電動工具の国内シェア3位であるリョービ。プロの方はもちろん、ホームセンターでも販売されているためにDIYなどで愛用している方も多いですね。
それではなぜリョービの電動工具は人気があるのでしょう?そしてどのような特徴があるのでしょう?さらに、なぜ最近のカタログや外箱には「KYOCERA」(京セラ)のロゴが入っているんでしょう?
今回はリョービの概要から電動工具の特徴、オススメ品までご紹介します。電動工具の購入を検討されている方にも役立つ情報がたくさんありますので、ぜひご覧ください。
RYOBI電動工具の外箱やカタログに「KYOCERA」(京セラ)ロゴが入っているのを見て、「なぜ?」と思った方はいませんか?実はリョービの電動工具ブランドは、京セラの子会社に譲渡されたんです。ここでは、電動工具ブランド譲渡の経緯などについてご説明します。
2018年1月、リョービ㈱はパワーツール事業の製造販売を行う新会社「京セラインダストリアルツールズ㈱」を設立。同時に新会社の株式の80%を京セラ㈱に譲渡します。
こうしてリョービのパワーツール事業(電動工具・ガーデン機器・清掃機器)は、京セラグループが引き継ぐこととなりました。リョービでは2000年から、パワーツール事業譲渡の他にも次のような事業の整理を行っています。
リョービの電動工具は売上の9割が国内で、市場シェアはマキタ・HiKOKIに次ぐ3位。2017年3月期の売上は160億円で黒字でしたが、今後の国内市場の成長が期待できないと判断し、欧米で大型の機械工具事業を展開する京セラへの売却を決断しました。
京セラは、2017年8月にはアメリカの大手工具企業SENCOホールディングスを買収するなど、工具事業の拡大に力を入れています。工具事業は海外で成長が続いているため、業績低迷が続く京セラがM&A(企業の合併・買収)によって、反転攻勢に出る足がかりとしました。
現在のところ、リョービ㈱と京セラインダストリアルツールズ㈱のどちらも、電動工具におけるRYOBIブランド名の今後の使用について明言はしていません。ですが、やはり国内シェア3位のブランド力がありますから、このまま使い続けるようです。
そのため、外箱やカタログには「KYOCERA」と「RYOBI」のロゴが並んで記載されます。京セラの子会社になった事情を知らない方は「RYOBIの工具を買ったのに、なぜ外箱に京セラのロゴが?」と思うようで、そういった疑問がQ&Aサイトに寄せられていました。
RYOBI電動工具のアフターメンテナンスは、京セラインダストリアルツールズが行うと発表されています。
・リョービ パワーツール事業の譲渡について
また京セラインダストリアルツールズのホームページでは、2018年以前に販売された製品の取扱説明書もダウンロード可能です。
・取扱説明書
さらに2012年7月の「電動サンダの回収」といった重要な情報も、ホームページの「重要なお知らせ」に記載されています。このように電動工具に関して必要・重要な情報は、すべて京セラに引き継がれました。
・重要なお知らせ
リョービはリールやボートなどの釣具事業を、2000年9月に㈱上州屋へ譲渡して、釣具事業からは撤退しています(リョービのニュースリリース)。釣具の「RYOBI」ブランドは残っていますが、現在は製造・販売・アフターサービスを全て上州屋が行っています。
・上州屋リョービブランド釣具事業部RYO-BIC
電動工具を京セラに譲渡したリョービとは一体どんな会社なのでしょう?現在はどういった事業を手がけているのでしょう?ここではリョービ㈱と、新会社の京セラインダストリアルツールズ㈱についてご説明します。
リョービは、1943年に「株式会社菱備製作所」として設立されます。翌年からはダイカスト製品の製造販売を開始。当時より、金型製作から後処理まで自社で行う一貫体制を確立し、現在でもリョービの強みになっています。
1960年代には、ダイカストで培った技術を生かし、印刷機器事業や建築用品事業、釣具事業、パワーツール事業にも参入を開始します。
1973年に「リョービ株式会社」に社名変更。釣具やゴルフ用品などの完成商品によって知名度をあげていきます。その後、日本のダイカストメーカーとしては初めて、アメリカに生産拠点を設立しました。
しかし1990年代のバブル崩壊に伴う日本経済の失速によって、リョービも大きな痛手を受けます。そこで2000年に「経営健全化計画」を掲げ、拡大しすぎた事業を見直し人員整理を行うことで、その危機を乗り越えました。
現在は広島県府中市に本社を置き、国内に7ヶ所の営業所と4ヶ所の工場をもちます。また国内9社、海外7社のグループ会社には7745名の社員を抱えるグローバル企業です。
リョービ㈱は現在、次の事業の製造販売を行っています。
設立以来の事業であるダイカストとは、精密な金型(ダイス)の中に溶かした金属を圧力をかけて流し込む鋳造法のことをいいます。良質で精密な製品を作ることが可能で、大量生産に適しているのが特徴です。
リョービはアルミダイカスト製品で、さまざまな自動車の軽量化に貢献します。シリンダーブロックやトランスミッションケース、ボディーシャーシ部品など、2500点に及ぶ自動車部品を供給し、300車種以上の自動車に採用されてきました。
またダイカストで培った技術をいかして製造したドアクローザーでも、次々とヒット商品を生み出し国内シェアNo.1を獲得。なかでも「doorman(ドアマン)」は、取り付けの簡単さとデザインの良さによって、それまでのドアクローザーのイメージを一新しました。
京セラインダストリアルツールズ㈱は、リョービ㈱の電動工具などのパワーツール事業を引き継ぐ新会社として2018年1月に設立されました。
その際、リョービ㈱は新会社の株式の80%を京セラ㈱に譲渡。こうして京セラインダストリアルツールズは京セラ㈱の連結子会社となります。現在は株式の20%をリョービが持っていますが、2020年頃には京セラが完全に取得するといわれています。
本社は広島県福山市にあり、社員数は142名。国内拠点としては、関連会社の京セラインダストリアルツールズ販売㈱が全国各地にサービスステーションを構えています。
プロからDIY愛好者まで幅広く人気を集めるRYOBIの電動工具。その特徴をご説明します。
生産拠点を中国に設けているため、リーズナブルな価格の商品提供を行ってきました。
さらに電動工具・ガーデン機器・清掃機器と、それぞれの分野で多様な工具がラインナップされており、「プロ用の電動工具」だけでも以下のような多くの工具が販売されています。
ひとつの種類の電動工具についてプロ用、DIY用から工具によっては入門用まで揃えていることも特徴です。
またインパクトドライバーやドリルなどの電動工具は、工具本体の色によって、
とすぐに見分けることができます。そのため、大工などプロの方からは「リョービといえば緑」、家庭のDIYで使う方からは「リョービといえば赤」とよく言われてきました。
プロ用電動工具の中でも最上位、「リョービ史上最高のプロ向け充電工具」と銘打った製品がXRシリーズです。
・京セラインダストリアルツールズ XRシリーズ
モーターに新開発の「ブラシレス分割コアモーター」を電動工具で初めて採用。また世界的な工業デザイナーである奥山清行氏がデザインを担当するなど、内面から外面までこだわり抜いた逸品です。
XRシリーズには充電式インパクトドライバー、ディスクグラインダー、レシプロソー、丸のこがラインナップされています。またインパクトドライバーBID-10XRは、2017年にグッドデザイン賞を受賞しました。
家庭用ガーデン機器として販売されているスーパーマルチツール。これは共通の本体ユニットに、バリカンやのこぎり、やすりなど使用用途に合わせた6種類のユニットを付け替えることができるガーデンツールです。
庭の手入れ用にと、各工具をそろえるよりもリーズナブルです。さらに取り付けユニットは本体が無い分コンパクトですので、工具の置き場所にも困りません。
商品の紹介から電動工具の使い方、DIYの方法などたくさんの役立つ情報動画が、京セラインダストリアルツールズのYouTubeチャンネルにあげられています。「初心者だけど、電動工具を使ってDIYにチャレンジしてみたい!」という方にはぜひおすすめのチャンネルです。
・京セラ インダストリアルツールズ YouTubeチャンネル
RYOBI電動工具はプロからDIY愛好家まで多くの方に愛用されていますが、その中でも特に人気の高い商品を選んでご紹介します。おすすめ品もご紹介しますので、電動工具の購入を検討されている方はぜひご覧ください。
RYOBI電動工具の中でも、特に人気の高い工具が高圧洗浄機。京セラでも力を入れているようで、特設ページがつくられています。
洗浄する場所ごとのおすすめ品や特徴、Q&Aなど情報が満載のページになっており、とてもわかりやすい内容ですので、高圧洗浄機の購入を考えている方は、ぜひ一度ご覧ください。
・京セラインダストリアルツールズ 高圧洗浄機の特設ページ
ここでおすすめするのはAJP-2050です。本体から電源コードとホースを取り外すことができるため、収納性がよく、持ち運びしやすくなっています。また、水冷式誘導モーターを使っているので動作音が静か。そのため、ご自宅のベランダやバルコニーでの使用にピッタリのモデルです。
海外の家電メーカーも参入する充電式クリーナー市場。リョービのクリーナーは、シンプルなデザインとパワフルな吸引力で人気があります。
おすすめするのはBHC-1010です。パワフルな吸引力の2段階切り替えが可能で、急速30分充電でお掃除できます。電池パックを含めた重さは1.0キロ。収納に便利なフック付きです。
掃除機のようにゴミを吸い取るだけでなく、丸ノコなど電動工具に接続すれば、作業中の木くずなどを吸い取ることも可能な集じん機。
おすすめはVC-1250STです。汚泥や液体なども吸い取れる乾湿両用で、吸込仕事率は280Wのハイパワー。タンクと延長管がステンレス製なので、汚れに強く洗いやすくなっています。ベランダやウッドデッキなどのお掃除にもおすすめです。
リョービの得意分野であるガーデン機器の中でも、ラインナップが豊富な芝刈機。手動芝刈機、電動芝刈機、電子の力で回転数を制御する電子芝刈機、コードレスの充電芝刈機が販売されています。
ここでおすすめするのが、ユニット交換で6種類の異なる用途に使えるスーパーマルチツールです。本体ユニットは充電式とAC電源式の2種類。バリカンユニットAB01で芝をキレイに刈り取ったら、ユニット交換です。サッチングユニットSA01で刈りかす(サッチ)を取り除き、芝の育成を促進します。
様々なラインナップを揃えているリョービのチェンソー。木を切るチェンソーの他に、高い場所の枝を切るポールチェンソーや太い木も切れるパワフルなエンジンチェンソー、庭木の枝打ちができるガーデニングソーなどもあります。
ここでおすすめするのは、充電式チェンソーのBCS-1800L1です。以前は充電式だとパワーや作業可能時間が不足していましたが、現在はリチウムイオン電池の性能が上がったために改善されています。
有効切断長さは250mmですので、太い枝木も余裕で切断できます。また1充電あたりの作業量は、40mm×40mmの米松で110本。さらに2.3キロと軽量ですので、庭木の枝打ちにはぴったりです。
ビットを交換すれば、ドライバの他にソケットも取り付けられ、様々な場面で活躍するインパクトドライバー。現在はリチウムイオン電池の性能が上がったため、AC電源用インパクトドライバーに負けないパワフルさを持つ充電式が主流です。
おすすめするのは、ハイパワーのBID-182L5。カタログで「軽い、短い、強い」とアピールしている機種で、質量1.5kgと軽量、全長117mmとコンパクト。それでいて最大締付トルク180N・mという強力さが特徴です。
バフを取り付けて車磨きに使うことで、新車のような輝きを出すことができるポリッシャー。おすすめするのは電子アクションポリッシャーPED-132です。脱着式電源コードですので複数の本体を1本の電源コードで使うことができ、作業場がコードで乱雑になることがありません。
木材加工には欠かせない丸ノコ。各メーカーから様々なモデルが出ているなか、リョービでも入門用・DIY用・プロ用と幅広いラインナップの丸ノコを取り揃えています。
ここではプロ用のW-568Dをおすすめします。深切りタイプの丸ノコで、材料へのキズを防止し、滑りを良くするスライドシート付き。LEDライトと、墨線上の切粉を飛ばすブロワ機能付きで作業性も抜群です。
少し変わった商品ですが、冬にはぴったりの加熱ジャケットです。外での作業を行う場合には1着持っておくととても心強いですね。
おすすめするのはBHJ-BM。別売りの電池パックをつなげば、背中と胸の発熱ユニットがわずか10秒で発熱し、体を前後から包み込むように温めることが可能です。
温度は高・中・低と3段階に切替可能で、水での手洗い洗濯ができるため、外でも汚れを気にせず作業に集中できます。
今回はリョービの概要から電動工具の特徴、オススメ品までご紹介しました。電動工具ブランドは京セラグループに移っても、国内シェア3位のブランド力は健在です。リーズナブルで、プロも安心して使える高品質な電動工具を多く揃えていることで、今後もその人気が衰えることはなさそうですね。
これからDIYを始めてみたいという方は、ぜひ京セラインダストリアルツールズのYouTubeチャンネルをのぞいてみて下さい。どのような工具があってどう使えばいいのかが、とてもわかりやすく短い動画にまとめられています。そして実際に電動工具を選ぶ際に、今回ご紹介した記事の内容が役に立てば幸いです。