鉄筋を折り曲げることができる、鉄筋ベンダー。
コンクリートの基礎工事に携わる、鉄筋屋さんには欠かせない工具です。
また、鉄筋はDIYの材料としても利用されるため、鉄筋ベンダーの購入を検討している方もいるのではないでしょうか。
今回は鉄筋ベンダーの種類や、おすすめの製品を紹介します。
鉄筋ベンダーの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてくださいね。
鉄筋ベンダーとは鉄筋を曲げるときに使用する工具です。
両端を固定して中央を押し引きして折り曲げる「型押し型」と、片方の端を固定して型が回転して折り曲げる「ドローベンド式」があります。
また、鉄筋を折り曲げるだけでなく、切断できる機能を持つ製品もありますので、鉄筋を加工するのであれば多機能な製品を選ぶのがおすすめです。
鉄筋はコンクリート構造の基礎に使用され、用途にあわせて太さや強度が異なります。
一般的に使用される鉄筋は表面がデコボコした異形鉄筋で、太さの規格はD4~D51までさまざまです。
Dのあとの数値が高くなるほど鉄筋は太くなり、製品によって折り曲げることができる太さには限界があります。
製品を選ぶときには、折り曲げたい太さの鉄筋が対応していることを必ず確認してください。
鉄筋ベンダーは製品によって鉄筋以外にも金属の棒や、板状の金属(フラットバー)を折り曲げることができます。
しかし、鉄筋ベンダーでパイプの折り曲げはできません。
パイプは中空形状のため、鉄筋ベンダーで折り曲げると途中でつぶれてしまいます。
金属パイプや銅管の折り曲げには、パイプベンダーがおすすめです。
パイプの折り曲げをしたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
鉄筋ベンダーは使用場所や用途によってさまざまな種類があります。
代表的な製品を「据え置き型」と「ハンディ型」の二種類に分けて紹介します。
据え置き型のパイプベンダーは手動式と電動式に分かれます。
手動式は作業に時間がかかりますが、構造がシンプルなため、他のタイプに比べると安価で購入できます。
一方電動式はとても高価ですが、大量の鉄筋を素早く折り曲げられるため、大量の鉄筋を折り曲げる作業には欠かせません。
こちらの動画のように、複数本の鉄筋を同時に折り曲げられるため、作業効率は抜群です。
電動式の鉄筋ベンダーは現場に持ち込めるサイズの製品もあります。
現場で大量に鉄筋を折り曲げるのにとても役に立ちます。
ハンディ型の鉄筋ベンダーも手動式と電動式に分かれます。
手動式で多く使用されているのがカットベンダーです。
まずは折り曲げ作業をしている動画をご覧ください。
据え置き型の手動式に比べて、作業に力が必要ないので、現場である程度のまとまった数量を折り曲げるのに向いています。
180度まで折り返すことが可能ですが、90度以上に折り曲げるときは鉄筋を再セットして二回に分けて折り曲げる必要があるため、作業スピードはあまり高くありません。
鉄筋を切断する機能も備えていますので、DIYで鉄筋の加工をするのであればおすすめのタイプです。
電動式の鉄筋ベンダーは、さらにAC電源式と充電式にわかれます。
販売しているメーカーは、オグラやIKKが有名です。
またこのタイプの製品は鉄筋を単体で折り曲げるのではなく、すでに配置された鉄筋を折り曲げるのに使用されます。
おすすめの鉄筋ベンダーを紹介します。
モクバの鉄筋曲板「D-1」は、安価で鉄筋ベンダーを購入したい方におすすめです。
製品を作業台や机に、ビスやボルトなどで固定して使用します。
折り曲げるときには、鉄筋をつかむためのWハンドル「D-17」があると便利です。
鉄筋の径によって購入する製品が異なります。
D13の鉄筋を折り曲げるのであれば、こちらです。
MCCのカットベンダー「CB-1B90」は、DIYで鉄筋の加工をする方におすすめです。
D10とD13の鉄筋の折り曲げと切断が可能で、一回目は90度、二回目は180度の角度できれいに折り曲げることができます。
もちろんプロの方にも安心して使っていただける鉄筋ベンダーです。
IKKの鉄筋ストライナー「DBR-32WN」は、現場で鉄筋をの修正をしたい方におすすめです。
型押し型タイプの鉄筋ベンダーなので、鉄筋をつかんで押すことも引くこともできるため、柔軟に修正作業ができます。
先端部分は360度回転しますので、作業しやすい姿勢で鉄筋の修正が可能です。
SD345の鉄筋D32の鉄筋まで折り曲げられます。
SD490の鉄筋を折り曲げるなら、強力なモーターを搭載した「DBR-32HR」をお選びください。
オグラのコードレス鉄筋ベンダー「HBB-90DFN」は、差し筋の折り曲げをしたい方におすすめです。
D16の鉄筋にのみ対応しています。
やはり現場で使うなら電動工具は、コードレスの充電式を選ぶと面倒が少ないです。
ハイコーキのコードレス鉄筋カットベンダ「VB3616DA」は、現場で効率よく鉄筋加工をしたい方におすすめです。
定置式の安定した作業効率と、持ち運びができるハンディ式の機動性を兼ね備えています。
さらにカットベンダーとしては世界初となる充電式なので、現場で電源を確保する必要はありません。
36Vの強力なパワーで、D16の鉄筋までの折り曲げが可能で、D13は2本、D10はなんと3本同時に折り曲げます。
折り曲げ角度は、45度、90度、135度、180度にダイヤルで調整できるだけでなく、無段変速スイッチで折り曲げ速度を変えながら、角度の微調整ができます。
切断能力についても紹介すると、D16とD13は1本、D10は2本まとめて切断が可能です。
2019年に発売されたばかりの製品ですが、現場での鉄筋加工において新しいスタンダードになりそうな製品ではないでしょうか。
今回は鉄筋ベンダーについて紹介しました。
気になる製品はありましたでしょうか。
鉄筋を折り曲げたときに出る黒い粉は、黒皮被膜と呼ばれる表面の薄皮です。
工具の中に入ると故障の原因になりますので、定期的に掃除をしてあげてくださいね。
また、黒皮皮膜には鉄筋をサビから守る効果があり、はがれてしまった部分は錆びやすくなりますので、塗料などで表面をコーティングしてあげる必要があります。
鉄筋ベンダーを使って鉄筋を折り曲げ、DIYの材料としてもどんどん利用してくださいね!
鉄筋に関する作業で、おすすめの工具を取り上げている記事を紹介します。
鉄筋ベンダーにも鉄筋を切断する機能をもつ製品もありますが、切断だけであれば専用工具の鉄筋カッターがおすすめです。
鉄筋を切断したあとの表面を研削するには、ディスクグラインダーが便利です。
鉄筋を自由自在な形状に加工するなら、溶接機は欠かせません。
鉄筋の結束作業の効率アップには、鉄筋結束機がおすすめです。