DIYで木材を使って何か作りたいと考えている人もいるでしょう。しかしいざお店へ行くと様々な種類の木材が並んでおり、一体どれを選んだらよいのか迷ってしまいますよね。また、通販で木材を購入したいけれど、何を基準にしてどんな木材を選んだらよいのか調べている人もいるかもしれません。そこで今回は、DIYに使う木材の選び方についてご紹介します。DIYの初心者から上級者まで、今回の記事を参考にしてDIYを楽しんでみて下さい。
目次
木材と言っても種類が豊富なので、各木材の性質を把握した上で選ぶことが大切です。ここではまず大まかに木材についてご紹介します。よく目にする無垢材、集成材、合板の違いと性質についてみていきましょう。
無垢材は、原木から切り出して形を整えた木材で、集成材や合板に比べ値段は高いです。木目の美しさや手触りの良さを求めるなら無垢材がおすすめです。長年使っていくうちに味が出てくるので長く愛用したい場合にもぴったりです。
ただ、湿度が低いと乾燥しやすく縮む傾向があり、逆に湿度が高いと木材が膨張して反りが出ることもあります。接着剤などを含んでいないので、天然素材の木材にこだわる場合は、無垢材を選びたいですね。
集成材は、細かい材木をいくつか張り合わせて一つの木材になるよう再構成したものです。表面は無垢材のようにみえますが、断面などをよく見ると集成材というのがわかります。
無垢材に比べ、湿度による木材の縮みや膨張がない上に強度もあるので、家具を作るときなどによく利用されています。一般的に初心者に扱いやすい木材とされています。
合板は薄い板材を何枚も張り合わせて作った木材のことで、値段が安くとても丈夫なのが魅力です。厚さや大きさの種類が豊富なので、ニーズに合ったサイズを見つけやすいでしょう。表面に木目を印刷したプラスチックシートなどを張り付けている商品もあります。
表面があらかじめ塗装されているものもあり、化粧合板とよばれています。たとえば棚を作りたいけれど、見た目をきれいに揃えたいといった場合にはぴったりの木材です。お店で一番手に入れやすい木材かもしれません。
DIYに使う木材を選ぶ時は、作ったものをどこで使うのかによっても選び方が変わってきます。使う場所の環境についてまず検討してみましょう。ここでは屋外、屋内といったシチュエーション別にどう選んだらよいのかについてお話しします。
屋内に設置するものを作る場合、紫外線や雨などを浴びても変質せず耐えられる木材を選ぶようにしましょう。湿度の変化によって木材が膨張したり縮んだりなどの変化が少ないものにしたいですね。
せっかく大きな作品を作っても、屋外で耐久性に欠ける木材を使ってしまうとすぐに割れたり歪んだりして使えなくなってしまいます。野ざらしになっても傷まない木材を選び、さらに防腐剤入りの塗料を塗っておけば、木材が朽ちていくのを防ぐことができます。
たとえばヒノキ科のレッドシダーであれば耐久性が高く、屋外で使う木材にぴったりです。屋外で雨に濡れても反ったり曲がったりしにくい性質を持っているので、ウッドデッキや棚などといった用途に、天候を気にせず長く使えますよ。
屋内で使う木材は、特に水に濡れる場所で使うといった制約がない限り、選びやすいかもしれません。何を作りたいのか、どれぐらいの強度が必要なのか、どんなデザインが良いのかによっても木材が変わってくるので、よく吟味しましょう。
特にこだわるポイントがないのであれば、木目や加工のしやすさなどをポイントにしてもよいですね。テーブルや机などを作るのであれば、集成材がおすすめです。
さらに木材を選ぶ時は、まず作りたいものの設計図と見比べながら、適切なサイズの木材を選ぶのがポイントです。ホームセンターで手ごろなサイズが見つからず、少しぐらい大きかったり小さかったりしてもよいか、と妥協してしまうと、自分が思い描いていたものとは違った作品になってしまうかもしれません。
特に棚などを作る場合、少しの誤差のせいで出来上がりが歪んだり、隙間ができたりといったトラブルも考えられます。製作段階で困らないためにも、最初から正確なサイズで木材を揃えるように心がけましょう。
大きめの木材を自分で買ってきて、適切なサイズにカットするという人もいるかもしれません。DIY上級者であれば可能かもしれませんが慣れていない人の場合、手間も時間もかかってしまいます。最初からサイズに合った木材を選ぶのがDIYを成功させる秘訣の一つですよ。
DIYの初心者にはどんな木材がよいのか、悩んでしまいますよね。木材によっては扱いに注意が必要なものもあるので、初めてDIYにチャレンジするという人は、まず初心者でも扱いやすい性質の木材を選んでみましょう。
規 格:普通合板2類1等 F☆☆☆☆(JAS)
建築で一般に使用される、シックハウス対策の正規品です。
あまりお金を掛けたくないけれど加工しやすい木材を探しているのであれば、ベニヤ板が確実です。価格も低いですし、強度を求めないのであれば接着剤で組み立てることも可能なので、釘やトンカチに慣れていない初心者でも気軽に扱うことができます。子どもの夏の工作に使う木材としてもおすすめです。
工作材はそのサイズや形状も様々で、低価格なのも大きな利点です。木材同士をつなげて固定するダボ材として使われることが多いのですが、カッターなどの道具でも切れるため、ちょっとした小物の製作や工作などにも活躍します。
ヒノキの工作材であれば香りもよいですし、湿度の変化に左右されにくいのでトイレや洗面所などの水回りにも使えて便利です。無垢材を使っている場合、多少の反りや歪みが生じることもあるのでその扱いに注意しましょう。
パイン集成材は、マツ科の針葉樹の一つであるパインの間伐材などを利用したもので、割れてしまった部分や節などを取り除いて小さな角材にし、それらを接着して一つの木材にしたものです。パイン材と言えば、使い込んでいくうちにあめ色に変化していくのが特徴ですが、無垢材ではないパイン集成材でも、その色の変化が楽しめます。
しかも無垢材に比べ、反りやヒビなどができにくく、さらに柔らかい材質なので初心者でも加工しやすいというメリットがあります。
ラワン合板はベニヤ板とも呼ばれ、あまり質の良いイメージを持たない人も多いでしょう。確かに以前のラワン合板は表面がざらついていたので使用する前にヤスリなどを使う必要がありました。さらに単板がはがれやすく、裏面には虫食いや汚れなどがあるケースも珍しくありませんでした。
しかし最近はラワン合板の質も向上しており、接着力を強くしているので剥がれなどのトラブルが少なくなっています。ラワン合板はフタバガキ科の木目が独特で味があり、比較的どんなインテリアにも合わせやすいのも魅力です。
サイズ:厚み4×巾300×長さ450mm
材質:シナ:淡い黄褐色~黄白色の色調の為、塗料の着色性も良い。木肌が緻密で表面仕上がりは良好な材質
一般的にシナ板は、表と裏の単板はシナ板で間にラワン板を使っています。シナ板は木肌が細かく滑らかなため、表面を塗装した時に塗料をあまり吸い込まずきれいに塗り上げることが可能です。
シナ板には「片面」と「準両面」の規格があり、「片面」の場合は表側に「準両面」のシナ板、裏面にはそれよりも質が落ちる裏用のシナ板を使っています。「準両面」の場合は表裏共に美しく仕上げられたシナ板を使っているので、見た目にこだわるのであれば「準両面」を選ぶのがよいでしょう。
化粧板とは、合板や石膏ボードなどの表面に塗装したり、きれいな模様のついた樹脂フィルムや化粧紙を貼ったりして、見た目を美しく加工しているものを指します。板の表面を加工することにより、見た目がきれいになるだけでなく、撥水性や防汚性、耐久性なども向上させることができます。
化粧板にはプラスチック素材からできている高圧メラミン化粧板、チタン紙やメラミン樹脂などからできた低圧メラミン化粧板、合板や繊維版とスライスした木材を貼り合わせたものなど、その種類も豊富です。
木製の化粧板の場合、MDFと呼ばれる素材を使っているものもあります。MDFは木材チップに合成樹脂を溶かしたものを混ぜて接着し、板状に成型したもので、同じように木材チップを使って作られたパーティクルボードよりも木口部分が滑らかなのが大きな特徴です。
DIYは得意だから質のよい木材を使って、よりレベルの高い作品を作ってみたいと考える人もいるでしょう。テクニックがあるのであれば、初心者向けの木材ではなく上級者向けの木材でモノづくりを楽しんでみるのもおすすめです。ここでは上級者向けの木材についてご紹介します。
100%自然素材のみでできている杉無垢材であれば、棚板を始めとしたあらゆるDIYにぴったりです。接着剤を使っていないので化学薬品によるアレルギーなどが気になる人は無垢材を利用してみましょう。
杉は耐水性や保温効果もあり、昔から内装材や天井材などの建材としてもよく利用されています。その木肌は細かく滑らかで光沢があるのも特徴の一つです。ただ天然素材であるため、節があったり色や木目に個体差があったりすることも。
杉は柔らかいので加工しやすく、音や振動を吸収しやすいといったメリットがある反面、キズやへこみができやすいといったデメリットもあるので、木材を扱い慣れた上級者向けのものだと言えます。
材 質:米松(乾燥材)、小節のある場合があります。
仕 上:四方直角プレーナー仕上げ、反り除去済み、かど糸面とり
寸 法:38×38mm 長さ900mm
角材は断面が四角形の木材で、そのサイズや長さも様々です。柱や家具を支える部分などに使うことができます。角材の素材も色々なので、木の特徴を把握し、ニーズに合ったものを選びたいですね。子どもがいるのであれば、角材で積み木などを作ることもできますよ。
一体どこでDIY用の木材を手に入れたらよいのか迷う人もいるでしょう。一般的に木材は通販やホームセンター、材木店などで手に入ります。通販では店舗ではなかなか見つからない木材を手に入れやすいというメリットがありますが、写真とまったく同じ物が届くわけではないので注意する必要があります。
色味や木目にこだわるのであれば、実際に手に取って選びたいですね。また、材木店は建築材などが置いてありますが、交渉次第で一般人も購入可能です。気になる材木店があれば、直接購入可能か聞いてみましょう。材木店は材木の専門店であるだけに、木材に悩んだ時にアドバイスが貰えるかもしれせん。また、大きな無垢材の一枚板でテーブルを作りたいという時も材木店に相談してみるとよいでしょう。
木材を扱い慣れていない初心者であれば、ホームセンターでの購入が気軽でおすすめです。木材を専門に扱っている材木店や工作グッズを取り揃えている雑貨店などでも手に入れることはできますが、ホームセンターは趣味でDIYを楽しむ人から建築材まで様々な種類の木材を取り揃えているので、色々な種類の中から見比べて選べます。
お手頃価格で扱いやすい木材が揃っているので安心です。また、車を持っておらず家に持ち帰るのが大変な場合、車を借りられたり配達してくれたりするサービスもあるので便利です。通販で購入すると、事前に実物が見られないので不安に感じるかもしれませんが、ホームセンターで実際に自分で購入したものを自宅まで配送してくれるのであれば確実ですよね。
ホームセンターでは木材を業者から大量にまとめて仕入れているので、1枚1枚の状態をよく確認しておらず、木材によっては節もしくは反りなどがある場合もあります。購入するときは気をつけるように心がけましょう。節は作る作品によっては味になるかもしれませんが、特に必要がないのであれば、節がない方が扱いやすいです。
また、ホームセンターを訪れた人が自由に材木を手に取れるようになっているので、扱いの粗い人が雑に戻した結果、すでに傷がついているケースも見受けられます。
特に杉のように柔らかい木の場合、商品である木材がすでに傷だらけということもあるので注意したいですね。
今回は、種類や場所別に選ぶDIY用の木材の選び方やレベル別にみるDIYにおすすめの木材とその特徴、DIYに使う木材を購入できる場所などについてお話ししましたが、いかがでしたか?木材には様々な種類があり、何を作るのか、作ったものをどこで使うのかによっても選ぶ木材が変わってきます。
ホームセンターで数多くの木材を目にすると、ついサイズが手ごろなつけて物を選んでしまいがちですが、まず素材の特徴をよく把握して選びたいですね。作るものを決めたら、どんな木材にするのか目途を立ててからお店へ足を運んでみましょう。今回の記事を参考にして、木材を使ったDIYを楽しんでみて下さい。