コロナウイルスで資金繰りが厳しい会社におすすめの資金調達方法

中国武漢で発生した新型コロナウイルスにより、国内でも休業要請などさまざまな経済的影響が続いている状況です。

また、2020年4月14日時点では、7都府県を中心に5月6日までの休業要請を実施しています。多くの業種で資金繰りが厳しい状況ですが、政府は全業種に対して補償の実施を予定していません。

さらに今後、新規感染者数の状況によっては、休業要請の延長が行われる可能性もあります。

そこで今回は、コロナの影響によって資金繰りに悩む事業者へ向けて、資金調達の方法を分かりやすく紹介します。

日本政策金融公庫

融資を検討している場合は、日本政策金融公庫も選択肢の1つとして検討してみましょう。2020年4月14日時点では、新型コロナウイルスによる経済的損失を受けた事業者へ向けて、特別な貸付制度を提供しています。

新型コロナウイルス感染症特別貸付とは

日本政策金融公庫が提供している新型コロナウイルス感染症特別貸付とは、

  • 中小企業
  • 国民

2種類に分けて貸付による支援制度です。

中小企業向けの制度では、新型コロナウイルスによる売り上げ減少となったものの、中長期的には経済的に回復する企業へ向けて貸付を行っています。

具体的には、前年もしくは2年前の売り上げに対して5%の売り上げ減少が発生し、なおかつ今後業績・売り上げが回復すると考えられる場合にのみ、融資を受けられる状況です。

融資額や返済期間

新型コロナウイルス感染症特別貸付の融資上限額は3億円です。金利は、最初の3年間について日本政策金融公庫が定めている「基準利率-0.9%」で、4年目以降は基準利率に戻ります。

しかし、一部の利用者については、最初の3年間を実質無利子となる支援制度もあるので、まずは相談してみるのが大切です。

ちなみに返済期限は設備資金に対して20年以内、運転資金は15年以内と定められています。

雇用調整助成金制度の利用

国では、事業活動が縮小している企業に向けて、以前から雇用調整助成金制度を提供しています。

そして今回の新型コロナウイルスによる休業要請によって、売り上げ減少した企業を支援するため、特例措置を追加することを決めました。

雇用調整助成金制度とは

雇用調整助成金制度とは、経済的な理由で従業員の休業などを行う企業に対して、一定の助成金を提供する支援制度です。

助成金の支援対象は事業主で、各種書類を提出すると中小企業は雇用の維持にかかった費用のうち3分の2を助成、大企業は2分の1を助成するのが通常時の仕組みです。

しかし、今回の新型コロナウイルスによる影響は急を要する事態ですので、次の項目で紹介する特例措置が設けられたました。

特例措置の内容

特例措置の場合は、各種要件が大きく変わっています。まず支援対象者は、経済的理由ではなく新型コロナウイルスによる影響を受けた事業主と、幅を広げています。

そして生産指標要件(売上高など事業活動のこと)が、1ヶ月あたり5%以上の低下率と通常時よりも期間と低下率を緩和しているのも特徴的です。

助成金の割合についても中小企業5分の4(約0.6から約0.8に拡大)、大企業3分の2(約0.5から約0.6に拡大)と、拡大しています。

仮に休業手当の費用を捻出した場合は、6月30日までに計画書を届けていれば事後届け出認められているので、休業手当の負担を抑える上で利用を検討してみてはいかがでしょうか。

銀行から融資を受ける

銀行や信用金庫へ、融資の相談を行うのも資金調達の代表的な方法です。また、設備資金や運転資金のための資金調達には、ビジネスローンがあります。

ビジネスローンとは

ビジネスローンとは、銀行が提供している商品の1つで事業者のみを対象としているのが特徴です。運転資金や設備資金の資金調達のために利用でき、投資や個人の利用などはできません。

融資を受けるための審査要件や金利、返済期間・融資限度額などは銀行によって変わります。また、ノンバンク系と比較して審査は厳しい傾向で、低金利といった特徴もあります。

ビジネスローンを提供している銀行は多数あり、都市銀行・地方銀行それぞれ多種多様な要件で提供しています。

たとえばジャパンネット銀行は金利4.8%~13.8%で、東京スター銀行のスターカードビジネスローンは6.5%~14.5%と、違いがあります。

ビジネスローンを組む際は、限度額や返済期間などから比較した上で申請先を決めましょう。

都市銀行と地方銀行の違い

ビジネスローンを取り扱っている金融機関は、都市銀行と地方銀行・消費者金融・信用金庫の4種類です。

そして都市銀行と地方銀行の主な違いは、本社所在地や資本などです。都市銀行とは東京都や大阪府に本社を置き、全国に支店を展開している銀行を指します。

一方地方銀行は、一般社団法人全国地方銀行協会に加入している銀行で、各都道府県に本社を置いています。

三菱UFJ銀行やみずほ銀行、三井住友銀行は都市銀行でなおかつメガバンクと呼ばれる、非常に大きな資本・事業を保有しているのが特徴です。

クラウドファンディング

新しい資金調達方法として、クラウドファンディングも期待できます。融資とは異なり、返済不要のシステムもあるので、返済による負担を懸念している事業者はクラウドファンディングを検討してみてください。

クラウドファンディングとは

クラウドファンディングとは、インターネットのクラウドファンディングサービスなどを活用し、不特定多数の個人や法人から少しずつ資金調達できるシステムを指します。

近年では、国内企業がクラウドファンディングサービスを立ち上げ、より手軽に利用できるようになりました。

また、クラウドファンディングには以下の種類に分かれていて、返済不要のタイプや返済が必要なタイプなどさまざまです。

購入型クラウドファンディング
融資型クラウドファンディング
寄付型クラウドファンディング
投資型クラウドファンディング

購入型クラウドファンディングは、支援者から資金調達を行い代わりに商品やサービスを提供するためのシステムです。

スタートアップ企業などが自社商品の開発費用を集めるために利用したり、輸入貿易に利用されたりしています。

寄付型クラウドファンディングは、購入型クラウドファンディングと同じ流れで資金調達しますが、リターンとして商品やサービス提供の必要はありません。

融資型クラウドファンディングは、クラウドファンディング事業者が個人から資金を集め、融資を受けたい企業に貸し出すシステムです。国内ではソーシャルレンディングという名称で、サービス提供が始まっています。

投資型クラウドファンディングは、資金調達の代わりに非上場株式を提供するシステムです。

今回の新型コロナウイルスによる影響で資金繰りが厳しい場合、寄付型クラウドファンディングや融資型クラウドファンディング、購入型クラウドファンディングの3種類から検討するのがいいでしょう。

特に寄付型クラウドファンディングは、事業者にとって負担の少ない方法です。

新型コロナウイルスサポートサービス

2020年4月14日時点では、いくつかのクラウドファンディングサービスで新型コロナウイルスサポートサービスを立ち上げています。

たとえばREADYFORは、新型コロナウイルスで中止となったイベント会社を対象に、Allin形式のクラウドファンディングを実施しています。Allin形式とは、目標金額の達成・未達成に関わらず、集まった資金を利用できるサービスです。

また、申請期間は4月30日までで、3日間の審査期間を経てREADYFORのサイトにてプロジェクトを公開できます。

CAMPFIRも新型コロナウイルスサポートプログラムを実施していて、イベントだけでなく予約キャンセルなどで損失を被った飲食店なども対象にしているのが特徴です。

申請期間は4月30日まででAllinもしくはAll or Nothing形式で資金調達ができます。

All or Nothingは、目標金額達成時のみ資金を受け取ることが可能

イベント会社や飲食店などを運営している事業者の中で、キャンセルや中止による損失補填の手段として検討してみてはいかがでしょうか。

セーフティネット保証

セーフティネット保証とは、中小企業を対象とした保証制度です。新型コロナウイルスに限らず、何らかの理由で経営に支障が出ている場合に、別枠で融資を受けることができます。

セーフティネット保証の概要

セーフティネット保証は、中小企業庁や各都道府県の信用保証協会で利用できる保証制度です。

具体的には、中小企業の信用を各団体が保険し、融資を別枠で受けられるようにしてくれます。また、この場合の信用とは、経営に支障をきたすリスク・融資の返済リスクに対してです。

別枠で融資を受けることで得られるメリットは、売り上げ減少による従業員への給与や設備資金に充てることができる点でしょう。

他には各自治体が融資に伴う利子を負担してくれる、利子の補給も受けられる点も強みです。

新型コロナウイルスに対応しているのはセーフティネット保証4号、5号

セーフティネット保証は、1号から8号に分かれていて、それぞれ保証に該当する要件が異なります。そして、新型コロナウイルスに伴う一時的な資金調達として、4号と5号を利用できるように変更しました。

4号は突発的災害に遭ったケースで、5号は業績が悪化しているケースを対象としています。5号に該当する業種は、4月8日に更新されて全業種へと変わりました。ですので、現在資金繰りが厳しい企業の中で現在返済中の場合は、別枠を利用できるセーフティネット保証も検討してみてください。

ファクタリングによる売掛債権の早期調達

引用:pixabay

新型コロナウイルスによって売掛債権の回収が滞っている場合は、ファクタリングの活用もいいでしょう。ファクタリングは、融資ではなく債権を売却し、手数料を差し引いた資金を調達できるサービスです。

ファクタリングの特徴

ファクタリングは、まず取引先から受け取った売掛債権をファクタリング会社へ売却します。そして、売掛金から手数料を差し引いた金額を、回収の期限日よりも前にファクタリング会社から受け取ることができるサービスです。

ファクタリング会社へ売掛債権を売却
ファクタリング会社が売掛金と同等の資金を調達
手数料を差し引いた売掛金を受け取る
後日取引先の企業から受け取った売掛金をファクタリング会社へ支払う
取引完了

ファクタリングは、売掛債権の買取サービスですので、融資とは異なります。そして取引方法には、2社間と3社間に分かれています。

2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社の間でのみ契約を交わるため、取引先企業は関与しません。

一方、3社間ファクタリングは、取引先企業も含めて3社で売掛債権の回収や売掛金の受け取りを行います。

3社間ファクタリングは、取引先企業にファクタリングの利用を知られますが、手数料率は低い傾向です。また、2社間ファクタリングの手数料率は3社間より高めのものの、取引先企業に知られません。

ファクタリングの強み

ファクタリングの強みは、最短即日で売掛金の早期調達ができる点です。融資は申請や審査に1週間以上かかることも珍しくありません。ですので、今すぐ資金調達しなければいけない場合は難しい選択肢です。

そしてファクタリングの審査対象は、主に取引先の企業です。なぜなら、ファクタリング会社にとって利益となる売掛金は、利用者ではなく取引先の企業が捻出するものだからです。

つまり利用者の業績が赤字の場合などでも、利用できるケースがほとんどです。

ファクタリング会社は、利用者へ業績など必要書類の提出を求める他、取引先の企業の信用能力も調査します。

ファクタリングのリスクやデメリット

ファクタリングのリスクは、手数料コストです。手数料率は信用能力や調達金額によって変わりますが、8%や15%・20%などから設定されます。

そして売掛金から手数料分を差し引くため、本来受け取るはずの金額よりも減少します。利用する際は、緊急性や手数料コストのバランスを考えた上で判断するのが大切です。

他にも資金調達の上限は、売掛金の金額で決まる点に気を付けましょう。融資の場合は、500万円や1,000万円などあらかじめ上限が分かるため、計画を立てやすいメリットもあります。

一方ファクタリングは売掛金の金額が100万円であれば、「100万円-手数料」の調達金額に限定されます。

資金調達の方法を把握し一時的な売り上げ減少を乗り切る

新型コロナウイルスによる休業要請は、2020年4月14日時点で5月6日を1つの区切りとしています。しかし、新規感染者数の増減によって、変わる可能性もあります。

多くの企業は資金繰りの厳しい状況ですが、国による一律の休業補償制度はありません。国による支援制度は、主に新型コロナウイルス感染症特別貸付あるいは助成金制度です。

しかし、上記2制度では厳しい現状の企業も多いかと思います。

その場合は民間企業からの融資やクラウドファンディング、そしてファクタリングなど複数の資金調達を検討してみてください。

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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。