ソケットレンチとは、ナットやボルトを締め付ける工具です。様々なサイズのナットやボルトに対応できるために、ソケット部分を取り替えられるようになっています。その各種ソケットを回すために必要な握る部分の、「ハンドル」とセットでソケットレンチと呼びます。
一方、ボックスレンチとは、ソケット部分とハンドル部分が一体となった工具のことを指します。T字、Y字、十字の形の種類があります。
この記事では、ソケットレンチやボックスレンチのことを詳しく解説していきます。どんなサイズのソケットがあるのか?どんな種類のソケットレンチがあるのか?また、ラチェットの事やおすすめの「ソケットレンチセット5選」をご紹介していきます。
目次
ソケットレンチは、世界的な大手工具メーカー【スナップオン】が発明した、画期的な工具です。工具が好きな私も、2セット持っています。ソケットレンチの便利なところは、何と言ってもナットやボルトに合わせてソケットが取り替えられることでしょう。
それともう一つ、ソケットレンチの大きな特徴としては、「ラチェット機構」がハンドルに搭載されていることです。ラチェット機構とは、回転方向が一方に制限されて、空回りや逆回転をしない構造です。これにより、ナットやボルトの締めたり、緩めたりがとてもスピーディーに作業できます。
ここまでの、ソケットレンチに関する解説と重複してしまう内容は省略して解説していきます。ソケットレンチは、単体でも販売しておりますが、画像のようなセットで購入する方が一般的です。各サイズのソケットや、ラチェットハンドル、長さが欲しいときのアタッチメントハンドル類(エクステンションバー)などがセットになっています。
ソケットレンチは自動車や自転車などのパーツの、ナットやボルトに使用することが多いです。ナットやボルトを締める、緩める工具にはスパナやモンキーレンチ、メガネレンチもあります。ですが、やはり使い勝手は圧倒的にソケットレンチの方がいいですね。
ハンドル上部の、ソケットを取り替えられる部分を差込角といい、四角い突起物(角ドライブ)があります。そこへ各種ソケットを取り付けます。角ドライブの裏側には、「締めたり緩めたり」の回る方向を切り替えるダイヤルがあります。
セットできたら、ナットやボルトにソケット部分を「はめ込み」、締めて戻して、締めて戻してを繰り返します。ラチェット機構により、カチャカチャと音を立てて戻ります。スパナやモンキーレンチ、メガネレンチみたいに、一回締めたらはめ込み直す、二回締めたらはめ込み直す…、という手間がなくスムーズに作業できます。
ボックスレンチとは、ソケット部分とハンドル部分が一体型となった工具です。特に、強い力で回す必要がある、大きめなサイズのナットやボルト、または錆び付いたナットやボルトに最適なツールです。
ソケットレンチには、多種多様な種類があります。価格差も単品なら100円前後~1,000円前後、セットなら1,000円前後~数万円前後と幅広い価格差があります。しかし、低価格帯の物には精巧に作られていない物もあります。
工具類は実際の規格サイズより、少し大きめに作られています。多少のガタつきは仕方ありませんが、低価格帯の物には許容範囲を超えるガタつきがある物もあります。そのようなソケットレンチを無理に使うと、ナットやボルトを「ナメてしまう(角が削れる)」事があります。
更に、低価格帯のソケットレンチは、しっかりとした素材で作られていないものも存在します。こちらの場合は、作業中に折れてしまうなどのトラブルも発生する可能性があります。あまり強く締め付ける必要のない、木工製品などに使用する場合は、特に問題ないかもしれません。しかし、自動車部品などある程度強く締め付ける必要がある場合には、折れてしまう事があります。
信頼できる国産メーカーや、JISやISO規格品を選ぶことが無難です。
続いて、取り替えるソケットを接続する部分、「差込角」「角ドライブ」を確認します。サイズも数種類あるのですが、一般的な9.5ミリ角ですとほとんどの車やバイク、自転車などに使用できます。9.5sq(スクエア)とも表記されていることもあります。
この記事の後半では、【おすすめソケットレンチセット5選】を特集しております。信頼できるメーカーのソケットレンチセットをご紹介していきますので、そちらもお見逃しなく!
ソケットレンチの規格について解説していきます。ここで言う規格とは、ソケットを差し込む部分の「差込角」の規格(サイズ)のことです。先ほどの項目で、一般的なサイズを9.5ミリと解説いたしましたが、もちろん他のサイズもあります。
まだ大きなサイズもありますが、一般のDIYなどの作業で使用するサイズではありません。家庭で用意するサイズでは、9.5ミリ。車のタイヤ交換を、ご自身で行なわれる方は12.7ミリも用意しておくといいでしょう。
ソケットレンチには、ハンドル(持ち手の部分)は主に4つの種類があります。ソケットレンチと言えば「ラチェットハンドル」と思う方も多いのではないでしょうか?締める、緩めるの設定を切り替えて、回した方向の逆(元の位置)に戻すときになる「カチャカチャ」音はラチェット機構によるものです。
ソケットレンチとは、ハンドル部分はそのままで、ソケット部分を付け替えて使用する工具です。ラチェット機構のハンドルだけでなく、用途によっては非常に便利なハンドルもありますのでご紹介いたします。
ラチェットハンドルは工具を一回転させたり、ナットやボルトに「はめ直し」たりしなくても済む工具です。ラチェットハンドルは締める、緩めるをダイヤルやレバーで切り替え、一方に回すときだけロックがかかり、元の方向に戻すときは「カチャカチャ」や「ギー」などの音を立てて空転します。
このような仕組みの「ラチェット機構」により、作業がスピーディーに行えます。まさに一家に一台の工具と言えます。
ただし、無理のない範囲で使用しましょう。ラチェット機構は、内部に歯車やストッパー的な働きをするツメがあります。あまりにも強い負荷をかけてしまうと、破損する恐れもあるので注意しましょう。
奥深くや狭い所にある、ナットやボルトを回すことができるのが、このスピンナハンドルです。画像のように、先端の差込角の部分が可動するようになっています。これにより、立てて仮締め、横に倒して本締め。と、ラチェットハンドルとは違った使い方もできます。
また、ラチェット機構のハンドルではないので、より強いトルクでナットやボルトを回すこともできます。スピンナハンドルは、ヘッド部分が固定されています。故障の心配もなく、てこの原理で「グッ」っと回すことができるので、錆び付いたナットやボルト、強く締め付ける必要がある部分などにとても向いています。
ドライバ型ハンドルとは、先端のプラス・マイナスなどのツール(ビット)を付け替えられるハンドルです。ラチェット機構のハンドルもあります。通常のドライバーとして使用するには、力が伝わりにくい面もあります。使い勝手が良いか悪いかは、使う人によって分かれるのではないでしょうか。
こちらは、ハンドルというかアクセサリーパーツに分類されるかもしれません。画像左側のツールがエクステンションバー、右側のツールがユニバーサルジョイントと呼ばれる、補助的工具です。長さが足りないとき、狭い箇所で角度が欲しいときなどに非常に便利なツールです。
特に、車のエンジンルーム内や足回りなど、複雑に入り組んだパーツがたくさんある部分に役立つツールです。
スライドヘッドハンドルは、日常のDIY等ではあまり出番の少ないツールではあります。しかし、あると非常に役立つこともあるのがこのツールです。中央にあるヘッド部分は左右にスライドします。中央で使用すれば、両手で回すことができます。どちらか左右に寄せて使用すれば、スピンナハンドルのように使うこともできます。
ただし、あまりに力を入れて回せるからといって、固く錆び付いたナットやボルトを相手にしていると、バーが折れ曲がることもあります。もし限界と感じたら、違う工具で対処するようにしましょう。
それでは、これまでのおさらいも含めて、ソケットレンチの正しい使い方を解説していきます。ソケットレンチのセットを購入すると、たくさんのパーツが入っています。各サイズのソケットやそれを取り付けるハンドル、補助的役割を果たすエクステンションバーやユニバーサルジョイント。全ての用途を理解して活用できれば、あらゆる作業がストレスフリーで行うことができます。
ですが、やはり基本的な使い方が重要です。あらゆるツールを使いこなす為にも、基本的な正しい使い方を詳しく解説します。
ソケットレンチの「ソケット」は、ナットやボルトにしっかりはめ込んで使用することが重要です。サイズが合わないソケットや、奥までしっかりはめ込んでいない場合は、ガタつきが生じます。このような場合は、ナットやボルトの頭を「ナメる」こともあります。また、力を入れて回した瞬間に工具が外れて、怪我をすることもあり得ます。
基本中の基本でもありますが、焦っていたりするとやってしまいがちな事でもあります。サイズが合わないソケットで無理矢理回そうとしたところ、工具が外れて指を他のパーツの角にぶつけてしまうなんてこともあります。
このように怪我にもつながりますので、しっかりとソケットをナットやボルトにはめ込みましょう。そしてガタつきがないか、確認してから作業に入りましょう。
固く締め付けられたナットやボルトや、錆び付いたナットやボルトを相手にする場面もあるかと思います。しっかり工具を合わせて、力任せに「グッ」っとやってしまいがちですよね。
そんな時は無理をせず、確実に安全に外せるように「浸透性潤滑剤」を使用してみましょう。使い方は、浸透性潤滑剤を錆び付いたナットやボルトにしみ込ませます。しっかり浸透させる為にも10分間くらいは置いておきましょう。浸透したら作業に取り掛かりましょう。
注意点としましては、外した後にしっかり「浸透性潤滑剤」を拭き取ることです。こうしておかないと、再度締め付ける時に、ナットやボルトが締まり過ぎてしまうことがあるからです。安全に取り外せたら、キレイに拭き取って次の作業に移るようにして下さい。
ハンマー代わりにしてませんか?使用用途以外の使い方を、しないようにしましょう。特に、ラチェット機構のハンドルは、ヘッド部分の内部に歯車やツメといった小さなパーツで構成されています。ハンマー代わりにして、「カンカン」と固い部分をたたかないようにしましょう。
その他のハンドルでも、連結部分等は衝撃に弱い面もあります。取り扱いには注意しましょう。また、油汚れは工具につきものです。工具の劣化を防いで、長く大切に愛用するためにも、お手入れはこまめに行いましょう。
それでは、ここまで解説してきました内容も含めて、おすすめする5つのソケットレンチセットをご紹介いたします。それぞれ、信頼できるメーカーのソケットレンチです。
充実の52点セットです。差込角6.3ミリ用のショートハンドルとソケット類は黄色で、9.5ミリ用のレギュラーハンドルとソケット類は赤色と色分けされていて、迷うことなくソケットをチョイスできます。
また、材質も信頼できる硬度、耐摩耗性のある「クロームバナジウム鋼」と呼ばれる合金鋼です。スピンナハンドル、エクステンションバー、ユニバーサルジョイント、ディープソケット等々、まさに一家に一台。DIYでも活躍するソケットレンチセットです。
山下工業研究所の「フラッグシップモデル」Z-EALシリーズのソケットレンチセットです。山下工業研究所はソケットレンチや、ソケットに特化したメーカーです。強固、精巧に作られたソケットは、ナットやボルトの角を傷めません。
プラス・マイナスのビット、六角ソケット、クイックスピンナハンドルのセットで、使いやすさは抜群です。
高価ではありますが、それだけ良品で、長く愛用できるソケットレンチセットです。
非常にリーズナブルな価格でありながら、必要最低限のツールが揃っているソケットレンチセットです。DIYで必要になり、初めてソケットレンチセットを購入する方には特におすすめのセットです。差込角9.5ミリのラチェットハンドル、6.3ミリのスピンナハンドル、4ミリ~19ミリのソケット、21ミリのプラグソケット、エクステンションバーと、様々な作業に対応できるソケットレンチセットです。
京都機械工具(KTC)は、創業1950年の老舗工具メーカー。「KTC」ブランドでお馴染みの会社です。間違いなく信頼できる国産メーカーの一つでもあります。
充実したセット内容はもちろんのこと、発砲ポリエチレン製のケースは高級感も漂わせます。そして、このセットの最大の特徴でもある、ラチェットハンドルのヘッド部分には、世界最多90枚のギヤが採用されています。これにより、驚くほどスムーズに動作します。
E-Valueは、藤原産業のブランドです。コスパ最強のセットでありながら、しっかりとした素材、クロームメッキ鏡面仕上げと、満足できるソケットレンチセットです。コンパクトなので、保管場所にも困らず、部屋のどこかの引き出しにでも置いておけば、非常に便利です。
差込角6.35ミリなので、5ミリ~12ミリまでのソケットラインナップです。小型のナットやボルトが対象なので、家庭内で活躍するツールですね。
ソケットレンチは、整備関係の業務に携わっていない人なら、頻繫に使うことはありませんよね。しかし、いざという時にあると便利なのが、このツールです。車やバイク、自転車等にはあらゆるパーツを繋ぐために、無数のナットやボルトが使われています。そして、そのサイズも様々です。
用意しておきたいのは、やはりソケットレンチセットです。非常用に常備しておきたい場合は、サイズのバリエーションが豊富なセットがいいですね。いつ、どのような時、どのようなサイズのナットやボルトを扱うかは、わかりませんよね。様々なシーンを想定して、あらゆるサイズのソケット、エクステンションバー、ユニバーサルジョイントがセットになった物を選びましょう。