みなさん、こんにちは。
土木や工事現場で、様々な機械を目にすることがあるかと思います。
今回は、掘削機、主にショベル系掘削機であるクラムシェルについて説明していきます。
掘削機の種類や用途について知ると、とても興味深いので、建設機械にあまり興味がない方でも、興味が湧くかもしれません。
そして最後の方では、掘削機を運転するために必要な免許や違反した際の罰則についても説明しているので、これから仕事場で掘削機を使用する予定があり、免許取得をしたいという方には特に必見です。
はじめに、掘削機について説明したいと思います。
掘削(くっさく)とは、「掘る」「削る」の2つの漢字を組み合わせており、土砂や岩石を掘ったり削ったりすることをいいます。そして掘削機は、土砂や岩石を掘削するための建設の機械のことを指します。
機能としては、掘削するだけでなく、掘削した土砂や岩石を積み込みや運搬を行ったりする機能もあり、作業する場所や機能によって種類も異なってきます。
掘削機と聞くとあまりイメージがわかないかもしれませんが、ブルドーザやショベルカーと聞くと、誰でもイメージがわくかと思います。
それでは、掘削機について具体的に説明をしていきたいと思います。
まず、掘削機といっても種類は多くありますが、その役割から大きく分けて2つに分類することができます。それは、地表よりも”上”か”下”かということです。
例えば、一般的にショベルカーで知られる油圧ショベルは、土砂を掘って積み上げていき、またブルドーザは地表のものを押し出していきます。
一方、シールドマシンという掘削機は、地下でトンネルを掘り進んでいくものです。
掘削機には様々な種類がありますが、このようにして、地表で土砂の積み上げ、運搬するものと地下を掘り進んでいくものと大きく2つに分類することができるのです。
掘削機は、主な役割で大きく2つに分類できることは、掘削機の種類がわからなくても、何となく理解できたかと思います。
ここでは、ショベル系掘削機の種類について具体的に説明していきたいと思います。
クラムシェルとは、ブームの先端にワイヤで吊られたクラムシエルバケットで、土砂をつかんで掘削していく掘削機です。
開口したクラムシェルバケットを落下させ、バケットを閉じることによって土砂を掴みます。イメージとしては、UFOキャッチャーみたいですね。
クラムシェルは、道路の塗装工事などで使用されます。さらに、陸上で使用するクラムシェルに相当するグラブ船やバケット船、浚渫船などは、河川や海底の土砂の掘削の作業で使用されています。
そしてクラムシェルには、ケーブル式、油圧式、テレスコピック式の3つの種類があり、これらについては後ほど具体的に説明していきます。
グレドールは、人工的に作った表面を固めて整形するのに向いており、クローラ式、ホイール式、そしてトラック車載タイプがあります。
バックホウとは、ショベルが運転席側の方に向いて取り付けられている掘削機です。
操縦席側に引き寄せるように操作することによって、地面よりも低い場所の掘削に適しています。
また、バックホウには、主に土木作業に使用される油圧バックホウ、道路沿いなどの地盤の良い現場で使用されるホイル式バックホウの2つの種類があります。
ショベルが運転席の方を向いているバックホウに対して、ローディングショベルは運転席の反対側を向いている掘削機です。土砂を押し上げるように掘削していくため、地面よりも低い場所を掘削するのに適しているバックホウとは反対に、地面よりも高い場所の掘削に適しています。
また、バケットのサイズが大きく、積込機として使用されますが、バックホウと比べると掘削力が弱いため、主に鉱山などの広い場所で使用されています。
機体から伸ばしたブームの先端にワイヤで吊るしたバケットを投下して、手前の方へ引き寄せて土砂を掘削する掘削機です。
やわらかい土砂や砂利の掘削に適しているため、河川や湖沼、地盤が軟弱な場所で多く使用されています。
ショベル系掘削機の種類について理解できましたか?
ここでは、クラムシェルの種類について説明していきたいと思います。
ケーブル式クラムシェルは、土地を切りひらくための掘削に適しています。また、30m以上深いところの揚土もできます。
足場の良い現場では、トラッククレーンも使用されています。
油圧式のクラムシェルは、スライドアームにより伸縮が可能となっています。
テレスコピック式のクラムシェルは、より深い掘削を行う際に適しています。
またテレスコピック式には、油圧シリンダ式とロープ併用式の2種類があり、ロープ併用式は伸縮のスピード、高揚程を目的として開発されもので、テレスコピック型の主な方式になっています。
掘削機について説明してきましたが、そもそも掘削機を運転するためには、「大型特殊免許」、「小型車両系建設機械(整地・運搬・積込・掘削)特別教育」または「車両系建設機器技能運転講習(整地・運搬・積込・掘削)」を取得する必要があります。
ここでは、これらの免許について説明していきたいと思います。
大型特殊免許は、大型特殊自動車を運転するために必要な免許です。ちなみに大型特殊自動車は、これまで説明してきた掘削機を指します。
大型特殊免許を取得することで、運転できる自動車は大型特殊自動車、原動機付自転車、小型特殊自動車の3種類です。また受験資格は、他の自動車免許と同様に18歳からになっています。
大型特殊免許を取得しても、これだけでは作業現場で掘削機を運転して作業はできません。
3t未満の車体を運転するためには、小型車両系建設機器(整地・運搬・積込・掘削)特別教育を修了する必要があります。
労働安全衛生法に基づき、道路ではない不特定の場所を運転する業務に就くためには義務付けられているのです。
車両系建設機械技能運転講習(整地・運搬・積込・掘削)は、3t以上の車体の運転をする際に必要になります。こちらも、前述にあるように労働安全衛生法に基づいています。
これらの特別教育は、指定の教習所で学科、技能の講習を受けると取得できます。
掘削機を運転するためには、このような免許が必要ですが、必要な免許を取得せずに運転すると、どのような罰則になるかについても説明しておきます。
大型特殊免許を取得していれば、公道での大型特殊自動車の運転はできますが、もし取得していなかった場合は、道路交通違反となります。そうなった場合は、3年以下の懲役または50万以下の罰金、さらには交通違反点数25点が加算されるため、一発で免許取り消しとなります。
大型特殊免許を取得しているけれど、小型車両系建設機械(整地・運搬・積込・掘削)特別教育、あるいは車両系建設機械技能運転講習(整地・運搬・積込・掘削)を取得していなかった場合は、工事現場での無資格運転となってしまいます。
もし、これで事故を起こしてしまった場合は、現場の代理人の責任となってしまい、その代理人の方が逮捕されてしまいます。
無免許運転をすると、自分自身が罰則を受けるだけではありません。
そのため、掘削機を運転した際に違反することがないよう、しっかりと講習を受けて免許、資格を取得してください。
今回は、掘削機、主にショベル系掘削機であるクラムシェルについてお話してきました。
掘削機といっても、作業する場所や用途によって種類が多くあり、陸だけでなく、河川や海の上でも使用されます。
現在、土木や工事現場で働いているけれど掘削機を運転しない方や、これからそのような職業に就く方は、できる仕事を増やしていくという意味でも、掘削機について知ることは良いことかと思います。