電子機器の調子が悪いなと感じたとき、みなさんはどのような対応をしていますか？
修理にだしたり、新しいものを購入したりと人それぞれかもしれませんが、原因が接触不良であれば、通電がよくなると改善します。
通電を回復させたいときは、接点復活剤を塗布することがとても効果的です。
接点復活剤を使用することで、わざわざ修理に出す必要がなく、自分の手で電子機器の不具合を改善させることができるのです。
そのため、電子機器が接触不良を起こした場合は、接点復活剤を使用してみることをおすすめします。
本記事では接点復活剤について解説します。
まず、接点復活剤とは何でしょうか？
接点復活剤とは、スマートフォンやコンピューターなどの電子部品の電気接点にある汚れを取り除くための洗浄剤です。
電子接点の汚れを取り除くことによって、電気の流れが回復し、電子機器の不具合は改善するのです。
接点復活剤には、主に「防錆剤」「鉱物油」「石油系溶剤」の成分が含まれています。
これらの成分のについてですが、石油系溶剤は金属の表面にある汚れを溶かし取り除き、電子機器の接触不良を改善します。
また防錆剤が含まれているので、サビを防ぎ、酸化・硫化予防の効果もあります。
ただ、接点復活剤のこれらの成分の強さによっては、プラスチック、ゴムなどまで溶かしてしまうことがあります。商品の説明欄にプラスチック、ゴムなどを溶かしてしまう恐れについて記載されているので、確認すると良いでしょう。
金属の表面にある汚れを取り除くことよって、電子機器の接触不良を改善させる原理についてお話します。
金属の表面を拡大すると、表面は凹凸になっています。電気接点は、金属の凸部分の「点」で通電しているので、接触抵抗が不安定になってしまうと、伝えられる電気信号が欠損してしまい、電子機器は不具合を起こしてしまうのです。
この電気接点に接点復活剤を塗布することで、凹部分にとても薄い油膜が形成されます。
そして電気信号は、この薄い油膜を通して流れることで、通電する面積が広がった状況となります。これが、電気接点の接触する面積が広がった状態と同じ状態になるため、接触抵抗を減らし、通電状態を安定させるのです。
接点復活剤には、スプレータイプと塗るタイプの2つの種類があります。
スプレータイプは、細いノズルで、細かい溝や奥深い部分に噴射できます。また、ノズルを取ると広範囲に噴射することができるので、手が届きにくい部分や狭い範囲から広い範囲まで幅広く使用することができます。
そして塗るタイプには、ハケが付属しているものが多く、そのハケで部分的に塗布したい箇所に使用することができます。
そのため、スプレータイプだと周囲のゴムやプラスチックの部分にまで塗布してしまいそうなものには、塗るタイプがおすすめです。
用途によって、スプレータイプ、塗るタイプを選択するのですが、一般的によく使われているのはスプレータイプで、売り場でも多く置かれています。
接点復活剤の使い方や効果については理解できたけれど、どういったところに使用したらいいの？と思う方もいるかと思います。
ここでは、接点復活剤の使い方と効果について、よく使用される電子機器ごとに説明していきたいと思います。
外出の際に、音楽を聴いている方をよく見かけますが、スマートフォンなどの差込口にイヤホンやヘッドホンを接続しても、イヤホンやヘッドホンが認識されないという経験はありませんか？
こういったときは、タオルなどに染み込ませた接点復活剤をイヤホンやヘッドホンのジャック部分に馴染ませると良いです。
こうすることで、イヤホンやヘッドホンのジャック部分の汚れを除去することができ、接触不良を改善させることができます。
ここで注意しなければいけないことは、接点復活剤はプラスチックやゴムの部分を溶かしてしまう可能性があるため、接点復活剤を馴染ませる際は、金属部分以外の部分に触れないようにすることです。
スマートフォンを持っている方なら、スマートフォンに充電器を差し込んでも充電されないという経験はあるかもしれません。
これは、充電器との接触不良でが原因です。表面についている目に見えない汚れが付着していることが原因の場合、接点復活剤を充電器の差し込み部分に塗布すると、汚れを除去することができ、接触不良を回復させます。
イヤホンやヘッドホンと同じように、タオルなどに染み込ませた接点復活剤を充電器の差し込む部分に馴染ませましょう。ついでに内部にも埃ゴミが詰まっていることもあるので、エアスプレーなどで掃除もすると良いですね。
SDカードやUSBメモリなどのメモリカードをパソコンに差し込んでも読み込みされない場合は、メモリカードの金属部分に接点復活剤を塗布することで、読み込みができるようになることがあります。
もしメモリカードの読み込みができない時は、ぜひ接点復活剤を使用してみてください。
リモコンの電池を交換しても、リモコンの反応がないという経験はありませんか？
リモコンの反応があったりなかったりする場合は、電池部分が接触不良になっている可能性があります。こういうときにも接点復活剤を使用することができます。
綿棒などに染み込ませた接点復活剤を電池をいれる部分に馴染ませてみてください。
さらに、電池を入れる部分は錆びやすいです。前述にもありますが、接点復活剤には防錆剤が含まれているため、サビをとってくれて接点の活性化にもつながるでしょう。
オーディオスピーカーやエレキギターなどのオーディオ機器を使用した際に、音量が上がったり下がったりと不安定になったり、ノイズが聞こえたりすることがあります。こういったときも、接点復活剤を使用することで改善することがあります。
まず、目に見える埃やゴミがあればエアスプレーなどで吹き飛ばします。
オーディオ機器のプラグの差込口には、綿棒が入るくらい口径が大きいものがあり、こういった場合は、接点復活剤を染み込ませた綿棒でクリーニングするのがおすすめです。またピンジャックは、接点復活剤を吹き付けたティッシュなどで、擦るようにすると良いです。
接点復活剤は、様々な電子機器に使用でき、効果も得られることがお分かりいただけましたか？
接点復活剤といっても、メーカーなどにより多くの種類がありますが、ここではみなさんにおすすめしたい接点復活剤を3つ紹介したいと思います。
おすすめしたい接点復活剤1つ目は、車やバイクなどのお手入れをしたい方におすすめのKURE 接点復活スプレーです。
KURE 接点復活スプレーは、カーボンの汚れなどを取り除いてくれる接点復活剤です。
接触不良となっている部分に接点復活剤を塗布すると、接点の表面にとても薄い皮膜が形成されます。そして、接点の通電に影響を与えることなく腐食を防ぐことができます。さらに、パーツなどのサビを防ぐことができる上に、ゴムやプラスチックに接点復活剤がかかっても問題はありません。
注意点としては、本製品はスチール缶であり、電気製品の近くで使用すると、感電やショートによる発火の危険性があるため、感電、発火が起こらないように注意しなければいけません。また、金属が高温である場合は、使用できません。
事故につながる可能性があるため、この2点については注意しましょう。
購入者からは、KURE 接点復活スプレーを使用したところ、「数年使用していたウォークマンのノイズが消えた」「イヤホンジャックの接続不良で片耳しか聴こえなかったのが両耳聴こえるようになった」との感想が挙げられています。他にも、「新しく購入し直すと数万かかるものも、KURE 接点復活スプレーを使用したことによってコストがかからなかった」「古い電子機器をいじるには必須」などと高評価です。
おすすめの接点復活剤2つ目は、オーディオ機器をよく使用している方におすすめのAZ オーディオ機器用 接点復活オイルです。
こちらの接点復活剤は、保護剤にシリコンを使用していないため、通電に影響を及ぼさず、本来の音を楽しむことができます。
また潤滑性や耐摩耗性も高いため、電子接点の寿命や精度のアップにもつながります。さらに本製品は、ガススプレータイプではないため、綿棒に染み込ませて部分的にも使用でき、無香性なのでオイル特有の匂いが気になることもありません。
本製品に関して、「噴射の強弱が調整できるため、綿棒の先に吹き付けるような使い方もできて使いやすい」「ガススプレータイプと比べても使いやすい」という高い評価が多くあります。
おすすめしたい接点復活剤3つ目は、長期的に改善できるクリプトン セッテンプロ接点導通剤です。
クリプトン セッテンプロ接点導通剤は、人体に安全で酸化防止もできるスクワランオイルを使用しています。
また、クラスターダイヤモンドという炭素粒子が接点の表面に付着することで誘導面積を増やす効果もあります。
購入者からの感想として、「ワンランク上の機器性能かと勘違いしてしまうくらい、音の性能が上がった」「メッキの種類、材質の違い以上に使用前後の変化が分かる」などが挙がっています。
接点復活剤が良いことはわかったけど、普段使用しないから持っていないという方もいらっしゃるかと思います。
実は、接点復活剤の代わりになるものがあるのです。
ただし、使用しても回復しなかったり、溶かしてはいけない部分を溶かしてしまったということもあるため、使用する場合はそのようなリスクを踏まえて使いましょう。
それでは、接点復活剤を代用できる製品を2つ紹介したいと思います。
自動車やハーネスなどの電気系統の接点の機能を回復させることに効果があるコンタクトスプレーは、接点復活剤とは少し違いがありますが、接点復活剤としても使用できます。
コンタクトスプレーは、接点の接触不良の改善に効果がある上に、ゴム、プラスチックなどに付着してしまっても安心です。
「時間はかかるが、不調だった電子機器が使用できるようになった」「ダメ元で使用してみたけど、接触がよくなり復活した、使ってよかった」と、接点復活剤の代わりに使用してみた方々は効果を実感できているようです。
CRC5-56も接点復活剤の代わりとして使用することもできます。
CRC5-56は、防錆や潤滑、防湿、除湿効果があるため、サビを落として動きを良くしてくれます。
車やバイクなどのメンテナンスをしている方は、持っている方が多いかと思います。そういった方は、接点復活剤をわざわざ購入する必要はありませんね。
接点復活剤は、電子機器の不具合を改善するのに効果が期待できます。
しかし、接点復活剤を使用する際は注意しておかなければいけないことがあります。
前述でも少しお伝えしていますが、接点復活剤をゴム、プラスチックなどの部分に塗布しないように注意しなければいけません。
接点復活剤は、石油系溶剤が含まれているので、ゴムやプラスチックを溶かしてしまう恐れがあるのです。金属部分以外に接点復活剤が付着しそうなときは、綿棒に接点復活剤を染み込ませて塗布することをおすすめします。
接点復活剤を塗布するときは、必ず電子機器の電源を切る必要があります。
そのため、接点復活剤を塗布する前に、電子機器の電源を切っているか確認をしましょう。
お気に入りの電子機器を長く使用するためには、接点復活剤は必須と言えるくらい、大きな効果が得られます。
また接点復活剤を使用することで、電子機器の不具合を改善させることができるだけでなく、新しいものを購入しなおす必要がなくなるため、コストもかからずに済みます。
さらに、電子機器の寿命もアップさせることも可能であるため、長期的に使用することもできます。
リモコンやスマートフォンなど、周りには多くの電子機器があり、電子機器を持っていない人はいないと思います。
接点復活剤を使用する頻度はそんなに多くないかと思いますが、1つ持っておくととても重宝するはずです。
接点復活剤を持っていない方は、ぜひ購入してみてくださいね。
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