あなたはイチネンTASCO(タスコ)という企業をご存知ですか?プロ・業者向けの製品がメインのため、なじみのない方も多いかもしれません。しかし実はタスコは、国内の空調冷凍機器工具の販売シェアがNo.1という素晴らしい企業なんです。
今回はタスコについて、企業の概要から製品の特徴・主力製品までをご紹介します。仕事で空調・冷凍工具を取り扱う方、タスコの製品に興味のある方はぜひご覧ください。
まずはタスコの企業概要をご紹介します。
タスコは、1976年5月に大阪の立売堀で「タスコジャパン株式会社」として設立されます。設立当初から、空調冷凍機器工具の開発・製造・輸入販売を手がけ、業界No.1の売上を達成。
2013年5月にはイチネングループに傘下入りし、その後2015年4月に社名を「株式会社イチネンTASCO」に変更しました。現在でも空調工具業界No.1の座は譲っていません。
タスコが傘下入りしているのがイチネングループ。イチネングループは、イチネンホールディングスを筆頭に、15のグループ会社があります。
タスコは「機械工具販売事業」グループに属し、他には自動車部品の専門商社㈱アクセス、機械工具の販売を行う㈱イチネンMTMといったグループ会社があります。
タスコは、2015年4月に「TASCO (THAILAND) Co.,Ltd」を設立しました。低価格帯のASEAN専売商品を開発して、「TASCO BLUE LABEL」を新設。タイ市場を開拓するとともに、ASEAN周辺国への事業展開を加速しています。
プロから選ばれるタスコの製品には、一体どのような特徴があるのでしょう?ここではその特徴をご紹介します。
タスコの空調冷凍機器工具は、販売実績が国内でNo.1。「TASCO」ブランドはその実績によって、プロからの高い信頼を得ています。特に、空調機器に使用される「フロンガスの回収及び注入の際に使用する工具」の企画・開発力が一番の強みです。
また1990年から始まった計測機器の製造・販売においても、生産現場だけでなく学術分野まで多様なニーズに即した製品を開発。売上を伸ばしました。
タスコの販売する製品は、冷凍・空調工具と計測機器を中心に幅広いラインナップになっています。カタログの目次を見れば、その幅広さが一目瞭然です。特に「01 冷凍・空調工具」については、117ページにも渡って製品が紹介されており、このラインナップの多様さもプロに選ばれる理由なんでしょうね。
タスコでは、複数の得意先での点検・充填・回収情報を一元的に管理できるソフト「TFMS」を開発しています。得意先が増えると管理が大変になりますが、ソフトならまとめてカンタンな管理が可能に。また、記録簿や証明書などが簡単に出力できるとても便利なソフトです。
数多くのタスコ製品の中から、ここでは主力の製品をご紹介します。
真空ポンプとは、機器内部の気体を排除して真空状態に保つために使用する機器です。エアコンを取り付ける際、内部に空気や水分が残っていると正常な動作が行えなくなることも。そこでフロンガスを充填する前には真空ポンプで真空にして乾燥させます。
タスコの真空ポンプの特徴は、次のとおりです。
フレアツールとは、空調配管などの端面を広げる専用工具です。タスコでは手動と電動のフレアリングツールをラインナップしており、手動フレアリングツールには次のような特徴があります。
ベンダーとは配管をキレイに曲げる機器です。タスコでは、手動ベンダーと電動ベンダーの両方を取り揃えています。
タスコでは多くの測定器もラインナップしていますが、特に人気が高いのが温度計です。また接触式の温度計から、非接触式まで多くの種類がラインナップされています。
接触式で人気が高い製品がデジタル温度計。さまざまな機能を備えており、高精度・高速応答が特徴。使用する場面に応じたセンサーも複数準備されています。
非接触式で人気が高い製品が、表面温度分布がわかるサーモグラフィです。数値だけではなく、ひと目で温度分布がわかるため、異常を発見しやすくなります。
マニホールドとは、エアコンの取り付けや廃棄時に、フロンガスの圧力が設定どおりになっているか確認する測定器具です。フロンガスの種類によって、使用するマニホールドは異なります。
タスコのマニホールドは出荷時には全ての圧力試験を行い、合格した製品だけを出荷。これが高品質のヒミツですね。
近年、環境保護の観点からエアコンなどで使用される冷媒も、環境にやさしい種類が使われるようになっています。現在は地球温暖化防止にも貢献できる新冷媒HFC(R32)の採用が増えました(日本冷凍空調工業会公式サイト)。
しかしHFC系冷媒は、他の冷媒と比較すると、分子が小さく高圧力のため冷凍サイクル内から漏えいする可能性が高くなります。そのため高性能タイプのリークテスタで検出することが必要です。
タスコのリークテスタTA430Dは新冷媒の検知が可能な赤外線吸収方式(NDIR)を採用。長寿命の赤外線センサーを内蔵し、リーク量表示機能を追加しているため、より使いやすくなっています。
タスコの長年の技術が詰まっている、フロン回収装置。空調冷凍機器を廃棄もしくは修理する際に、中に残ったフロンガスを回収する機器です。
タスコのフロン回収装置は、小型でハイパワーな点が特徴です。特にTA110FPは、「コンパクトで作業性が高く、フロン回収率向上に期待できる」として、「第21回オゾン層保護・地球温暖化防止大賞」の経済産業大臣賞を受賞しました。
空調冷凍機器が故障し修理を行う場合には、冷凍サイクル内の洗浄を行う必要があります。洗浄せずに修理をすると、故障で生じた汚泥や劣化オイルによって、再度故障する可能性も。そのため冷凍サイクル洗浄機で機器と配管の洗浄を行います。
タスコの冷凍サイクル洗浄機には、次のような特徴があります。
ここまでで、タスコが幅広いラインナップで、高品質な製品を販売していることがわかりました。しかしタスコが選ばれる理由は他にもあるようです。ここでは、タスコのユーザーサポート体制をご紹介します。
タスコの製品は一部のホームセンターや通販でも販売していますが、販売代理店を通しての販売がメインとなっています。しかし冷凍・空調工具など、取り扱いや操作が難しい製品も多いため、タスコの営業社員が直接ユーザーを訪問して説明することも多くあります。
タスコのカタログには、「巻末資料」として約30ページを費やして、機器の使い方や冷媒関連資料などが記載されています。たとえばフロンガスの取り扱いは法律で決められており、機器の点検期間なども従わなければいけません。作業するにあたり、こうした期間など不明な点があった場合にはすぐに電子カタログで確認できるので安心ですね。
タスコではYouTubeに製品紹介チャンネルを設けています。海外向けに、英語版の会社紹介動画も。こうした動画で、製品の取り扱い方や概要などを知ることが出来ます。
・株式会社イチネンTASCO Youtubeチャンネル
今回はタスコの企業の概要から製品の特徴・主力製品までご紹介しました。長年の製品開発による技術の蓄積、そして多様なラインナップによって、プロから選ばれてNo.1になっている現状をご理解頂けたかと思います。
現在は地球規模で温暖化が進み、さらにその対策が求められています。フロンガスなどの適正な処理には、高品質な空調工具は欠かせません。タスコの空調冷凍工具を適正に使用して、地球に優しい仕事を続けていきましょう。