鉄筋工事の作業の中で、約2割が鉄筋結束の作業だと言われています。
そんな作業頻度が高い、鉄筋結束に使う工具が鉄筋結束機です。
一般的に知名度は高くないかもしれませんが、鉄筋工事では重要な工具として知られています。
今回は鉄筋結束機について詳しく紹介しますので、鉄筋結束機の新規購入や買い替えを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
鉄筋結束機とは鉄筋コンクリートの基礎となる、鉄筋の結束作業用の工具です。
鉄筋の交差部にアームと呼ばれる先端部を差し込み、トリガーを引くだけで自動で結束してくれます。
結束するワイヤーも自動で送り出されるので、片手で結束作業をすることが可能です。
実際に説明するよりも、動画を見てもらった方が早いと思います。
ちなみに、鉄筋結束を手作業でする場合は、結束線をハッカーで巻いて固定していきます。
ハッカーについては、別の記事で紹介しています。
熟練した職人は実に簡単そうに結束しますが、締めすぎると切れてしまうため、慣れるまでには何度も繰り返し練習が必要なんです。
鉄筋結束機は金額だけを見ると気軽に購入できる工具ではありませんが、値段以上のメリットが期待できます。
鉄筋工事を仕事にしている方には、ぜひとも使ってほしい必須アイテムです。
鉄筋結束機を使用するメリットを紹介します。
鉄筋の結束は長い時間、中腰やかがんだ姿勢でいることが多い作業です。
鉄筋結束機を購入することで、無理な姿勢での作業から解放され、作業者の身体への負担が激減します。
人材不足が叫ばれる土木建築の業界では、人材の育成が重要視されています。
鉄筋結束機はトリガーを引くだけの簡単操作なので、誰でも失敗なく鉄筋結束ができる工具です。熟練が求められる結束作業ですが、鉄筋結束機を使用すれば新人でも即戦力として期待できます。
鉄筋結束機を使用することで、作業スピードは劇的に向上します。
メーカーの検証ですが、実際に鉄筋結束機を使用することで、作業時間がなんと半分以下になりました。
鉄筋結束機は片手で作業することができ、もう一方の手で固定されていない鉄筋を支えることができます。
以前は二人で行っていた作業が、一人でも可能になり作業効率は格段に上がります。
鉄筋結束機の商品を紹介する前に、鉄筋結束機の歴史について簡単に紹介します。
マックスが充電式の鉄筋結束機としては世界初となる、RB-260の販売を開始したのが1993年です。
それ以来、鉄筋結束機の業界はマックスの独壇場でした。
しかし、最近は大手工具メーカーのマキタが参入し、開発競争が激化しています。
マックスとマキタについては、別の記事でも詳しく紹介しています。
マックスのリバータイアシリーズは鉄筋結束機のベストセラー製品で、シリーズ累計約10万台を販売しています。
リバータイアシリーズのラインナップは、直径2.9ミリの細い鉄筋から、ビルやマンションに使われる太い鉄筋まで、対応可能な3種類です。
鉄筋結束機を所持していない方には重要なことですが、新しく鉄筋結束機を購入する場合は、次に紹介する後継機のツインタイアシリーズがおすすめです。
しかし現在リバータイアシリーズを使用している方は、消耗品のタイワイヤやバッテリーに互換性があるため、リバータイアで揃えるメリットがあります。
ツインタイアシリーズは、鉄筋結束機の業界を一人で切り開いてきたマックスが、自信を持って世に送り出した新シリーズです。
RB-440Tは2017年度のグッドデザイン賞を受賞したことでも注目を浴びました。
結束する鉄筋のサイズにあわせて、2種類のラインナップから選択できます。
ツインタイアシリーズの特長は、2本のワイヤーで同時に結束する「ツインタイア機構」で、結束作業の時間短縮と結束力の強化を実現しました。
さらに、余ったワイヤーを機械内に引き戻す「引き戻し機構」によるコストダウン、ワイヤー結束の仕上がりを小さくする「先端折り曲げ機構」により、以前の機種では採用されなかった現場でも使われるようになっています。
鉄筋結束機を購入するなら、マックスのツインタイアシリーズがおすすめです。
マキタの充電式鉄筋結束機TR180DRGXは、マックスが独占していた市場に割って入るように発売されたモデルです。
マックスの商品ラインナップの豊富さに比べるとマキタはTR180DRGXの1種類しかなく、結束できる鉄筋サイズも限られています。
しかし、マキタのバッテリーが共有できることは大きな魅力でしょう。
また、TR180DRGXには独自の「連発モード」と呼ばれる機能があり、毎回トリガーを引くことなく連続した結束作業ができるのも特長です。
TR180DRGXが対応可能な鉄筋サイズの結束作業をするという方は、ぜひ購入を検討してみてください。
鉄筋結束機の消耗品である、タイワイヤの注意点を紹介します。
それぞれの商品はメーカーが販売している純正品以外のワイヤでも、結束作業ができてしまうようです。
しかし、事故や故障の原因になりますので、マックスとマキタの両メーカーとも、純正品以外のタイワイヤの使用を取扱説明書で禁止しています。
マックスの純正品を一部紹介します。
適応機種:マックス RB-219 / RB-399S / RB-519A
適応機種:マックス RB-440T / RB-610
今回は鉄筋結束機について紹介しました。
マックスの独壇場だった鉄筋結束機の市場に、工具メーカーの雄マキタが参戦したことで、この先の展開がどうなるか、とても楽しみです。
紹介した商品を見てもわかる通り、やはりマキタに比べると、マックスには一日の長があります。
他のメーカーからもマキタを追従するように、新商品が発売されるかもしれません。
ますます競争が激しくなっていくであろう鉄筋結束機。
この先どんな素晴らしい商品が発売されるのか楽しみですね。
鉄筋工事のとき、持ち運びにくい鉄筋は小型結束機で束ねて運ぶのがおすすめです。