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銀行借入金の返済が厳しいとき、どのようにすればいいか

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会社を経営していると、銀行借入の返済が厳しいと思うことがあると思います。そのような場合どうすればいいのか、今回はそのような場合の選択肢の考え方と、リスケの進め方について説明します。

借入金の返済が難しい時にどうすればよいか

・まずは現状把握

銀行借入の返済が難しい、と感じた時には、まずしっかり現状把握を行うことがオススメです。ここで正確な理由と今後の対応可能性をしっかりと検討することが、その先にある銀行との交渉を成功させるためのキモになります。
その場合には、過去の財務内容による基本的な収益力、売掛金回収の長期化や大型の設備投資などによる資金の滞留・流出状況、借入金の残高・返済金額・新規借入額などにより、実質的にどのくらいの金額を返済しているか等を分析した上で、今後の自社の収益見込みをできるだけ実態に即した形で計画し、総合的な自社の返済能力がどのくらいあるのかを検討することが必要です。
その上で、将来の資金繰りを短期的(半年程度)・中期的(1-3年程度)で検討し、これからの自社の資金繰りがどうなっていくのか、その要因は何なのか、をしっかりと検討します。
その際、できれば、顧問税理士や外部コンサルタントなどと一緒に検討した方がより良いです。それは、この段階での分析がどの程度適切に行われているかがその後の交渉の進展を左右することがあること、後述するような第三者関与を求められたときに情報共有が早くなること、があるためです。

・資金繰りの改善のために採るべき選択肢

もともと「銀行借入の返済が厳しい」と考えているため、資金繰りが厳しいという事象は既に発生していると推測されます。そのような時に、資金繰りを改善するために銀行借入に対してとるべき手段の方向性は、「銀行借入金を増やす、もしくは、銀行借入の減少速度を落とす」ことになります。そのために採るべき選択肢としては、次の3つがあります。

1.新たな借入を行う

新たな借入金をすることで手許現金を増やし、銀行借入残高を増やす、または、借入金残高の減少ペースを減らすことで、資金繰りを改善することです。その時、借入金の返済期間はできるだけ長く設定し、毎月の返済額の増額を抑制し、少しでも借入金による資金繰り改善効果を長期化させることが重要です。金利が多少高くなっても、返済期間を長くするほうが妥当です。

2.既存の借入金をまとめて返済額を減らす

もともとある既存の借入金をまとめることで、借入金の毎月の返済額を減少させる方法です。借入期間をできるだけ長期間にすることで、より一層効果が発揮できます。
新規の借入を繰り返した結果、借入金残高に対して借入金の口数が多くなっているとき、もともとの借入期間が極端に短い場合に有効な手段です。

3.リスケジュール(リスケ)を行う

リスケジュールとは、借入金の返済条件を変更することを指します。もともとある既存の借入金の返済金額や金利などの借入残高以外の条件を変更することで、毎月の借入金返済額を減少させる方法です。

・それぞれの選択肢の優先順位

それでは、上記の選択肢のうち、どれを選択すべきなのでしょうか。
結論から言うと、できるだけ、1、もしくは、1と2の併用を選択することが望ましく、3.リスケはできるだけ選択しないほうが良いです。
これは、3リスケジュールや、単純な2.借入金をまとめる手段をした場合に、銀行からの自社の評価が下がり、それ以降の資金調達が難しくなる場合があるからです。
特に、3リスケの場合には、リスケからの回復後一定期間が立たないと、他の銀行も含めて銀行からの新しい借入は基本的に難しくなると考えておく必要があります。
ただし、銀行のスタンスが積極的でない場合には、1.2.の選択肢をとるのは難しく、その場合には積極的に3.リスケを選択せざるを得ないでしょう。

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リスケの進め方と注意点

引用:pixabay

それでは、リスケを選ばざるを得ないときには、どのように進めていけばよいのでしょうか。以下に進め方と、注意点について、説明していきます。

・リスケを選ぶ場合の進め方

1.どの程度のリスケが必要になるか見極める。

まずは各銀行にどの程度のリスケを依頼する必要があるかを検討します。
リスケにおいては、借入残高以外の条件は、全て交渉次第となります。そのため、自社の改善計画をしっかりと検討した上で、その計画で履行できる水準の返済を行うためにどの程度のリスケが必要か検討する必要があります。顧問税理士や外部コンサルがいる場合には、この時点からしっかりと関与してもらうことが大切です。
計画検討に時間が必要となる場合には、当面数カ月の元金据置を依頼して、その期間中に計画を立案することもあります。

2.メインバンクに相談して了承をえる

検討した計画とリスケ条件をもとに、まずはメインバンクにリスケの相談を行い、了承を得ます。その際、メインバンクとしっかり条件等について話し合い、サブ以下の銀行の出方も想定しながら、リスケ計画を具体的に立案していくことになります。

3.サブ以下の銀行に相談して全行同意をとる

メインバンクの了承が取れたら、サブ以下の銀行に対しても説明を行い、了承を得ます。この場合、同一の条件に対して全ての銀行が同意する(全行同意)を取ることがとても重要になり、これが成り立たないとリスケは実施されません。サブ以下の銀行に対しても丁寧に説明し、場合によっては条件を変更し、全行同意を得るまで調整します。

4.契約手続きをする

全行同意のメドが立つと、各銀行の内部手続きが行われ、契約内容が確定します。その内容に基づいて、各銀行と変更契約の契約手続きを行います。
契約変更手続きが終わると、合意した内容に基づいて借入金返済が開始します。
その時、契約締結のための印紙代や条件変更手数料が必要となるほか、保証協会の条件変更保証料や、金利スワップを利用していた場合にはスワップの違約金などもかかることがあるため、事前に資金繰りに織り込んでおく必要があります。

5.経過報告・再度条件調整する

リスケが行われるときには、当面半年~1年程度の条件で変更が行われることが通常です。そのため、リスケが解消して正常な返済に戻るまで、上記の2~4を定期的に繰り返していくこととなります。
また、その期間の途中での経営状況の報告を求められることが通常のため、経営状況によって、1~3カ月程度での経過報告が必要となります。

・リスケ交渉における注意点

1.各銀行に公平な態度で臨む

上記にも記載の通り、リスケは「全行同意」が原則です。そのため、各銀行に対して公平な態度で臨み、平等な条件を模索する必要があります。

2.スピード重視で取り組む

リスケ交渉を行う際には、いかに早く契約変更までこぎつけるか、というのがとても大切です。なぜなら、銀行がリスケを受け入れてくれる場合にも、既に返済している借入金を戻してくれることはないからです。返済予定日をターゲットとして、それまでに暫定的な対応でもいいので返済を止めてもらうなど、スピード重視での対応がその後の資金繰りを左右します。

3.ウソやハッタリはやめて、保守的な計画を立てる

信頼関係が大切であり、ウソをいうことは絶対禁止です。また、改善計画はできるだけ実現可能性が高い保守的な計画とし、ハッタリは不要です。

4.資金はできるだけ留保する

リスケ最中は銀行から融資は期待できませんので、キャッシュフローの範囲内で経営していく必要があります。そのため、できるだけ資金は留保し、資金繰りの安定性を図ることが必要です。

リスケがうまくいかないときの対応策

上記には、リスケの進め方を書きましたが、では、銀行調整がうまくいかず、リスケが進まない時にはどうすればよいのでしょうか。
そのような場合には、まずはメインバンクとしっかりと話し合う事です。メインバンクと協議をして味方になってもらった上で、必要に応じてバンクミーティングも開催し、リスケ案に否定的な銀行をメインバンクから説得してもらう事も手段の一つです。
それでもうまくいかない場合には、第三者のコンサルタント等を仲介役としてすすめることも手法の一つです。会社側が交渉する場合には、それぞれが当事者になるため、合意できないこともありますが、第三者が調整した客観的な案であれば、反対していた銀行も受け入れる可能性があります。
それでも条件に反対の銀行がある場合には、各県の中小企業再生支援機構を活用することも有効です。経済産業省管轄の公的機関で、金融調整を目的とする機関です。銀行に対しては強制ではないものの強い交渉力を有しており、合理的な計画が立案可能であれば、強い切り札となる組織です。
以上のように交渉が難しいケースにおいても選択肢はあるため、合理的な計画を立案した上で粘り強く交渉を継続し、必要に応じて強い手段を使って解決に向けて進めていくことが成功の鍵となります。

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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。