倉庫の自作DIY方法とは?必要な準備から作り方の手順まで詳しく解説!

車用品やガーデニング用品、掃除道具など屋内に保管しづらい物や、普段使わないけれど必要なものを収納するために便利な倉庫。今回は、この倉庫をDIYで自作する方法について詳しく解説します。倉庫をつくることはハードルが高いと思いがちですが、ある程度のDIY経験があれば、自作できる可能性が広がります。ぜひ興味がある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

倉庫の自作DIYのための基礎知識

まず自作DIYで倉庫をつくるにあたり、どんな工法で作るのが良いのか、かかる費用、道具などについて基礎知識を学びましょう。

倉庫のDIYには2×4工法がおすすめ

自作DIY倉庫に採用する工法には、いくつかの選択肢があります。

1つ目が日本で古くから行われている「木造軸組工法」。こちらは日本で古くから発達してきた伝統工法を簡略化させてもので、「在来工法」とも呼ばれます。日本の住宅では最も多い工法です。建物を柱(はしら)と梁(はり)で形づくり、地震などの外力に耐えるためにスジカイを入れて補強します。

もう1つが、「2×4(ツーバイフォー)工法」。こちらは北米から輸入された工法で、断面サイズが2×4インチの角材を使用します。床・天井・壁の面で建物を支える工法で「枠組壁工法」とも呼ばれます。アメリカやカナダの木造住宅では最も多い工法です。均一サイズの角材と合板を接合し、床・天井・壁などの面を構成して組み合わせて空間をつくります。

自作DIY倉庫をつくる上では、後者の「2×4工法」がおすすめです。なぜなら、均一サイズの角材をベースに組み合わせていく単純な工法のため、「木造軸組工法」よりも高度な技術が必要ないという特徴があるからです。

倉庫のDIYにかかる費用

自作DIY倉庫にかかる費用は、使用する資材や大きさ、外観デザイン、防水性など、こだわればこだわるほど総コストは上がります。逆に、外観を気にせず安価な波板を使用したり、防水対策を省くなど簡易構造にすることでコストを抑えることもできます。

また、材料を無駄にしないためにも木材や合板の規格サイズをベースに倉庫サイズを決定することでコストダウンにもつながります。

費用の概算としては、数万円~数百万円まで幅が出てきます。例えば、標準的なW2m×H2.5m×D1.5mほどのガーデンハウス風物置の場合、総額で約5~20万円程度。こだわりのポイントにより費用は異なりますので、ある程度の予算感を決めた上で資材選びをおこなっていくと良いでしょう。

倉庫をDIYする際の作り方【準備】

さあ、自作DIY倉庫の準備を始めましょう。実際に始める前に、道具の準備や場所などの計画立案、土地の整地が必要です。

準備①必要な道具

必要な道具は、電動ドリルドライバー、手引きノコ、丸ノコ、水準器、差し金、クランプ、ドリルドライバーのビット、下穴ドリル、コーススレッドです。

コーススレッドは「粗目造作ビス」と呼ばれ、ネジ山の間隔が荒いビスのこと。もともと釘の代替として生まれました。

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準備②場所の選択

自分の土地のどこに倉庫を建てるかを決めましょう。一度建てると移動は難しいため、隣地との距離、陽の入り方などを考慮し慎重に決めましょう。

まず、隣地との距離については条例を考慮する必要があります。地域により「路境界および隣地境界から1m以上離して建築しなければいけない」というルールがあり、守らないと条例違反になる可能性があります。また、植栽の配置や外壁、建物による陽の入り方も考慮すると良いでしょう。

良い場所が決まったら、下に浄化槽の蓋など点検に必要な物などがないかをチェックして決定します。

準備③図面

自作DIY倉庫のイメージや作り方、必要な資材を確認するため、まずは図面を作りましょう。簡単なスケッチで全体の大きさやイメージを固めながら、使用する材料・サイズ・塗装のイメージなどを具体的に書いていきます。その際、設置する場所の情報(住宅との間に何センチ間隔を開けるなど)を記載するのもおすすめです。

本格的に図面を起こす場合には、無料で高機能なCADソフトもあるのでチャレンジしてみるのも良いでしょう。

準備④整地をする

倉庫が傾かず安定感を得るために、整地をすることが重要です。今回は「水盛り」を使った整地方法をご紹介します。

まずは、地面を水平にするために高さの基準となる杭を設置場所の四隅に設置します。できるだけ四隅が直角になるように設置することがポイントです。

杭を打ったら、水平を取るために同じ高さに印を付けます。レーザー水準器で水平を取ることができますが、この道具は普段あまり使うことがなく金額も高価になります。そこで便利なのがバケツや透明のホースを使って印を付ける方法です。

この方法は「水盛り」と呼ばれ、液体の特性を利用して水平を取ります。まず、バケツ(5L位入る物)とホース(液体が見える透明な物)と水を用意します。バケツに水を入れ、その中にホースの端を浸します。ホースの反対側から空気を抜き水を通すと、サイフォンの原理によりバケツの水と同じ高さになります。

後は、ホースの端から水がこぼれないよう注意しながら、各杭の所まで持っていき、ホースの水の高さと同じ場所に印を付けます。

水平の印を付けたら、次は水貫と呼ばれる板を水平器で合わせ水平に貼り付けていきます。最後は水糸を張っていきます。水糸とは水平線を示す糸のことです。まずは基準となるまっすぐな糸を水貫に結び付けます。そしてその糸に直角になるようにもう1本張ります。最終的に四隅が直角になるように4本張っていきます。

このようにして位置と高さの基準を決めたら、スコップで高い所の土を取り除き平らにしていきましょう。

倉庫をDIYする際の作り方【手順】

準備が整ったら、いよいよ自作DIY倉庫の製作に取り掛かりましょう。倉庫をDIYするには、基礎を作り土台を水平に設置、床材を張った後、壁面の枠、屋根を屋根を張って完成となります。1つずつ工程を見ていきましょう。

手順①独立基礎

せっかく倉庫をDIYした後に傾いてしまったりということのないように、建物を安定して支える基礎が必要です。基礎には主に「ベタ基礎」「布基礎」「独立基礎」があります。

「ベタ基礎」は、床下全体にコンクリートを打って作る基礎のこと。建物の重さが面全体で伝わるため、地盤への負荷が分散し高い安定性があります。

「布基礎」は、建物の壁沿いにコンクリートを打つ基礎のこと。使用するコンクリートが「ベタ基礎」よりも少ないためコストが抑えられるのがメリットです。

「独立基礎」は、建物の柱の下にのみ独立して設置する基礎のこと。非住宅建築物である、フェンスやウッドデッキなどで採用されます。

このように基礎は住宅の場合、コンクリートを使用した「ベタ基礎」や「布基礎」を採用することが通常ですが、自作DIY倉庫の場合には、基礎石を使用した「独立基礎」で十分です。

基礎石は、ホームセンターで売っているコンクリートの平板やピンコロ、重量ブロック束石(つかいし)や沓石(くついし)を使用していきます。

基礎設置にあたり一番大切なのは、地盤の状態です。しっかりと安定した基礎の役割を果たすため、基礎石を置く場所を掘り下げ、砂利や砕石を入れタンパーなどでよく押し固めてから設置をすることがポイントです。もし心配な場合は、穴を大きめに堀りコンクリートやモルタルで固定する方法もあります。

手順②レベル合わせと土台の固定

基礎を設置したら、実際に2×4の角材を置き水平レベルをはかりましょう。基礎石と角材との間に基礎パッキンを挟んでおくと、通気性を良くし土台の腐食を防いでくれます。設置場所を決めたら、水平器で縦横斜めで水平を確認します。

水平が取れたら、土台となる2×4の角材2本を四隅でお互い違いに固定します。位置が決まったら基礎パッキンとスペーサーを固定、1段目・2段目に下穴をあけて土台は完成です。

手順③床張り

土台を固定したら、上に床材を設置します。住宅の場合、土台の上に下地となる合板を張りその上にフローリング剤を設置しますが、倉庫の場合には下地だけ設置すれば問題ありません。

手順④壁面の枠作りと固定

次に、壁面の枠を作っていきます。2×4角材を使用して必要な高さの枠を複数作っていきます。角材は電動ドリルで下穴をあけ、コーススレッドで固定していきます。

完成した枠は、コーススレッドで固定していきます。しっかりと固定するために、両端と真ん中の3か所を固定すると良いでしょう。土台への固定ができたら、隣の枠同士も固定しましょう。その際コーススレッドを、互い違いに打つことで強度を高めることができます。

手順⑤屋根

倉庫の屋根は防水性や耐候性だけではなく、外観にも関わってくるパーツです。どのような雰囲気やデザインにしたいのか、予算をのバランスを考えて検討しましょう。

屋根材には主に「板材」と「波板」があります。

「板材」で作る屋根は、棟木と梁を渡して作ります。三角形の屋根よりも一方のみ傾斜のついている片流れ屋根の方が簡単に作ることができます。作り方は、まず屋根材を支える垂木を、屋根の一番高い位置の棟木から低い位置の軒まで、縦方向に等間隔で渡します。その垂木に下地合板、ルーフィング(防水シート)、屋根材の順に固定していきます。ルーフィングは防水用のシート。「波板」でつくる屋根には必要がありません。

次に、「波板」はトタンやガルバリウム、塩ビ、ポリカーボネートなどの種類があります。簡易な倉庫であれば、ポリカーボネートが安価で丈夫で人気があります。波板を設置する時には、専用のビスを使います。波板用のビスは、雨ざらしで使用するため高い耐食性・雨漏りを防ぐ防水設計が考慮されたビスです。また、波板に穴を開けるための専用ドリルやはさみもあります。波板を使用した屋根の場合には、ルーフィングや下地は必要がなく簡単に施工することができます。

手順⑥ドアの選び方

倉庫のドアには、「開き戸」と「引き戸」の2タイプの選択肢があります。引き戸の場合には、開けたドアを内側に収納するスペースが必要であることや、スムーズに開閉するための技術が必要になります。収納性を考慮した場合、こうした問題も起こらないため開き戸の方がおすすめです。

開き戸には、「片開きドア」と「両開きドア」があります。片開きドアは扉が1枚で左右どちらか一方に開くドアです。施工が簡単で片手で簡単に開閉できるメリットがある反面、ドアが小さいため大きな物の出し入れが困難というデメリットがあります。両開きドアは、2枚の扉を真ん中から左右に開くドアです。開口を広く取れるため大きな物の出し入れが簡単にできる反面、扉を2枚作る手間がかかります。

倉庫の自作DIYのいろいろなアイデア

 

山小屋風にしたり、ウッドデッキやガレージを併設したり、自作DIY倉庫はアイディア次第で楽しみが広がります。

アイデア①山小屋風倉庫

のどかな郊外で山小屋に過ごしたり、キャンプが好きな方は山小屋風の倉庫はいかがでしょうか。生活感があまり出ず、ナチュラルな住宅やお庭にもピッタリです。

アイデア②ウッドデッキのある倉庫

 

物を収納するだけではなく、くつろぎを求めるならば、ウッドデッキ併設のアイディアもあります。ウッドデッキを基礎することで設置場所も安定。バーベキューをしたり、くつろぎスペースとして活用することができます。

アイデア③元々ある倉庫をウッド調にDIY

引用:LIMIA

ゼロから倉庫を作る自信がない方は、市販の倉庫を購入して、塗装や壁板を設置しウッド調にDIYするのもおすすめです。もともと倉庫を設置している方や基礎からDIYをする自信のない方は、市販の倉庫を設置後、自分好みに塗装や木材で外壁を作るなどの改造するのもおすすめです。

アイデア④テント型倉庫

 

市販のガレージ用のテントを購入して設置するだけというアイディアもあります。非常に軽い素材であるテントは物置としても使用OK。テントをベースに、DIYを組み合わせ収納力を高めた倉庫にするなど可能性は無限大です。

テントの倉庫を検討する場合には、地面を砂利やウッドデッキにするなど湿気を避け水平を保つ加工をすると良いでしょう。

倉庫のDIYをする際には建築確認申請に注意


建築基準法では、柱や壁の上に屋根があるものは「建築物」扱いとなり、建築確認の申請を役所に届けることが必要です。しかし、例外として敷地が防火地域・準防火地域ではないこと、物置の床面積が10平方メートル以内である場合には申請手続きを省略できると言われています。分からない場合には、市区町村の役所にて詳細な確認を取りましょう。

基礎知識を理解して倉庫の自作DIYに挑戦しよう

 

自作DIY倉庫はハードルが高く見えますが、基礎知識をしっかり学んだ上で取り掛かることでDIYの幅がぐんと広がります。まずは図面を書いて、イメージを固め少しずつ着実に進めていくと良いでしょう。住宅のイメージに合う倉庫が欲しい、収納力のある倉庫が欲しいなど、自分好みの倉庫づくりにぜひ挑戦してみてください。


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