「親子で一緒に楽しめ、子どもが喜ぶ趣味はないかな?」とお悩みのお父さん・お母さんにおすすめなのが「親子DIY」です。
DIYは以前から人気がありましたが、「2020年以降、コロナ禍がきっかけで始めたこと」アンケートでDIYは5位にランクインしました。作品を写真に撮りSNSにアップする投稿数も、格段に増加したそうです。
親子が一緒に楽しめる趣味としては、アウトドア遊び・キャンプ・スポーツなども人気がありますが、DIYは天候に左右されることなく交通費をかけて遠出する必要もなく、家でできるのが魅力!
また、何を作ろうか話し合う・構想を練る・材料を揃える・図面などを描く・作品を作る・完成した作品の写真を撮影しSNSに投稿する……という過程を親子で一緒に楽しめます。
昔は「日曜大工」などといわれ、DIYは「父親の趣味」というイメージがありましたが、今や女性用のオシャレで可愛い工具も増え、すっかり女性の趣味としても定着。そのため、DIYは家族の中で「誰かがのけもの」になることなく、お父さん・お母さん・お子さんが全員で楽しめる趣味なのです。
さらに、DIYは途中で「寸法が違う!」などアクシデントもつきもの。皆で知恵を絞って解決の道を探らなければならないこともあるでしょう。
そんなさまざまな過程を大人と一緒に体験することで、お子さんの創造力だけではなく問題解決能力も育まれていくのです。
DIYは手軽にスタートできるとはいえ、基本的な知識・必要な道具・注意事項などを知っておく必要があります。そこで、ここではDIYについてのさまざまな情報・楽しみ方のコツなどを紹介しましょう。
「これから親子でDIYやってみようかな」という人は、ぜひ参考にしてくださいね。
DIYは、英語の「Do It Yourself(ドゥ イット ユアセルフ)」の略です。
直訳すると「自分自身でやる」ことで、「その道のプロ」ではない一般の人が自分自身で家具・小物・小物雑貨などを作ること。
「日曜大工」と似ていますが、日曜大工は棚やテーブルなど大物の木工製品や家の修理修繕などを指すことが多いようです。ハンドメイドとも似ていますが、基本的にハンドメイドは「プロでも素人でも手作業で作ったもの」で、DIYは「プロ以外の素人が、自分で作ったり修復したりすること」と定義されています。
親子DIYは、お父さん、お母さん、お子様が一緒に楽しめる趣味として手軽に始められるだけではありません。
子どもの創造力・問題解決能力・責任感・達成感ほかいろいろな能力を育めるというメリットがあります。
何もないところからさまざまな材料と道具を用いて、「何か」を作り上げて行く過程も楽しめるDIY。
子どもの創造力が刺激され、自分のアイデアが着々と形になっていく様子も体験できるのですが、時としてトラブルも発生します。
そのトラブルを解決するために、いろいろ知恵を巡らせ、試行錯誤を繰り返し解決策を見付けることで、子どもの問題解決能力も向上していくでしょう。
親子DIYで何かを作るとき、親は「◯◯ちゃんはこれをやってね」と、子どもの年齢に合った作業を頼みます。
それによって、子どもも小さいながらも「自分でこれをやらなければ!」と責任感を覚えるものです。さらに、頼まれたことをやりとげたことによって「自分でもできた!」という達成感も味わえます。
冒頭で紹介したように、DIYは、何を作ろうか話し合う・構想を練る・材料を揃える・図面などを書く・作品を作る……という、いろいろな過程を親子で一緒に楽しめます。
子どもはもちろんのこと、親にとってもいい思い出作りになるでしょう。
その過程を写真や動画で撮影したり、完成品をSNSにアップしたりなど、記録を残していくという楽しみ方もできます。
DIYはさまざまな工具を使用するため、十分に安全対策に気を配らなければなりません。また、作るものもお子さんの年齢に相応しい作品にする必要があります。
まずは、知っておきたい安全対策・注意点・準備したいことなどを紹介しましょう。
作りたいものや材料によって、DIYで使用する手動・電動工具は異なります。さまざまな種類があるので、作業内容に相応しいものを選ばなければなりません。
子どもの年齢にもよりますが、基本的に工具は危険なもの。特に、電動ノコギリで板をカットするなどの作業の場合、子どもは遠ざけ「見学」だけにしたほうがいいでしょう。
また、刺激の強い塗料や接着剤などを使用するときも、直接触ったり肌に付けたりしないように注意が必要。
ただし、「危険だから何もさせない」では親子DIYの意味がありません。子どももつまらなくなってしまうでしょう。
小さい子どもの場合は、はさみ・ノリ・テープなど一般的な工作道具で作れるものにする、工具を使用する作業は大人がやり、子どもにはその間に配色や柄を考えてもらうなど、危険ではない「仕事」を頼んでください。
親子DIYを始めるとき、何を作るかが決まったら、以下を決めましょう。
漏れがないように、きちんとリストアップして、紙に書き出します。準備工程は、お子さんと一緒に考えるのもいいでしょう。
親子DIYで大切なのは、子どもの年齢や能力に合ったものを作ることです。使用する工具や材料なども考えつつ、どんな作品なら危険性なく楽しく作れるのかも考えてください。
高度過ぎて、子どもが参加できず「見学するだけ」ではつまらなくなってしまうでしょうし、簡単過ぎると飽きてしまうことも。
できるだけ、お子さんが腕をふるえるようなものにしましょう。
何を作ろうかとネットで検索していろいろな作品を見ていると、夢が膨らんで自分の実力以上のものを作ろうとしてしまいます。
しかし、目標が高過ぎると挫折しがち。途中で計画倒れに終わっては子どもにも悪影響です。
まずは、実行可能な簡単なものから始めましょう。初心者向けの写真立て・鉛筆立てや、壁紙のペイントなど失敗しない作品を紹介しましょう。
工具なしで作れる簡単な写真立ての作り方を紹介しましょう。
100円均一ショップでは、シンプルな木枠の写真立てがいろいろ販売しています。それを利用してデコってみましょう。工具を使わないので小さな子どもでも楽しめます。
購入した写真立てに上記のような工夫をしてみるだけで、世界に一つの素敵な写真立てが出来上がります。出来上がったら、家族の思い出の写真をぜひ飾ってみてください。
段ボールなどを活用し、一から写真立てを作るのもおすすめです。
段ボールなどの厚紙を長方形にカットしたものを2枚作り、1枚は中心に写真がのぞく窓を開け裏から透明のフィルムシートを貼り、もう1枚の裏には立てるための「足」を作ります。
写真を挟んでフレームの紙と土台の紙を貼り、仕上げにフレーム部分に絵を描いたり色を塗ったりパーツを貼ったりしたら完成です。
色画用紙や柄が可愛い包装紙の上にCDを置いて丸い型を取り、はさみで切り真ん中の穴も切り抜きます。
CDケースの中心(CDがセットされていた場所)に、その紙を載せ、さらに写真を載せて蓋を閉めれば、オリジナル写真立てのできあがり!
ケースの裏に足を付けてスタンド式にしても、ケースにリボンなどを付けてぶら下げ式にしても可愛いですね。
牛乳パックや空き缶・空き瓶を利用して鉛筆立てを作るのもおすすめです。
お家で牛乳を飲み終わった後の牛乳パックは鉛筆立ての土台としておすすめです。
使い終わった牛乳パックは内側をよく洗って乾かしてから、ペンが立てられる高さでカットします。
1個だけでもいいのですが、高さを変えて切ったものを2個3個と横に連結させるのもおすすめ。端切れや色画用紙など、好きなものを貼って仕上げます。いろいろなパーツを貼ってもいいでしょう。
牛乳パックを活用することで、子どもたちにリサイクルの重要さを教えることにもつながります。
飲料が入ったアルミの空き缶のプルトップ側を紙やすりに当てて、擦り続けると、パコっときれいに外れるので、そのまま鉛筆立てになります。
ただし、切り口にバリが出て危険なので、紙やすりでよくこすってバリを取るか、かわいい柄のマスキングテープでカバーするといいでしょう。空き缶のボディには色を塗ったり、好きな生地や紙を貼ったりして仕上げてください。
空き缶もリサイクル素材なので、ただ捨てるだけではなく、ちょっとしたアイデアでいろいろな使い方ができることも学べます。
壁紙を好きな色にペイントして楽しむのもDIYとしておすすめです。リフォームの一環に、親子で思い出の壁紙を作ってみてはいかがでしょうか。
プッシュしながら色を塗れるマーカータイプのペンキがあります。壁紙の上から塗れるので、壁紙の一部を使って、子どもに好きな色を塗ったり絵を描いたりさせるのも楽しいでしょう。
簡単なDIYに挑戦して慣れてきたら、ちょっと難しい作品にも挑戦してみましょう。
木工の「棚」はすべての「収納家具作りの基本」ともいわれています。最初は、長方形の板を組み合わせるだけのシンプルな棚がおすすめ。
まず完成する棚の大きさを決め、図面を書きます。子どもが小さい場合は、電動のノコギリを使用するのは危険なので、ホームセンターで希望のサイズにカットしてもらいましょう。
次にカットしてもらった木材にやすりをかけ、ダボ(木材同士を繋ぎ合わせるパーツ)穴をあけ、板に塗装をして、板同士をダボを打って繋いで組み立て、補強金具で固定したら完成です。
棚の大きさや形によって、作り方も必要な道具も違ってきます。ネットには「DIYで作れる簡単な棚の作り方」を詳しく説明したサイトがたくさんあるので、自分がイメージする棚を探してみましょう。
手芸で人気があるのは、子どもが大好きな「熊」のぬいぐるみ。立体的な熊に仕上げるためには型紙が必要です。
いちからオリジナルで型紙を作るのは至難の技なので、型紙・作り方・生地やパーツなどがセットになっている「熊のぬいぐるみキット」を利用するのがおすすめ!
大人が勝手に先に購入するのではなく、「どの子にしようか」と子どもとネットを見ながら探してみましょう。
ミニサイズで、シンプルな構造のテーブルは、しっかり作れば椅子にもなり、観葉植物や目覚まし時計などを置く台にもなって便利です。
カットした木材・ダボ・ネジなどが揃っている市販のキットなら、電動ドライバーやボンドなどを用意すれば気軽に作れます。
板に色塗したりステンシルセットで文字などの柄付けをしたりするのもいいでしょう。
親子DIYは、作品が残るだけではなく、「何を作ろうか?」と一緒に考えたりネットを見てお手本になる作品を探す時間も、材料を準備する時間も、作る過程も全て楽しめるのも魅力です。
楽しい時間と思い出を残すためには、以下のことをぜひ心がけてみてください。
お父さん、お母さんが仕切って、どんどん話を進めるのではなく、子どもの意見や考えをたくさん聞きましょう。
作りたいものを決める段階から、子どもとたくさん話したり作りたいものの絵を書いてもらったり、いろいろとコミュニケーションをとりながら進めることで、子どもも「参加している」という実感を味わうことができます。
DIYで工具を使うときは、安全性に配慮することが重要ですが、危ないからと子どもを完全に遠ざけてしまっては、親子DIYをやる意味はありません。危険のない作業には積極的に参加してもらいましょう。
「失敗するのでは?」と心配するあまりに、子どもの作業を取り上げたり手を出したりするのはNGです。失敗を恐れずに「今、DIYをやっている」ということ自体を楽しんでください。
親子DIYは、お互いに意思疎通をはかりながら親子で一緒に作業をすることが大切。
そして、子どもの創造力や問題解決力などを育むためには、子ども本人が「楽しい」と感じられているかに配慮することが大切です。
安全性に気を配りながらも、積極的に子どもがモノ作りを楽しめるように、大人の都合で作業を取り上げたり、否定したり、口を挟みすぎたりしないように気を付けましょう。
親子DIYは、季節や天候に関係なくいつでも家の中で楽しめます。
最初は失敗することも多いかもしれませんが、完成品の出来栄えよりも、プランから完成までを一緒に過ごす「親子時間」を楽しめるかどうか?が重要です。
最初から難しいものに挑戦して失敗すると、子どもも挫折感を味わってしまうので、初めての人はまずは「失敗なし」の簡単なものから始めましょう。
子どもが達成感を味わい「また、やりたい!」という気持ちにさせるということを大切にしてください。