家具や家電のメンテナンス、バイクや自動車の簡単な整備など活躍の場の多い六角レンチですが、実際に購入するとなると値段やメーカーも様々で迷ってしまうことがあります。そんな時に役立つ六角レンチの選び方のコツや、コスパが良く耐久性もあり長く使えるおすすめの六角レンチをご紹介します。
日常の暮らしの中で意外と出番の多い「六角レンチ」。ちょっとした修理やメンテナンスをしようとした時に、プラスやマイナスのネジだけでなく六角形の溝が彫られたボルトが使用されていて途中で断念してしまったということもよくあることです。そんな時にも、六角レンチの各サイズを一式揃えておけば作業をスムーズに行うことができます。
六角レンチはダイソーなどの100均でも手に入れることができますし、ホームセンターや金物屋さん、さらにはネットの通販を通しても購入することができます。
六角レンチにはいろいろな呼び方があります。一番定着している呼び方は「六角レンチ」ですが、ほかにも「六角棒スパナ」「六角棒レンチ」「ヘキサゴンレンチ」等の呼び方もあります。海外では「ヘックスレンチ」とか「アーレンキー」「アレンレンチ」という呼び方が主流となっています。
六角レンチにも様々な種類のものが存在しています。使用したい場所などによって使い分けることにより作業の効率性をアップさせることができます。それぞれの種類の特徴について見てみましょう。
最も多くの人に知られているオーソドックスな種類と言えるのがこのL字型六角レンチです。長い側と短い側のどちらをも使用することができます。長いほうでは回す力は劣りますがその分早く回転させてボルト等を締めていくことができ、短い側は回す速さはありませんがしっかりと力を入れて増し締めも行うことができます。
両方を状況に合わせて使い分けることのできる使い勝手の良い種類が、このL字型となります。
T字型タイプのものも使いやすくて人気があります。特に手で掴む部分がTの形になっていることにより、手のひらでしっかりとホールドすることができるため、きつくネジを締めていきたい時や固く締まっているものを力を入れて緩めるときなどに非常に重宝します。しっかりと確実に部品を組み立てていきたい場合によく使われる種類の六角レンチです。
ドライバータイプの六角レンチもグリップ部分をしっかりと握ることができるために、T字型と同様に力を込めて回しやすい作りになっています。工具箱に収納する時に場所を取らないという利点もありますし、一般的に使われているプラスマイナスのドライバーと基本的な使い方が同じなので誰にでも扱いやすくなっています。ただし各サイズを揃えるとなるとL字型よりもコストがかかってしまいます。
ソケットタイプの六角レンチの利点は、ソケットを組み替えて簡単にサイズを交換できる点です。ソケットのセットを一式持っておけばいざという時に対応しやすくなります。また、ハンドルはラチェット式のものを使用することができるので少ししか回すスペースが取れないような場所でも効率よくボルトを締めていくことが可能です。
また、ハンドルを一つ持っていれば六角レンチだけでなく、他の種類のソケットを使用することができるのもうれしい点です。
折り畳み式の六角レンチは特に何かの必要に備えて携帯しておく時におすすめしたい種類です。基本的なサイズがセットになって一つにまとまっていますので対応力は抜群です。その名の通り折りたたむことが可能ですので携帯性も良く、他の種類の六角レンチを持っていたとしても予備としてこの折り畳み式を持つようにしている人は多くいます。
メーカーや種類も様々な六角レンチですが、その中でも自分に合った扱いやすいものを上手に選ぶためにどんな点を考えることができるのでしょうか。選び方の5つのコツを見ていきましょう。
六角レンチの上手な選び方のコツの一つはボルトのサイズに合わせることです。ボルトのサイズが大きくなればなるほどそれなりの力が必要になってきますので、六角レンチもグリップの長いものを使用することが必要となります。
逆にあまり強く締めなくても良いものや、細かな作業がメインとなる場合には短めのものを選ぶ方が作業もしやすくなります。自分がどんな作業を主に行うのかを考えることは、六角レンチを選ぶ際にも重要なポイントです。
六角レンチの表面加工に使用されている素材には大きく分けて2種類あります。その一つは黒染と呼ばれるもので四三酸化鉄皮膜によって加工されているものです。メリットとしては六角レンチの厚みに誤差が出にくいという点があります。ただし、耐久性の面では少し劣っていて比較的錆びやすくメンテナンスが必要というデメリットもあります。
もう一つの素材はメッキによってコーティングされたものです。メリットとしては黒染加工のものとは逆に錆びにくく耐久性が高いというもので、デメリットは厚みの誤差が比較的出やすいというものです。自分にはどちらのタイプが向いているのかを考えて選ぶようにしましょう。
六角レンチにはボールポイントが付いているものとそうでないものがあります。ボールポイントというのは先端が丸い形になっていて斜めの角度からでも差し込んで回すことができるというものです。まっすぐ差し込むためのスペースが取れない状況などには非常に便利で、溝がつぶれたり変形したりするのを防ぐことができ作業効率が上がります。
ただし覚えておきたい点として、このタイプは強度的に通常のものよりも弱くなてしまうため、かなり力を入れて開け閉めしなければいけない個所にはあまり向いていません。ノーマルタイプとボールポイントタイプのどちらを使用するかは、用途に応じて考えることが大切です。
多少のコストがかかったとしても最初から高品質なものを選ぶことをおすすめします。品質の悪い製品はすぐに角が取れてしまって丸くなったり曲がったりしてしまうことがあります。そうなるとまた買い替える必要が生じてしまいますので結局コストがかかることになります。
クオリティの良い製品は最初はある程度の値段はしますが、精度も高く作業性も格段に変わってきます。さらには使用されている素材にも違いがあるため、強度や耐久性の面でも差があり長く使用することができます。中にはメーカーが万が一破損した場合の保証を謳っている製品もありますので、それも選ぶ時の一つの目安となります。
六角レンチを購入する際には必然的にセット品を選ぶことが多くなりますが、この場合には特に収納面に注目しましょう。六角レンチをバラバラで持っていると使っているうちに失くしてしまうことがよくあります。きちんと収納できるケースやホルダーが付いているものであればそのリスクも減りますので収納のしやすさに注目することも選び方のコツの一つです。
ここからはおすすめの六角レンチをご紹介していきます。まず100均ダイソーで購入可能なコスパ抜群の製品を見ていきましょう。安く購入できるので予備として揃えておくのにもおすすめのアイテムです。
ダイソーのホルダー付きの六角レンチ7本セットです。他の六角レンチのセット品には8本のものが多いのですが、この製品はあえて1本減らしてその分クオリティにコストをかけたモデルとなっています。しっかり溝と噛み合うので楽に回すことができますし、耐摩耗性にも優れている点からもダイソーで購入できる六角レンチとしてはおすすめです。
他の高価な六角レンチに比べると耐久性には劣るかもしれませんが、100均でこれだけのセットが購入できるというのはうれしい限りです。
こちらも7本セットの製品ですが、折り込み式なので携帯性に非常に優れたモデルとなっています。サイズは1.5mmから6mmまでの7サイズをカバーしていてコスパ抜群な製品です。
このアイテムに関しては、1本ずつ取り外しはできないという点からもメインの工具としての使用は難しいかもしれませんが、いざという時のためにいつも携帯しておく非常用の六角レンチとしてとても重宝します。
では、実際にメインの工具として使えるおすすめの六角レンチについてご紹介していきます。それぞれ特徴は様々ですが、自分のスタイルに合ったアイテムを探してみてください。
TAKAGIの9本組の六角レンチです。大きな特徴はボールポイントが付いている点で角度のついた場所から差し込んで簡単に作業することができます。収納ホルダーは2段式になっているのでコンパクトに収まりとても便利ですし、9本組なので基本的なサイズは網羅されていて様々な作業に対応することができます。
12本組のトラスコ山中の六角レンチです。オーソドックスな黒染加工が施されていて本数も充実しているので、まずは基本的なものを揃えたいと考えている方にはおすすめの製品です。ホルダーにも何ミリに適合するのかすぐに見分けられる表記が記されているため取り出す際にも迷うこともなくとても使いやすくなっています。
こちらは動画でも紹介されているWera社のヘックスキー「Hex-Plus」です。見分けやすい色分けがされており、サイズも1.5mmから10mmまでの9本セットとなっています。
黒染め加工ということで精度の良さはもちろんのことですが、しっかりと焼きを入れて作られているので強度も申し分なしです。多少ルーズになっている六角穴に対してもしっかりと食いついてトルクフルに回していくことができます。ホルダーは折り畳み式となっているため使用しない時はコンパクトに収納でき携帯性も抜群です。
こちらもカラー分けされているベッセルの六角レンチセットです。1.5mmから5mmまでの間の6本セットとなっています。特に注目できる特徴はメーカーの永年保証があるという点です。
ボールポイントのものは強度がそれほど高くないので、長く使用していると先端が曲がったり破損してしまう可能性があります。そんな場合にも永年保証があるのでメーカーに交換してもらうことが可能です。長く安心して使用できるおすすめのアイテムです。
KTCから発売されているメッキ加工タイプの製品です。ロングタイプということで通常のタイプのものよりも力を入れやすくなっていますし、ボールポイントも装備されているのでスペースが少ない場所でも使いやすくなっています。
セットの本数も9本で1.5mmから10mmまでの範囲となっています。耐久性のあるメッキ加工でメーカーも安心のKTCブランドということもあり愛用している人も多いです。
こちらのトネの製品もロングタイプでボールポイントのある仕様となっています。注目ポイントの一つは、クロムメッキ加工による抜群の耐摩耗性です。何度も使っていると徐々に表面が擦れてきて底からサビてしまうことがありますが、このモデルは摩耗に強く処理されているためにそのリスクをかなり軽減させることに成功しています。
また、レンチ自体の素材には特殊合金鋼が使用されているので、曲がりや折れなどの不意の破損にも強く非常にタフな製品に仕上がっています。
メッキ加工の六角レンチ9本セットです。サイズによって色分けされているので使いやすく、作業もスムーズに行うことができます。メーカーは日本の工具好きからも絶大の支持を受けているスイスのPb社で、製品の耐久性や精度の良さにも信頼を置くことができます。
1.5mmから10mmまでの9本セットとなっていて基本的な作業にはほぼ対応することができます。見た目もカラフルでおしゃれなので持っているだけでもうれしくなるアイテムです。
こちらはこれまで紹介した製品とは違うインチ表記のアイテムです。車やバイクなどの海外の製品にはインチタイプの六角レンチを使用するようになっているものが多くあるため、1セット持っておくととても便利です。
サイズは1/16・5/64・3/32・1/8・5/32・3/16・1/4・5/16・3/8をカバーした9本セットになっています。日本で広く使われているミリ表記と海外製に多いインチ表記はサイズの規格が微妙に違うので無理に使用しないように気をつけましょう。
六角レンチには様々な種類のものが存在していますが、まずはセットのものを揃えてオールマイティに対応できるようにしておくことをおすすめします。その後で頻繁に使うサイズのクオリティの良い違うタイプのものを買い足していくなら効率よく六角レンチを揃えていくことができます。いざ使いたいという時に無いということがないように今から準備しておきましょう。