日々生活している中で、天板を見ないという時は無いでしょう。テーブル、デスク、キッチンなどなど、見渡してみれば何処を向いても使われているのが天板です。素材も様々であり、自分で用意すればDIYでテーブルなど作る事も可能です。今回は、そんな天板について解説します。
天板を簡単に解説しますと、テーブルやデスク、キッチンカウンターなどで一番上に使用されている大きなサイズの台の事です。家具に天板が使われているのであれば、最も多く触れる機会があるといっても良いほど、非常に身近です。
天然木を素材に使ったものや、集成材、突板などが存在します。また、天板の四隅の処理に依って呼ばれ方も異なっており、両サイドの端が丸みを帯びたものになっているのを「両耳付き天板」、片側のみ丸いものは「片耳付き天板」、完全に角があるものは「耳なし天板」と呼ばれています。
天板に使われている素材は多岐にわたっており、木材は最も身近且つ定番といえるでしょう。木製の天板と言っても、杉や赤松、タモ、ゴムの木など木材の種類も非常に様々で、価格や柔らかさなどはそれぞれ全く異なっています。
ただ、柔らかいタイプの木材は天板に使えるレベルに成長するまでが早く、逆に硬い素材は時間を要する為、硬い木材である程高価になる傾向はある様です。また、天板になる過程も様々で、小さく木材を切り分けてつなぎ合わせる集成材、細長く一列に並べた横はぎ材、一本の木の木材をそのまま使う無垢材などがあります。
ガラス天板は、文字通りガラスを天板に使用しています。ガラスのみでできている天板もありますが、木材の天板を先に使い、その上からガラスの天板を重ねているタイプのものも存在しています。
当然ながら、ガラスは透明で下まで透かして見る事が出来ます。これに依って、圧迫感を感じさせない事に繋がり、インテリアに重宝されています。また木材の天板は時間の経過に依って古さを感じる様になります。それも利点の1つですが、ガラス天板であれば経年劣化を感じさせず、また汚れを落とすのも簡単です。
ステンレスを素材に使った天板は、リビングのテーブルなどではあまり見かけないでしょう。それもその筈で、ステンレス製の天板はキッチン周りによく使用されています。その理由は、ステンレスが金属素材の中でも錆に強い性質を持っているからです。
元々ステンレスという言葉は錆を意味する「ステン」と、それを打ち消す意味を持つ「レス」が組み合わさってできた「錆びない」という意味を持っています。水を多用するキッチンではこの錆びにくさがうってつけで、また汚れや臭いも付きにくいなど衛生面でも優れています。
樹脂製の天板は、オフィスやキッチンの作業台によく使われています。最も大きな特徴としては、カラーリングや柄などデザインが非常に豊富である事です。その為、様々なスタイルのインテリアに利用でき、部屋の雰囲気に合わせて選べます。
樹脂と一口に言ってもその素材は様々ですが、天板に使用されるものとして代表的なのはエキポシやメラミンでしょう。特にメラミン化粧板は耐熱や耐摩擦性を備え、更に非常に強度が高いことから、汎用性の高い樹脂製天板として人気が高いです。
最後は人工大理石を素材に使った天板です。こちらは名前の通り、人工的に作られた大理石を素材としています。一見すると本物、つまり天然の大理石を使っているかのようにも見えますが、実際はアクリルやポリエステルの樹脂を使っており、とても精巧である事が分かります。
ポリエステル樹脂を使った天板は、主にキッチン、トイレ、洗面台など水が使われる場所で多用されており、比較的コストは控えめでありながら光沢のある高級感が特徴です。アクリル樹脂製のものは衝撃に強い特性を持ち、キッチンの他カウンター等にも利用されています。
この様に、様々な素材が使われている天板ですが、いくつかの選び方から使用する天板を決めていきます。まず、その天板を使用する家具の使用人数、部屋の大きさなどからサイズや厚さを決めます。サイズについては、一人当たりの横幅は大体60㎝前後、厚さは厚くする程重厚に、薄くすればカジュアルな形になります。
用途を事前に考える事も大切です。水回りで使うのであればステンレスや人工大理石の天板を、丈夫さで選ぶのならば樹脂製の中でもメラミン化粧板で作られているモデルなど、適材適所で選びます。DIYで使うのであれば、断然木材製の天板が推奨されます。
ここからは、DIYでセルフで作成する際におすすめしたい天板のモデルを計6点ご紹介していきます。まずはイケアの「LINNMON」シリーズで、こちらはコストを最小限にする事を最も重要視しているのならばよりおすすめできる天板です。
一見木材製の天板に見えますが、正確には表面に木材の様なデザインで加工してあるバーティカルボードです。ただその分軽量、かつ荷重に対する耐久性も高く、100×60㎝で1,500円ほど、150×75㎝サイズで4,000円ほどと非常に手ごろな価格設定です。
続いては、ニトリ製の天板になります。素材にはメラミン製の合成樹脂化粧繊維版が使われており、耐久性能、耐熱性、耐摩擦性などが優れる実用的な天板です。その性能を活かし、様々な場所のDIYで利用可能な汎用性があります。
ホワイト、ブラウン系など様々なカラーリングとサイズが揃えられており、初めてDIYで天板を扱う際に推奨できる1枚と言えます。このニトリ製の天板専用の脚も別売りで販売されていますので、部屋のコーディネートに合わせてカスタマイズが可能です。
「DIY&リノベーションズ 杉無垢材」は、製品名通り杉を素材に使った無垢材になります。マルタから切り出された無垢材は、天然の杉本来の風合いを感じる事が出来、それぞれで異なる木目や節がナチュラルな雰囲気を醸し出しています。
杉の天板の厚さは2.5㎝と、無垢材の自然な雰囲気を維持しつつ重厚さも感じさせてくれるようになっています。形状の異なる脚が全4種類ラインナップしておりますので、部屋のスタイルなどを考えて選べます。
WOODPROの天板は、新しい木材から作り出したものでは無く、古材を使用したものになります。実際に建設現場に於いて仮設材として使用されていたものを天板に流用したもので、使われた跡をそのままに残したアンティークな風合いを楽しめます。この天板はつなぎ板、つまり別々の板を組み合わせてできていますので、オリジナリティのあるテーブルなどをDIYで作りたい方などにおすすめです。
パイン材は、主に北米の松を素材として加工を加えた木材で、その種類は50種類以上に上ります。見た目としては白くて明るいですが、木材に油分を含めている為に使っていく毎にだんだんと飴色へと色が変化していきます。
節が少なめで滑らかな手触りをしているのが特徴的で、視覚、手触りの双方から明るく温かみのある印象を与えてくれます。部屋に優し目なイメージを加えたい、明るい色の天板が使いたいなどの要望のある方向けとなります。
最後は平山の「ラバーウッド」です。別名はゴムの木で、別名通りゴムの原料となる樹液が取れる木を素材に使ったものです。家具用に加工をした後のラバーウッドは非常に手触りが良い事が大きな特徴です。
木目が柔らかく、パイン材同様に暖かい印象を与えてくれる木材と言えます。それでいて木材としての硬度は非常に高い為、デスクワークなど比較的使用時間が多く耐久性を求めている方におすすめです。
実際にDIYでテーブルに活用する際には、まず天板に使う木材を調達し、オイルを表面に塗布します。オイルは撥水や防汚などの効果がある物を使用すれば、ある程度汚れを防いでくれます。
角の部分はやすりを使い、少し丸みを付けさせると触れた時の質感が大きく変わります。適合する足をテーブルへ取り付ければ、自前で作ったテーブルの完成となります。
テーブルなどの天板は、使う素材に依ってイメージが大きく変わるものです。部屋の雰囲気に合わせたテーブルをDIYで自作する事が出来れば、愛着を持って長く使う事が出来る筈です。是非作ってみて下さい。