車にも寿命があります。ここでは、寿命を迎えているとどのように判断すればよいのか、またできる限り寿命を伸ばすためにはどのようにしたら良いのか、ご紹介していきます。お気に入りの大切な愛車を少しでも長く乗り続けるための参考にしてみてください。
寿命を迎える前、下取り価格が期待できるよう、10年乗ったら、10万km走ったら車を買い替えると言う方は多いのではないでしょうか。10年、10万kmはおおまかに買い替えの目安となりますが、具体的にどのくらいで寿命を迎えるのか見ていきましょう。
近年の車の寿命は、平均して13年ほどと言われています。車の寿命=エンジンの寿命と考えてしまって良いでしょう。この13年と言う数値は、新車登録から廃車登録されるまでの年数で平均値を出しています。
ちなみに、1975年ごろは7年ほどで廃車されていたようなので、30年もの間に耐用年数が5年延びたことになります。技術向上はもちろんですが、公共交通機関の発達で車に乗る機会が30年前より減ったことも、寿命が延びた要因と言われています。
だいたいの車が、新車登録されてから10万~15万km走ったところで廃車登録されることが多いようです。この距離数にもきちんとした理由があり、10万~15万kmでエンジンが寿命を迎えるからと言われています。エンジンを修理して、乗り続けることももちろん可能ですが、エンジンが寿命を迎える頃には他の部品の交換も必要になってくる場合がほとんどです。そのため、高額な修理代を払うならば新しい車に買い替えた方が良いと考える方が多いのです。
エンジンを含め、その他部品のメンテナンスをこまめに行えば、20万kmは乗り続けられます。昔は、10万kmで交換することをすすめられていたタイミングベルトですが、近年では30万kmで交換することをすすめられているタイミングチェーンを使用する車が増えており、10万kmを優に超える20万kmを走ることが可能となっています。
年数や、走行距離数で寿命の目安はある程度ありますが、日頃の使い方やメンテナンス頻度によって寿命も異なってきます。使用年数や走行距離ももちろん一つの判断目安となりますが、それぞれの車の消耗具合によっても寿命は変わってきます。寿命を判断できる、ポイントをお伝えしますので、自身の車の点検に役立ててみてください。
先ほども少しお伝えした、タイミングベルトですが、エンジンの故障要因の中で1番よくある故障がタイミングベルトの摩擦による消耗です。近年ではベルトではなくチェーンが使用されていることが多いため耐用距離数が30万kmとされていますがタイミングベルトの場合耐用年数は10万kmとされています。
タイミングベルトは摩擦で擦り切れていってしまうのですが、切れてから交換するのでは遅く、切れてしまうとエンジンのその他の部品の交換も行わないといけなくなり修理代に20万円もかかってしまうこともあります。そのため、タイミングベルトは、擦り切れてしまう前に交換することが必要不可欠なのです。
タイミングベルト自体は5,000円前後と安いのですが、エンジンの奥にある部品のため素人では交換することができず、プロの整備士の方に交換をお願いしないといけません。その工賃が35,000円くらいしてしまうので結果として、タイミングベルトの交換には40,000円ほどかかってしまうというわけです。
エンジンの寿命=車の寿命となります。修理したりエンジンを丸ごと替えることもできますが、エンジンを丸ごと変えるとなると新品のものの場合は50万円、中古のものでも20万円ほどしてしまうため、車ごと買い替える方が多いのです。
エンジンの不具合はどのようなことがあるのでしょうか。素人でも気づくことができるのが、異音です。エンジンから変な音が聞こえる場合は直ちに使用を中止し、整備士の方に見てもらうようにしましょう。他にも、水漏れやオイル漏れなど、わたしたち素人では気づきにくい箇所が故障してしまうこともあります。
使用年数が長くなってきたり、走行距離数が伸びてきたらこまめに点検をしてもらうようにしましょう。安全に配慮することも運転手の義務です。
バッテリーは、走行中に充電されますがそれでも寿命があります。およそ2~3年で寿命を迎えると言われていますが、使用頻度が少ない車は走行中の充電量より使用していない際の放電量の方が多いため、寿命が早くなってしまう傾向があります。
タイヤはスリップサインが出てきたら必ず交換しましょう。スリップサインがでてしまい溝のないタイヤを使用し続けることは、事故にも繋がり大変危険です。また、寿命を超えたタイヤを使用することは整備不良とされ罰金9,000円が課せられ免許の点数も2点減らされてしまいます。溝のないタイヤを使用し続けることは、罰金や減点されてしまうほど、危険なのです。4つのタイヤの中で1つでもスリップサインが出たら4本全部履き替えるようにしましょう!
車は決して安いものではありません。少しでも長く乗り続けたいと考える方がほとんどでしょう。ここからは、少しでも長く乗り続けるためのコツをお伝えしていきます。
エンジンオイルはきちんと交換していますか。適正な時期にオイル交換を行うだけで、エンジンの寿命もグンと伸びます。車種、走行距離またはオイル交換の時期により交換時期が異なりますので、下記を参考に定期的なメンテナンスを行うようにしましょう!
車種 | 走行距離 | 使用年数 |
---|---|---|
軽自動車 | 10,000km | 6か月 |
ガソリン車 | 15,000km | 1年 |
日々の運転を少し気をつけるだけでも、長く乗り続けることができます。急発進や急ブレーキは、車の部品やシステムに少なからずダメージを与えてしまいます、小さなダメージかもしれませんが、積もり積もって、故障に繋がっていってしまうのです。
車へのダメージを与えることも避けたいですが、急発進や急ブレーキはそもそも大変危険なので気をつけるようにしましょう。
日々のメンテナンスをしっかり行いましょう。タイヤ、バッテリー、タイミングベルトの点検を怠らず、使用できなくなる前に交換するよう心がけることが大切です。車の耐用年数を長くするだけでなく、安全に使用するうえでもとても大切なことです。
普段使用している環境も寿命に影響してきます。海が近くにあるところで駐車していると、塩が含まれた風により車体が錆びてしまうこともありますし、雪国では凍結防止剤により足回りが錆びやすくなってしまうことが考えられます。
カースペースに屋根をつけたりガレージに駐車したりするだけでも、寿命を伸ばすことができます。野ざらしになっている方は、カーポートの環境を整えてみるのも良いでしょう。
長く乗り続けるためのコツを色々ご紹介してきましたが、大切なことは定期的に点検を行うことです。定期的に点検を行うことにより不具合をいち早く見つけることができるからです。完全に故障してしまう前に、部品交換を行ったり修理をしたりすることで、より長く乗り続けることができるようになるでしょう。
ここでは動画で詳しくまとめてくれています。どこを確認すれば良いのかということも紹介してくれていますので、ぜひ参考にしてみてください。
寿命を迎えた車は買取価格が低いと思われがちですが、特に国産車は海外で人気があるため高額買取が期待できます。海外で人気のある車種であれば、驚く値段がつくこともあるでしょう。廃車にする前に一度買取業者へ相談しに行ってみることがおすすめです。
寿命が来たからといって必ず廃車にしなければいけないわけではありません。故障している箇所を修理したり部品を交換したりすることで乗り続けることも可能です。愛着のある愛車を使い続けたいというかたは、修理や部品交換などで対応し乗り続けてみるのも良いでしょう。
修理も高額、買取にも出せないときは、廃車登録しましょう。愛用していた車は廃車になってしまうのは寂しいですが、不具合を抱えたまま乗り続けることは、事故にも繋がってしまい危険です。
車の寿命は乗り方、日々のメンテナンスを気をつけるだけで寿命を伸ばすことが可能です。愛車を長く使い続けるためにの一つ一つ気をつけていきましょう!