チェーンソー使用時には欠かせないチェーンソーオイル。燃料と同じくらい重要なものといえます。
このように重要なチェーンソーオイルの中で、どのオイルが人気なのでしょうか?また、多くの種類がある中から、どのように選ぶと良いのでしょうか?
今回はおすすめチェーンソーオイルのランキングTOP5や選び方をご紹介し、疑問に回答もしていきます。どのチェーンソーオイルを購入すれば良いのか迷っている方は、ぜひご覧ください。
目次
まずは、チェーンソーオイルについての基本知識をご説明します。
チェーンソーオイルとは、ソーチェーンとガイドバーとの間の摩擦を軽減するために使用するオイルです。
チェーンソーは、下図のガイドバーにソーチェーンを取付け、ソーチェーンを高速で回転させることで材木を切り刻みます。
高速で回転しますから、ソーチェーンとガイドバーは摩擦により、摩耗と熱が発生します。その摩耗と発熱を軽減し、スムーズにソーチェーンが回転するため、チェーンソーオイルが必要となるのです。
チェーンソーオイル無しでチェーンソーを使用すると、ソーチェーンがガイドバーに焼き付き、使用できなくなります。そのためチェーンソーにとって、チェーンソーオイルは燃料と同じくらい重要です。使用前には、燃料と一緒にチェーンソーオイルの残量を確認する習慣を付けましょう。
また、1ヶ月以上チェーンソーを使用しない場合には、燃料とチェーンソーオイルを抜き取ってから、本体を保管します。そうしないと、チェーンソーオイルが本体内部のポンプなどを傷めたり、次回使用時に劣化したオイルによって、適正に摩耗を防ぐことができない可能性があるため注意が必要です。
チェーンソーオイルの本体への入れ方は次のとおりです(エンジン式チェーンソーの場合)。
絶対に、燃料とチェーンソーオイルを間違えないように、給油しましょう。
万が一、燃料タンクにチェーンソーオイルを入れてしまった場合、エンジンを始動する前であれば、タンクにガソリンを入れよく振って排出すれば大丈夫です。ただしエンジンを始動してしまい、エンジン内にオイルが入ってしまうと、修理が必要になりますので注意して下さい。
チェーンソーには、始動中に自動でチェーンソーオイルが供給されるタイプ(自動給油)と、手動で供給するタイプ(手動給油)があります。
どちらのタイプでも必ず使用前には「チェーンソーオイル吐出の確認」を行って下さい。その後必要であれば自動給油量の調整を行います。
次の手順で、チェーンソーオイル吐出がされているか確認します。
正常に吐出されていない場合は、次項の自動給油量の調整を行うほか、本体のチェーンソーオイル吐出口の清掃などのメンテナンスを行ってください。
チェーンソーオイルの吐出量が多すぎる、または少ないという場合は、チェーンソー本体のオイル調整ネジを回して調整します。
調整後は再度、前項の方法で吐出量を確認しましょう。
また、メーカーによって、工場出荷時の自動給油調整ネジの位置は異なっています。
自動給油タイプのチェーンソーでは、チェーンソーオイルは燃料とほぼ同じ量を消費するように設計されています。燃料切れになる頃には、チェーンソーオイルも空になります。そのため、燃料を補給した際には、必ずチェーンソーオイルも給油しましょう。
電動のチェーンソーでは、燃料を補給する必要がないため、チェーンソーオイルの補給を忘れがちです。チェーンソー使用前には、必ずチェーンソーオイル残量を確認しましょう。
ここでは、おすすめのチェーンソーオイルランキングTOP5をご紹介します。
BOLLのチェーンソーオイル『C-18IKA』。プラスチック製品や混合ガソリンなどを販売する大澤ワックス㈱の、油脂製品ブランドであるBOLLのオイルです。
高温下でも粘度を保つ、高性能のオールシーズンタイプですので、安心して使用できます。粘度はISO VG100です。大容量の一斗缶18Lタイプですのでお得で、保管もしやすくなっています。
TRUSCOの『TO-CHN-1』です。プロツールの卸売や自社ブランドTRUSCOの企画を行うトラスコ中山㈱が販売するオイルとなっています。
熱をもったソーチェーンやガイドバーにしっかり付着し、夏・冬といった季節を問わず優れた潤滑性を発揮するオールシーズンタイプ。粘度はISO VG110です。1Lタイプですので、保管にも場所を取りません。
ハスクバーナグループである、ハスクバーナ・ゼノア㈱の純正オイル『Z2-4Lオールシーズンタイプ』。
鉱物性タイプで低価格。季節を問わずに使えるオールシーズンタイプです。粘度はSAE#20〜40で、容量4Lと持ち運びにも便利な大きさです。
おすすめチェーンソーオイル2位は、世界最大手のチェーンソーメーカーであるハスクバーナの純正オイル『ビーゴオイル XガードBIO 5L』です。
再生可能な生分解性の原料をベースとした、プレミアムバイオチェーンソーオイル。トップクラスの潤滑性と粘性を備え、さらに酸化安定性がアップしたことによって酸化劣化を防ぎ、年間を通じて使用できるオールシーズンタイプです。水でカンタンに生分解されるため、環境にも優しい点が特徴となっています。
環境に優しく品質が高いとして、EUエコラベルおよびドイツのブルーエンジェル認証を取得した優秀なオイルです。
おすすめチェーンソーオイル第1位は、AZの『チェーンソーオイルDタイプ 角型 T201』です。
Amazonでも大変人気の高いAZのオイルで、他商品より低価格な点も人気の理由といえます。チェーンやバーに付着し、夏期・冬期の温度差があっても優れた潤滑性を発揮するオールシーズンタイプです。粘度はISO VG100。1Lタイプで持ち運びにも優れています。
様々な種類があるチェーンソーオイル。ここでは、その選び方を3点ご紹介します。
選び方の1点目として、粘度でチェーンソーオイルを選ぶ方法があります。
粘度とは、「オイルのねばりの度合い」のこと。そして粘度は「ISO VG」という国際規格でグレードを表します。この値が高いほど、ねばりが強いということです。
チェーンソーオイルに使用されるのは、ISO VG100〜110のオイルです。オイルは温度が低くなると固まりやすくなるため、季節(気温)によって次のように使い分けます。
また、季節(気温)を問わず使用できる「オールシーズンタイプ」のチェーンソーオイルもあります。冬でも固まらないため、季節によってオイルを変える必要がなく、現在多くのメーカーが販売しているタイプです。
粘度のグレードを表す単位には、「ISO VG」のほかに「SAE」粘度グレードもあり、こちらはエンジンオイルなどの粘度を表す場合に使われます。マキタのチェーンソーでは、取扱説明書でエンジンオイルを使用する場合に次のオイルを推奨しています。
チェーンソーオイルの選び方の2点目として、種類で選ぶという方法があります。チェーンソーオイルの種類には、原料によって植物性・鉱物性・生分解性の3つがあり、それぞれ次のような特徴があります。
植物を原料とするのが、植物性オイルです。チェーンソーを使用するとチェーンソーオイルも飛び散るため、現在では環境に害のない植物性が主流になりつつあります。ドイツなど海外では、植物性オイルの使用を義務化している国もあるほどです。
ただし、鉱物性オイルに比べて高価なモデルが多数。また粘度が低いため、オイルの吐出量を多く調整する必要があり、他のオイルより消費量が多くなります。
さらに空気に触れたまま長期間放置しておくと、オイルが固まります。そのため、チェーンソー使用後は毎回、各部のメンテナンスを行うことが必要です。
石油を原料とし、現在主流のオイルが鉱物性です。価格が安価で防錆など多くの性能を持ち、最も一般的なオイルと言えます。粘度も高いため、ソーチェーンにしっかり付着するなど、使いやすさも人気の理由です。
デメリットとしては、チェーンソー使用時のオイル飛散が、環境に悪影響を与えるとされる点。また粘着性が高いため、服にオイルが付くと落ちにくい点です。
バイオオイルとも呼ばれる、生分解性オイル。植物油を原料とする「植物油系」と、石油を原料とする「合成油系」があります。
植物性オイルと鉱物性オイルの良い点をあわせ持っており、地中に浸透すると微生物によって分解されるため、自然環境に害を与えません。また植物性オイルのデメリットである粘度の低さを改善しており、鉱物性オイルと同様に手軽に使用できます。
ただし、高性能であるために、植物性・鉱物性オイルよりも価格が高くなっています。
チェーンソーオイルは、少量(200mLなど)から一斗缶(18L)やペール缶(20L)まで、量で選ぶこともできます。
チェーンソー自体をあまり多く使わないようであれば、少量を安価に購入。ひんぱんに使うのであれば単価が割安になるよう、ペール缶で購入するなど、使用する状況から選びましょう。
最後に、チェーンソーオイルについての疑問に回答していきます。
エンジンオイルはチェーンソーオイルに代用できます。ただしどのようなエンジンオイルでも良いわけではありません。
前述した通り、オイルには粘度があり、チェーンソーオイルに適した粘度があります。例えばマキタのチェーンソーでは、次のように記載されています。
エンジンオイルを代用する場合には、上記の粘度を目安に使用しましょう。
バイクや自転車のチェーンに、チェーンソーオイルは使えます。チェーンソーオイルはもともと、自転車やバイクと同様のチェーンに差して使用するため、粘度も他のオイルよりも適しているようです。
バイクや自転車であれば、チェーンソーのように大量にオイルを使用する必要はありません。200mLなどの少量を購入して、使用してみて下さい。
チェーンソーオイルが出ない場合は、清掃によって解消することが多いため、次のような対応を行います。
このほか、オイルが固まって出ない場合もあります。オイルタンク内の固まったオイルを除去できれば使用可能ですが、オイルポンプに入ったオイルまで固まっている場合は、販売店へ修理に出しましょう。
チェーンソーオイルが正常に供給されるためには、毎回のメンテナンスが重要です。取扱説明書に記載されたメンテナンスを、毎回しっかり行いましょう。また植物性オイルは固まりやすいため、特に忘れずにメンテナンスを行う必要があります。
水溶性チェーンソーオイルの特性は、添加剤によって水に溶けやすくなっている点です。服にオイルが飛んだ際、水溶性オイルなら洗濯して落としやすくなっています。
また、木や葉についたオイルを水で落とすことができるため、茶刈機などに使用することも可能です。
チェーンソーでオイル漏れが起きた際の対応として、保管時に少量であればソーチェーンについたオイルが垂れたと考えられます。しかし、次のような場合は故障している恐れがありますので、修理の依頼をしましょう。
今回はおすすめチェーンソーオイルのランキングTOP5や、選び方をご説明しました。様々な種類があるチェーンソーオイルですが、それぞれの特徴をわかって頂けたかと思います。
くり返しますが、チェーンソーオイルは燃料と同じくらい大事なもの。今回の記事を参考に、適切なオイルを選んで、安全な作業に役立ててもらえれば幸いです。