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失敗しないファクタリング業者の見極め方【損をしないために】

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ファクタリングは近年、中小企業経営者や個人事業主が必要資金を得る方法として注目されている新しい資金調達方法のひとつです。事業者の持つ売掛金を資金回収前にファクタリング会社に売却(譲渡)し早めにお金を回収して資金を作るのが一括ファクタリングですが、銀行融資や消費者金融のような法律上の規制もなく、融資に比べて審査時間も短いので利便性がとても高くなっています。

また経済産業省や中小企業庁も新しい資金調達の手段としてファクタリングの活用を事業者にすすめていることから、様々な領域からファクタリング業者が業界に参入しているのですが、問題は参入の壁がとても低いことです。そのため業界に入ってくる業者の多くは健全なファクタリング業者ですが、中に著しくモラルを欠いた悪徳業者やファクタリング業者の殻をかぶって商売をする闇金も紛れています。それだけにファクタリング会社を選ぶときには、絶対失敗しないよう安全かつ誠実な業者を見極めて取引しなければなりません。

そこでこの記事では、各種ファクタリング取引のうち、最も利用需要の多い一括買取りファクタリングに限定し、どのようにして失敗しないファクタリング業者を見極めるか、その方法を詳しく解説します。

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ファクタリング業者を見極めるときのポイントは?

安全かつ健全なファクタリング業者かどうか見極めるときに大切な点は、取引前に売掛金を持つ事業者がいくつか判断ポイントを持っておくことです。

事前に数種類の判断基準を事業者が持っておけば、実際のファクタリング業者との面談や電話の機会、メール等の対応、業者が呈示してくるファクタリングの取引条件などから、その事業者が安全な業者かどうか、取引していい相手かどうかを見極めることができます。

筆者の考えるその判断ポイントは7つあります。以下にその判断ポイントをまとめましたので見て下さい。

  • 取引形態は2社間取引それとも3社間取引?
  • 売掛金の売却(譲渡)手数料はどれくらい?
  • 売掛金の売却額はいくら?
  • サービス体制やサポート体制はきちんと整っている業者?
  • 取引条件で償還請求権の有無は?
  • ファクタリング業者は業種特化型の業者でないか?
  • ファクタリング業者は個人事業主からの売掛金も買取り可能か?

この7つの視点から判断していけば、間違っても悪徳業者と取引して後で後悔するようなことはないと考えています。それではそれぞれの判断ポイントをさらに掘り下げて詳しく解説します。

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取引形態は2社間取引それとも3社間取引?

ファクタリング業者を見極めるとき、業者が主に取り扱いしているファクタリング取引は2社間取引か、それとも3社間取引かという判断基準があります。

もちろん両方の取引を取り扱っている業者もありますが、それでも業者によって得意分野に違いがあります。現在行われているファクタリング取引の全体の8割以上が2社間取引という数字もあり、3社間取引は2割以下にとどまっているのが実態ですが、その理由は3社間取引の複雑さにあります。

3社間取引は、売掛金を持つ事業者がファクタリングを利用する前に売掛先企業に承諾を得たり通知したりする必要があるので2社間取引に比べて時間と手間がかかります。逆をいえば3社間取引を普通に取り扱っているファクタリング業者はそれをこなせるだけ、組織と引受け態勢がきちんとしており事業者も安心して取引できる相手なのです。

一方、2社間取引をメインに取り扱うファクタリング業者の中には、悪徳業者も入っている可能性も高く、事業者も慎重に取引相手を選ばねばなりません。2社間取引をメインに取り扱うファクタリング業者の中から取引相手を選ぶときには、以下に解説する他の判断基準も加えて総合判断する必要があるのです。これがひとつめの判断ポイントです。

売掛金の売却(譲渡)手数料はどれくらい?

2つめのファクタリング業者を見極めるときの判断ポイントは、業者の呈示してくる売掛金の売却(譲渡)手数料はどれくらいかというのがあります。

2社間取引では、業者が売掛金を買取りするときの手数料相場は、売掛金の20%を中心に前後15%~30%の幅があります。一方3社間取引の手数料相場は、売掛金の5%を中心相場として1%~9%の範囲で取引されています。

もちろん手数料は事業者にとってコストなので、ファクタリング業者の買取り手数料が安いには越したことはないですが、かといって何でも安ければいいというものでもありません。悪徳業者の中にはわざと手数料を相場より安く呈示して利用者を呼び込み、取引した後で難癖つけて名目不明瞭な高い費用を払わす魂胆でいる業者もいますから要注意です。

また最初から相場を無視した法外な高い手数料を呈示してくる業者にも注意しておかないと、手数料は事業者にとって売掛金を売却するためのコストですから、その分手取りが少なくなり、調達しても必要な資金に届かないということも起こります。

手数料が相場よりあまりにも高すぎる、または低すぎる業者は取引するのを避けて、呈示してくる手数料は相場内にあり、他の判断基準で安全そうな業者を見つけて取引した方が結局は無難だと考えています。

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売掛金の売却額はいくら?

ファクタリング業者を見極めるとき、3つめの判断ポイントは自社が売却する売掛金はいくらになるかという点です。

ファクタリング業者を公式サイトで比較してみると、ほとんどの業者は自社が取り扱う(購入できる)売掛金の額を呈示しています。例えば○万円~○万円という表示です。

中には○万円~○億円という大きな額を表示している会社もありますが少数派でしょう。多くのファクタリング会社は数十万円から多くても数百万円まで買取りしている業者です。

この取扱い額が貴社の売却できる売掛金額に合うのが理想的な取引相手ですが、気をつけなければならないのは公式サイトに一切買取り可能額を表示していない業者です。そういう業者は悪徳業者の可能性があります。

売掛金の買取り可能額と取引形態が呈示してあれば、およその手数料相場も分かりますが、買取り可能額を呈示していない業者だと手数料も不明で、後で法外な手数料や費用を払えとふっかけてくるリスクがあります。そんな業者だと怖くて取引できないですよね。

公式サイトを十分チェックするとともに、書いていない場合はくれぐれも最初からその業者と接点を持たないようにして下さい。

サービス体制やサポート体制はきちんと整っている業者?

ファクタリング業者を見極めるときの4つめの判断ポイントは、その業者がサービス体制やサポート体制がきちんと整っているかどうかという点です。

サービス体制は公式サイトをきちんとチェックすれば、その業者がファクタリングでどんなサービスを行っているか、具体的に知ることができます。もちろんサービス項目がたくさんあるに越したことはありませんが、もっと大事なことはそのサービスが売掛金を売却する自社にとって有益かどうかという点であり、必要性もそれほどないのにサービスの数が多いというだけでその業者を選んではいけません。

一方、業者のサポート体制が十分整っているかどうかは、自社にとってサービス以上に重要なものです。なぜなら金融取引にはトラブルはつきものであり、いざトラブルが起きたとき、ファクタリング業者のサポート体制が十分でないとより事態が悪化してしまいます。

ただ事前に業者のサポート体制を完全に把握するのも難しいので、ここは別の視点で判断する方法をお教えします。それは業者の窓口になっている担当者の対応をじっくり観察すること。

  • 担当者の対応が誠実でこちらの質問に対してもきちんとわかりやすく答えてくれますか?
  • 肝心の知りたい情報について担当者がごまかすとかお茶を濁すような答え方をしませんでしたか?
  • 問い合わせに対して折り返しの電話は迅速でしたか、メールの回答は早かったでしょうか、回答を長期間放置されていませんでしたか?

このような視点から担当者の態度を観察していくと、自ずとその業者のサポート体制が見えてきます。もちろんきちんと対応できている業者の中から取引相手を選ぶことが失敗しないための見極め方です。

取引条件で償還請求権の有無は?

ファクタリング業者を見極めるとき5つめの判断ポイントは、その業者が呈示してくる取引条件のうち、償還請求権の有無が合理的かどうかという点があります。

償還請求権というのは、ファクタリング取引の後、突然倒産や廃業等の理由で売掛先企業の事業が止まり、ファクタリング会社が売掛金の回収ができなくなった結果、その弁済を貴社に求めてくる権利のことをいいます。

通常、償還請求権をファクタリングの取引条件に求めてくる業者は3社間取引の業者が多く、2社間取引に求めてくる業者はそう多くありません。なぜなら償還請求権を2社間取引の条件に付けると、貴社に比べて買取り業者に取引条件が有利な分、たしかに手数料は低くなりますが、貴社の返済リスクが上がる分、ファクタリング自体が利用しにくくなります。

それを嫌ってわざわざ償還請求権のないファクタリング業者を選んでいるぐらいですから、業者も取引の成立を一番に重視すればするほど、取引相手に対して償還請求権を求めにくくなります。もちろん事業者の考えは色々であり、2社間取引の条件として償還請求権が付いてくるのもやむなしと考える方もいるので、それは筆者が善し悪しで語る話ではありません。

ただファクタリング業者を見極めるときには、この償還請求券の有無はとても大事な取引ポイントなので、権利の内容をよく理解した上で、償還請求権が付いてくる業者を選ぶべきか、償還請求権のない業者を選ぶべきか、よく見極めてから取引するようにして下さい。

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ファクタリング業者は業種特化型の業者でないか?

ファクタリング業者を見極めるときの6つめの判断ポイントは、その業者が業種に関係なく売掛金なら何でも買い取ってくれる業者か、特定業種の売掛金のみ買い取ってくれる業種特化型の業者かを知ることです。

業種特化型の業者としては、医療や介護専門あるいは建設業や製造業の売掛金買取りを専門、得意とするファクタリング業者などがあります。このような業者だと、わざわざその業種に特化して売掛金を買取りしてくれているので、譲渡にかかる手数料を下げることもできます。

なぜなら業種特化型の業者だと、すでにその分野に関して多くの買取り実績や調査データ、審査ノウハウも持っているので、買取りにかかる手間も少なくでき、その結果手数料も低くできるからです。もし売掛金を売却したい貴社がそのような特定業種に該当するなら、優先的に業種特化型のファクタリング業者を取引相手として選んだ方がいいでしょう。

個人事業主からの売掛金も買取り可能か?

ファクタリング業者を見極めるとき、7つめの判断ポイントは、その業者が法人だけでなく、個人事業主からの売掛金も買取り可能かという点です。

一般的に会社(法人)が売掛先企業に対して持っている売掛金と比べると、事業規模の小さい個人事業主が取引相手に持っている売掛金は信用面で劣っていることが多いです。そのためファクタリング業者の中には、回収リスクを避けるため、あえて個人事業主が持つ売掛金を買取りしない業者もいます。

そのため個人事業主がファクタリング業者を見極めるときには、その業者が個人事業主からの売掛金を買取りしてくれるかどうか、事前に調べて知っておく必要があります。売掛金だから何でも買ってくれると勝手に思い込んで、悠長に構えていたあげく、資金が本当に必要となり業者に買取りを頼んだところ、個人事業主を理由に断られることもあります。

それでは資金不足から取引先や銀行の信用を失って大変なことになるので、思い込みはいけませんよね。ファクタリング業者を見極める際には、個人事業主からの売掛金も取り扱っている業者かどうか、その点も忘れないようにして下さい。

悪徳業者と関わらないためのファクタリング業者の見極め方

最後に、失敗しないファクタリング業者の見極め方として、以下のような状況があったり不合理な取引条件を求めてきたりするファクタリング業者は、悪徳業者か闇金の可能性があるので絶対関わらないよう十分ご注意下さい。

  • ファクタリングの取引に当たり契約書を交わしてくれない
  • 買取り手数料が取引相場に比べて異常に高いかまたは低い
  • 掛け目(※)が業者側に異様に大きい
  • ファクタリング取引なのに売掛金を担保として求めてくる(債権の売買であり融資でないので担保は必要としない)

(※業者が売掛金を購入した分のうち、すぐに100%資金化せず、資金交付を一定期間後まで保留する割合のこと)

まとめ

失敗しないファクタリング業者の見極め方として、具体的な判断基準を7つ紹介し、事業者自ら診断ポイントを持つことの重要性を繰り返し説明してきました。今のところファクタリング業界は特に規制する法律がないだけに、モラルの低い悪徳業者や闇金等の違法業者が入ってくる余地はたくさんあります。

一方、取引するのはあくまで自社であり、取引結果を引き受けるのも自己責任なので、運悪く悪徳業者や違法業者に関わってしまったとしても、その責任を国・地方公共団体や他者に転嫁することもできません。

それだけに安全かつ健全なファクタリング業者の見極め方をマスターすることはとても大事です。この記事がその判断に少しでも役立つことを願っています。

※記事の掲載内容は執筆当時のものです。