薄い板状の金属を切り出したいときには、どんな工具を使いますか?
金属を切断できる工具はたくさん種類がありますので、どれが最適か悩む方も多いのではないでしょうか。
素早く切り出したいなら、手軽に扱える電動シャーがおすすめです。
今回は大手工具メーカーのマキタ、ハイコーキ、ボッシュが販売している電動シャーを紹介します。
電動ニブラとの使い分けも紹介しますので、ぜひ作業の参考にしてくださいね!
目次
シャーとは上刃と下刃で金属をはさんで、板状の金属を切断する電動工具です。
上刃が電気の力で高速で上下します。
金切りばさみの動きを電動にした工具です。
はさみのように対象物をはさんで切ることを、専門用語でせん断といいます。
せん断を英語にすると「Shear」なので、シャーという工具名になりました。
国内メーカーのマキタやハイコーキはシャーですが、ドイツのボッシュはネイティヴの発音に近いシェアという名称で販売されています。
シャーの刃は正方形なので、四つの辺を入れ替えて使用できます。
メーカーによっては裏面も使用することができ、最大で八辺が使えるためとても経済的です。
刃は消耗品ですので、切れ味が悪くなったと感じたら交換してください。
シャーを使う前に上刃と下刃の隙間の調整すると、さらに効率よく作業できます。
隙間は切断する材料の厚みの一割を目安にして、アルミのような柔らかい材料のときは少しだけ広くするのがポイントです。
隙間が広すぎると切り口が大きく変形してしまい、逆に狭すぎると金属をかじってしまい切断速度が落ちます。
調整方法は工具によって異なりますので、取扱説明書をご覧ください。
それでは、おすすめのシャーを紹介します。
マキタのシャー「JS1602」は、幅広いユーザーにおすすめできるシャーです。
AC電源式のシャーはコードの取り回しが面倒ですが、バッテリーの残量を気にすることなく使えます。
刃の上部には1.2mmと1.6mmの溝が設けられているので、作業前に材料をあててみて、切断できる板厚であることを確認するのに便利です。
本体重量は1.5kgと軽量で、扱いやすいコンパクトサイズですので、スイスイと鉄板を切り出せます。
初めてシャーを使用する方から、ハードユーザーまで安心してお使いいただけるシャーです。
マキタのシャー「JS3201」は、厚い板状の金属を切断したい方におすすめです。
ハンドルがしっかりと握れて、安定した体勢で操作ができる本体形状なので、パワフルな作業に向いています。
今回紹介するシャーで、厚さ3.2mmの鉄板を切断できる製品は「JS3201」だけです。
ボッシュのコードレスシェア「GSC10.8V-LIN2」は、どこでも手軽に鉄板が切断できます。
他の製品に比べて切断能力は多少落ちますが、バッテリーを含めても1.4kgと軽量です。
持ち運びや保管に便利な、専用のキャリングケースも付属しています。
ご家庭のDIY用としてもおすすめのシャーです。
ハイコーキのコードレスシャー「CE18DSL」は、大きなサイズの板を切断したい方におすすめの充電式シャーです。
大きな板を切り出す作業では、電源コードの取り回しがわずらわしく感じます。
しかし、充電式のシャーでは使用時間に不安が残ります。
そこで、「CE18DSL」は一回の充電で使える時間が長いことが特長です。
ハイコーキのバッテリーであれば、18Vと14.4Vのどちらも使えます。
シクネスゲージが付属していますので、上下刃の隙間を調整するときに便利です。
現場でシャーを使うことが多い方にこそ、選んでほしい逸品です。
マキタのストレートシャー「JS1601」は、鉄板を真っすぐに切断したい方におすすめです。
ストレートシャーは、これまで紹介したシャーとは異なり、直線的な切断に向いています。
二枚の刃が上下することでせん断するシャーに対して、ストレートシャーは上下に動く刃と、その左右に固定された二枚の刃の、合計三枚の刃で切断していきます。
中央の刃と同じ幅の切りくずが出ることも、ストレートシャーの特徴です。
もちろんマキタですから、充電式のストレートシャーもあります。
お使いの充電工具にあわせて18Vなら「JS161DRF」を、14.4Vなら「JS160DRF」をお選びください。
シャーの他にも鉄板を切断できる工具を紹介します。
手軽なハンドツールとしておすすめなのが金切りばさみです。
金切りばさみはこちらの記事で詳しく紹介しています。
鉄板の切断ができる電動工具としては電動ニブラも有名です。
シャーとニブラを使い分ける方法を簡単に紹介します。
文房具に例えると、シャーがはさみなら、ニブラは穴あけパンチです。
パンチとダイスが高速で上下しているところに、板を挟み連続して穴をあけることで切断していきます。
そのため、電動ニブラで鉄板を切断したときに出る切りクズは、三日月の形状です。
電動ニブラで鉄板を切断している作業映像がありますので、ご覧ください。
シャーは平板しか切断できませんが、ニブラは段差をものともせずに切断していきます。
屋根の材料に使われるトタンの波板を切断することも可能です。
さらに電動ニブラは切断中に自由に方向を変えることができるので、曲線的な加工に向いています。
真っすぐ切るならシャー、曲線で切断したいならニブラがおすすめです。
また、電動ニブラもハンドツールとして使える工具があります。
こちらの記事で紹介していますので、興味のある方はぜひ試してみてください。
今回は板状の金属を切断する工具、シャーを紹介しました。
ニブラとの違いも参考になりましたでしょうか。
シャーとニブラ以外にも、板状の金属を切断できる工具はたくさんの種類があります。
それぞれの特徴やふさわしい用途を理解して、最適な工具を選んで作業してくださいね。
金属が切断できる工具は、こちらの記事で紹介しています!
シャーを使って作業をしていると、切断したあとの材料で手を切ってしまうことがあります。
作業時はこちらの記事で紹介している、軍手の着用がおすすめです。
また、ストレートシャーの切りクズを、靴底の薄い靴で踏んでしまうと大変です。
こちらの記事で紹介している、安全靴を履いて作業してくださいね。