発電機のなかで常に高い人気を誇るホンダの発電機。そのなかでも特に人気が高いのがEU18i、EU9i、エネポの3モデルです。それではこの3モデル、どういった違いがあるのでしょう?またどのモデルがどんな用途に合うのでしょう?
今回はそんな疑問にお答えします。人気の3モデルについて、スペックから特徴までを徹底比較しました。並べて比較することで、その違いがわかりやすくなっています。
また、発電機の選び方や関連商品についてもご紹介していますので、発電機の購入を検討されている方はぜひご覧ください。
目次
高い人気を誇るホンダの発電機。ここではその特徴をご紹介します。
ホンダの発電機は、用途に応じて次の4タイプが用意されています。DIYからプロまで、精密機器から大型モーターまでと、様々な用途に対応していますね。
ホンダ発電機は上記の4タイプのそれぞれで、出力・サイズ違いなど幅広いモデルをラインナップしています。2019年10月のカタログに記載されているだけでも18モデル。同じく発電機で有名なヤマハですら、カタログで紹介しているのは9モデルですから、ホンダのラインナップの幅広さがよくわかりますね。
人気が高いホンダの発電機のなかでも、特に人気が高いのがEU18i、EU9i、エネポ(EU9iGB)の3モデルです。ですが、この3モデルにはどういった違いや特徴があるのでしょう?ここではスペックと特徴を徹底比較します。
まずは3モデルのスペックを比較表にしました。サイズや定格出力などの違いがひと目で分かりますので、それぞれの特性を確認しましょう。
モデル名 | EU18i | EU9i | エネポ |
---|---|---|---|
重量(kg) | 21.1 | 13.0 | 19.5 |
全長(mm) | 509 | 451 | 365 |
全幅(mm) | 290 | 242 | 262 |
全高(mm) | 425 | 379 | 524 |
燃料タンク容量 | 3.6L | 2.1L | 500g |
エンジン排気量(c㎥) | 121 | 49.4 | 57.3 |
定格出力(VA) | 1.8k | 900 | 900 |
運転可能時間 定格負荷(時間) | 3 | 3.2 | 1.1 |
運転可能時間 1/4負荷(時間) | 7.5 | 7.1 | 2.2 |
騒音レベル 定格負荷(dB) | 90 | 86 | 84 |
騒音レベル 1/4負荷(dB) | 81 | 78 | 79 |
ここからは、モデルごとに特徴をご説明していきます。まずはEU18iです。
EU18iは何よりも高出力!他の2モデルと比べると出力は2倍もあります。そしてエンジン回転数を抑えた運転が可能です。そのため、同じ消費電力の電気機器を使用しても、より長時間運転することができます。
また、同程度の2kVAクラスの発電機と比べると、ボディは小さく軽重量、さらに低騒音で低燃費。片手で持ち運べるため、その機動力を活かして様々な場所で使用できます。
EU9i最大の特徴は、とにかく軽いこと!ホンダの発電機の中では最も軽い13キロです。そのため場所を選ばず、気軽に持ち運ぶことが出来ます。またボディサイズもコンパクトですから、収納場所にも困りません。
さらに、使用する電気機器の消費電力に合わせてエンジンの回転数を最適に制御する「エコスロットル機能」を搭載。そのため、照明など負荷が低い機器では長時間運転することが可能になっています。
EU9iについては、こちらの記事もぜひご覧ください。
エネポ(EU9iGB)のいちばんの特徴は、カセットボンベで動くこと。これはホンダ発電機の中でも現在唯一のモデルです。カセットボンベは、ガソリンと比べて次のような利点があります。
また低温化では気化しにくくなるカセットガスですが、ホンダ独自の機構によって5℃から使用可能。最高は40℃までと広い温度範囲で使用できます。
さらに本体には、折り畳み式のハンドルと大型車輪を装備しているので、移動もラクラクです。
3モデルのスペックと特徴が確認できましたので、次は具体的な用途からおすすめするモデルをご紹介します。
非常時の備えとして選ぶなら、ガスボンベで動くエネポ(EU9iGB)がおすすめです。上記のとおり、カセットボンベはガソリンに比べて長期保管に向いています。
ガソリンは長期保管していると劣化します。長期保管できる「ガソリンの缶詰」もありますが、大変割高です。そう考えると、ホームセンターやコンビニでも購入でき、使用期限が長いガスボンベで非常時に備えることが、最もおすすめできます。エネポで備えましょう。
キャンプに持っていくなら、最軽量のEU9iがおすすめです。キャンプに行くとなれば、テントやコンロなど荷物がたくさん!そんな中で発電機まで重ければ、準備だけで疲れてしまいます。
EU9iなら軽量で移動もラクですし、定格出力は900VAです。900VAあれば、ホンダ公式サイトで紹介している通り、こんなにたくさんの電気機器をつなげられます。EU9iは小さいけれど、パワーも充分なんです。
屋台や移動販売などの野外イベントで使うなら、高出力のEU18iがおすすめです。野外では消費電力が大きい機器が多くなりますので、高出力タイプが必需品になります。
そこでEU18iが1台あれば、これだけの電気機器を使えてしまうんです。また、高出力ですが軽量・コンパクトボディですので、置く場所もとりません。
人気3モデルの他にも、ホンダの発電機にはたくさんの種類があります。そこで、ここでは発電機の選び方を順番にご説明します。
まずは、発電機にどういった電気機器をつなぎたいのか、すべて書き出してみましょう。書き出したら、次は電気機器の消費電力と起動電力を調べます。
消費電力は取扱説明書やカタログなどで確認できます。ノートパソコンなら25W、32型のテレビなら140W、冷蔵庫なら260Wほどです。
次に起動電力を調べますが、これは電気機器が「動き出すときに消費する電力」です。また、起動電力はカタログなどには記載されていません。さらに電気機器によって、消費電力=起動電力の機器があれば、起動電力が2倍以上の機器もあります。詳しくはヤマハ公式サイトの「起動電力の目安」で何倍にするとよいのか確認して下さい。
調べた電気機器の起動電力をすべて足して、合計が何Wになるか確認します。
合計を求めたら、「合計値以上の定格出力がある発電機」を選びます。上の図であれば合計は1090W。そして、発電機の定格出力の単位であるVAと、Wとの関係は次のようになります。
たとえば人気の3モデルで考えると、EU9iとエネポの定格出力は900VA(=900W)ですから、合計値以下となって使用不可です。しかしEU18iは1.8kVA(=1800W)ですから、合計値以上で使用可能となります。
発電機に接続して使用する機器によって、選べる発電機が変わってきます。たとえばパソコンを使用したい場合には、インバータ発電機を選ぶ必要があります。他のタイプの発電機にパソコンを接続して使用すると、パソコンが壊れてしまうことも。
必ずこちらの表を参考にして、適した発電機を選びましょう。
日本国内で販売されている電気機器には、「50Hz」か「60Hz」のどちらか、または「50/60Hz」の表示があります。「50/60Hz」の場合はどちらでも問題ありませんが、「50Hz」か「60Hz」の単独表示の機器をつなぐ場合には、同じ周波数のモデルを選ぶことが必要です。
発電機のタイプによっては周波数の切替機能がついていますが、スタンダード発電機などは切替機能がなく、周波数ごとにモデルが発売されています。
周波数が違う機器を接続して使用すると、機器が故障する場合もあります。必ず同じ周波数のモデルを使用しましょう。
今回ご紹介している人気の3モデルは、パソコンや精密機器にも使用できる「正弦波インバーター搭載発電機」でした。しかしホンダには他に3タイプの発電機があり、やはりこちらの発電機も人気です。ここでは3タイプの発電機から、おすすめのモデルをご紹介します。
軽量・コンパクトで、モーターを使用した電気機器に最適なサイクロコンバータ−搭載発電機。50・60Hzの切り替えも行えます。このタイプでおすすめするのはEX22です。
騒音を抑える二重防音構造のフルカバー防音設計で、夜間作業にも対応可能。12.7Lの大型燃料タンク内臓で、サイクロコンバータ−搭載発電機の中では最長の8.4時間の連続運転を実現しました。また車輪付きタイプのため、移動もラクラクです。
DIYからプロの作業まで使いやすいスタンダードタイプの発電機。おすすめするのはプロ向けのEBR2300CXです。
12Lの大型燃料タンク内臓で、10時間の連続運転が可能。超低騒音型で騒音レベルが93dB(※1)と、周囲環境にも配慮しています。段積みフックを装備していますので、複数台でも場所を取らずに収納可能です。
※1: 50Hzモデルでの値です。60Hzモデルの場合は運転時間が8.1時間、騒音レベルは96dBで低騒音型となっています。
大型モーターを使用した電気機器に最適な、プロ向けの三相発電機。おすすめはET4500です。
三相の定格出力が50Hzモデルで4.0kVA、60Hzモデルで4.5kVAの高出力ながらコンパクトなボディ。しかもボディは開放型ですので、メンテナンスを行うのもラクです。
交流定格出力(Hz):三相200V/4.0kVA、単相100V/500VA
※単相200V/単相115Vも取り出せます。
連続運転可能時間:約5.4h
燃料タンク容量:13.5L
乾燥質量:77.0Kg
ホンダのカタログなどには、発電機と合わせて使うことでより便利に、より使い勝手が広がる関連商品が記載されています。ここでは、そんな関連商品をご紹介します。
発電機を中に入れて使用するで、騒音を低減することが可能な防音ボックス。吸音材と防音加工が施してあるため、住宅街で発電機を使用するといった場合にあると便利です。現在はEU18i用とEU9i用の専用ボックスが販売されています。
直射日光などから本体を守る専用のボディーカバーです。発電機を長期保管をする場合には、ぜひ用意しましょう。
発電機を複数台持っている場合は、専用コードで接続して「並列運転」を行うことができます。並列運転を行えば出力が2倍になるため、消費電力が大きい電気機器を使用することも可能です。
エネポの動力源となるカセットボンベ。いざというときのためにぜひ常備しておきましょう。ホンダでは東邦金属工業㈱のTOHOシャトルを推奨しています。
今回はホンダ発電機の人気3モデル EU18i、EU9i、エネポのスペック比較・特徴の紹介と、発電機の選び方などについてご紹介しました。高出力のEU18i、軽量のEU9i、カセットボンベで動くエネポと、それぞれのモデルの特徴をつかんで頂けたかと思います。
特徴を知れば、用途にあった発電機が選びやすくなります。ぜひ今回の記事を参考に、あなたの用途にあった発電機を選んでみてくださいね。