大きなエンジン音と高速で回転するチェーン。皆さんがチェーンソーを聞いて思い浮かべるのは怖くて危険な工具というイメージかもしれません。
しかし、メーカーの努力によって安全性が高まり、保護器具なども充実した現在は、けして危険な工具ではありません。
今回はチェーンソーの安全性と使い方、そしておすすめメーカーのチェーンソーをご紹介します。
チェーンソーは誰でも知っていますが、普段からよく使う工具とはいえません。まずはチェーンソーについての基礎知識をご紹介します。
チェーンソーとは、エンジンやモーターでソーチェンと呼ばれるチェーン状の刃を回転させ、木材や木の剪定・伐採などに使われる工具です。
チェーンソーが生まれた当初は、医療用として使われていましたが、今では斧や鋸の代用品として一般に広まっています。
チェーンソーにはスロットルとブレーキというふたつのレバーがあり、両方を操作しなければ動く事ことはありません。また、チェーンを止めるためのスイッチは各メーカー、押しやすい場所に配置しているので、チェーンソーが暴れることはほぼありません。
使用者の安全確保も、現在では保護具が充実しており、ヘルメットや顔の保護具の他に耳栓、当たった瞬間に刃を止める特殊繊維でできたズボンやブーツなどもあります。
そして、身体への影響を減らすために防振装置を装備していますので、長時間・長期間の使用にも対応しています。
チェーンソーは主に木の伐採や剪定に使用されます。動力がエンジンの大型でパワーのあるものは林業や精肉業などでも使用されていますが、小型のものはご家庭での庭木の剪定やDIYなどで使用しても便利です。
イメージが強いのはエンジン式チェーンソーですが、林業に使う大きなものだけではありません。伐採に使うものから軽作業まで、幅広いタイプのチェーンソーがあります。
チェーンソーには大きく分けて、動力がエンジンのもの・動力がモーターで電源式のもの・動力がモーターでバッテリー式のものがあります。
燃料はガソリン・オイルの混合油を使用しています。パワーは強いですが、駆動音が大きいのがデメリット。燃料の保管やエンジンメンテナンスなど、取扱いにも注意が必要な部分が多くあります。
モーター駆動は、エンジン駆動のチェーンソーと比べるとパワーは劣りますが、燃料を使わないのがいいところ。また、電源やバッテリーで動かせるので汎用性に優れ、手軽に扱うことができます。
エンジン駆動のものは個人が取り扱うには不向きです。樹木の伐採や太い枝の剪定も可能ですが、取り回しの悪さと騒音が自宅使用のネックとなります。
個人での取り扱いやDIYで庭木の剪定などを行うなら、自宅のコンセントからでも動かせる電源式やバッテリー式が適しています。
元は外科医療の器具として開発されたチェーンソーですが、当初の動力は手回しでした。後にエンジンを動力として大量生産され、日本では主に林業の分野でなくてはならない工具となっています。
現在は林業だけではなく精肉業や、見た目の派手さからパフォーマンスで使用したり、チェーンソーを使用して木材や氷を切削するアートなども行われています。
ここでは一般的なリアハンドルタイプ・エンジンチェーンソーの使用方法を、わかりやすく説明します。各メーカー、モデルによって取扱い方が変わりますので、事前に取扱説明書を確認しましょう。
安全対策はされているとはいえ、保護具は確実に用意しましょう。電源式やバッテリー式といえども、枝を切り払うほどのパワーがありますので、保護具としてヘルメット・ゴーグルか保護メガネ・シールド・耳栓・粉塵対策に防塵マスクを用意するといいでしょう。
特殊な保護具ですが、チェーンソー対策の保護ジャケット・パンツ・ブーツなどもあれば安全の確保ができます。
チェーンソーを始動させる前に、フロントハンドルにあるチェンブレーキをかけます。そして、ソーチェンの張りの確認・燃料バルブ・チョークがある場合は確認しましょう。
始動は地面に置き、ソーチェンに何も触れていない状態でハンドルを引いて、エンジンをかけます。エンジンがかかったらスロットルの確認・チェンブレーキを解除し、ソーチェンの回転の確認を行います。
チェーンソーの回転方向は決まっています。正しくソーチェンの下側で切断すれば、チェーンソーの刃は鋸を引くときと同じように手前に動きますが、上側で切断すると本体を跳ね返してしまいます。
切断時には、足元を安定させてスロットルレバーを引きます。対象物に刃が当たってからは、自重で押し込むように切断します。このとき、チェーンソーの前後のハンドルをしっかり持っておくことに注意しましょう。
私がチェーンソーを使う時は
を意識しています。
チェーンソーを停止するときは切断中ではなく、必ず対象物から離してからスロットルを離しましょう。
アイドリング状態になったことを確認して、スイッチを停止します。停止はチェーンソーのモデルによって、停止ボタンを押したり、レバー・ハンドルを停止に合わせたりと動作が違います。ですので、事前に使用しているモデルを確認しておきましょう。
チェーンソーは、ソーチェンの下側で切断すると本体が対象物側に引き込まれる力が働きます。逆に上側を当ててしまうと、急に本体が使用者側に跳ね返るキックバックという現象が起こり、大変危険です。そのため、キックバックを避けるためにソーチェン上側や先端部での切断は行わないようにしましょう。
エンジン式チェーンソーは、他のエンジンと同様にエアクリーナー・燃料フィルター・マフラー・点火プラグなどのクリーニングが必要です。
また、ソーチェンが劣化したときは専用のヤスリで削る「目立て」を行います。しかし、刃の角度が変わると切れ味が悪くなったり、歯が食い込んでしまうことも。ですので、経験のある方が目立てをする、もしくは目立てをしてくれる業者さんを活用するのがおすすめです。
チェーンソーは大木を切るためのものだけではありません。ここでは、ご家庭でも使いやすい小型・軽量の各タイプを10製品ご紹介させていただきます。
大型で林業のイメージが強いエンジン式チェーンソーですが、ここではDIYや庭木の剪定に使用できる小型・軽量モデルを選びました。
電気とはいえ、小型チェーンソーにも劣らないパワーを持つモデルもあります。燃料の管理やエンジンのメンテナンスの手間がなく、自宅のコンセントにつなぐ事ができる手軽さが魅力です。
バッテリー式は電源式よりも重いです。しかし、コード不要で場所を選ばずに作業できるメリットは大きいでしょう。剪定などの簡単な作業であれば、バッテリー式でも不便なく作業することができます。
「少しチェーンソーを使ってみたい」「使いたいけど買うほどでは・・」と考えている方もいらっしゃると思います。じつはチェーンソーは、工具ショップやホームセンターでレンタルを行っているところもあるのです。
まずは中古で購入してみて、使用頻度が高ければあらためて新品を購入するのもいいでしょう。レンタルや中古の工具を活用することで、安くチェーソンソーを使うことができます。
家庭で使うにはちょっと大げさかな?と思うチェーンソーも、小型で軽量なモデルなら他の電動工具と同様に扱えます。 チェーンソーを使用することで、凝ったガーデニングや植栽の手入れなどを効率的に進められるでしょう。
保護具を用意して、使用者が安全に配慮すればけっして危険な工具ではありません。この記事を参考にして、自分好みのチェーンソーを選んでください。