金属の加工に関わる仕事をしていると、面倒に感じるこのような作業。
・サビを削り落とす作業
・溶接後のスパッタを取り除く作業
・再塗装する前に、既存の塗料を剥がす作業
まさかハンドツールを使って、ちまちまと時間をかけてやっていませんか?
ここまで読んでドキッとしてしまった方に、ぜひ使ってほしい工具がエアーチッパーです。
使用時の注意点やプロ用のおすすめ製品も紹介しますので、参考にしてくださいね!
エアーチッパーは圧縮した空気の力でエアーシリンダーを動作し、先端に取り付けられたチゼルで作業の対象物に打撃を与えます。
エアーチッパーの形状は握りやすいペン型で、狭い場所や奥まった場所にもアクセスできるのが特長です。
メーカーによっては、フラックスハンマーやフラックスチッパーという商品名で販売されています。
エアーチッパーは主に以下の用途で使われています。
・サビや塗装落とし
・金属加工後のバリ取り
・溶接時のスラグやスパッタの除去
また、エアーチッパーは金属加工の現場だけでなく、石材や木材の彫刻にも使われています。
こちらの動画は木材の彫刻にエアーチッパーを使用されており、エアーチッパーによってサクサクと木が削られていく様子がわかります。
エアーチッパーは木材の加工も容易にしてくれる便利な工具ですので、ぜひご家庭のDIYにも使ってみてください。
エアーチッパーのチゼルの先端形状は、ストレートのタイプや先端が曲がったタイプ、さらに先端が広がったタイプがあります。
用途によって使いやすいタイプを選びましょう。
また、使用中に刃先が回転してしまわないように、チゼルの根本は多角形の断面をしているか、円形の断面をしていても製品ごとに独自の切り欠きや溝が設けられています。
チゼルを交換する際には切り欠きや溝の向きを確認して、確実に固定してください。
エアーチッパーに限らず、工具は正しい使い方をしなければ事故につながる危険があります。
エアーチッパーを使用するときに、特に注意してほしいポイントは以下の四点です。
エアーチッパーは圧縮空気を動力源とした工具ですので、コンプレッサーに接続して使います。
適正な圧力を超えて使用すると事故やけがの原因になりますので、エアチッパーはメーカーによって定められた圧力の範囲内で使用することが重要です。
また、エアチッパーをエアーホースに接続するときには、刃先が動くと危険ですので、確実に作動しないようになっていることを確認してください。
エアーチッパーのチゼルを対象物に当てずに作動させることを、空打ちといいます。
エアーチッパーは空打ちをすると、シリンダや本体が破損する原因になります。
かならず対象物にチゼルを押しつけた状態で作動させてください。
エアーチッパーを保護するために、空打ち状態では作動ができない製品もあります。
エアーチッパーを使用する前には、確実にチゼルが固定されていることを確認します。
チゼルを交換したときには、さらに念入りに確認することが必要です。
先ほど紹介したエアチッパーの空打ちで、先端のチゼルが飛び出してしまう可能性があります。
なお、チゼルの交換方法は製品によって異なりますので、取扱説明書をご覧ください。
工具を使うことなく、ワンタッチでチゼルが交換できる製品がおすすめです。
エアーチッパーを使用するときには、作業に応じて必要な保護具を着用します。
各メーカーが着用を推奨しているのは、以下の保護具です。
・ヘルメット
・保護メガネ
・耳栓やイヤーマフ
・防塵マスク
・軍手や防振手袋
・安全靴
なお、こちらの記事でおすすめの保護具を紹介していますので、使いやすい保護具を探してみてはいかがでしょうか。
エアーツールを製造している国内メーカーの中から、Amazonで購入できるおすすめのエアチッパーを紹介します。
今回紹介するすべての製品は、プロの方にも自信を持ってお使いいただけるエアチッパーです。
使用圧力 | 0.6 Mpa |
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空気消費量 | 0.12 ㎥/min |
打撃数 | 4500 bpm |
本体重量 | 0.79 kg |
空研のエアーチッパー「KFC-20」は小型で軽量ながら、力強い打撃が持ち味のエアーチッパーです。
空研はエアーツールの専門メーカーで、創業から50年を超える歴史があります。
コンプレッサーとの接続用のエアーカプラ20PMと、手元での圧力調整に便利なレギュレーターが付属していますが、チゼルは別途購入が必要です。
使用圧力 | 0.6 Mpa |
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空気消費量 | 0.15 ㎥/min |
打撃数 | 6000 bpm |
本体重量 | 1.0 kg |
日東工器のエアーチッパー「ACH-16」は、製品を守るための空打ち防止機能がついたエアーチッパーです。
日東工器はエアーのカプラで有名なメーカーで、ACH-16にもホース取り付け用のカプラ200-30SHが付属しています。
ストレートタイプのチゼルが一本付属していますが、ワンタッチで交換できる別売り品は長さ違いや、先端が曲がったベントタイプが選べます。
使用圧力 | 0.63 Mpa |
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空気消費量 | 0.14 ㎥/min |
打撃数 | 5400 bpm |
本体重量 | 0.8 kg |
不二空機のエアフラックスチッパー「FCH20」は、石材の加工にもおすすめのエアーチッパーです。
不二空機は鮮やかなオレンジ色をした本体色の、エアーグラインダーをはじめとしたエアーツールを専門に製造しています。
別途購入の必要があるチゼルですが、先端を使いやすい形状に削ることができる未加工のブランクタイプのものがおすすめです。
使用圧力 | 0.6 Mpa |
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空気消費量 | 0.23 ㎥/min |
打撃数 | 6500 bpm |
本体重量 | 0.55 kg |
日本ニューマチック工業のエアフラックスハンマー「NF-00」は、小型で軽量が特長で作業がしやすいエアーチッパーです。
全長120mmの短めのチゼルが付属しています。
日本ニューマチック工業はエアーツールだけでなく建機や化工機も手掛け、世界でも活躍しているメーカーです。
他のメーカーに比べると、エアーチッパーのラインナップが豊富で、こちらの「NF-25F」に超硬チップ付きのチゼルを取り付けると石材の彫刻に使えます。
使用圧力 | 0.6 Mpa |
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空気消費量 | 0.55 ㎥/min |
打撃数 | 4800 bpm |
本体重量 | 1.5 kg |
今回はコンパクトで作業のしやすい、ペン型のエアーチッパーに絞って紹介しました。
他にもサイズが大きくなって持ち手がついたタイプや、ピストル型をしたエアーハンマーと呼ばれる工具もあります。
エアーチッパーよりもパワーの強いエアーツールですので、コンクリートのはつり作業も可能です。
また、溶接後のスパッタ除去にはチゼルの代わりに複数本の針を打撃する、ジェットタガネやニードルスケーラーと呼ばれるエアーツールがよく使われます。
エアーツールにはまだまだたくさんの種類がありますので、いろいろと使ってみてくださいね!
エアーツールに必要なコンプレッサーは、こちらの記事で詳しく紹介しています。