三和土(たたき)とは玄関で靴を脱ぐ場所のことで、土間を作るときに使う素材や製法を表す言葉でもあります。現在ではタイルなどの素材が使われるのが主流ですが、今でも「たたき」と呼ばれています。今回は玄関の三和土の意味や特徴をはじめ掃除の方法や風水を取り入れた運気アップ術までご紹介します。
三和土(たたき)とは玄関で靴を脱ぐ場所のことですが、コンクリートなどの素材がなかった時代に土と石灰、苦汁(にがり)を混ぜたものを叩いて固めてつくられていたことが由来となっています。また、三種類の材料を混ぜて作られていることが三和土という名前の由来という説もあります。
このことから、実際には場所を示すというよりも三和土を作るときに使われている材料や製法を示してあることが分かります。
玄関で靴を脱ぐ場所といえば、土間をイメージする方も多いと思います。三和土と土間との違いは以下の通りです。
昔ながらの三和土は保湿性が優れており、年間を通して空間を適度な湿度に調整してくれるのが特徴です。梅雨の時期は湿気を吸収し、乾燥しやすい冬の季節は湿気を出すというように湿度をコントロールしてくれます。
また、室内の気温が上がるのを抑える効果があり、夏場も涼しい環境を作り出してくれます。昔はたたたきのスペースが広く取られており、かまどで料理をしたり、訪ねてきた方と語らうスペースとしても使われていました。
コンクリートはセメントと砂利、砂を混ぜた素材で、モルタルはセメントと砂、水を練り合わせた素材です。コンクリートとモルタルは施工がしやすく費用も安くできるうえ、掃除がしやすいメリットもあります。
しかし、どちらも仕上がりの色味が単調であるためタイルや天然石と比べるとデザイン性は低いものの、シンプルな雰囲気や目地のないフラットな見た目を好む方に向いていると言えるでしょう。こだわりがあれば、洗い出し加工などを用いてアクセントをつけることもできます。
素材の性質上、経年劣化でひび割れやキズが目立つことがありますが、普段からDIYをするという方であれば自分で補修することも可能です。
タイルは多くの住宅の三和土に採用されている素材です。劣化しにくい磁器タイルや自然石タイル、吸水性の高いテラコッタタイルなど種類も豊富で、見た目の印象を変えることができます。
お家のテイストに合うテイストのタイルを採用すれば統一感を出すことができるので、外観や室内のインテリアとの調和を大切にしたい方にもおすすめです。また、グレーやベージュ系のタイルを選んでおけば、砂埃が比較的目立ちにくいです。
タイルで仕上げた三和土はコンクリートやモルタル仕上げと異なり、タイルの継ぎ目の部分に目地があります。目地は汚れがたまりやすい部分なので、こまめに掃き掃除をすると良いでしょう。
大理石や御影石などの天然石を使用した三和土は高級感や重厚感のある印象になるのが特徴です。色味も様々で、なにより加工されたものとは異なる自然な風合いが感じられます。
天然石は高価で耐久性に優れている反面、デリケートなので傷がつかないように取り扱うことが大切です。酸やアルカリを含む洗剤を使うと変質してしまうので、普段は雑巾で丁寧に拭く程度となり、ほかの素材とは掃除方法が異なります。また、年月が経つにつれて艶が減少してしまうため、必要に応じてメンテナンス業者に依頼するのが一般的です。
三和土の掃除で最初に行うのが掃き掃除です。見た目では分かりにくくても、三和土には日常生活で生じる砂やほこりなどがたくさん散っているので、外へ掃き出しましょう。まずは全体を掃けるように、三和土の上にある靴や道具を屋外に出し、ほうきで掃きます。
掃き掃除の工程で隅々まで汚れを丁寧に取り除いておくことで、次の手順である拭き掃除がスムーズにできます。
雑巾を水で濡らして絞り、三和土の汚れを拭き取ります。しつこい汚れがある場合はデッキブラシでこすり落としましょう。ただし、ここで水を使いすぎると乾燥させるのが大変なので、控えめに使用することをおすすめします。また、デッキブラシでも落ちない汚れはメラミンスポンジを使ってこすってみてください。
拭き掃除の後は靴を戻す前に三和土を乾燥させます。湿気が取れていない状態で靴などを戻すとカビが発生する原因になるので注意が必要です。水気が多い場合は乾いた雑巾で拭き取っておくと時間短縮につながります。
汚れを落としてしっかり乾燥させた後は、三和土に靴や置いていた物を戻します。その際に同時に今後必要なものと不要なものを分けて、断捨離を行いながら整理整頓をしていくのがおすすめです。
三和土を清潔に保つには、汚れを溜めこまずにこまめに掃除をすることが大切です。その時に三和土にたくさん靴や道具が置いてあると掃除をする前の準備に時間が掛かってしまいます。普段から最小限の靴のみを出しておく習慣をつけておけば、お出掛け前の限られた時間の中でもサッとほうきで掃くことができます。
風水では玄関は「悪い気を締め出し、良い運気を取り込む大切な場所」と言われています。そして、東と南が「陽」の方位、西と北が「陰」の方位と言われており、運気が良い玄関は「東南向き」「南向き」とされています。
つまり、運気の良い玄関は太陽の光が差し込む「陽の方位」となりますが、ほとんどの場合は玄関の位置を変えることはできませんよね。そんな時に取り入れたいのが「太陽光に近い色の照明」です。太陽の光が差し込む様子が「金」のイメージと結び付けられ、金運がアップ効果が期待できると言われています。
先述した太陽に近い色の照明を選ぶ際は、輝度が高く、太陽が差し込む明るさに近い照明を選ぶと良いでしょう。玄関を開けた時に家の中を明るい印象にすることができます。
観葉植物は風水において「負の運気を正の運気に変える力がある」「悪い気の流れを吸い取ってくれる」と言われているので、玄関に置くことで運気アップの効果が期待できます。基本的にスペースに合う大きさで、見た目が好みの植物を飾るだけで良いですが、その中でもピンポイントで運気アップにつながるとされる観葉植物をご紹介します。
金運 | モンステラ・パキラ・金のなる木・ポトス |
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仕事運 | ユッカ・ガジュマル・パキラ |
恋愛運 | モンステラ・マッサン・グリーンネックレス・ワイヤープランツ |
魔除け・厄除け | サンスベリア・ユッカ |
比較的管理がしやすい植物が多いので、これまで観葉植物を育てたことがない場合でも取り入れやすいです。観葉植物の置き場を玄関にすることで水やりなどのお手入れも外に出して行うことができ、晴れた日に適度に日光を当てたいという場合も楽に移動させることができます。
本来玄関マットは靴底についた汚れや泥を落とす役割をするものですが、風水において「外から持ち込む悪い運気を払う」と言われています。マットを置く際に風水を取り入れたいのであれば、玄関の方位に合わせて色を選ぶのが望ましいです。
東・・・青・白
西・・・黄色・茶色・ピンク
南・・・紫・緑
北・・・ベージュ
ちなみに、玄関マットの形で言うと、丸みのある形は人間関係の運気をアップさせ、四角形のマットは家庭運をアップさせる効果が期待できます。
また、運気アップの効果をより多く得たいのであれば、「火」の性質を持つポリエステルやアクリルなどの化学繊維で作られたものは避けた方が良く、麻やウール、シルク、コットンなどの自然素材で作られた玄関マットがおすすめです。玄関マットを探している中で天然素材100%のマットが見つからない場合は、天然素材の配合割合が多いものを選ぶというのもひとつの方法です。
玄関マットは家の出入りの際に足で踏まれるため、使用を続けるうちに汚れたり、くたびれた印象になってきます。洗濯ができるものであれば定期的に洗い、洗えないものは汚れを落として天日干しをしましょう。それでも劣化が感じられる場合は買い替えることをおすすめします。
せっかく玄関に物を飾るのであれば、運気アップ効果のある時計を置くのがおすすめです。風水において「時の流れ」は、気の流れが促されることを示します。また、玄関先に時計があれば出掛ける際に時間チェックができて便利です。
他にも、邪気を払う「虎」や良い運気を運ぶ「龍」の置物を飾るのもおすすめです。虎は玄関を入って左側に置いて外を向けることで悪い気を払うとされており、龍は玄関を入って右側に置くことで仕事運や金運、家庭運などがアップする効果が期待できます。
また、干支の飾り物を置くのも良いと言われています。「開運アイテムを取り入れたいけれど何を飾るか悩んでしまう」という方は、お正月にその年の干支の置物を買って毎年同じように交換していけば、開運アイテムを気軽に取り入れることができるようになります。
風水において雨水には外からの悪い気や汚れを持ち込むという意味合いがあり、「陰」の気が強いと考えられています。そのため、雨水がついた傘を玄関内に置くのは避けた方が良いです。
できれば雨の日は傘立てを玄関ドアの外に出しておき、玄関内に雨に濡れた傘を持ち込まないようにしましょう。マンションやアパートに住んでいて屋外に傘立てを置きにくい場合は、玄関の中に入る前にドアの外で傘についた雨水をしっかりとはらってください。
そして、晴れた日にベランダや庭で傘を広げてしっかり乾燥させるのも運気アップのポイントです。ジメジメがなくなれば次の雨の日に気持ち良く使うことができ、衛生的に保管できるメリットがあります。
玄関に飾るものは、季節に合わせたものを選ぶようにしましょう。小物を飾るのが好きという方は、ついつい飾り物の量が増えていきジャンルが統一されてないということがあるかもしれません。夏に雪のモチーフ、ハロウィンの飾り物を年中飾ったままというようなことは避け、シーズンが終わり次第取り替えるのが望ましいです。
風水においても玄関の飾り物は季節に合うものを選ぶことが大切とされています。気に入ったものを飾り続けてしまいがち・・という方は、春・夏・秋・冬のイメージや行事、イベントに沿うアイテムを飾るように心掛けてみてください。
ドライフラワーは枯れた花ということから「陰」の気に分類され、風水的にはNGとなります。花を飾るのであれば、できれば生花を選ぶようにしましょう。ドライフラワーとは異なり生気のある生花は、外から入ってくる悪い気を吸ってくれると考えられているためです。
それでもドライフラワーを飾りたい場合はアロマオイルで香りをつけて、ポプリとして取り入れるのがおすすめです。また、ドライフラワーを飾る際はできるだけ風通しが良い場所に置き、ほこりを定期的に払うなどのお手入れをすることで陰の気が満ちるのを抑える効果が期待できます。
ボールやフリスビー、砂場用のスコップセットなどの子どものおもちゃや遊び道具は、三和土に出しっぱなしにしせずに屋外の物置きや玄関収納などへその都度片付けるのが望ましいです。
三和土におもちゃや遊び道具を出しっぱなしにしてしまうと、家にいる人の気持ちが「遊び」の方向に引き寄せられてしまい、切り替えが難しくなるためです。また、散らかった玄関は風水的にも気の通りが悪くなると言われています。
収納できる場所が限られている場合はコンパクトに収納できるおもちゃを選んだり、物の定位置を決めておくことで使用後に片付けがしやすくなるはずです。
玄関の三和土(たたき)は靴を脱ぐ場所であり、昔ながらの土間を作るときに使う素材や製法を表す言葉でもあります。
タイルやコンクリート、天然石など使われている素材によって見た目の印象や取り扱い方が異なりますが、三和土に物を置きっぱなしにしないように心掛けたり、こまめに掃除を行うことで汚れがたまるのを防ぐことができます。
また、清潔に保たれた玄関には良い運気が入ってくるというメリットもあります。風水の観点から玄関に置いておくと良いとされる厄除け・開運アイテムに加え、見落としがちな風水NGポイントもぜひ参考にしてみてみてください!