資金繰りが苦しい!辛い状況を乗り切る対処法(資金調達方法)
会社を経営していて資金繰りが苦しいとき、何からすればいいか分からなくなることもあるのではないでしょうか。会社によっては黒字なのになぜか資金繰りがきつい、ということもあるかもしれません。今回は資金繰りが辛い時にできる対処法をいくつかまとめました。
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融資を申し込む
資金繰りが苦しいときに、まず検討したいのは、融資の申し込みです。付き合いのある銀行や金融機関があれば、融資してもらえないか相談してみましょう。
銀行や金融機関の融資は、決算の状況や、月次の試算表などの状況にもよりますが、1%~2%台の利率で借りられることもあり、他の機関から借入をするのに比べて金利が安い傾向にあります。借入先としての安心感があることもメリットといえるでしょう。特に日本政策金融公庫に関しては融資のハードルが他の金融機関に比べゆるいことがあります。
ただし、銀行や金融機関に融資の申し込みをしても、すぐに審査が通るわけではありません。1~2か月ほどかかるのが一般的です。普段から付き合いをしていない銀行や金融機関に申し込んだ場合は、さらに審査に時間がかかることが多いです。
また、融資の申し込みには決算書や事業計画書なども作成しなければなりません。資金繰りがきつくなりそうだと思ったら、なるべく早めに動いて申し込みをするようにしましょう。
融資の申し込みは税金の滞納をなくすことが重要(必須条件)
税金の滞納をしている場合は、融資までに解消しておきましょう。融資の審査では、一般的に税金の滞納がないことを証明する「納税証明書」の提示を求められるからです。
銀行や金融機関側からすると、たとえ黒字の会社であっても、必要な税金すら払えない資金繰りの苦しい会社は、融資をしたくないというのが本音です。黒字なのに税金の滞納をしているのは、何かキャッシュフローに問題があるのではないか、借入金の返済を滞りなくしてもらえるか不安だからです。
会社の資産・経費の見直し
資金繰りが苦しいときの対処法として、会社の資産や経費など経営状況を見直すのも効果的な場合があります。例えば下記のポイントについて、無駄な経費や、改善できることがないかチェックしてみましょう。
- 不動産の売却
- 会社資産の売却
- 役員報酬の減額
- 給料の減額
- 経費の見直し(弁護士や顧問税理士の変更)
- 借入金の借り換え
役員報酬や従業員の人件費、弁護士、顧問税理士の報酬など、普段は意識が向かない経費が、意外と経営を圧迫していることがあります。今の経営状況にとって、適切な金額に設定できているか、一度確認しましょう。見直すことで資金繰りの改善につながることもあるはずです。
ただし、従業員の人件費については、今よりダウンすると労務トラブルの原因や、業績低迷につながるリスクもあります。削減する場合は、慎重な判断としっかりとお互いの意思疎通が求められるでしょう。
また、金融機関から何本か借入をしている場合は一本化を行ったり、利率のいいところに借り換えをするのも資金繰り改善にとって効果的です。ただし、一本化を行う場合はこれまで以上に業績が良くなっていることが前提になるかと思いますので、そうでない場合は使いにくい方策です。
取引先等に支払いを待ってもらう
資金繰りが辛いときの対処法として、取引先に支払を待ってもらうという手段もあります。
例えば、仕入れを即金で行っているのであれば1か月後の支払いに変更する、支払手形発行の最低金額を引き下げるなどです。それぞれ、個別に取引先の了承を得る必要がありますが、一部でも認めてもらえれば対処法としては効果が見込めるでしょう。もちろん、やりすぎは信用を落とす可能性があるため、よくありません。ですが、交渉自体は一般的なことなので、相談してみる価値はあるでしょう。
また、本当に辛い時の緊急手段としてすでに決まっている支払いの予定を変更してもらうという選択肢もあります。当然ながら、期日通りに支払いができないことは、取引先との信頼関係に少なからず影響を与えるでしょう。しかし、倒産するかもしれないような切羽詰まった資金繰りの状態であれば、取引先に支払いを待ってもらえないか交渉するほうがいいでしょう。
公共料金や税金の支払いを分納する
緊急的な対処法として、取引先への支払い以外に、公共料金や税金の支払いを待ってもらうという方法もあります。公共料金や税金の支払いを滞納することは、決しておすすめできることではありません。滞納すれば、会社としての信用も失いかねませんし、差押えや強制執行のリスクも生まれるからです。ただ、もしどうしようもない状況に陥った場合は、事前に相談することで分納などに対応してもらえるケースもあるようです。あくまで一時避難的な手段として選択肢においておきましょう。
手形割引を申し込む
資金繰りが厳しいとき、すぐにでも資金調達をする手段として、手形割引や業者に買い取ってもらうという手段もあります。
手形は原則として、支払期日が来れば振出できます。ですが手形割引の場合、審査に通れば短期間で現金を得られます。手形割引の手段には、銀行や金融機関に申し込む方法と、業者に買い取ってもらう方法とがあります。
審査にかかる日数は、銀行や金融機関の場合最短3日程度、長くて1週間程度というのが一般的です。一方手形割引業者に依頼した場合は最短即日、通常3日程度でできることが多いです。
ただし手形割引の場合、銀行や金融機関あるいは手形割引業者のどこに依頼するにしても、手数料がかかります。手数料は支払い期日までの日数によって変動しますが、一般的に銀行や金融機関より、手形割引業者に依頼したほうが割高になります。
ファクタリングを利用する
資金繰りが苦しく、今すぐにでも現金が必要な場合は、ファクタリングを利用する選択肢もあります。ファクタリングは売掛金をファクタリング会社に買い取ってもらうことで現金を得る資金繰りの方法です。銀行や取引先にも知られず取引できることや、継続的な利用も可能です。
売掛金が多くを占め、売上があるのに現金がないという悩みは中小企業に起こりやすい問題です。また、中小企業の場合は、資金繰りが必要な状況を放置することで、倒産に直結することも少なくありません。ファクタリングの審査が通れば、素早く現金を手に入れて、キャッシュフローの改善を目指せるでしょう。
ファクタリングの仕組み
ファクタリングは、まず売掛金がある状態で、利用者と取引先企業、利用者とファクタリング会社間とがそれぞれファクタリングの契約と承諾を行います。契約と承諾が完了すると、利用者と取引先企業間で請求額の確認をします。
続いて、利用者がファクタリング会社に対し、請求金額を通知します。さらに取引先企業とファクタリング会社とで請求金額の最終確認をした後、ファクタリング会社が売掛金の早期支払いをします。取引先企業はファクタリング会社に対し、期日通り売掛金の支払いをします。
ファクタリングの種類
ファクタリングの種類には、ファクタリング会社がが取引先企業に通知する3社間取引と、取引先に通知しない2社間取引があります。
3社間取引の場合は、売掛の回収はファクターが間に入って回収しますが、2社間の場合売掛金を通常通り自社で回収することになります。手数料は2社間取引のほうが高めの傾向があります。
ファクタリングのメリット・デメリット
ファクタリングのメリットは、申し込みから最短即日、平均2~3日で資金を得られる、スピードの速さにあります。また、売掛債権の買い取りなので、借入(負債)ではなく売上(利益)になります。返済義務もないノンリコース型なので、万が一取引先企業に不渡りなどがあっても、自社が返済する必要はありません。
税金滞納や直近で赤字決算だったなどの理由で融資が受けられない場合や、取引先等に支払を待ってもらっている状況の場合にも有効な資金調達法といえるでしょう。
ファクタリングのデメリットは、利用するにあたって一定の手数料が必要になることです。手数料は業者によって異なるので、事前に確認しておきましょう。手数料は必要ですが、融資や事業ローンに比べて審査がスピーディなので、長く待たされたあげくに否決されて最悪の事態を招く、というリスクは減らせるでしょう。また、ファクタリングは売掛債権の売買なので、保有する債権が本当に存在するものであり、これまでの支払経歴が良好であれば買い取ってもらえる可能性は高いと考えられます。
参考記事:ファクタリングの8つのメリット&3つのデメリットを徹底解説
まとめ
資金繰りが苦しい場合は、まず銀行や金融機関から融資が受けられないか、経費の削減できるものはないかを確認しましょう。会社の経営を見直すことも資金繰りの改善につながるヒントが見つかる場合があります。
とはいえ、融資の実行を受けるには審査に時間がかかりますし、経営を見直してもすぐに効果が出るとは限りません。場合によっては、すぐにでも資金調達が必要な切羽詰まった状況に陥ることもあるでしょう。
そんなときは、手形の割引やファクタリングなど、銀行以外から資金調達をする方法もあります。いずれも審査が短期間で、問題なければ素早く現金を手に入れることができる手段です。手数料など、注意したいポイントはありますが、資金繰りが厳しく辛い状況の場合には選択肢のひとつとなるはずです。事業の状況に応じて、対処法を検討しましょう。
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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。