住まいの安全を考える上で最も重要なことのひとつが、玄関ドアのセキュリティです。ご自宅の防犯性を高めるために、玄関の鍵を付けたいとお考えの方もおられることでしょう。業者に依頼することもできますが、種類によっては自分で設置することもできます。今回は、そんな玄関ドアに鍵をつける方法と、取り付けにかかる費用をご紹介します。
玄関は家の唯一の入り口ですが、同時に犯罪者の侵入経路にもなり得ます。そこで、玄関の防犯性を高めるために、既存の鍵に加えてもう1本鍵を取り付ける方法があります。
これを「ワンドア・ツーロック」といいます。ワンドア・ツーロックとは、1つのドアに2つの鍵を取り付けることです。
通常、家の玄関ドアには鍵が1つしかありませんが、後から補助錠を追加してダブルロックにすることができます。こうすることで、空き巣などの犯罪から家を守ることができます。
空き巣はピッキングという手口で鍵のかかったドアを開けます。ピッキングとは、錠前の穴に細い工具を差し込み、中のピンやタンブラーを動かして解錠する方法です。
しかし、ピッキングには時間がかかります。鍵1本なら5分程度ですが、2本なら10分以上かかります。その間、人目につく可能性も高くなり、犯人自身も危険を感じて諦めてしまうかもしれません。
また、事前に下見をした犯人は、ワンドア・ツーロックと分かれば、最初からその物件には近づかないことが多いようです。
実際、警察庁も防犯対策としてワンドア・ツーロックを推奨しています。今住んでいる家の玄関の鍵が1つしかない場合は、ぜひ鍵を付けてみてください。
では、どうすれば鍵の数を増やすことができるのでしょうか。ここでは、主な三つの方法とDIY初心者におすすめの方法を解説します。
簡単に鍵を追加する方法は、補助錠を取り付けることです。補助錠とは、もともとドアについている鍵の補助として後から取り付ける鍵のことです。
賃貸物件でも工事不要で取り付けられるシンプルなタイプが多くあります。補助錠には、外側から開けられるタイプと内側から開けられるタイプがあります。
外から開けられるタイプは防犯性が高いですが、在宅中にドアを閉めると出られなくなる危険性があります。
内側から開けられるタイプは外観を損なわず、ピッキングされる心配も少ないですが、外出時には効果がありません。補助錠は比較的安価で設置しやすいのがメリットですが、壊されやすいのがデメリットです。
次に、鍵穴を増やす方法もあります。鍵穴を増やすとは、ドアと一体化した鍵穴を2つにすることです。補助錠よりも高い防犯性が期待できます。
鍵穴を増やすには、ドアに穴を開け、シリンダーと呼ばれる部品を取り付ける必要があります。シリンダーの大きさや形状に合わせて、正確に穴を開けることが大切です。
また、ドアの厚みや材質によっては穴を開けられない場合もあります。とはいえ、鍵穴を増やせるのは基本的に持ち家に住んでいる人だけになります。
賃貸物件の場合は、管理会社や大家さんに相談する必要があります。また、作業に不慣れな方は専門業者に依頼することをお勧めします。
3つ目の方法は、鍵全体を交換する方法です。ツーロックシステムは、1本の鍵でドアの開閉ができるため、鍵の紛失や管理がしやすくなります。
錠前を交換するには、現在の穴を大きくする(ふさぐ)必要があります。そのため、自分で工事をする難易度は高くなります。また、鍵自体も高価なものが多いです。
とはいえ、基本的に鍵の交換ができるのは持ち家のみです。賃貸物件の場合は、管理会社や大家さんに相談する必要があります。また、作業に慣れていない場合は、専門の業者に依頼することをお勧めします。
玄関ドアに鍵をつけるには、自分でつける方法と業者に頼む方法があります。玄関ドアに鍵を付けるには、まず穴を開けなければなりません。しかし、これは素人には難しい作業です。ドアを壊してしまう危険性もあります。
そのため、DIYで玄関に鍵をつける場合は、必然的に補助錠を使うことになります。さらに、穴を開けずに玄関ドアに取り付けられる補助錠は、賃貸でも自由に使えます。
補助錠は穴を開けずに取り付けられるタイプなので、DIYに自信がなくても失敗が少なく、価格も800円~5,000円程度と安価なので手を出しやすいです。
とはいえ、簡単に取り付けられるレベルのセキュリティで、ないよりは時間を稼げる、と考えたほうがいいでしょう。セキュリティーを強化したい場合は、プロに依頼し、費用と相談するのがよいでしょう。
ここからは、おすすめの補助鍵を紹介していきます。数多い商品の中からどれを選べば良いかわからないとお困りの方はぜひ参考にしてください。
ドアに傷をつけずに後付けできるディンプル錠です。キーは安全性の高いディンプルキータイプで、5本付属しています。外付け一枚扉専用で、扉厚35~42mm、3mm以上、扉枠5~65mm、10~15mmに対応している商品です。
工具や穴あけ不要で簡単に取り付けられるので、賃貸住宅にもおすすめです。また、ピッキングや不正解錠に強いディンプルキーで安心できます。
在宅・外出を問わずつけっぱなしにできる補助錠です。在宅中か外出中(不在)かを第三者に見破られにくいため、防犯効果が高まります。帰宅時に鍵を外さずに使えて便利です。
ピッキング防止ピンを採用し、鍵の種類は200万通りあります。サムターン回しやピッキング、カム送りによる不正解錠対策にもなります。また、非常時に室内から錠前を取り外すことができる非常脱出機構も備えています。
玄関引戸用の1ドア2ロック補助錠で、ドライバー1本で取り付け可能です。ほとんどの引戸に取り付けができるタイプで、高い防犯効果を発揮します。
施錠はロックを少し押し込むだけ、解錠はキーを回して離すだけの簡単操作で、緊急脱出機構も装備されています。
引き抜きピンを上に引き上げるとロックプレートがベースから分離し、本体が施錠されていても外部への脱出が可能です。
玄関ドアに鍵をつける場合、鍵の取り付け方を間違えると、修理が必要になったり防犯機能が低下したりすることがあります。ここでは具体的な注意点をひとつずつ見ていきましょう。
玄関に鍵をつける場合は、取り付け可能なタイプかどうかを真っ先に確認しましょう。玄関の形状によっては、取り付けられない鍵もあります。
特に、補助錠の中には、屋根付きドアや親子ドアに対応していないものもあるので注意が必要です。鍵が合わないと部品代が無駄になってしまうので、玄関ドアに対応した鍵を事前に把握しておきましょう。
ただし、防犯性が高く、機能が豊富なタイプはどれも高価になりがちなので、予算とのバランスを考えることが大切です。
住宅用引き戸をワンドアツーロックにしたい場合は、デザイン的に防犯性の高いディンプルキーを取り付けると良いでしょう。ディンプルキーは通常の鍵よりもデザインが複雑で、ピッキングが難しいのが特徴です。
引き戸に鍵をつける場合は、片方を引き戸用、もう片方を片開き戸用と間違えないように注意しましょう。
ドアに鍵を取り付ける際は、ドアや壁を傷つけないように注意してください。賃貸の場合は、ドアの修理にお金がかかることもあるので、慎重に作業しましょう。
シリンダー式やドアノブ式の鍵は、ドアに大きな穴をあける必要があるため、穴の大きさが正確でないとドアに余計な傷がついてしまいます。
賃貸住宅に住んでいる場合は、玄関の鍵を増やす前に必ず管理人やオーナーに確認しましょう。勝手に鍵を変えたり増やしたりすると、契約違反やトラブルの原因になることもあるので注意が必要です。
賃貸住宅では、ドアに穴を開けるような鍵の取り付けはできない場合が多いです。そのため、少しでも防犯性を高めたい方には、簡単に取り付けられる補助錠がおすすめです。
玄関に鍵をつけるとき、自分でやるか業者に頼むか迷うかもしれません。自分でやると安上がりですが、失敗する可能性があります。
業者に依頼すれば、費用は高くなりますが、確実に仕上げてくれます。ここでは業者に依頼するメリットと費用について説明します。
簡単な補助錠でも、DIYに慣れていない方はプロに任せた方が安心です。プロなら素早く丁寧に作業してくれます。失敗のリスクも少ないです。シリンダーの増設や鍵の交換は、プロに任せることをおすすめします。
ドアに穴を開けるのは難しく危険です。また、錠前自体の費用も高額になりますので、無駄な出費を避けるためにも、プロに依頼しましょう。仕上がりも美しくなります。
シリンダータイプで5,000円~25,000円程度になります。ディンプルキーなど防犯性の高い鍵は15,000円~30,000円程度です。
業者に依頼する場合は、出張費や人件費も加算されます。これらの費用は業者によって異なります。費用を安くするコツは、事前に見積もりを取って比較することです。
見積もりは無料で行っている業者も多いです。急ぎでなければ、複数の業者の料金を比較してみましょう。
玄関ドアの鍵を増やすことは、空き巣対策として有効です。特にツーロックにすると解錠に時間がかかるので、犯罪者には嫌われる対策です。
賃貸住宅の場合、ドアに穴を開けることができないケースも少なくありません。そのような場合は補助錠を使用することで、ドアや壁を傷つけることなく防犯性を高めることができます。
作業に自信がない場合や他の方法を選択する場合は、プロに依頼することもできます。プロなら素早く丁寧に作業してくれます。安全な暮らしのために、玄関ドアの防犯性をチェックしてみましょう。