トプコン(TOPCON)は、日本を代表する総合精密機器メーカーです。主に、トータルステーションを代表とする測量機器や眼科系医療機器などの製造・販売を行っています。創業以来87年の歴史を持つメーカーで、現在では日本や海外に複数の関連会社を持ち、「医」「食」「住」の分野で、はば広い事業を展開するトプコン。ここでは、そんなトプコンの歩み・主要な事業内容・人気製品などをご紹介しましょう。
トプコンとは、どのような会社なのでしょうか。会社の歩みや事業展開などを探ってみました。
トプコンは1932年(昭和7年)、当時の陸軍省の要請により、「服部時計店精工舎」(現在のSEIKO)の測量器部門を主体に、「東京光学機械株式会社」として設立されました。当時は、カメラや測量器、双眼鏡などを中心に生産していたそうです。
1933年には、本社を現在の東京都板橋区に移転。カメラ・医療機器・電子計測器などを次々と開発し、さまざまな賞を受賞しました。その後、活動の場を海外に広げ、1989年(平成1年)に、会社名を「株式会社トプコン」へと変更したのです。
1990年代から2000年にかけ、トプコンは世界初となるオートアライメント(自動位置合わせ機能)などを搭載したパイプレーザー(配管用レーザー)、スペキュラーマイクロスコープ(角膜内皮細胞を観察する機器)ほかを次々に発表し、現在の礎を築きました。
2012年には、社内カンパニー制を導入し、ポジショニング・カンパニー、スマートインフラ・カンパニー、アイケア・カンパニーの3つの社内カンパニーを作っています。
トプコンは、創業以来、さまざまな分野の企業を買収することで、より専門性を深め企業として成長し続けているのです。
現在、トプコンは国内・国外に活動の拠点を置いています。
2008年、精密機器メーカーの株式会社ソキアはトプコンの完全子会社となり、「株式会社ソキア・トプコン」となりました。この統合により、トータル・ステーション(※)などの一般測量分野を、ますます強化できることとなったのです。もともと、一般測量は両社とも得意分野であったため、ノウハウや販売網をさらに固めることができ、日本のみならず世界市場でもトップを目指すこととなりました。
※トータル・ステーション:対象点までの鉛直角・水平角・距離を同時に測定、内蔵コンピュータがそのデータの加工やグラフ化などを行う測量機
トプコン初の受賞となったのは、1996年建築・土木作業向けのローテーティングレーザーで、「全国発明表彰 発明賞」でした。その後も、レンズの研磨技術・レーザー光走査により基準を形成する測量装置・眼底カメラの撮影光学系・3次元眼底像撮影装置・建設機械制御システム・杭打ち作業ナビゲート装置ほかで、関東地方発明表彰・発明奨励賞などを受賞しています。
また、トプコンはレンズチェッカー・ミリメーター・画像トータルステーション・レイアウトナビゲーターなどで、数々のグッドデザイン賞を受賞。イントレイチップ外観検査装置は機械工業デザイン賞など、毎年いろいろな賞を獲得しています。
トプコンは、ユーチューブでi-Construction製品紹介を行っています。ぜひ、こちらもごらんください。
トプコンは、「ポジショニング」「スマートインフラ」「アイケア」の3つの分野で事業を展開しています。それぞれの事業の特徴をご紹介しましょう。
トプコンの「ポジショニング」事業では、主に「土木建設と農業の自動化」を使命として製品作りを行っています。GNSS測量・マシンコントロール・精密農業ほか、高精度GNSS測位技術を取り入れた製品&システムをグローバル展開中です。
トプコンの「GNSS」(※)受信機&ソフトウェアは、世界中の測量・土木・建設分野のユーザーニーズに応えています。
※GNSS:全地球衛星測位システム。衛星からの電波を受信するGPSを利用することで、到達範囲の制限がなくなり、より広範な現場での施工が可能になるとともに、同時に複数の建機を管理できる。GNSSとは、GPSにプラス、GLONASS(ロシアの衛星測位システム)とGalileo(EUが構築した全地球航法衛星システム)を加えた総称。
「建設業界の自動化」を目指し、建設機械を設計データ通りに制御可能な「マシンコントロールシステム」(※)を提供しています。
※マシンコントロールシステム:建機を自動的に施工させるため、油圧制御技術・高さ情報や位置情報などの自動取得、自動追尾式トータルステーションによる、高精度3次元データに基づいた自動均平作業などが可能に
GNSSを利用した技術を農業分野へ応用。農機の自動化・IT化を実現しています。
【主な製品】
測量用GNSS受信機・GIS用GNSS受信機・GNSSリファレンスステーションシステム・土木施工用マシンコントロールシステム・精密農業用マシンコントロールシステム・農業向け軽量システム・アセットマネジメントシステムなど
トプコンといえば、創業以来長年培ってきた「光学技術」。それを元に、最先端GPS技術・レーザー技術・画像解析技術などを融合し、ほかにはマネのできない「世界を牽引する製品」を提供しています。
●測量・建設:土木工事作業の根本となる土地の測量。トプコンでは、時代と共に進化していく工事の現状に合わせ、光学技術を礎とした多機能・多用途な測量機器などを展開し、最先端のインフラ整備に貢献。
●3次元データを高速取得する3次元レーザースキャナー、走行路線周辺の3次元データを取得できるモバイルマッピングシステム、多様な角度から取得した高精度・高密度な3次元データなど、建設・建築現場はもちろん、災害や自己調査などはば広い用途に活用できるソリューションを提供。
【主な製品】
モバイルサーベイシステム・3Dレーザースキャナー・データコレクタ・セオドライト・電子レベル・・ローテーティングレーザーほか
トプコンは、長年アイケア分野の検査・診断・治療の領域において、多種多様な高性能眼科機器を開発・提供しています。
【主な製品】
3次元眼底像撮影装置・眼底カメラ・無散瞳眼底カメラ・眼科用レーザ光凝固装置・ノンコンタクトタイプトノメーター・スリットランプ・手術用顕微鏡ほか
アマゾンで買えるトプコンのポジショニング分野製品をご紹介しましょう!
カメラファンには根強い人気のあるトプコンのカメラ。興味のある人はこちらもどうぞ!!↓
世界中で活躍しているトプコンの世界を覗いてみましょう!
医・食・住の成長市場において社会的課題を解決し事業を拡大し続けるトプコン。本格的な高齢化社会に伴う眼疾患増加への対応、世界的人口増加に伴う食糧危機への対応、インフラ需要増に伴う技術者不足への対処など、今後もさまざまな分野で事業を拡大していくそうです!
トプコンも製造しているオートレベル、セオドライトについて知りたい方は、コチラの記事をぜひご覧ください。