チェーンソーの販売台数、世界一のスチール(STIHL)。そしてスチールが、チェーンソーに次いで販売に力を入れているのが刈払機です。
しかし、チェーンソーほどの認知度はないため、
「スチールの刈払機には、どんな特徴があるんだろう?」
という疑問をお持ちの方も、多いのではないでしょうか。
そこで今回は、スチール刈払機の人気機種について特徴を解説していきます。刈払機の購入を検討されている方は、ぜひご覧ください。
目次
まずはスチールがどのようなメーカーで、刈払機全般にどのような特徴があるのかをご紹介します。
スチールは、ドイツで生まれた農林緑化機械の製造・販売メーカーで、チェーンソーについては世界No.1の販売台数を誇ります。設立は1926年で、90年以上の歴史を持つ老舗企業。設立当初から独自のチェーンソーを開発して人気となり、現在では次のような製品の設計・製造・販売を行っています。
また、全世界に38の販売子会社を持ち、160カ国以上の国で製品が販売されています。従業員は世界に1万7,000人以上おり、一大グローバル企業です。その製品はデザイン性が高く、強力なエンジンや高い技術が多くのユーザーに支援され、愛用されています。
そしてスチールの日本国内の販売方式として特徴的なのが、販売店を通しての製品販売がメインという点。スチールの製品は、ホームセンターでは販売されていません。これはスチールが「専門的な訓練を受けた販売店による、対面販売をポリシーとしている」ためです。Amazonや楽天などでも、一部の製品や部品しかありません。
世界的なブランドであるスチールの製品に興味がある方は、ぜひお近くのSTIHL販売店を訪れて実物に触れてみて下さい。
・スチール お近くのSTIHL販売店
スチールのチェーンソーについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
世界No.1チェーンソーメーカーであるスチールの刈払機は、チェーンソー開発で培った高度な技術を多く取り入れている点が特徴です。後述する、高トルク・ハイパワーの「4−MIXエンジン」の他にも、「防振システム」や「特許取得のハンドル」など、いくつもの高い技術が取り入れられています。
また、庭先の芝生から山林の下草刈りまで対応できるよう、用途に合わせた製品が幅広くラインナップされている点も特徴。次のような製品があります。
スチールのハイパワー刈払機に採用されている「STIHL 4−MIXエンジン」は、スチール初の4サイクルエンジン。4サイクルエンジンと2サイクルエンジンの長所を組み合わせ、高トルクと有害排出ガスの8割削減、低騒音を実現しました。
通常、4サイクルエンジンはガソリンを燃料としますが、4−MIXエンジンは2ストロークエンジンと同様の混合燃料を使用します。そのためオイル点検がいらず、イージーメンテナンスです。そして燃料を効率よく燃焼させることで、排気ガスを減らし、ヨーロッパの厳しい排ガス規制をクリアしました。
オイルポンプやオイルタンクを持たないため、他の4ストロークエンジンよりも軽量。さらに、十分な力を得るまでの加速性が非常によいなど、多くのメリットを持つ高性能エンジンです。
ここからは、スチール刈払機の人気4機種について、特徴と価格などをご説明します。まずはバッテリー刈払機『FSA 45』です。
スチールの刈払機『FSA 45』は、自宅の庭でのカンタンな草刈りに最適な小型バッテリー刈払機です。スチールのバッテリー刈払機の特徴は、軽量であること。エンジン式刈払機は4キロ以上あるのが普通ですが、バッテリー刈払機は2キロ台です。『FSA 45』はその中でも最も軽く、本体内蔵バッテリー込みで2.3キロ。さらに本体もコンパクトです。騒音が出ないため、イヤーマフがいりません。
ナイロンコードとは異なる、2枚のブレードで草刈りを行う「PolyCut2−2」を標準装備しています。シャフトの長さ調整やアタッチメント部分のハンドル角度調整が工具無しでカンタンに行えます。伸縮シャフトで、17cm伸縮するため、作業者の身長や場所に合わせて工具なしで調整可能です。
価格(税別) | ¥15,800 |
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本体質量 | 2.3kg |
刃の種類 | PolyCut2−2 |
刈幅 | 250mm |
定格電圧 | 18V |
バッテリー駆動時間 | 最長20分 |
人気機種2点目は、軽量刈払機『FS 25 C』をご紹介します。
スチールの軽量刈払機『FS 25 C』は、水田の管理や竹林の手入れといった利用シーンを踏まえ、ボディバランスなどを日本人にとって快適な使い心地を追求した製品です。難しいアクセル調整や操作が不要の最新コントロールハンドル、「ECOSPEED」を装備しました。
また、混合気を吸入する際に、混合気の上に燃料の含まれていない空気層をのせる、STIHL独自の層状掃気テクノロジーを取り入れた「2-MIXエンジン」も採用しています。この空気層は、未燃焼ガスの排出を抑えるため、従来の2サイクルエンジンよりも燃料の消費量が20%までと大幅に削減され、排出ガスも大きく削減されました。
価格(税別) | ¥40,000 |
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本体質量 | 4.7kg |
刃の種類 | チップソー255mm |
排気量 | 24.1c㎥ |
出力 | 0.9kw |
音圧レベル | 93dB |
チップソー標準装備のスチールの刈払機『FS 55 C-E』が、3点目の人気機種です。
スチールの軽量刈払機『FS 55 C-E』は小スペースの刈払い作業を快適に行える、パワフルで使いやすい刈払機です。カンタンにエンジン始動が行える、「手動燃料ポンプ」と「エルゴスタート」を標準装備しています。
人間工学的ハンドルで、腕に負担をかけずに無理なく機械を操作でき、スムーズに広範囲で操作できる「両手ハンドル」を採用。ハーネスと組み合わせて、よりスムーズな作業が行なえます。またエンジンをコントロールする操作機能は、右手の「マルチファンクションハンドル」に集約されています。ハンドルから手を離さずに、機械を安全かつカンタンに操作できます。
価格(税別) | ¥25,000 |
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本体質量 | 5.1kg |
刃の種類 | チップソー255mm |
排気量 | 27.2c㎥ |
出力 | 0.75kw |
音圧レベル | 94dB |
スチールの人気機種4点目は、スチール刈払機『FS250』です。
スチール刈払機『FS250』は、丈夫な草や広いエリアでの作業向けのハイパワー刈払機です。農業や造園業、レンタル業など幅広く使えます。広い面積での刈払い作業もハイパワーで効率よく作業が行えるため、作業時間の短縮にもつながります。
ゴム製のバッファーで振動を削減させる「防振システム」を装備。エンジンとカッティングアタッチメント回転時に伝わる振動をやわらげ、作業をより快適で安全に行うことが可能です。また信頼性の高い始動とスムーズな運転が可能な「電子イグニッションモジュール」を搭載しています。点火システムは完全に密封されているため、湿気や泥汚れを防ぎます。
価格(税別) | ¥45,000 |
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本体質量 | 6.3kg |
刃の種類 | 2枚刃 230mm |
排気量 | 40.2c㎥ |
出力 | 1.6kw |
音圧レベル | 112dB |
最後にご紹介する人気機種は、スチールのクリアリングソー『FS 311』です。
『FS 311』は、独自の「ブラシュナイフ」を標準装備しており、スチールでは刈払機ではなく「クリアリングソー」として販売しています。広い範囲の密集した草や低木を刈るのに最適です。
前述した高トルク・ハイパワーの未来志向の「4−MIXエンジン」を装備しています。また4個の防振ゴムがエンジンとカッティングツール回転時に伝わる振動を和らげる「4点防振システム」を採用。ハンドル部で振動を感じることはほとんどありません。
価格(税別) | ¥82,000 |
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本体質量 | 7.2kg |
刃の種類 | ブラシュナイフ300mm |
排気量 | 36.3c㎥ |
出力 | 1.4kw |
音圧レベル | 98dB |
ここでは、スチール刈払機の替刃とキャブレーターの特徴についてご紹介します。
スチールでは、様々な種類の刈払機用替刃(カッティングアタッチメント)を販売。それぞれ、次のような特徴を持っています。
スチールの刈払機には、コンペンセーターがついた高機能のキャブレーターを採用したタイプもあります。
正しい量の燃料をキャブレーターに送るためには、エアフィルターを通過して入る空気の量が重要。コンペンセーターは、燃料と空気の混合比を一定に保つことで、エンジンの出力を安定させます。そのため明らかにエンジンの出力が下がったと感じられるまで、フィルターの掃除は必要ありません。
最後に、スチール刈払機の修理・中古品の利用・レンタルに関する情報をご紹介します。
スチール刈払機が故障して、修理が必要になった場合はSTIHL販売店に依頼します。まずは購入した販売店に確認しましょう。
ただし、販売店には次の3つの種類があります。
このなかで、STIHL認定修理技術者がいるのは「STIHL SHOP」と「STIHL 認定店」のみ。
「STIHL 取扱店」では修理が行えない場合があり、別の店舗に送って修理を行うようです。保証規定で「修理に伴い運賃、送料が発生する場合はお客様のご負担となります」と規定されていますので、保証期間中であっても送料がかかってしまうということがあるかもしれません。
中古品を利用する場合に注意してほしい点は、「信頼できる店舗で購入する」ことです。スチールの刈払機は高機能によって、メンテナンスが不要になった箇所が多いとはいえ、エアーフィルターやキャブレーター、スパークプラグなど、点検・整備が必要な箇所はいくつかあります。
しっかりメンテナンスされていないと、せっかく安く買ったのに、1度使ったら壊れてしまったということもあり得ます。そのため、しっかり動作確認を行ったうえで販売している、中古品販売店を選びましょう。
「届いた商品が壊れていた場合の対応」がウェブサイトに記載されているかを、調べることも忘れないで下さい。こちらの中古工具販売店のサイトでは、注文した商品が壊れていた場合の対応が記載されています。
・アクトツール:Q.注文した商品が壊れていた。
他社ではあまり見られない、スチール独自のサービスの一つとして「STIHL製品レンタル」サービスがあります。これは、最寄りの「STIHL製品レンタル」取扱店から、スチールのバッテリー工具をレンタルできるというもの(1泊2日 ¥2,000〜)。
初めての工具を購入する場合、性能やメンテナンスなど実際に使ってみないとわからないことが多いもの。そこでスチールではレンタルで実際に使ってもらい、使用後に返却してもよし、気に入った場合には特別条件で購入することが可能というサービスを実践しています。
「STIHL製品レンタル」のラインナップには、バッテリー刈払機FSA56(AK10バッテリー・AL101充電器付)があります。
「まだスチールの工具を使ったことがないけれど、興味がある」という方は、ぜひレンタルサービスを使ってみて下さい。こちらから最寄りの「STIHL製品レンタル」取扱店を探すことができます。
・「STIHL製品レンタル」取扱店 一覧表
今回は、スチール刈払機の人気機種について特徴を解説してきました。同じように見える刈払機でも、バッテリー・軽量・ハイパワーと、それぞれの特徴を持つタイプがありましたね。
「庭の草を刈りたい」という方から「山林の下草刈りをしたい」という方まで対応できる、幅広いタイプを揃えているのがスチールの刈払機です。ぜひあなたの用途にあった1台を選んで、安全な草刈りを行ってください。