ファクタリング審査【元銀行員】が徹底解説 !そのポイントとは ?

ファクタリング審査【元銀行員】が徹底解説 !そのポイントとは ?

今回はファクタリング審査に関して元銀行員である筆者が徹底解説します。

ファクタリングでは業者が売掛金を買取りする前に審査があります。一体審査ってどんなことをするのでしょうか?ファクタリングは売掛金を売買する取引です。物を売買するというと車や不動産の売買が思い浮かびますが、この場合、業者はまず買取り金額の査定をします。

でもファクタリングでは同じ売買にも関わらず、買取り金額を決めるのに査定と呼ばず審査と呼びます。面白いですね、でも審査と呼ぶとなんか難しそうなイメージ。

また審査といえば銀行融資が思い浮かびます。銀行融資の審査といえば色々な書類を用意しなければならず、また結果を得るのに時間も掛かります。ファクタリングの審査は銀行融資と同じ審査なのでしょうか ?

審査の必要性とは ?

ファクタリングで業者が審査を行うのは、買取り対象となる売掛金が無事に回収できるか、その可能性を確認するためです。そのためには取引形態にもよりますが、売掛金自体、また売掛先やファクタリング利用先の信用度も含めて審査する必要があります。そしてその信用度(買取りリスク)に応じて買取り手数料や掛け目を設定します。

審査ポイント・売掛金

ファクタリング審査の一番のポイントは「買取りした売掛金が回収予定日に無事に回収できるか」に尽きます。そのためのチェックポイントがあります。

売掛金は無事に回収できるか ?

ファクタリング会社が売掛金の買取りにおいて確認する項目は以下の各点です。

その売掛金は定期的に取引で発生しているか、突発的なものや季節性が強いものでないか

売掛金の継続性や安定度は顧客から出してもらった通帳等の取引履歴から確認します。

売掛金発生の原因である仕事はきちんと完了しているか

仕事の背景のない売掛金は買取り依頼してきた顧客がサギを企てている可能性があります。

請求書はきちんと発行されているか

売掛金が取引で発生したら、回収期日までに請求書が発行されるのが普通です。また買取り業者も審査において請求書で売掛金の存在を確認します。それがない場合、まだ債権が確定していない可能性があります。

売掛金の支払いサイトは適切か

通常は1~2ケ月以内が適切で、長くなるほど買取りが難しくなります。

すでに回収期日が過ぎている売掛金でないか

不良債権の可能性あり、その場合は買取り不可。

譲渡禁止特約付きの売掛金でないか

売掛先が取引に当たり、最初から売掛金に「譲渡禁止特約」を付けている場合があり、この場合は買取り不可です。(ただし売掛先の承諾あれば可)

税金の滞納から差し押さえリスクがある売掛金でないか

利用者が税金を滞納していた場合、国税庁や税務署から売掛金を差し押さえしてくるリスクがあります。業者は顧客から納税証明を出してもらってチェックします。

1社から複数の売掛金の買取り依頼があった場合の優先順位

金額の大きさ、支払いサイトの長さ、売掛先の信用度等により買取り順位を決めます。時には買取りしない売掛金もあります。

関連:【知らないと返済義務発生】ノンリコースファクタリングとは?特徴と注意点をわかりやすく解説

買取りに向かない売掛金とは ?

同じ売掛金でも買取りに向かない売掛金もあります。

例えば、

・売掛先が個人事業主の場合

・売掛金の相手が個人で、具体的には内容がアパート家賃や土地建物等の不動産だった場合

などです。

売掛先が個人事業主だと売掛金の安定性・継続性に欠けます。また個人相手の売掛金では、仮に回収トラブルが発生した場合、法律が個人消費者に手厚いため、法人相手の売掛金を回収するより手間も時間も掛かります。そのため業者も最初から買取り対象から外します。

売掛金の確認種類

買取りに当たり、実際に売掛金が存在するのか、どんな取引から発生したのかなど、業者としても審査書類をしっかりチェックしなければなりません。以下がその代表的な確認書類です。

・売掛先との基本契約書…両社の社印が押印されているものが必要

・請求書(利用先)および発注書(売掛先)写し

・売掛金に関する過去の取引(入金)履歴…普通預金通帳や当座取引明細書のコピー

売掛先の信用度

売掛金の内容チェックとともに大事な審査項目が売掛先の信用度です。いくら売掛金が信用できても、資金回収日に売掛先が倒産などしていたら取れるものも取れなくなります。

ただ銀行融資の審査と異なり、ファクタリング会社が売掛先に直接審査書類を求めることはできません。そのためあくまで信用調査として間接的な審査スタイルを取ることになります。審査のやり方としては以下の方法を駆使して売掛先の信用度を探ります。

企業の格付け調査

あまり小さい会社の場合は期待できませんが、帝国データバンクや東京商工リサーチなど、大手の信用調査会社に依頼すると有料ですが会社データが手に入ります。筆者も元銀行員なので当然融資審査にこれらのデータを活用したことがありますが、かなり内容が精緻です。また調査会社独自に格付けもしているのでそれも参考になります。

履歴事項全部証明書(旧登記簿謄本)

売掛先の住所がある法務局に行けばその企業の履歴事項全部証明書が手に入ります。履歴事項全部証明書にはその会社の法人名、所在地、代表者名、法人の目的など基本的な情報がすべて盛り込まれており情報の宝庫です。この書類も有料ですが、公に誰でも手にすることができるので審査の面でも役立ちます。

ネット情報や会社四季報

ネットでその会社名を検索すると、許認可の確認や過去に犯罪に加担したことがないかなど、色々調べることができます。また売掛先が上場企業の場合、会社四季報などで株価や業績の推移も把握できます。

経営者情報

前述の信用調査会社のデータにも、法人情報とともに経営者の個人データが盛り込まれており審査に活かせます。また経営者が業界で有名人の場合、業界新聞やネット情報も参考になります。

いずれにしてもファクタリング会社独自に色々な情報ネットワークを作っているので、これらの方法を駆使して売掛先の信用調査を行っています。

審査ポイント・ファクタリング利用先の信用度

ファクタリングは業者にとってあくまで売掛金の買取りなので、審査で最も大事な点は売掛先の安定度と売掛金の信用度の確認です。

しかし2社間取引の場合は売掛先に譲渡通知が行えないため、業者にとって売掛金の回収は必ず利用先を通じた間接回収になります。

でもこの場合、もし回収代行をする利用先が入ってきた資金を業者にすぐに振り込まず、他の目的に使うとか、資金を費消後そのまま倒産でもしてしまったら回収不能になってしまいます。

それだけに取引形態によっては、リスク回避のため、利用先の信用度も審査しておく必要があります。一方で3社間取引の場合、審査の対象はあくまで売掛先であり利用先の信用度はそれほど重視されません。

また業者にとって利用先はあくまで直接的な取引先なので審査資料を集めることは難しくないです。

利用先に直接依頼して審査書類を出してもらいます。

以下が審査に必要な一般的書類です。

(法人)

・確定申告書3期分

・直近の資金繰り表

・会社概要書

・履歴事項全部証明書

 

(会社代表者)

・本人を確認できる書類(運転免許証など)

2社間取引では利用先に売掛金の回収を代行してもらうので、業者もその利用先が「きちんと最後まで約束を守って資金を振込してくれるか」どうか重視しています。そのため会社代表者と直接面談してその人柄を探ります。

もしファクタリング会社の審査担当者に対し、経営者の態度が横柄、虚言癖がある、会社の内容を質問しても明確に答えられない、などの行動が見られれば、審査落ちする可能性があるので注意が必要です。

また面談時刻にやってこない、書類を頼んでも約束した時間に届かない、書類は不備だらけである、なども審査のマイナス点です。

経営者はこんなことのないよう、くれぐれも注意しましょう。

融資審査との違い

銀行融資との違いは明確です。

銀行融資では貸出をするその企業の審査をしますが、ファクタリング審査では売掛先と売掛金がメインの審査対象です。

審査対象が違うので審査のポイントもかなり違います。

銀行融資では融資を受ける会社の財務内容が慢性赤字とか債務超過だとまず審査に通りません。しかしファクタリングの場合、あくまで審査は売掛先に対して行われるので、利用先の会社内容は二の次です。そのため利用先が赤字・債務超過でも、ファクタリングの審査には通って売掛金を売却できる可能性はあります。

これはまた利用先が税金を滞納していた場合でも同じで、ケースによって買取り可と判断する業者もいます。もちろん銀行融資では審査に通らないケースです。このように同じ審査でも銀行の融資審査とファクタリング審査では大きな違いがあります。

まとめ

ファクタリング審査に関して、審査ポイントを売掛金、売掛先、利用先、そして銀行の融資審査との違いという順番で解説してきました。

特に利用先の財務内容が悪くてもファクタリング審査に通る可能性があるというのは、自社の財務内容を気にしている利用先にとっては朗報ではないでしょうか。

これまで資金調達の手段としてあまり利用されてこなかった売掛金、しかしこれからは債権流動化による資金調達は大きな流れになっていくものと筆者も確信しています。ファクタリングもまたその債権流動化の主要な方法のひとつです。

経営者にはファクタリングに関心を持ち積極的に利用されることを期待しています。

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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。