に良いので、食べても大丈夫です。
長期保存ができる野菜の代表と言えば、じゃがいもです。じゃがいももカレーや肉じゃがなどの煮物、フライドポテトやポテトサラダなど多くの料理に使えます。常温保存でき、長いと5か月ほど保存が可能です。新聞紙やキッチンペーパーで包んで風通しの良い場所で保管し、紙が濡れていたら交換するようにします。
じゃがいもは直射日光や蛍光灯が当たると、皮や中身が緑色に変色してしまいます。じゃがいもの芽や緑の部分には天然の毒素があるため、取り除かなければなりません。室内でも暗所に置くようにしてください。
最後はキャベツです。キャベツはサラダや漬物など生食で食べることも可能で、炒め物やスープなど様々な料理に使えます。2人暮らしの方でも1個買ってしまうと使い切れないことも多いですが、上手に保存すると3週間程度日持ちします。
保存はキャベツの芯をくり抜き、その部分に湿らせたキッチンペーパーを丸めて詰め、全体を新聞紙などに包んでからポリ袋に入れ、芯を下にして冷蔵庫で保存してください。
野菜を買っても保存状態が悪いと傷みも早くなってしまい、結局捨てることになると勿体ないです。常備野菜を上手に保存する方法を知って、長持ちさせて使い切るようにして下さい。
まずは、育った環境に近い状態にすることです。ごぼうや里芋など、土の中で育つ野菜は泥付きで販売されていることも多いですが、洗わずに泥が付いたまま保存するのがおすすめです。また、土の中で育つ野菜は、直射日光の当たらない、風通しの良い冷暗所で保存しましょう。
野菜は収穫した後も生きている状態のため、縦に伸びようとする野菜は立てて保存するのがおすすめです。キュウリやにんじん、アスパラやほうれん草などは立てて保存すると鮮度が長くなるでしょう。
保存袋に入れて酸化や乾燥などを防ぐことも大切です。ジッパー付保存袋はレタスなど大きい葉物も入るサイズや小さめのサイズもあります。野菜の鮮度を保持するポリ袋などもあるので、野菜専用のものを使うとかなり長持ちします。
葉物などは特に、袋に入れていないところから葉が乾燥して変色、しおれてしまうので、袋に入れて乾燥から守ります。また、野菜はカットしてしまうと酸素に触れて酸化し、色が変色してしまうため、保存袋に入れて早めに使用するのがおすすめです。
最後はその野菜に合った温度で保存することです。ついつい長く日持ちさせたいから冷蔵庫に入れておけば大丈夫、と考えがちですが、冷蔵庫の温度が合わない野菜もあります。例えば丸まるカットしていないイモ類は低温を嫌うため、常温保存がベストです。
さつまいもやじゃがいも、里芋などは冷えすぎると食感が悪くなってしまうため、涼しい場所で保存します。かぼちゃも丸ごとの状態なら常温保存で2か月ほど日持ちします。
冷凍食品で野菜も売っていることだし、常備野菜も冷凍できるのでは、と考える方も多いでしょう。実際に常備野菜も冷凍可能なものもあります。いつも使いきれない、という方は冷凍保存のコツをチェックして、余ってしまいそうな分は冷凍保存にチャレンジしてみて下さい。
冷凍食品でも野菜の種類は多く、枝豆やブロッコリー、ホウレン草やベジタブルミックスなど、冷凍のものを使ったことのある方も多いでしょう。冷凍食品で売っている野菜だけでなく、キャベツや白菜、キノコ類は冷凍保存に向いています。
逆に冷凍保存に向いていない野菜もあり、キュウリやレタスは不向きです。意外にもじゃがいもやさつまいもも不向きで、冷凍すると水分が抜けて食感が悪くなるので、おすすめできません。
野菜を冷凍する場合のコツは、水分を取ってから保存袋等に入れて保存します。水分が残っていると霜になってしまい、味も食感も落ちるので、キッチンペーパー等で水分を拭き取りましょう。例えばキャベツなどは洗ってから好きな大きさにカットし、水気を取ってから保存袋に入れて空気を抜き、冷凍します。
この保存袋に入れる際は、平らにするのがおすすめです。平らにしておくと必要な分だけ取り出しやすくなります。また、一度下茹でなど火を通してから冷凍する場合は、粗熱を取ってから冷凍してください。熱いと冷凍するのに時間がかかり、周りの食品を熱で傷める可能性もあるので、注意しましょう。
野菜が中途半端に残ってしまう場合は、刻んでミックスし、自家製ベジタブルミックスを作ると良いでしょう。キャベツやにんじん、ピーマンなど野菜炒めがすぐに作れるものや、きのこ数種も混ぜて冷凍し、きのこ汁に使うなど次回の調理が楽になるミックスを自分で作れるのでおすすめです。野菜も無駄にせず、時短にもなるのであると便利でしょう。
ここからはお弁当にもぴったりの常備野菜を使ったおすすめレシピをご紹介してまいります。どれも簡単にできて材料も凝ったものではないので、ぜひチャレンジしてみてください。
まずは油漬けのツナ缶を1缶と、にんじん1本を使ったきんぴらです。にんじんは千切りし、ツナ缶を油ごとフライパンに入れ、辛い物が好きな方は鷹の爪のお好みで入れます。火にかけ、人参も合わせて炒めたら、めんつゆ大さじ1.5(または醤油・酒・みりん各大さじ1/2の合わせ調味料でも可)で味をつけます。
めんつゆの場合は醤油を少々追加し味を整えます。合わせ調味料の場合は砂糖を少々追加すると甘みのあるおかずになります。さっと作れて人参も多く消費できるでしょう。
続いてはカニカマ入りコールスローです。キャベツは250gを千切りにし、塩もみをして水気を切ります。カニカマは10本程度を割いてほぐしておき、キャベツとカニカマ、市販のコールスロードレッシング(ない場合はマヨネーズ大さじ2と酢・砂糖各大さじ1を混ぜ合わせる)、お好みで黒コショウを適量入れて混ぜ、味がなじんだら完成です。
じゃがいもとウインナーのスパイシー炒めは、ウインナーを食べやすい大きさにカットします。じゃがいもは皮を剥いてレンジでチンして火を通し、食べやすい大きさにカットして、フライパンでウインナーと一緒に炒めます。
コンソメ、ケチャップ、カレー粉少々を入れて味付けし、おつまみにしたい場合はブラックペッパーを好みで追加するとさらにスパイシーです。
保存がきく常備野菜をご紹介をしてまいりましたが、保存方法を間違えていたという方もおられるかもしれません。野菜はとりあえず冷蔵庫に入れておけば大丈夫、という考えがあった方も、野菜にあった適温での保存がおすすめです。
物価の上昇だけでなく、異常気象や災害等でも野菜の価格が上がることはよくあります。安いタイミングで多めに購入した野菜は、冷凍保存や長持ちする保存方法で、上手に保存すれば無駄になりません。1人暮らしの方もぜひ常備野菜を保存して、自炊してみてください。