お風呂場や洗面所の鏡に付いてしまっている、白いウロコ模様の汚れ。綺麗に掃除しようと思いながらも、なかなか落とすことができずに困っている人も多いようです。そんな厄介な「鏡のウロコ」が付いてしまう原因や上手な取り方、さらにはおすすめのアイテムまでを紹介していきます。
鏡のウロコを落とす前に、まずその原因を突き止めましょう。主に2つの理由が考えられます。
鏡のウロコのが付いてしまう最大の原因は「水垢」です。お風呂場や洗面所にある鏡は、水が飛び散りやすい環境にあり、この飛び散った水滴の水分が乾いた後に、水道水に含まれるカルキやカルシウムなどの成分が鏡に残って付着してしまことでウロコ状の汚れになります。一度残ってしまったこの汚れは硬化してしまい、水拭きする程度では取れなくなってしまうのです。
もう一つの原因は「石鹸カス」です。シャンプーや洗剤等が鏡に飛び散ってしまい、それが乾いて固まることによってウロコとして残ってしまうわけです。それだけであれば水拭きで除くこともできるのですが、実はこの石鹸カスに含まれる脂肪酸成分が水道水の成分と結合してしまい、簡単には取ることのできない汚れへと変わってしまうのです。
様々なメーカーから、頑固な鏡のウロコを除去するための製品が販売されています。その中でどのように適切なものを選んでいくことができるのか、選び方の3つのポイントをご紹介します。
最初のポイントはウロコ取りのタイプで選ぶという点です。鏡のウロコ取りにはいくつかの種類がありますが、それをよく理解して最も使いやすいもの、もしくは状況に応じて使い分けていくことで上手に鏡のウロコ取りを行うことができます。
例えばスポンジタイプのウロコ取りは、オールマイティにどんな状況でも使いやすいアイテムとなっています。最も広く使われているのがこのタイプです。
他にも布タイプのものもありますが、これは自在に形を変えて使用できるので、少し狭い部分を掃除する時にも重宝します。スポンジと使い分けることで作業効率を上げることができます。
さらにはゴムタイプのウロコ取りも販売されていますが、このタイプは小さな範囲のウロコを部分的に取り除きたい時に有効となります。ゴムに研磨剤が練り込まれていて、こすりながら綺麗にしていくことができます。
そしてもう一つリキッドタイプのものがありますが、これは上にあげたスポンジや布と併用することで効果を発揮します。成分には酸が含まれていて、それによって汚れを取り除いていきます。
ウロコ取りに含まれている研磨剤にはいくつかの種類があります。汚れのレベルに合わせて研磨剤の種類を選ぶことも大切なポイントとなります。
頑固な汚れを落とすのに最も適している研磨剤は「人工ダイヤモンド」を使用した研磨剤です。なかなか落とせなかった厄介な鏡のウロコであっても、強力な研磨能力で素早く落としていくことができます。ただし、強い力でこすり過ぎてしまうと大切な鏡に傷が入ってしまうリスクもあるので少し注意が必要です。
ダイヤモンドほどの研磨力が必要なさそうな状況では、「アルミナ」を使用した研磨剤を選びましょう。ダイヤに比べて粒子が細かくなっているため多少洗浄力は落ちますが、鏡を傷つけてしまう心配も少なく、たいていのウロコも丁寧にこすれば綺麗に除去することが可能です。
軽めのウロコの除去には「酸化セリウム」が使用されている商品がおすすめです。アルミナよりも多少洗浄力は落ちはしますが、少しだけ付いているくもりや、薄めのウロコであればしっかりこすっていけば落とすことができます。このように研磨剤のレベルをよく理解して適切な道具を選びましょう。
鏡のウロコ取り用アイテムに関しては、サイズも様々なものが販売されています。掃除する鏡が大きく、ウロコの付き具合も広いのであれば、当然大きめサイズのものを選ぶのが良いでしょう。「大は小を兼ねる」という考え方もありますが、狭い部分を掃除するためには小さめサイズのほうが重宝するので、この点も意識しておきましょう。
実は身近にあるものでも、鏡のウロコ取りに使えるものがあります。ぜひ一度試してみてください。
鏡についてしまうウロコ状の汚れはアルカリ性なので、酸性のものを使用すれば除去しやすくなります。最も手ごろにある酸性のアイテムと言えば「酢」ですね。これを水と1対1で薄めて、スプレーに入れて鏡に吹きかけその上からティッシュを張り付けて綺麗にしたい部分に長く酢が留まるようにします。
その後、上からラップをかけて酢が蒸発しないようにしてから、汚れの状況に応じて数時間から一晩ほど置いておきましょう。ラップをはがしたら、そのラップをまるめて鏡をこすって下さい。水で洗い流して拭き取れば完了です。
酢よりも強力なアイテムとして「クエン酸」を使用することもできます。使い方としては基本的に酢と同じですが、水で薄める際には、100mlに対して小さじ1/2を目安とします。また、ラップをはがしてこする際には、粉のクエン酸を追加でラップにつけてこするようにすると洗浄効果が上がります。
研磨剤の含まれている歯磨き粉を使用することでも鏡のウロコを落とすことができます。歯磨き粉を布に適量つけて掃除したい部分をこするだけです。注意点としては、あまりやり過ぎると傷の原因となる恐れがあるので、様子を見ながら優しくこすっていきましょう。
サンポールや研磨剤、ダイヤモンドパッド付のスポンジなど様々な道具を駆使している様子が映っているので、作業時の注意点などもわかりやすくなっています。動画を見ながら是非トライしてみましょう。
ここからは、厄介な鏡のウロコを綺麗に落としてくれる、おすすめの10商品を紹介していきます。
スコッチブライトの研磨シートです。超微細研磨粒子が含まれていて、大切な鏡に傷を付けることなく水垢だけを落としてくれます。この製品にはシートだけでなく専用のホルダーが付属しているので、広範囲に掃除したい場合はシートをホルダーに装着し、細かな部分に関してはシート単体で隅々まで綺麗にしていくことができます。
別売りでシートだけを購入することも可能で、ホルダーを取っておけば長く使っていくことができます。ホルダーにはタオル掛けなどに掛けることのできる穴も付いていて、使用後に乾燥させて清潔な状態を保つことができるのもうれしい点です。
ウロコ取りアイテムの中でも人気商品の「ダイヤモンドパッドS」です。頑固で落ちにくいウロコであっても、人工ダイヤモンドの強力な研磨力で綺麗に落としてピカピカにしてくれます。
この製品には人工ダイヤモンドが使用されていますが、できる限り傷がつきにくいように設計されています。ただし、鏡をこする際に塵やほこりなどが混じっていると、傷の原因になってしまうので注意が必要です。磨く前にしっかりと鏡の表面を洗い流してから使うことを心がけましょう。
水を付けてこするだけで綺麗にウロコを取ることができるアイテムで、プロの間でも愛用されている信頼の製品です。強力に表面を研磨して汚れを落としますが、特徴的なハニカム模様の構造を採用することによって、鏡に傷をつけにくいように工夫が施されています。
何度も繰り返し使うことができるので、一つ持っておけばずっと使用することができ経済的でもあります。洗剤を使用しなくて良いので、手荒れが気になる方にもおすすめの商品です。
こちらも人工ダイヤモンドを使用した洗浄力抜群のウロコ取りです。水だけを使用して簡単に掃除をすることができます。
この製品の大きな特徴は、使い終わった後に鏡やタイルにピタッと張り付けて保管できる点です。そうすることで、使用後に水を切って早く乾燥させることができとても衛生的です。また、使いたい時にもすぐに手に取って掃除を始めることができる手軽さも大きな特徴となっています。
サイズ:専用クリーナー/直径約1.5x高さ約5cm、専用スポンジ/幅約6x奥行約8x厚み約0.5cm
材質:専用クリーナー/石油系研磨剤・研磨剤、ミラッシュ/シリケートナノ粒子・コロイダルシリカ・防腐剤
スポンジとクリーナーを使って鏡の水垢やウロコをしっかり落とすことができる製品ですが、それだけでなく、付属のミラッシュクロスを掃除後に塗り込むことで、表面にコーティングを施すことができ、お風呂場の鏡に起こりがちな蒸気による曇りや水滴を抑えてくれる働きもします。
鏡の表面に水分が付着しにくくなることから、それに伴って水垢や石鹸カスなども表面にとどまりにくくなり、鏡にウロコができてしまうのを防ぐ効果を期待することができます。およそ1か月半から2か月程度その効果は持続するので、掃除をする回数も減らすことができとても重宝します。
本体サイズ:約2.5×3.2×1.4cm
材質:研磨部/ポリウレタン・ポリエステル・人工ダイヤモント゛・エボキシ系樹脂、スポンジ部/ポリエチレン
とてもコンパクトなサイズの鏡のウロコ取り用スポンジです。人工ダイヤモンドの研磨剤が使用されているため、水だけで掃除可能で簡単かつ経済的です。特にサイズが小さく作られているので、細かな部分の掃除に適していて、通常の大きなスポンジでは落としにくい汚れもしっかりと落とします。
水洗いして乾かし、衛生的に保管しておけば何度でも使用可能なので、一つ持っておけば気付いた時にいつでも掃除を行うことができます。
サイズ:W5.3×D2.9×H16.9cm
成分:研磨材(33.3% けい酸系化合物)、クエン酸、増粘剤、防腐剤、水、パッドの材質:ナイロン100%
チューブタイプのウロコ取りクリーナーで、片手に持ちながら洗浄できる非常に使いやすいアイテムとなっています。研磨剤と共にクエン酸が配合されており、Wの洗浄力で頑固な汚れやウロコを除去します。
チューブと一緒に専用のお掃除パッドも用意されているため、特別に他に準備するものもなく、すぐに掃除を始めることができます。注意点としては、塩素系の洗剤等と混ぜて使用しないように気を付けましょう。また、クリーナーの使用時には安全に注意を払って、しっかりと換気をすることも忘れないようにしましょう。
簡単に掃除を行うことのできるシートタイプのウロコ取りです。シートに研磨剤が含まれているので特に洗剤を使う必要はなく、気軽に鏡を磨くことができます。一枚一枚は使い捨てとなりますが、シートが11枚入っているので、一度買っておけばかなりの回数使用することができます。
鏡をこする際にも最低限の力で十分で、シートから溶け出した研磨剤がしっかりと汚れを除去してくれます。頑固なウロコや水垢に対しては、2枚利用することによって対応することができます。
アズマ工業が販売している鏡のウロコ取り「アズマジック」です。アルミナ研磨パッドとクリーム状の研磨剤で綺麗に汚れを落としていきます。このクリーム状の研磨剤は、掃除のプロが使用しているものにさらに改良を加えた製品なので、洗浄力は抜群で他の製品ではどうしても落ちない鏡のウロコに対しても非常に有効です。
驚くほどの洗浄力で素早く汚れを落としてくれるので、普段忙しくて掃除の時間を長く取れないという方にもおすすめのアイテムです。
サイズ:約105x60x30mm
材質:研磨部/人工ダイヤモンド、合成皮革(綿布) スポンジ部/ポリウレタンフォーム
こちらも人工ダイヤモンドの研磨剤を使用したスポンジですが、超微粒子のダイヤモンドを使用しているため鏡を傷つける心配がないのが特徴です。さらに人工ダイヤモンドと酸化セリウムの組み合わせによる抜群の洗浄力も魅力で、水だけを使ってきっちりと汚れを取り除いてくれます。
研磨シートと柔軟性のあるスポンジ素材を貼り合わせた設計で、全体に適度な弾力性が生まれ、細かな部分の汚れにもしっかりと喰らいつき、綺麗に取り除きます。研磨シートの部分もかなり長持ちすると評判で、コスパの面でも定評があります。
できてしまった鏡のウロコを除去する方法やアイテムについて見てきましたが、ウロコが付いてしまう前に、それを防ぐよう心がけるなら掃除の手間をかなり省くことができます。
まず大切なのは、鏡についた水滴が乾いてしまう前にこまめに拭き取るということです。これまでも考えたように水道水のカルキ成分や、飛び散った石鹸カスが原因となってしまうので、それが固まってしまう前に拭き取って原因をなくしてしまうことが大切なポイントとなります。
もう一つの予防法は、液状のりで鏡をコーティングすることです。液状のりを鏡に塗り、その上から水のスプレーを適量吹きかけて手で鏡全体になじませていきます。その後表面の水分をキッチンペーパーなどを使って優しく拭き取るだけです。
約1週間ほど効力が続き、その間に汚れがついても、全体を洗い流す時にのりと一緒に汚れを落とすことができるので、鏡の表面をいつも綺麗な状態に保つことができるというわけです。
鏡についたウロコ状の汚れはもう取れない、とあきらめていた方もいるかもしれませんが、落とし方のコツを理解すれば意外と簡単に落とすことが可能です。まずは予防をしっかり行い、それでも付いてしまった汚れは、専用のウロコ取りを使って綺麗に落としてください。ピカピカの鏡で毎日を気持ちよく過ごしていきましょう。