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ファクタリングで現預金を確保し資金繰りを改善する

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中小企業経営者や小規模個人事業主の一番の悩みって何でしょう?そうです、資金繰りの確保と改善です。いくら会社の経営状態が良くてもまた悪くても、経営者の悩みの種は「毎日、毎週、毎月、どのように資金繰りを行っていくか」だと思います。

黒字倒産という言葉があるように、いくら帳簿上の売上げが上向きでも現時点での資金繰りを間違えると「利益あって銭足らず」の状態になりいきなり倒産してしまいます。それぐらい経営にとっては、いかに現預金を確保して資金繰りを行っていくかが重要な課題なのです。

今回は資金繰りに必要な現預金を確保するため、ファクタリングを利用しようというお話です。ただしファクタリング利用に当っては、様々なことに配慮してこの仕組みを活用しなければなりません。

ファクタリングのメリットやデメリットにも触れつつ、現預金を確保して資金繰りを改善する重要性を詳しく解説します。

現預金確保による資金繰り改善とは?

この章では現預金確保による資金繰り改善とはそもそもどのような状態を指していうのか、まずは具体的な事例を挙げて説明します。

A社は仕入れ先B社に対して今月末に500万円の買掛金の決済をしなければなりません。またA社は取引先C社に対して商品を販売済みで同時にC社に対する売掛金700万円を持っており、こちらは来月末に入金の予定です。

今月途中にA社の経理部長が自社の金庫と取引銀行の口座残高をチェックすると、資金繰りが予想外に大変な状態になっていることが分かりました。あると思っていた現預金が500万円に足りず今月末の買掛金の決済ができない状態です。これではB社の信用を失って次から必要な仕入れができなくなる可能性が高いですよね。なんとか資金を確保しなければなりません。

そこで経理部長が急いでA社の社長に資金繰りの問題を相談したところ、社長がたまたまファクタリングのことを他社の社長から聞いて知っていたので、来月末入金予定の売掛金700万円をファクタリング業者に売却(譲渡)して支払いに必要な現金を手にすることができました。

ファクタリングのおかげで売掛金の回収を早めることができ(資金繰りの改善)、B社に対して買掛金の決済ができるとともに会社の信用を保つことに成功しました。

ファクタリングの仕組みを使って現預金確保

ファクタリングは自社の売掛金を使って回収期日を待たずファクタリング業者に売却、期日前に資金を確保する方法です。またファクタリングがもたらす主な効果は資金繰りの改善です。

資金繰りが良くなれば、取引先や融資を受けている銀行に対する信用が維持でき、また従業員にもきちんと支給予定日に給与が支払えるので仕事へのモチベーションを保つことができます。

また創業して間がない企業でも、成長途上で売上げが伸びていれば増加運転資金が必要になりますが、会社に売掛金があれば一時的に資金不足の場合でもファクタリングを利用することで資金が確保できるので各種の支払いに回せます。このようにファクタリングの利用価値はたくさんあります。

ファクタリングは資金繰りにとって良いことばかりか?

ではファクタリングは会社の資金繰りにとって良いことばかりなのでしょうか?たしかに資金繰りを確保して取引先の信用を維持できるというのはファクタリングの良い面です。短期的、一時的には良いかもしれません。

しかし長期的に見れば必ずしも良い面ばかりとはいえない側面があります。それはファクタリングで必ず必要となる業者に支払う手数料が高かった場合、利用頻度によって最終的には自社の体力を相当弱らせてしまう可能性があるからです。

自社の存続を一番に考えるなら、ファクタリングは手数料の高さや利用頻度をよく考えて活用しなければなりません。また資金調達でファクタリングにあまりに偏りすぎると、融資金利に比べて高い手数料支払いでどんどん会社体力を消耗させることになり、限界が来れば破綻する可能性もあります。

そのためにはケースに応じた資金調達方法を複数持っておくべきですし、使い方が効果的であればファクタリングを活用した資金繰り対策も十分活きてきます。

要はファクタリングの利用には綿密な計算が必要で、どれくらいの頻度で利用するべきか、自社の粗利益と比べて手数料は高すぎないか、会社の儲けでかかった手数料は吸収できるのか、事前にきちんと計算しておく必要があるのです。

資金繰りを急ぐとき、ファクタリング利用で自社が準備することと注意点

たとえば申込みしたその日にもファクタリングを利用して資金繰りのための現金を確保したい会社があるとします。その会社はどのような書類を用意しておけばいいのでしょうか、またどんな点に注意してファクタリングを利用したらいいでしょうか?

ファクタリングを利用しようとする自社が用意しなければならない審査書類は主に自社に関するものです。具体的には自社の決算書(または確定申告書)2~3期分、そして会社の事業概要が分かる書類、HPを開設しているならそのアドレスも業者に提供しましょう。

もうひとつ重要なものは売掛金の存在を示す書類です。たとえば、基本契約書(自社と売掛先両社の実印が押印された書類の写し)、発注書や請求書の写し、継続して売掛金が入っていることを示す普通預金通帳など(面接で現物が提出できればさらにベター)。

これらの審査に必要な書類をすぐに出せるためにはやはり日頃から書類はきちんと整理整頓しておいた方がいいです。

さらに資金を急ぐ際、ファクタリング利用で自社が注意することとして2点あります。

1点目は申込当日に資金がほしいなら、できれば午前中に申込みすることです。午後からだと業者も他の顧客対応で忙しく後回しにされてその日のうちに資金が手に入らない可能性もあります。

2点目は、売掛金を譲渡しようとするファクタリング業者がそもそも申込当日に審査も含めて資金交付に対応してくれる業者かどうか、早めに調べておくことです。業者によっては審査だけで数日から1週間もかける業者もいますので、急ぎの場合に間に合わない可能性もあります。

日頃からファクタリングの知識もかねて情報収集しておけば、いざというとき、慌てることもないと思います。

ファクタリング予定の売掛金からいくら現預金が得られるか?

資金繰り改善のためファクタリングで現預金を確保したい自社経営者にとってもうひとつの関心事は「ファクタリングで売掛金を譲渡した結果、実際のところ、いくら現金が得られるのか?」でないでしょうか?

そのためには売掛金を譲渡した際の現金手取額に対する計算式も頭に入っていた方が良いと思います。以下がその計算式です。

現金手取額=売掛金額×掛け目-(手数料+諸経費)

ここで掛け目とは取引ごとにファクタリング業者が売掛金に掛ける割合のことをいいます。

掛け目といえば、銀行融資における担保の評価をするときも「掛け目」を使っており、通常不動産評価の60%から70%とする銀行が多いです。

なぜなら不動産価格は市況や物件の形状、立地等により常に上下するので、融資の担保にするため掛け目を低めにして担保評価し、その範囲内に融資額も抑えることで全体をカバーしようとするからです。

同じような考えでファクタリング業者も取引に当り、売掛金額に掛け目を掛けて計算するので、売掛金全額は買取りしてくれないし、さらに手数料や諸経費が引かれるので手元に残る手取りはさらに低くなります。

掛け目は一般的に、3社間取引で売掛金額の90%~95%、2社間取引では売掛金額の70%~90%程度なのでよく覚えておいて下さい。また手数料相場も3社間取引で1%~9%、2社間取引で10%~30%となっています。

ファクタリングを依頼する自社経営者がこれらの数字をきちんと頭に入れておかないと、売掛金を譲渡した後の現金手取りが資金の必要額に足らなくて、予定が狂って大慌てすることにもなりかねません。また関連知識を持つことでファクタリング業者との交渉時には話を有利に進める強い武器にもなります。計算式や掛け目、手数料相場を覚えることの利用価値は大きいです。

まとめ

ファクタリングは現預金を確保し資金繰りを改善するためにはたしかに良い手段です。現状法律的な制約もほとんど受けず、かつ融資でなく債権の売買なので審査時間は短いし、急ぎで短期の資金確保の手段にはうってつけの方法だと思います。

ただし何度も記事の中で指摘してきたように、ファクタリングは継続的かつ長期的な資金調達方法としてはあまり向いていません。そこで事業者としては状況に合わせて別の資金調達方法も知っておいた方がいいでしょう。

たとえば売掛金に関しては、ファクタリング以外に売掛金を担保として融資を受けるABL(売掛債権担保融資)という資金調達方法があります。不動産等の担保や保証人がなくても売掛金さえあれば活用できるのがこのABLです。しかもファクタリング手数料と比べても融資金利がかなり低いのが魅力です。ただし審査には時間がかかります。

このABLも含めて会社の資金繰り改善に役立つ資金調達方法は色々ありますが、ファクタリングの長所や短所もうまく知った上で、資金繰りの様々な場面で使い分けることでファクタリングもその良さが活きてくるものと考えています。

 

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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。