大切なペットが亡くなってしまった時、どのように対処をするのかを知っているでしょうか?庭に埋めるという選択肢も実は供養の方法として取られているのですが、注意しなければならないポイントがあります。そこで本記事では、ペットを庭に埋めるのは違法なのか、注意点等について解説していきます。
目次
ペットが亡くなった時、どのような方法で供養をするでしょうか?ペット用の葬式や火葬といったものが思い浮かびやすいかもしれませんが、庭に埋めての土葬という形で供養をすることもあるでしょう。果たしてこれは違法になるのでしょうか?
まず結論から申し上げますが、亡くなったペットを庭に埋めるのは自身が所有している庭であれば法律上の問題はありませんので、違法にはなりません。多くの場合、埋める場所としての候補としてはまず庭を連想するでしょう。
ただし、インコやハムスターといったように小動物であっても土葬してから実際に土に還り切るまでには数年から数十年もの期間を要するとされています。それよりも体格が大きい犬や猫などの場合、それ以上の年数がかかります。
注意点で詳しく解説しますが、土葬自体に問題はないとしても他の動物が掘り返してしまったりする可能性がある事から、環境保護の観点からすると自宅の庭を埋める場所として選ぶのはあまり推奨されている方法とは言えません。
庭であればどこでも埋める場所にして良い、という訳ではありません。日本の法律において、動物の亡骸をマンション等を始めとする住民が所有しない賃貸住宅で土葬するのは、一般的には禁止されています。
マンション等の土地の所有者は通常は賃貸住宅の所有者や管理会社となりますが、これら物件管理者や所有者の許可を得ない限り、土地に埋葬することは違法であり契約違反になることがあります。
また、これら賃貸物件の共用スペースにも埋葬は許可されていないことが多いです。これは、衛生上や環境への配慮からくる規制が主な理由です。したがって賃貸に住んでいる場合には、火葬を選択するのが無難となっています。
賃貸物件のケースと同じく、ペットを公園や河川などの公共施設で土葬する事も同じく法律に違反しています。これは、公共の場所に埋葬物を埋めることが環境に対するリスクを伴うため、公共の秩序や健康に対する潜在的な悪影響を防ぐための規制です。
広い公園の片隅、河川敷や海岸といったところであれば広さから端の方に埋めれば他の人の邪魔にはなりにくそうにも思えますが、これらは公共の場所でありそれを管理しているのは国や自治体となっています。
賃貸物件とは管理している側が違いますが、それらの場所ではペットの亡骸の埋葬をはじめとして、工事、占拠、営利活動といったすべての行為が禁止されているのです。
この様に、自宅の庭であれば土葬してあげる事は法律的な問題はありません。自分の家、所有している土地の範囲内で供養をしてあげる方法には、メリットとデメリットの両方の面があります。
まずメリットについてですが、ペットとの別れとなる埋葬を自分自身の手で行い、それらすべてを自宅で行えるという点です。多くの人にとって家族の一員であり、その死は非常に悲しいことです。庭に埋葬することは、ペットに対する深い愛情と感謝の表現となります。
庭に埋葬した場所は、思い出に浸るための特別な場所となります。その場所に花や記念碑を設置することで、ペットを永遠に心に留めておけます。庭に埋葬されたペットは家の一部としてとどまり、死後も彼らを家族の一員として思い出す手助けになります。
公共のペット霊園に埋葬する代わりに、庭に埋葬することで、ペットの埋葬場所を他人に見られない私的な場所にすることができます。
逆にデメリットについてですが、まず衛生面の問題があります。亡くなったペットを庭に埋めることは、多くの人にとって感情的なつながりを保つために選択される方法ですが、衛生的な問題は真っ先に考えるべき事です。
埋葬すればどんな生物でも腐敗が進んでいきますが、その過程で発生する悪臭や害虫などの環境的被害が出る可能性を想定しなければなりません。よって、問題の無い深さに埋葬をする必要があるのです。
精神的な面でもデメリットが起きる事があります。ペットを庭に埋める事で家の一部とすることができるのはメリットではあるのですが、埋葬場所を見るたびにペットを失った喪失感を感じなければならない、とも言えます。
ペットを庭に埋める事は違法ではありませんが、先にご紹介したデメリットも生じることを踏まえたうえで実践をする必要があるといえます。続いては、具体的なペットを庭に埋める際の手順についてです。
具体的な埋葬の手順については上記の通りとなります。スコップで地面を掘る際の深さについてですが、環境への影響を考慮して1メートルから2メートル、少なくとも50㎝以上は直下に掘る必要があるとされています。
自宅の庭にペットを埋める事は、違法ではなく手順さえ間違わなければ周囲への影響も押さえたままで土葬という選択肢を選ぶことができます。続いて、実際にペットを庭に埋めて埋葬する際の注意点や管理法を解説します。
まず、埋める場所をしっかりと見極めて選ぶようにしてください。ペットを埋葬する場所は同時にそこがお墓にもなるわけですから、水はけ、風通し、日光の当たり具合といったように環境条件を考慮するべきです。
日当たりも水はけも、基本的には良好な方が適しているとされておりまた土も適度に湿度を含んでいる場所が好ましいです。踏まれない場所であったり、ペット自身が生前に好きだった場所というのもよいでしょう。
亡くなったペットを庭に埋める際、環境への配慮や法律規制に従い、土に還らないものを一緒に埋めるべきではありません。ペット自体は生物ですので土には還りますが、無生物の場合にはそうではありません。
例えばよく遊んでいたオモチャであったり、首輪などの関連する品物を一緒に埋めたい気持ちは分かりますが、環境を考えると推奨はできません。よって包む際に使う布も、自然素材100%のものを用意するべきなのです。
そして、既に触れている事ですがペットが土に還り切るまでには相当の年月を要します。例えばハムスターなどをはじめとするケージで飼うような小型の動物であったとしても、土葬した場合には土に還るまで数年以上かかるとされています。
基本的には体格が大きければ大きくなるほど微生物や土壌中の酵素によって分解される時間が長くなり、犬や猫などはさらに時間を要します。よって長い年月供養し続けられるかどうかを、土葬をする前に考えておきましょう。
自宅に庭がある場合には、注意点こそいくつかあれど土葬という選択肢を取ることができました。最後に、庭に埋めて土葬をする以外のペットの供養方法をご紹介します。
まず、火葬をしてから庭に埋めるという方法があります。葬儀業者がペットの火葬を受け持ってくれるケースがあり、墓・仏壇・アクセサリーなどの手元供養をされることが多いです。土葬でなければいけない理由が無ければ、別の方法も取れます。
プランター葬という方法もあります。マンションなどの賃貸で庭がない場合、ベランダなどにおいておけるプランターとして供養をするのです。スペースや方法が限られる賃貸であっても、ペットの埋葬が可能になります。
自宅の近くなど通える程度の距離にペット霊園または納骨堂がある場合には、そちらを利用することも出来ます。管理費などの費用が発生しますが、火葬から納骨まで一連の葬儀を執り行ってくれるところもあります。
火葬しても残る骨を、更にパウダー状にして散骨をする供養の仕方もあります。生前にペットが好きだった場所や思い出の場所へと撒くわけですが、この場合には法律で禁止されている場所や他者の所有地でないかを確認しましょう。
ペットを自宅の庭に埋葬することは、法律違反にはなりません。ただし環境などへの配慮は必要で、トラブルにならないよう適切な土葬を実施する必要があります。他の供養の仕方も考慮しながら是非適切に土に還してあげてください。