農機具として用いられているトラクターですが、買い替えや機体の不調などから不要になり処分をしたい時もあるでしょう。使用しないまま持っておくというのも非常に勿体のない話になりますから、本記事では正しい処分方法や売却する際の目安相場などを解説していきます。
目次
まず、トラクターは粗大ゴミ扱いで処分をするという選択肢を取ることはできません。各自治体にて大型の家具や家電までであれば粗大ごみとして扱い処分ができますが、農機具については適正処理困難物に該当しているため、粗大ゴミ扱いができないのです。
したがって、処理および再利用するためには粗大ごみとしての処分はできません。農業関連の規制やリサイクルプログラムに従って、適切な方法で処分・再利用するべきです。
トラクターは粗大ゴミ扱いをする事はできませんが、農業に欠かすことができない農機具でもあるために適切な手放し方をしたいところです。正しい処分の方法については、複数挙げられます。
まずは、買取業者に買取を依頼するというものです。自分が不要なトラクターをお金に換えることができますし、買取業者にトラクターを売る場合トラクターを買い手に手渡す前に修理やメンテナンスを行う必要がありません。
近年では電話・LINE・ホームページからといったように、どこからでも簡単に依頼を出せて、スタッフが査定や引き取りのために出張に来てくれる業者もありますから、手放すのも簡単でかつ手間もかからずお金に換えらえます。
続いては、廃棄処分をする方法になります。一般的な方法は、自動車廃棄物処分場にトラクターを持ち込むものです。廃棄物処分場は廃車や古い車両の廃棄処分を専門に行う場所で、トラクターもこれに含まれておりそこで適切な手続きを経て処分できます。
地元の自治体や廃棄物管理部門に連絡し、トラクターの廃棄処分に関するガイドラインや要件を確認する必要があります。地域によって廃棄物処分に関する法律や規制が異なるため、これらの情報を知ることが重要です。
もし故障した状態であっても、スクラップの買取業者ならば買取手になってくれます。鉄スクラップ1kgあたり40~50円ほどと高値で売れる確約はできませんが、壊れていても確実に処分はしてくれます。
車と同じように、新しくトラクターを購入して使う予定でいるのならば、古いトラクターを下取りに出すという方法を取ることも出来ます。農機具販売店や農協などでは、下取を利用することができるのです。
下取を利用すれば、中古の農機具の処分と新しい器具の購入をいっぺんに行うことができますので、スムーズに事を運べます。また購入から引き取り、納品までの手続きも大幅に短縮することができます。
ただこうしたトラクターを下取りに出す販売店等では、地元の農家に向けた販売が中心となっています。よって、あまり高価な価格で下取をしてもらえる事はおそらくないと思われます。
自分が購入した農機具店に、回収を依頼するという方法もあります。店舗によっては、使用する事が無くなったトラクターも回収をしてもらえる事があるので、処分に困った場合には手段の1つとして確認してみるのをおすすめします。
しかし、あくまでも店舗によってはという事ですから、購入した店舗でも回収サービスは実施していないというケースも十分あり得ます。過去購入した事の無い店舗でも良いので、回収サービスを請け負ってくれるかチェックしてみましょう。
農機具店ではなく、農協に処分依頼を出すことも出来ます。地域の農業協同組合は農業コミュニティをサポートする一環として、農家が必要なときにトラクターを手軽に利用できるよう引き取りを実施してくれることもあります。
各地域の農協によって対応は様々であり、絶対に回収及び処分をしてくれるという確約はありません。それでも、買取、下取り、引取などを実施していることもあるので、あくまでも相談という形にはなりますが頼ってみても良いでしょう。
農業をしている以上農協との関係は切っても切り離せるものではありませんから、相談なども気軽に行う事ができるでしょう。ただ買取などをしてくれる場合でも、スクラップ業者など同じく金額に期待はできません。
農協や器具店を頼ることが何らかの理由によって難しい、もしくは高めに売りたいと思っているのであれば、自分でトラクターを売却するという手段を取るのも1つの手です。業者に頼らず、個人で売買を行うのです。
昨今ではヤフオク・メルカリなどのネットオークションやフリマ、販売サイトも展開されており、そちらを覗いてみれば想像している以上に個人でトラクター等特殊な器機を売っている人は多く居る事が分かるでしょう。
自分で売値を決められるので最大限高く売れる可能性はありますが、しかし絶対に売れるとは限りません。手間やトラブルが発生することも想定されますので、手間をかけてでも少しでも高く売りたい場合に適しています。
身近に農家をしている知人がいるのであれば、そちらに譲るという手段を取ることができます。近所で農家をしている人へ譲ったという人も、多くは無いでしょうが少なからずいるでしょう。
どのような方法で売るのか、そもそも売買をするのかといった点を当事者間で自由に決めることができますし、知人同士ならそのあたりも円滑でしょう。ただ正規の取引ではないので、故障等が発生した場合にはトラブルにつながってしまう恐れもあります。
買取業者などではなく、不用品の回収業者を利用することも出来るでしょう。引っ越しなどをする際、大型の家具や自動車など扱いにくいものも回収してくれるところもありますから、そちらに回収を代行してもらうことも出来ます。
回収に際しては費用が発生し、出張費用や処分対象の正規の処分費用なども発生しますから、決して安くはありません。手軽に依頼こそできますが、発生する費用は相応にかかってしまう事を考慮したうえで利用しましょう。
不要になったトラクターも、様々な方法で手放すことができるのがお分かりいただけたことでしょう。続いては、買取を利用する場合の相場と処分時に発生する税金についてです。
買取の相場に関してですが、一般的な自動車などと同じくメーカーや車種、年式に左右されるところが大きくなっています。基本的に性能面で、馬力があるほど高値が付きやすいとされていますが、30万円から100万円以上といったケースもあります。
昨今では技術向上故か車体がコンパクトでも馬力がしっかり発揮できるトラクターもあり、思っている以上に高値が付くケースはありますが、総合的なトラクターの状態も査定額を左右する重要なファクターとなっています。
実際にトラクターを売却する際には、基本的に税金および確定申告にまつわる部分については不要となっています。必要が出てくるのは、売却時の金額が購入時の金額を上回った場合となりますが、着奔走したケースはほとんどないといえます。
トラクターはあまり多く扱う事の無い農機具になりますから、どんな処分の仕方を取るにしても分からない事の方が多いかと思われます。最後に、処分時に注意するべき事についてもまとめました。
まず、回収や買取は廃棄物収集運搬処理許可を得ている業者を選択するようにしましょう。スクラップ処分などの特別な処理を行うためにこうした認可を得る必要がありますので、業者を利用する前には必ずチェックするようにしてください。
買取、回収どちらであっても、業者は複数を対象にして見積もりを依頼しましょう。買取ならば買取額が、回収や処分であれば費用がどの程度になるのかを、2社以上の見積もりを見る事で初めて比較ができるようになるためです。
新車の状態のトラクターであれば、パーツやアタッチメントに関しても色々と付属していたはずです。こうした付属品も買取に出す際には無いよりはあった方が必ずプラスになりますので、揃えて売るようにしてください。
例え動かない状態になってしまったトラクターでも、廃車手続きを行わないままでは軽自動車税の課税対象になってしまいます。不要になった場合には、放置することなく次の3月までに必ず廃車手続きを取りましょう。
トラクターを処分する際は、リサイクル、中古市場への販売、寄付など適切な方法を選ぶのが非常に大切となっています。方法自体はいくつかありますので、是非とも税金などの点も踏まえて選択してみてください。