日本を代表する総合電機メーカーである日立製作所には、日立グループとしての連結子会社は、日本国内、海外を含めて864社もあり、世界有数の企業グループを形成しています。そんな日立グループには、農業関連機械を専門に製造販売している日立建機、電動工具を製造販売している日立工機があります。日本を代表する両企業について【日立大辞典】としてご紹介していきます。
目次
日立建機は日立製作所の一部門でしたが、規模の拡大と共に、各社とも分社化され、日立グループの一員として現在に至ります。電動工具で有名な日立工機は、第二次世界大戦終戦後に、日立兵器株式会社の第二会社として、設立された経緯があります。各社の簡単な歴史と成り立ちを、ご紹介していきます。
日立建機は1969年11月に、日立製作所の建設機械部門が分社化し、日立建設機械製造株式会社として事業をスタートしています。1970年10月に以前から、建設機械の販売や、サービスを目的に設立されていた、(旧)日立建機株式会社と合併することで、現在の日立建機株式会社が発足しました。 その後、順調に業績を伸ばし、1981年12月には東証二部へ上場、1989年9月には東証一部へ上場し、指定替えを果たしました。また2016年12月現在では、従業員数は単独で4,038名、連結で21,447名を有し、2017年3月現在、日立建機の連結子会社として、日本国内のみならず、海外も合わせると、85社にもなる巨大企業に成長しました。 1980年代から南北アメリカ、ヨーロッパ、南アフリカ、インド、東南アジアを含むパシフィック地域、中国へと世界展開を行っています。特にアジア・パシフィック地域には積極的に進出しており、現地でも知名度が高いのが特徴です。日立建機は建設機械分野では日本国内第2位、世界的に見ればキャタピラー、コマツについで第3位のシェアを誇ります。油圧装置を利用したパワーショベルやホイールローダーをはじめ、ブルドーザーなどの一般建設機械から、面白い所では双腕作業機のASTACOや、対人地雷除去機など、独創的な建機を開発していることで有名です。 対人地雷除去機については、2000年に1号機が納入されて以来、カンボジアやアフガニスタンなどに合計86台を納入し、世界的な需要に対応しています。
日立建機株式会社 公式ホームページ
日立建機日本 公式ホームページ
引用:日立工機株式会社
第二次世界大戦の終戦後、1948年に日立兵器株式会社の第二会社として、採炭機器や電動工具の製造を目的に設立されました。翌年1949年には、東京証券取引所と大阪証券取引所に、上場を果たしました。 1957年(昭和32年)にディスクグラインダを開発販売をし、1960年には電動工具と圧縮空気を利用したエアー工具の製造を開始しました。一般工具を中心に、製造販売を行って順調に業績を伸ばし、1970年代後半にはドイツとシンガポールに海外現地法人を設立。1980年代にはアメリカ、イギリス、オランダ、ベルギー、中国、マレーシアと積極的に海外へ展開し、事業拡大を図りました。また、充電式工具や、業界初の卓上丸のこ、コードレスインパクトレンチなどを販売し、生産用連続超遠心機を開発し、工具業界の牽引役となりました。 その後も、世界最高速の小型超遠心機や、高圧釘打機を販売し業績を伸ばしました。2009年に日立製作所の持ち株比率が51%を超えたため、日立工機株式会社は連結子会社となりました。しかし、2017年3月にアメリカの投資会社コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)の関連会社であるHKホールディングスが、株式公開買付けを行い、約90%の株式を取得したことで、日立グループから離脱しました。2017年7月現在では、HKホールディングスの完全子会社となっています。
日立工機株式会社 公式ホームページ
日立建機からはミニショベルや、中型や大型ショベルをはじめ、ホイールローダーや林業機、解体破砕機など、大小さまざまな建設機械を製造販売しています。
特に、6トンから40トンの中型ショベルと言われるカテゴリーでは、サイズや出力、現地の状況に合わせてローカライズされた機種などを含めると、100機種ほどがリリースされています。日立建機が、業界リーダーと言われるほどの実績を誇ります。その中でも、形式番号ZX200、ZX210をはじめとする、ZAXIS200シリーズは、操作性の良さや汎用性の高さから、非常に人気の高い機種です。
引用:日立建機株式会社 油圧ショベル
簡単に標準タイプである「ZX200-5B」について、ご紹介していきます。
②新世代クリーンエンジンを搭載
パワーショベルの心臓部であるエンジンも、新世代クリーンエンジンを搭載し、特定特殊自操車排出ガス2011年基準をクリアしています。
③オートアイドリングストップ機能
ロックレバーをあげた状態が、任意で設定した時間をオーバーした際に、自動的にエンジンが停止します。オートアイドリングストップ機能を備えている、多機能な中型ショベルです。
④マルチモニター搭載
コクピット内、右前方に設置された7インチのマルチモニターで、水温計や燃料計の他、作業モードの変更や、後方モニターなど、機体情報を簡単に確認することができます。
ご紹介した以外にも、簡単にメンテナンスができたり、各オプションを取り付けることで、さまざまな作業が可能になります。
日立工機の電動工具の定番といえば、やはり会社として一番最初に開発販売を始めた、ディスクグラインダーではないでしょうか。
ディスクグラインダーにもさまざまな種類があり、通常の電源コードを利用した物から、リチウムイオンバッテリーを使用したコードレスタイプまで、全27機種がリリースされています。ディスクグラインダーの代表的な機種である高出力タイプ、低速高トルクタイプ、無段変速タイプなどがあります。使用用途によって、幅広く使い分けができるのも、電動工具の老舗メーカーらしいといえます。
そんな数あるディスクグラインダーの中で、今回ご紹介するのは「G10SH6」です。100ボルト仕様で、砥石(といし)径100㎜対応の4インチディスクグラインダーです。細径シリーズといわれ、ボディ本体が56㎜と小さく、握りやすいサイズになっています。持ちやすさ重視の、しっかりと力を伝達できるタイプです。また、分割コア仕様で、最大出力1,100Wとパワフル、国際規格に対応した2アクションスライドスイッチ、再起動防止機能などを備えいます。使い勝手がよい、ディスクグラインダーです。
日立建機は日本国内のみならずグローバル展開を行っており、世界第3位のシェアを誇ります。日立建機が得意としているカテゴリーは、油圧式中型ショベルで、業界内でのリーダーカンパニーともいわれています。
そんな日立建機の最新マシンであるZAXIS200シリーズには、3Dマシンコントロールという独自技術が投入されています。この独自技術は、ドローンなどを使い、空中から工事現場の地形データを3Dデータとして取得し、そのデータを基にして、中型ショベルを半自動制御することで、操縦者の負担を軽減します。さらには、施工目標以上の深さを掘り過ぎ無いよう、マシン側で自動的に制御します。従来は、操縦者の技量によるところが多かった作業を、マシンが行ってくれるため、作業効率を飛躍的に向上させています。
この3Dマシンコントロール以外にも、2Dマシンガイダンスなど、非常に高い独自技術を駆使し、作業効率を上げるための建機作りを行っています。
2009年に、日立製作所が株式公開買付けを行ったことで、出資比率が約51%となり、子会社化され日立グループの一員となりました。しかし、2017年3月にアメリカの投資会社コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)の子会社であるHKホールディングス株式会社が、公開株式の買い付けを行ったことにより、買収され、日立グループから離脱しています。
2017年7月には、東京証券取引所一部での上場が廃止され、HKホールディングス株式会社の完全子会社になっています。
電動工具類の製造、販売はそのまま事業継続しています。日立工機により、独自開発された業界最小、最軽量の高性能36Vのリチウムイオン電池を搭載した、コードレス電動工具「マルチボルトシリーズ」を2017年8月末に発表したばかりです。従来からリリースされている、18V仕様の電動工具とバッテリーの互換性もあり、36Vと18Vの電圧を自動的に変換する、新たな機能を搭載している優れ物です。順次11機種をリリースする予定となっています。
日立グループの一員らしく、その品質は海外でも高く評価されています。キャタピラ、コマツに続き、世界シェア第3位を誇ります。最新の中型ショベル、ZAXIS200シリーズには、日立建機の独自技術である3Dマシンコントロールシステムを発装備しており、その技術と品質の高さから、中型ショベルの半自動運転を実現しています。
この3Dマシンコントロールシステムは、事前にドローンなどの無人航空機を使用し、作業予定地の地形を3次元化、データ化することで、設計図面との差異を検知し、自動計算することでマシンが半自動制御され、地盤の掘り過ぎを自動的に防ぐようになっています。また法面(のりめん)などの傾斜の成形についても、マシン側で自動的にバケットの角度を自動調整し、熟練作業者のような仕事を行うことで、作業効率を圧倒的に向上させます。
高度なICT技術を駆使し、熟練作業者の操縦テクニックをマシンが自動で代行してくれるます。従来の建機の使い方と全く違った考え方で、建機業界を変革できるだけの品質と、技術力を備えているのではないでしょうか。
第二次世界大戦の終了直後から、電動工具を作り続ける日立工機も、独自技術を多く開発しています。日立工機は医療用の遠心分離機なども製造販売しており、もとの技術は電動工具によるモーター回転の制御が基礎となっています。高い品質で医療関係をはじめ、大学や企業の研究機関などで、数多く使用されています。
電動工具では、2016年にドイツ・ハノーバー工業デザイン協会から、iFデザイン賞を4年連続で受賞しています。日本国内だけでなく、海外からも、その品質の高さとデザイン性を評価されています。
また2017年の8月に電動工具では初となる、36Vのリチウムイオンバッテリーを使用したものを開発し、リリースしたばかりです。従来の電動工具を凌駕する、ハイパワーを備えた、プロ仕様の電動工具となっています。さらに、18V仕様の電動工具と互換性も備えており、使い勝手の良さも際立っています。
日立建機のミニショベルは、油圧式の小さなショベルで、機械重量が800㎏から5,400㎏までが含まれます。日立建機のミニショベルで特徴的なのが、後方小旋回型といわれるタイプで、運転席キャビンの形状を工夫することで、小さくコンパクトに旋回することが可能となりました。障害物や現場作業者などへ、接触事故を起こしにくい構造となっています。また国際基準であるISOの安全基準を満たし、機械横転時や落下物からの保護など、搭乗者の安全確保を最優先に設計されています。
ミニショベルは、下記の13機種がリリースされており、出力や機械重量などによって分類されています。
日本でリリースされている13機種について、車両諸元のみをご紹介しました。実際には、世界各地で細かなディテールが異なる機種が数多くリリースされており、日立建機のミニショベルは、市街地での安全を考慮した、後方超小旋回機が主流となっているのが特徴です。
また、ニュートラルエンジンスタート機構をはじめとする各種安全装備に加え、車両自体のメンテナンスが実施しやすいように、各部に開放部があるのも人気の一つです。
油圧式中型ショベルは、土木工事や建築現場などの大きな工事現場では、最も使用頻度の高いカテゴリーとなっています。日立建機は、車両重量6トンから40トンまでの油圧式中型ショベルにおいて、世界的な業界リーダーといわれています。日本国内をはじめ、全世界各地でローカライズされた機種まで含めると、100機種以上の中型ショベルをリリースしています。
日本国内では16機種がリリースされており、さまざまな搭乗者支援機能を備えています。16機種の車両諸元を簡単にご紹介します。
日立建機の中型ショベルの最新機種ZAXIS200シリーズには、前項でも少し触れた3Dマシンや2Dマシンガイダンスなどの最新技術が、惜しみなく投入されています。ICT技術を駆使することで、操作者の操縦技術が熟練者の域に達していなくても、マシンが自動的に計算し補正、対応してくれます。作業のブレが無くなり、作業効率が大幅にアップしています。
大型ショベルやローディングショベルを、日本国内で使用する場所は比較的少ないです。どちらかというと中国やオーストラリア、アフリカ、アメリカなど海外の大規模鉱山や、レアメタル採掘場などで、使用されていることが多い建機です。その大きさは、機種によって、数階建てのビルと同等の大きさという桁外れなもので、実物を見れば驚くこと間違いなしです。
これだけ巨大な建機が、日本国内で10機種もリリースされていることに驚きます。快適なコクピットをはじめ、車体監視モニターなど、さまざまな搭乗者支援機能を備えています。10機種の車両諸元を、簡単にご紹介します。
日立建機の最大機種であるEX8000-6は、全油圧式のショベルとしては世界最大で、カナダで実際に稼働しています。
先にご紹介した中型ショベルと比較しても、その圧倒的な大きさと重さ、パワーの違いがお分かりになると思います。操作性やスピード向上のために、最先端の油圧制御技術が装備されており、巨体の割にキビキビと操作できるのが特徴です。
日立建機のホイールローダは、車両重量約2トンから47トンまでの19機種をリリースしています。初心者でも熟練オペレーターのようにホイールローダを使えるよう、簡単に操作できることを目標に、車両設計がされています。
負荷の掛かり方を車両が判断し、適切なギヤを自動で選択する変速遅延モードを備えた、新型トランスミッションや、車両状態を一目で確認できるマルチモニターシステムなど、長時間操作しても疲れにくい装備が搭載されています。
日立建機のホイールローダでは、ねじれに強いフレーム構造を採用するなど、長期間の過酷な使用にも耐えれる構造になっています。
日立建機の独自技術で、2005年に開発された双腕作業機アスタコは、油圧式ショベルの片腕だけでは作業しにくい状況でも対応できるように、その名の通り双腕になっています。ASTACOは、Advance System with Twin Arm for Complex Operationの頭文字を取って、名付けられました。
その後も進化を続け、2012年9月には、日立建機が得意とする中型ショベルをベースとしたアスタコNEO(形式:ZX135TF-3)が量産機として販売されています。価格は2,360万円と高額ですが、その使い勝手の良さから、年間販売台数目標は5台ほどとされています。
【主要諸元】 標準バケット容量 (主腕):0.50㎥ (新JIS)、 標準バケット容量 (副腕):0.14㎥ (新JIS)、 運転質量:16.2ton 、エンジン定格出力:69㎾ 、走行速度:5.5/3.3 (㎞/h) 、全長:7,400㎜ 、全幅:2,640㎜ 、全高:2,780㎜
アスタコについては、日本国内のみでの販売となっています。
日立工機の電動工具は、老舗メーカーらしく、かなりの数がリリースされています。通常電源の工具から、充電式のコードレスタイプまで幅広く、最近では特にリチウムイオンバッテリーを使用したコードレスタイプに注力しています。まずはカテゴリー別に、どんな工具があるのかをご紹介していきます。
2:研削
①ディスクグラインダ、 ②ハンドグラインダ
3:研磨
①ベルトサンダ、 ②ディスクサンダ 、③ミニサンダ、④ポリッシャ
4:集じん機・ブロワ
①電動工具用集塵機、 ②コードレスクリーナ 、③コードレスブロワ
5:切断・曲げ・圧着
①マルチツール、 ②丸のこ ③卓上丸のこ、 ④ジグソー 、⑤チェンソー 、⑥ニブラ 、⑦シャー 、⑧チップソーカッタ 、⑨セーバソー 、⑩バンドソー 、⑪全ねじカッタ 、⑫鉄筋カッタ、 ⑬圧着機 、⑭ナイフカッタ
6:切削・ホゾ穴・大入れ
①かんな 、②ルータ、 ③トリマ
7:釘打機・エア工具
①エアコンプレッサ、 ②エアタンク 、③釘打機、 ④タッカ 、⑤ねじ打機 、⑥エアインパクトドライバ
上記のように、7つのカテゴリーと42種類の電動工具があります。さらにコードレス仕様や、バッテリーの仕様違いなど、事細かに分かれています。日立工機の全電動工具をご覧になりたい方は、ウェブの総合カタログ(全232ページ)を見ても、面白いのではないでしょうか。
次項から、日立工機の代表的な電動工具を数種類、ご紹介していきます。
日立工機が一番最初に開発、販売した電動工具がディスクグラインダです。1957年の発売から、さまざまな開発と改良を重ね、現在は31種類をリリースしています。代表的なディスクグラインダをご紹介していきます。
①G10SH6
ボディ本体径が56㎜と非常にコンパクトにできているのが特徴で、日立工機の細径シリーズの代表的なディスクグラインダです。内部に分割コアモーターを使用することで、最大1,100wの出力が可能です。コイルエンドが長くなっているので、表面積が多くなり、冷却効果も高くなるように設計されています。また、安全性能も充実しており、国際規格に合致した2アクションスライドスイッチを導入しています。さらにスイッチがONの状態でコンセントにプラグを差し込んでも動作しない、再起動防止機能を備えています。
最大出力1,100Wの大出力を誇り、2アクションスライドスイッチなどの安全装備も充実しており、非常におすすめのディスクグラインダです。
②PDA-100N
ボディ本体径は60㎜と細径シリーズではありませんが、その分最大出力が1,260Wと、群を抜いて強力な仕様になっています。SSS仕様では、スイッチがON状態で電源を繋げても動作しない、再起動防止機能と起動時の反動を抑えたソフトスタート機能を搭載しています。ハイパワーで取り扱いやすく、安全性にも配慮されたディスクグラインダです。
SSS仕様には、スイッチがON状態で電源を繋げても動作しない再起動防止機能や、2アクションスライドスイッチなど、安全に配慮した機能が装備されています。
③電子ディスクグラインダ G13VE
電子グラインダと聞いても、どんなディスクグラインダか想像しにくいのですが、電動工具業界初となる、ACブラシレスモーターを採用したディスクグラインダです。通常の電動工具には、モーター内部のローターを回転させるために、カーボンブラシを接触させ電気を流していました。しかし、このG13VEを含む電子ディスクグラインダには、カーボンブラシが必要なく、非接触で電気を流しローターを回転させています。これによりクラス最小の本体サイズを実現し、作業時の工具取り扱いが容易で、効率の良い作業が可能となっています。ブラシレスの高効率モーターと、電子制御により、負荷を掛けても回転数が落ちにくいため、研削効率がアップしています。
ACブラシレスモーターと電子制御を採用することで、負荷を掛けてもモーター回転数が落ちず、研削効率がアップしています。またモーター自体の発熱が少なく、長時間の研削が可能です。
④コードレスディスクグラインダ G3610DA
G3610DAはコードレスディスクグラインダですが、使用しているリチウムイオンバッテリーが36V仕様の「マルチボルトシリーズ」と呼ばれ、2017年にリリースされたばかりの最新式となります。最大出力もコードレスとは思えない1,270Wを誇り、コンクリートの切断などの重負荷研削も、簡単にこなしてしまいます。当然、再起動防止機能や、スイッチを切った際にホイール停止までの時間が短いブレーキ機能など、安全装備も充実しています。また過酷な環境でも故障が少ないように、防塵防滴仕様となっていますので、安心して使用できます。
2017年にリリースされたばかりのマルチボルトシリーズで、最大出力1,270Wを誇ります。高負荷研削にも対応が可能な、コードレスディスクグラインダです。
砥石径125㎜のディスクグラインダは、海外では6インチディスクグラインダと呼ばれ、比較的研削範囲が広い所に使われます。用途によって、砥石径100㎜の4インチディスクグラインダよりも使い勝手が良い場合があります。日立工機からも砥石径125㎜のものが、いくつかリリースされていますので、ご紹介します。
①G13SH6
細径シリーズの6インチディスクグラインダです。本体径が56㎜と細いので握りやすく、しっかりとホールドできるので、研削しやすいのが特徴です。分割コアモーターを使用しおり、最大出力が1,100Wもあり、重研削でも問題なくこなしてくれます。またコイルエンドを大きくすると、高い冷却効果を発揮してくれますので、長時間使用しても、大丈夫なようになっています。
砥石サイズが125㎜と大きく、広範囲の研削に適しています。また最大出力が1,100Wと大出力になっていますので、重研削にも対応出来ますので使い勝手の良いディスクグラインダです。
②コードレスディスクグラインダ G3613DA
2017年にリリースされたばかりの「マルチボルトシリーズ」の1機種で、リチウムイオンバッテリーが36V仕様になっている最新式となります。従来機の14.4V、18Vのコードレスタイプと比較しても、最大出力が大きく改善し、1,270Wとなっています。過負荷保護停止テストである押付け荷重も、約1.6倍と重負荷研削が可能です。また無段変速仕様となっており、ダイヤルを操作することで、状況に合わせた研削ができます。作業効率が高くなっているのが特徴です。
36V仕様のリチウムイオンバッテリーを使用することで最大出力1,270Wを誇り、重研削にも対応が可能なコードレスディスクグラインダでおすすめです。
砥石径180㎜の9インチディスクグラインダを、DIYなどで使う方は比較的少なく、どちらかというと仕事などで使われるプロ仕様の電動工具になります。特に9インチのディスクグラインダの場合、圧倒的な研削能力が最大の特徴です。その分ボディ本体が大きくなりますので、本体重量が重たいというデメリットもあります。
①G18SWA
100V仕様と200V仕様の2種類があり、それぞれ最大出力が2,700W、3,000Wと砥石径100㎜や125㎜のディスクグラインダと比較しても、圧倒的な出力を誇ります。内部構造に2分割コイルを採用することで、吸気を利用した空冷効果により耐久性を向上させ、さらに過負荷耐力と切削量も向上させているのが特徴です。また連続作業に便利なロックレバーを搭載しており、スイッチを握り続ける必要がなく、作業者の負荷を軽減しています。
最大出力が100V仕様で2,700W、200V仕様で3,000Wとハイパワー仕様になっており、コンクリートなどの重研削に最適なディスクグラインダです。
DIYで一番使われるのが、ねじ締めをするドリルドライバと、インパクトドライバの2つではないでしょうか。インパクトドライバは負荷が掛かった際に、内部ハンマーでねじの方向に打撃(インパクト)を与えることで、安定的に締め込むことができるため、非常に便利です。またドリルドライバと比較した場合、ねじ山を壊しにくいというメリットがあります。日立工機からもインパクトドライバがリリースされていますので、代表的な数機種をご紹介します。
①WH12VE
業界初のACブラシレスモーター(eモーター)を採用した、100V電源仕様のインパクトドライバです。最大トルクは165N/mと高トルク仕様で、さらに4段階の打撃力切替機能と合わせることで、安定的にねじを締め込むことが可能です。またACブラシレスのeモーターは、発熱量が少ないため、連続した作業が可能で、使い勝手が良いです。
作業内容によって4段階に調整可能な打撃力切替機能を搭載しており、高トルク仕様で使い勝手が良いインパクトドライバです。
②WH36DA
コードレスタイプのインパクトドライバで、最新式の36Vリチウムイオンバッテリーを搭載した、マルチボルトシリーズの1機種です。打撃(インパクト)ポイントを2ヶ所から3ヶ所に増やしたトリプルハンマといわれる新方式を採用しており、4段階の打撃力切替機能を加えることでカムアウトを低減しています。ブラシレスのeモーターを使用していることで、最大トルク180N/mの高性能を発揮します。
最新式の36Vリチウムイオンバッテリーに対応した機種です。マルチボルトシリーズの1機種です。高トルク、トリプルハンマなどの高機能を装備しており、おすすめの一品です。
③WH18DDL2
18Vのリチウムイオンバッテリーを使用したモデルで、マルチボルトシリーズとの互換性も備えています。高負荷の場合には、自動的に打撃ポイントを飛ばし、1回転で1.5打撃することで、打撃力を高めています。クラス最速のねじ締めスピードを誇ります。インパクトドライバ内部への吸気導線を変更することで、内部冷却効率を高めて、連続使用にも耐えれるような工夫がされており、高い耐久性を確保しています。
18Vのリチウムイオンバッテリーを装備するコードレスインパクトドライバです。クラス最速のねじ締めスピードを誇ります。
ボルトの締め込みを簡単に行えるインパクトレンチは、車やバイク、自転車など整備に重宝します。特に前後タイヤのローテーションなどで、ホイールを取外したり、取付けたりといった場合には、レンチで締め込むよりも、短時間できっちりとボルトを締め込んでくれるので、1台あると便利です。自動車整備工場などではコンプレッサーの圧縮空気を使用したものが一般的ですが、ご家庭で使う場合には、この日立工機の電動インパクトレンチがおすすめです。
①WR25SE
このWR25SEインパクトレンチはACブラシレスモーターを搭載した業界初のモデルです。アルミ二重絶縁構造を採用し軽量コンパクト、丈夫で高い耐久性を備えています。最大トルクは1,000N/mと高く、打撃(インパクト)数もカタログ上では1,500回/分とボルトやナットの締め込みも簡単です。ご家庭で使用するだけでなく、プロも重宝する一品です。
ACブラシレスモーターを使用することで、軽量コンパクトなボディを実現。最大トルクも1,000N/mと高く、しっかりとボルト、ナットを締め込めます。
②WR16SE
2014年のグッドデザイン賞に輝いたインパクトレンチです。ブラシレスモーターを使用することで、従来品のWR16SAと比較すると、全長が32㎜ほど小型化し、重量も約300g軽量化しています。起動、停止時の反動を抑えるソフトスタート・ストップ機能に加え、打撃力(インパクト力)が4段階に調整可能です。状況に応じて使い分けが可能なため、幅広い用途に使用可能です。
日立工機独自の技術で、打撃力が4段階に調整することが出来るようになっており、使い勝手が良い、電動インパクトレンチです。
先にご紹介したインパクトドライバは、負荷の掛かり具合によって、打撃(インパクト)を加えながら締め込んでいきので、細部では仕上がりが悪くなってしまう場合があります。そんな繊細なねじ締めやドリルの穴あけが必要な部位には、ドリルドライバを使用すると、仕上がりが美しくできます。どちらのドライバも、用途によって使い分けすることを、おすすめします。
①DS18DBSL
18Vのリチウムイオンバッテリーを使用したコードレスタイプのドリルドライバです。大径ACブラシレスモーターを使用することにより低速時に70N/m、高速時に45N/mと、クラス最大のトルクを発揮します。全長も従来モデルであるDS18DBELと比較すると、約27㎜も短くコンパクトに出来ています。そのため、取り回しがやすく、狭い所でも使いやすくなっています。クラッチダイヤルも二層成形で作られており、長年使用して文字盤が擦れても、表示がハッキリと見えるように、長く愛用してもらうことを前提に作られています。
低速、高速共にクラス最高レベルのトルクを備えており、細かな締め込みに非常に便利でおすすめのドリルドライバです。
②DS18DBL2
先にご紹介したDS18DBSLよりも、さらに最大トルクを向上させたモデルです。大径ACブラシレスモーターと、ヒア比の適正化を図ることで、低速時に136N/m、高速時に80N/mとクラス最強の性能を備えています。これだけのトルクがあれば、高負荷の掛かるサイディングをはじめ、座掘りなども難なくこなすことができます。また本体保護のため、使用時に急な負荷が掛かりモーターの回転数が落ちると、リアクティブフォースコントロール機能(RFC)という安全装置が働き、停止するようになっています。
ACブラシレスモーターを使用することで、軽量コンパクトな本体と、クラス最強の高トルクを実現したコードレスドライバドリルです。
自動車やバイクの再塗装には、対象部品の表面を研磨すると、塗装のノリが劇的に変わるので、非常に大切な工程です。またDIYで、木製ラックの表面を研磨で仕上げたりと、研磨工具は意外に使用頻度が多いのではないでしょうか。ディスクグラインダでも砥石を交換することで研磨はできますが、ディスクサンダほど綺麗に研磨するのは難しく、テクニックが必要になります。
簡単に、誰でも綺麗に研磨が可能な、ディスクサンダをご紹介していきます。
①電子ディスクサンダ S18V
ディスク径が180㎜と、大きく広範囲を研磨するのに便利なディスクサンダです。2分割モーターコイル形状を採用しており、モーター出力は1,200Wと高出力を誇ります。また負荷が掛かっても「回転数の低下が少ない」といわれている定速度制御を搭載しており、安定的に仕上げることが可能です。またダイヤル式無段変速機になっており、回転数を調整することが可能なので、幅広い作業の対応が可能なディスクサンダです。
今回は日立製作所を中心とする、日立グループ内企業である、日立建機の建設機械と日立工機(2017年7月時点日立グループを離脱)の電動工具を中心にご紹介して来ましたが、グループ中核の日立製作所からは、冷蔵庫をはじめエアコン、洗濯機などの電化製品も数多くリリースされています。
海外では日立製のモーターは、故障が少なく、丈夫で長持ちしてくれる、インバーター搭載の家電は消費電力が抑えられてエコだ、と高く評価されています。筆者の自宅にも日立製の冷蔵庫や掃除機、洗濯機など数多くのアイテムがあります。
番外編として、日立の電化製品のおすすめを、いくつかご紹介していきます。
このラグジュアリーシリーズは、日立冷蔵庫のフラッグシップモデルで、3つの特徴があります。一つ目は真空チルドルームで、プラチナ触媒を使用することで酵素の働きを抑制し、さらにマイナス1℃で保持されるようになっています。この2つの効果により、肉や魚が凍らず、食材の鮮度が落ちないよう保存することが可能です。二つ目は新鮮スリープ野菜室。こちらも真空チルドルーム同様に、プラチナ触媒を利用し、野菜の呼吸活動を抑制することで鮮度を保ちます。三つ目はデリシャス冷凍。自動でお肉や魚を急速冷凍することが可能で、解凍時のドリップの流出を抑えて、旨味成分が流れ出ないようになっています。
日立冷蔵庫のフラッグシップで、最新のプラチナ触媒を使用することで、食材を新鮮に保つことが可能です。容量も十分な6ドア冷蔵庫です。
立型全自動洗濯機のビートウォッシュシリーズで、家庭用洗濯機では日本国内最大サイズの12㎏です。海外では自動乾燥機能のないタイプで、一度に12㎏以上も洗濯可能な機種がリリースされており、ビートウォッシュは人気です。海外の量販店では、実機がズラッと並んでいる所もあります。
その特徴は、ナイアガラビート洗浄といわれる、独自の水流シャワーで、頑固な汚れもしっかりと落としてくれます。洗濯槽の上部から大流量の水が循環し、落下して洗濯槽内に大きな水流を作ることで、繊維がほぐされ、汚れが落ちるという機能です。また洗濯槽の裏側を、洗濯終了後に自動的に洗浄し、カビの発生や汚れのこびり付きを防ぐます。洗濯層を、常に清潔な状態に保つことできます。
【日立建機】
日立建機については建機という特殊機械のため、オンライン販売は行っていません。建機関係のご購入を考えている方は、日立建機の販売チャンネルである「日立建機日本株式会社 お問い合わせフォーム」にて商談に入られることをおすすめします。
【日立工機】
日立工機の電動工具は、メーカーウェブページでオンライン販売は行っておらず、アマゾンや楽天などでの購入が、主なオンライン購入方法となります。アマゾンや楽天のさまざまなショップが取り扱いをしており、同じ電動工具でも販売価格が異なります。色々なページをのぞいてみてはいかがでしょうか。
日立建機、日立工機ともにYouTubeで、それぞれに公式チャンネルを作成しています。取り扱い製品ごとに、詳しい製品説明動画が登録されています。興味のある方は、その製品動画を見てみてはいかがでしょうか。
YouTube公式ページの、メーカーが製作した動画ですが、日立建機の場合は英語での建機説明になっています。語学が堪能な方にはおすすめですが、少し苦手という方には日立建機日本の公式ページをご覧下さい。日本国内で販売されている建機について、説明内容を確認することができます。油圧式大型ショベルについては、日立建機の英語版を見るしかなありません。映像だけでもそのスケールの大きさは分かりますので、楽しめるのではないでしょうか。
YouTube公式ページ:日立建機
YouTube公式ページ:日立建機日本
日立工機にもYouTube公式ページがあり、各電動工具を約1分から2分程度の時間で、3D画像などを織り交ぜながら詳しく説明しています。メーカーウェブページを見るよりも、こちらを見た方が特徴と機能を簡単に理解できるようになっています。購入を考えている工具がある場合は、検索してみることをおすすめします。
YouTube公式ページ:日立工機
日立建機も日立工機も、一流企業なだけあって、建機や電動工具が故障した場合には、しっかりと修理対応してくれます。安心して購入することができます。
日立建機で建機を購入した場合、保証期間である6,000時間以内であればエンジンをはじめ、油圧ポンプや旋回モーター、ブームやアームなどのパワーラインといわれる装置については、無償で交換を行ってくれます。また定額修理保証、足回り保証、バケット整備といった各種契約サービスも展開していますので、お近くの日立建機日本の営業拠点へ、お問合せしてみることをおすすめします。
日立工機の電動工具の中でも、ACブラシレスモーター搭載製品と高圧エア工具、6.0Ahリチウムイオンバッテリーについては、2年のメーカー保証が自動的に付いて来ますので、安心して購入できます。ただし、保証期間終了後の故障については、基本的に購入した店舗や、ホームセンターから、有償で修理を依頼することになっています。また、購入店が遠方にある場合は、FAXやウェブサイトから修理依頼を出すことができるようになっています。
修理依頼の簡単な手順は以下のようになります。
修理期間については、見積もり到着後に、正式な修理申込み(上記④)から約14日間となっています。交換部品の在庫状況によって変動することもありますが、メーカーから納品予定日の連絡がくるので安心です。
日立工機の電動工具については、近隣のホームセンターなどで購入するか、アマゾンや楽天などのウェブサイトで購入するか、の2つの方法があります。価格的に見ても、ウェブサイトでの購入が一番お得に入手できるのではないでしょうか。
アマゾンでは、最大50%近くも値引きされているものがあります。また、新品にこだわらなければ、中古品でも十分に使えるものがありますので、中古市場で探してみるのも良いかも知れません。
アマゾンで購入:日立工機 機器
建機や電動工具は、日頃から手入れをすることで、長く愛用することができます。
日立建機の建機については、メーカーから、定期点検や修理について、各種契約サービスが展開されています。建機の販売とアフターサービスについては、日立建機日本が担当していますが、全国に拠点を持ち、細かなサービスを行っています。
ただメーカーの点検だけでは、建機を万全の状態で保つことは難しく、日ごろの点検整備が大切になります。建機の場合、使用環境が過酷なため、ほこりや粉じんなどが、吸気系のエアフィルターや冷却関係のラジエーターなどに付着してしまうことが多く、これを放置しておくと、エンジン不調の原因となります。可能であれば、毎回使用後に、コンプレッサーの圧縮空気で清掃することが大切です。また油圧シリンダーの付け根や、ハイドリックシステムの配管の継ぎ目なども、ホースの経年劣化などにより、油圧オイルが漏れていることがあります。こちらもしっかりと点検が必要です。
電動工具の一番のお手入れ方法は、先述した建機と同様に、使用後に圧縮空気で細かなほこりを吹き飛ばして清掃することです。そうすることで、劇的に工具寿命が延びます。電動工具は外気を工具内部に取り入れて、冷却する構造になっていますので、内部にほこりが溜まりやすくなっています。そのため、入り込んだほこりを、圧縮空気で吹き飛ばして掃除する必要があります。ほかには、特殊な薬液の中に電動工具自体を漬込んで、内部の粉じんやほこりを洗い出せるものもありますので、試してみてはいかがでしょうか。
建機については、高度な技術が必要なため、偽物やコピー品が出回ることはありません。しかし、電動工具では、見た目だけ真似たコピー品が出回ることが多くあります。
特に中国から東南アジアにおいては、プラスティック製のボディを製造するための金型が、日本よりも安価で製造することができるため、見た目だけ真似た低出力の粗悪品といったコピー品が出回ることがあります。これらのコピー品を見分けるポイントは、コードレスのリチウムイオンバッテリーを使用したものはほとんどなく、100V電源仕様で、電源コードがつながっているものが大半を占めます。ですので、パッと見ただけでも、コピー品と分かります。また細かな部分ですが、プラスティックのバリが取れていなかったり、色が剥げているといった所でも、見分けることができます。
現品を見ればすぐに分かりますが、ウェブサイトで販売されているものは現品確認ができません。販売価格が安過ぎる場合は、注意が必要です。ウェブサイト上の販売会社の詳細などをしっかりと確かめて、購入することをおすすめします。
日立グループを代表する、日立建機と日立工機について、さまざまな情報をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。建機や電動工具は、私たちの日常生活に関連することが多く、建設業や土木業に従事する方にとっては、無くてはならない道具です。
ご紹介したように、Youtube公式ページなどもありますので、一度のぞいてみてはいかがでしょうか。