国内電動工具シェアナンバーワンであるマキタ。インパクトレンチでもやはりマキタ製が人気です。
そんなマキタのインパクトレンチですが、一体どのモデルが自分には合うのだろう?また、各モデルにはどんな違いがあるのか?そう思っている方も、多いのではないでしょうか。
そこで今回は、マキタの人気インパクトレンチの中でも特に人気の5モデルについて徹底比較し、その特徴もご説明します。
またソケットの選び方やタイヤ交換で使えるモデルもご紹介しますので、マキタのインパクトレンチに興味のある方はぜひご覧ください。
目次
まずは、マキタのインパクトレンチの中でも人気の5モデルを徹底比較します。
マキタの人気インパクトレンチ5モデルで、「購入時に確認したい項目」について比較しました。これなら、各モデルの特徴がすぐにわかりますね。(表はスライド可能です)
モデル名 | 電源(V) | 最大締付トルク(N・m) | 重量(kg) | 角ドライブsq(mm) |
---|---|---|---|---|
18 | 180 | 1.4 | 12.7 | |
18 | 800 | 3.7 | 19 | |
単相100・200 | 1,000 | 8.4 | 25.4 | |
14.4 | 255 | 1.6 | 12.7 | |
10.8 | 155 | 1.2 | 12.7 |
ここからは、人気インパクトレンチの特徴を詳しくご紹介します。
まず最初にご紹介するのはTW181DRFXです。
TW181に搭載されているマキタ独自の新機能が、「逆転オートストップモード」です。
これはナットなどの不意な落下を防止する機能で、「回転+打撃」でナットをゆるめ始め、ナットがゆるんだら0.2秒後に回転が自動停止します。
さらに緩め作業時の細かいスイッチ操作は不要。自動で回転がストップした後、ナットを取外したい場合には、トリガを軽く引き直すだけで、打撃しない程度に回転してナットを外せます。これなら安心して作業が行なえ、なおかつ作業効率もアップしますね。
マキタの18V充電式インパクトレンチ TW181DRFXは、「逆転オートストップモード」のほかに軽さも魅力。バッテリーを含めた重量が1.4キロと軽量ですので、取り回し抜群です。
またこの18Vリチウムイオンバッテリーは、マキタの電動工具245モデルと共有可能です。マキタの充電工具が選ばれる理由はこの「使いまわし可能バッテリーの利便さ」にもあります。
さらに、ピンを刺す前にソケットの仮保持ができる「Cスプリング式」を採用。工具の取り扱いに慣れていない方でも、ソケット交換を安全に行うことが可能です。
つぎにご紹介するのは、マキタの充電式インパクトレンチ中で最強パワーのTW1001DRGXです。
TW1001DRGXの締付トルクは、マキタの充電式インパクトレンチの中では最強の800N・m!AC機並みのパワーを持っています。
以前の充電式工具はパワー不足だったため、特にインパクトレンチなどパワーを要する工具では避けられがちでした。しかし現在では、このモデルのようにAC機に負けないパワーを持つモデルも多く存在します。
そのため最近では、電源コードを気にする必要があるAC機よりも、充電式の人気が高まっています。
18V充電式インパクトレンチ TW1001DRGXは、前述の18Vバッテリーを使用していますので、同じく245モデルでバッテリーを共有可能です。
また最強パワーを持ちながらも、3.7キロと軽量で、全長229mmと小型のボディが特徴。打撃力は、強・中・弱の3段階に切替可能です。スイッチパネルの「打撃」ボタンを押すだけで打撃力の切替が行なえますので、作業に応じた締め付け力に簡単に切替できます。
ここでは、3点目の人気モデルTW1000をご紹介します。
TW1000の特徴は、何と言ってもマキタのインパクトレンチでは最強の締付トルク!その値は何と1,000N・mです。
このトルク値は他メーカーと比べてもほぼ最強クラス。現場での重作業にはぜひ準備したいモデルです。
TW1000はハイパワーですが、AC機のためスリムでコンパクトな本体が特徴です。充電式は機構上、肉厚な本体になりがちですので、これはAC機のメリットといえます。
また、本体には吊り下げ用フックが付いており、現場での上げ下ろしに便利。さらに本体の3箇所にはバンパーがつけられており、しっかり本体を保護します。
人気インパクトレンチ4点目は、14.4V充電式のTW284DRGXです。
TW284DRGXにはマキタ独自のブラシレスモーターが搭載されています。ブラシレスモーターは、消耗部品であるカーボンブラシを持たないため、点検や交換の必要がないメンテナンスフリーのモーターです。
また電気効率が良く、発熱を抑えることも特徴。本体の大きさを抑えることができるため、パワフルながらも全長147mmとコンパクトサイズです。
TW284DRGXは14.4Vリチウムイオンバッテリーを使用しており、マキタの他のバッテリーと同様に共有が可能です。14.4Vシリーズは現在133モデル。
18Vシリーズよりもモデル数は少ないのですが、14.4Vのメリットは18Vよりも重量が軽いことと価格が安いこと。このTW284Dは最大締付トルクが255N・mですが、同型18Vモデル(TW285D)は260N・mとほぼ変わりません。パワーが同等なら、軽さと安さで14.4Vを選ぶという選択もありますね。
最後にご紹介する人気インパクトレンチは、10.8V充電式のTW161DSMXです。
TW161DSMXは、2019年4月に発売されマキタのインパクトレンチでは最新機種です。
10.8Vバッテリーを使用しており、マキタのインパクトレンチの中で最軽量の1.2キロ。これなら作業中の疲労も、ずいぶん軽減されますよね。本体もスリムですので軽快な取り回しが可能です。
TW161DSMXは軽量ながらも、最大締付トルクが155N・m。さらに逆転オートストップモード搭載ですので安全です。そしてブラシレスモーターも搭載しており、高出力で高効率を実現しています。
マキタ独自の防滴防じん機構であるAPTを採用していますので、粉じんや雨といった過酷な現場でも問題ありません。やはり最新機種ですので、機能を目一杯詰め込んだ、コスパの良いモデルといえます。
インパクトレンチの人気モデルをご紹介したところで、次にインパクトレンチ用ソケットの選び方をご説明します。
インパクトレンチ用のソケットには選び方がありますので、順にご説明していきます。
まずは、手動用ソケットではなく、インパクトレンチ用ソケットを選んでください。
インパクトレンチは大変強いトルクを発生させます。そのためインパクトレンチ用ソケットは、手動用ソケットよりも外径が肉厚で、強靭性に優れています。
またソケットが高速回転するため、メッキ剥がれによる怪我を防ぐ目的で、無電解メッキなどを施しているのも、インパクトレンチ用ソケットの特徴です。
ソケットを取り付ける部分を、インパクトレンチの角ドライブ(ドライブ角)と呼びます。ソケットの差込角と角ドライブは、寸法が合致していなければなりません。
そこで、手持ちのインパクトレンチの角ドライブ寸法を確認してください。マキタ総合カタログのソケットのページでは「角ドライブ(sq)〇〇mm」と記載され、現在次の3つの種類があります。
使用するボルトやナットの二面幅寸法を確認して、その寸法に合ったソケットを選びます。マキタの総合カタログでは、「ソケットサイズ(mm)A」欄が二面幅寸法です。
マキタでは、ソケットの他にアダプタやジョイントも発売しています。インパクトレンチをより便利に使うことができますので、ぜひ活用してください。
ユニバーサルジョイントを使用することで、インパクトレンチとソケットがまっすぐにならない場所や、狭い場所でも工具が使用できます。
狭い場所や、通常のソケットでは届かない場合では、長さがあるエクステンションバーが便利です。
ビットアダプタを取り付ければ、インパクトレンチでネジの締付けが行えます。
インパクトレンチというと、やはり「タイヤ交換に使えるのか?」が気になりますよね。ここでは、タイヤ交換に使えるマキタのインパクトレンチをご紹介します。
タイヤ交換に使えるマキタのインパクトレンチとしておすすめするのは、こちらの機種です。
充電式(最大締付トルク)
AC機(最大締付トルク)
次におすすめする理由をご説明します。一般的にホイールナットの締め付けトルクは次のとおりです。
普通乗用車:90~110N・m
軽自動車:70~90N・m
またトルクが強すぎると、ナットを破損する恐れがあります。そのため、最大締付トルクが150〜250N・mのインパクトレンチがおすすめです。
ただし、ここで注意点が2つあります。
おすすめのインパクトレンチでナットを緩めることができるのは、上記の適正なトルクで締め付けを行った場合です。
手動でも、力まかせに締め付けていれば、オーバートルク(強すぎるトルクでナットを締めること)になっている可能性が大です。すると、おすすめモデルでもナットを緩めることができない場合も。
そのためにも、締め付けには後述のトルクレンチなどを使用して、適正なトルクで締め付けを行うようにしましょう。
インパクトレンチでは正確な締め付けトルクが設定できません。そのため、タイヤ交換でナットの締め付けを行う場合、インパクトレンチでは仮締めまでとしてください。
そして本締めは、正確なトルクでの締め付けができるトルクレンチなどを使用しましょう。ハイパワーなインパクトレンチでオーバートルクで締め付けていると、最悪の場合、ボルトが折れてしまい、危険です。
インパクトレンチでのタイヤ交換については、こちらもご覧ください。
インパクトレンチは高価ですので、中古で安く購入することができるといいですよね。ここでは、中古のマキタ インパクトレンチを入手する際の注意点をご紹介します。
中古のマキタ インパクトレンチを入手する際には、次の2点に注意しましょう。
できるだけ、実機をよく確認してから購入しましょう。そのためネットでの個人売買やオークションなどは、あまりおすすめできません。
インパクトレンチは、日頃の手入れがほとんど必要ない電動工具です。現行モデルでは、充電式のほとんどがブラシレスモーターを採用しているため、カーボンブラシの交換も必要ありません。ですので、「外見上問題ないので中古で購入したところ、内部に問題があって動かなかった」ということは少ないと思われます。
そこで近隣の電動工具の中古店舗を探し、実機を見て、次のような点を確認すれば問題のない中古品を購入できるはずです。
近くに中古の工具販売店がない。そんな場合は、「壊れていた場合の対応や保証が明記されている」ネットショップを探しましょう。
購入後の保証がついているショップや、壊れていた場合の対応などがサイトに明記された次のようなショップで購入することをおすすめします。
最後に、マキタのインパクトレンチについて疑問点にお答えします。
2019年10月に新発売となった、マキタの40Vリチウムイオンバッテリーシリーズ。AC機を超えるハイパワーで早速人気となっています。
ただ、残念ながら、現時点で40Vシリーズのインパクトレンチは発売されていません。現在発売されているのは次の工具です。
ハイパワーとは相性の良いインパクトレンチですので、今後40Vシリーズでも発売されるかもしれませんね。
インパクトレンチが故障してしまった場合は、マキタの営業所に持ち込んで修理を依頼します。このマキタの営業所、なんと全国に116ヶ所もあります。工具に異常がある場合は、すぐに最寄りの販売店に修理をお願いしましょう。
マキタのインパクトレンチは「本体のみ」と「ケースなどのセット品」のそれぞれが発売されています。一体どちらがお得なのでしょう?今回は、人気モデルでもご紹介した14.4V充電式モデルのTW284Dで比較してみます(すべて税抜の定価を記載)。
セットのTW284DRGXは67,900円。そのセット内容は、次のとおりです。
そして本体のみのTW284DZは25,200円。ここで、別売りの場合の値段を確認してみます。
すると、別売りでの合計は87,300円!なんとセットが19,400円もお得でした!「セット」を買うか、「本体のみ」を買うか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
今回は、マキタの人気インパクトレンチの中でも特に人気の5モデルについて徹底比較し、その特徴についてご紹介しました。またソケットの選び方やタイヤ交換で使えるモデル、中古で入手する際の注意点もご紹介しました。
同じようにみえるインパクトレンチでも、それぞれの特徴がありましたね。ぜひ、今回の記事を参考に、あなたの用途に合ったモデルを選んでみてください。
作業の安全と効率化が、ぐんとアップしますよ。