工事現場などが行われている際に一度は見かけたことがある単管パイプと単管クランプ。建設業者の人しか使わないと思われがちですが、実はDIYを楽しむ人たちから人気を集めています。今回は単管パイプと単管クランプの役割や基礎知識など、解説していきます!
目次
単管パイプとは直径48.6mmのパイプ状の鋼管のことです。
単管パイプはホームセンターなどで購入することができ、さまざまなタイプのものが販売されています。
単管パイプには1.8mmと2.4mmの厚さがあり、それぞれ特徴が違います。
外径の規格は同じですが素材に違いがあり、重量が軽く強度も強いのが1.8mmの方です。価格については2.4mmの方が安価なので、用途に合わせて単管パイプの厚みを選ばれるといいですね。
単管クランプとは、単管パイプ用の金具のことで単管パイプをさまざまな形に固定することができます。
単管クランプには単管パイプを通す穴と、それを締め付けるナットがついていて、単管パイプを交差して取り付けたり並行して固定したりするときに使用します。
直交型クランプは直角に単管パイプを固定するクランプで、単管パイプを交差角度90度と直角に保てる構造です。
自在型クランプの特徴は好きな形で固定することができるクランプで、直交型クランプと異なり2本の単管パイプを自由な角度で緊結します。
連型クランプの特徴は3つのクランプを合わせたクランプで、直交型または自在型クランプが連なっています。3本の単管パイプを交差緊結に用いる際に使われるクランプです。
垂木止めクランプは垂木と単管パイプを固定する時に使用するクランプのことで、固定する状態に合わせて使用するクランプが異なります。垂木と単管パイプを直角に固定したい時に使用する直交タイプや、垂木と単管パイプを横並びに固定する際に使用する平行タイプがあり、また自在タイプは垂木と単管パイプの角度を自在に調節することができます。
板止めクランプの特徴は板と単管パイプを固定する時に使用するクランプで、留め具部分がコの字になっているので板を挟み込むようにして留めることができます。挟むことができる板材は、一般的に使用されるコンパネなど厚みが12mmくらいの板で、小屋の屋根作りなどにも活用できます。
単管パイプで作業する際、必要不可欠となるのが土台ベースです。土台ベースは、単管パイプを独立行政法人して立たせることができます。土台ペースには単管パイプがきっちりはまる構造になっているので、土台ベースを地面に固定しそこに単管パイプを差し込むと、単管パイプを自立させることができます。
単管パイプを使ってDIYする際には単管クランプ以外にもさまざまなジョイントがあります。
コーナー金具は3方向に単管パイプを挿入して留めることができるコーナー金具や、2方向に単管パイプを挿入して留めることができるコーナー金具があります。
貫通金具は金具の中に単管パイプが貫通する箇所があるジョイントで、単管パイプをT字に組む時に使用する3方向1箇所貫通金具や、十字に組む時に使用する4方向1箇所貫通金具などがあります。
繫ぎ金具は単管パイプを延長したい時に使用するジョイントで、3方向パイプ繋ぎ金具は単管パイプを延長したい時だけでなく、単管パイプを貫通させて使用することもできます。
単管パイプのジョイントは上記以外にもさまざまな種類がありとても便利です。ジョイントは用途に合わせて選ぶと良いですね。
単管パイプと単管クランプ、またジョイントなどと留める場合ボルトやナットを使用しますが、そのボルトやナットを締めたり緩めたりしなければいけません。そんな時に必要な工具がラチェットレンチです。
スパナやレンチを使用してボルトやナットを締めたり緩めたりするしますが、スパナやレンチだと回転の度にいちいちヘッドを外さなければいけませんが、このラッチェットレンチは特定方向にのみ回転ができる構造となっているため、ヘッドを外すことなく締緩作業を行うことができるのでとても便利です。
ラッチェットレンチにはさまざまなサイズがありますが、単管クランプの締緩作業には17✕21のサイズを選ぶようにしましょう。
角度を思い通りに調整することができる自在クランプは、とっても便利です。特に単管パイプの長さを延長する道具として自在クランプは最適です。
単管パイプの長さを延長する時の注意点は、自在クランプが垂直に固定できているかという点です。自在クランプは、角度を決めないと単管パイプがくるくる回転してしまいます。
それを防ぐにはまず、長さが足りない単管パイプに自在クランプを取り付けます。長さを延長する単管パイプを平行につなぐことで長さを延長することができますが、更に強度を髙くしたい場合は、自在クランプを2個以上使うと垂直にしっかりと固定できるます。
単管パイプは自由自在に高さや角度を調整することができるので、DIYがしやすいと人気を集めています。また木材と比べて耐荷重もあるので、DIYの幅が広がります。今回は単管パイプと単管クランプを使ったDIY実例をご紹介します。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
こちらは基礎部分として単管パイプを差し込むための筒状の穴を60cm程度堀り、そこに単管パイプを差し込みます。単管パイプの周りはモルタルで固めて固定しています。
屋根は板材と波板を使っているので、雨の日でも自転車が濡れることがないのは嬉しいですね。床面はコンクリートを打つと更に強度が増すので、基礎部分を強化したい場合はコンクリートで施工されることをおすすめします。
ロフトベッドはベッド下が有効活用できるので人気ですが、価格が少し高めなので購入するのに少しためらってしまうという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こちらのロフトベッドは土台ベースと単管パイプ、コーナーL継ぎ、コーナーY継ぎ、継ぎなどの単管パイプ用のジョイントを使ってDIYしたロフトベッドです。安価で作ることができるのでおすすめです。
ロフトベッドだけでなくDIYする場合は、まず設計図を作成することをおすすめします。設計図を作成すると、必要な単管パイプの長さや本数、また必要な単管クランプの種類や個数を知ることができ、必要な道具や工具なども事前に確認することができます。また失敗せずに作ることができます。
設計図があると作業がスムーズに進むので、DIYする際は事前に設計図を作成するようにしましょう。
単管パイプと単管クランプを使ったDIYにチャレンジしたいけど、なんだか難しそう…とためらっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。こちらの収納棚はDIY初心者の方も簡単に作ることができるのでおすすめです。
まず単管パイプを作りたい棚に合わせて長さをカットします。カットした単管パイプに直交型クランプを留めます。単管パイプで棚の枠組みが出来上がれば、その上に棚板を載せれば収納棚の完成です。
棚板は足場材を使用するとインダストリアルな雰囲気に仕上がるのでおすすめです。足場材は塗装せずそのままの状態でも十分おしゃれですが、お好みで塗装するとまた違った雰囲気に仕上がります。
こちらの動画では数種類ある単管クランプや基本的な使い方を分かりやすく説明されているので、単管クランプと単管パイプを使ってDIYしてみたいという方におすすめです。
小屋は自転車を置くスペースや道具を収納するスペースなどさまざまな用途に活用できるのであるととても便利ですが、DIYするにはなんだか難しそうな感じがしますが、単管パイプと単管クランプを活用すると、DIY初心者の方でも小屋を自作できます。小屋の組み方についてはさまざまな方法がありますが、今回はDIY初心者の方でも作ることができる扉のない小屋の組み方をご紹介します。
固定ベースは柱となる本数用意します。用意した固定ベース全てに単管パイプを挿しこみます。挿しこんだ単管パイプには直交型クランプを取り付けますが、高さは全て同じ高さに取り付けるようにしましょう。直交型クランプの横軸に単管パイプを取り付けます。横揺れ防止のため、補強として自在クランプと単管パイプを斜めに取り付けます。
枠組みが完成したら、倒壊の危険性がないか安全確認のためチェックしましょう。
屋根となる部分に波板を取り付けていきます。フックボルトとナットで4箇所固定します。波板の取り付け方法としては、片側2箇所から取り付けるようにしましょう。屋根となる部分の面が広い場合は、屋根の真ん中に単管パイプを取り付けると強度が増します。屋根の全面に波板を取り付けることができれば小屋の完成です。
屋根が斜めになっていて波板を重ねて取り付ける場合は、雨が流れる方向の波板を下にして重ねるように取り付けましょう。
こちらの動画では単管パイプのカット方法から小屋の天井部分の組立方法までが説明されています。単管パイプのカットでは、電動カッターを使ってカットした部分のバリの削り方まで紹介されています。
電動カッターがご家庭にあるという方はなかなかいらっしゃらないのではないでしょうか。電動カッター以外の単管パイプのカット方法として、手動で単管パイプをカットできる手動パイプカッターがあります。道具や工具などを取り揃えているホームセンターなどで販売されているので、そちらを購入されることをおすすめします。
こちらの動画では天井部分から小屋の枠組みまでが説明されています。単管パイプと単管クランプを使った小屋作りは、金具などを留める際、単管クランプと単管パイプを支える人と金具を留める人と作業に最低でも2人必要となるため、できるだけ2人以上で作業されることをおすすめします。
小屋は駐輪スペースや物置などさまざまな用途に活用できるのでとっても便利です。単管パイプと単管クランプを使えばコストを抑えることができるので、安価で小屋を作りたいという方におすすめです。単管パイプと単管クランプを使って小屋作りにチャレンジしてみてくださいね。