DIYで棚などを作る際に、ファルカタ材という材料があります。桐に似ていますが、桐とは違う材料で扱いやすくDIYにおすすめです。ファルカタ材の特徴やファルカタ材を使ったDIYアイデアをご紹介していきます。DIY初心者でも手軽に綺麗に作れるので、ぜひ試してみてください。
特徴 : 軽くて軟らかく、加工が容易。 計画的に植林、伐採されるので、環境にやさしい。
用途 : 箱材、引出しの側板、家具用芯材など。 桐の代用品としても、お使いいただけます。
ファルカタは東南アジアに生育するマメ科の広葉樹で、生育が早いので太平洋の島々でも植林されています。6~7年で伐採出来るほど成長が早いという特徴があり、木ではなく草の一種とされています。バタイやモルッカンソウという別名もあります。
ファルカタは日本で家具などによく使われる桐に材質が似ており、色も明るめの白に少し淡い桃色を足したような優しい色合いなので、桐の代わりにタンスの引き出しなどに使われたりします。ホームセンターなどでも手に入れやすく、DIYをする方にはよく見る素材かもしれません。
また、ファルカタ材に注目が集まる理由は、エコ素材だからです。木材の家具は処分の際に燃やして処分することになりますが、ファルカタ材は土に還ることが出来るので、埋めて処分することが可能です。環境にも優しい注目の木材です。
キャンバスは中目、油彩・アクリル兼用の半吸収性です。
木枠は軽量で狂いの無い桐材使用です。
麻張キャンバスに比べキャンバスの目が均一に揃っています。
国産品
桐は家具でもよく使われる素材で、桐のタンスなど高級品という印象のある方も多いのではないでしょうか。桐はゴマノハグサ科キリ属の落葉広葉樹に分類され、日本国内で広く植栽されています。桐も実は草の一種で、漢字も木と同じと書きます。
国産の木材の中で最も軽い素材で、15年程で成木になるため、成長が早いという特徴があります。断熱性があり、収縮膨張も小さく狂いが少ないため扱いやすい素材です。
加工がしやすいので、タンスなどの家具以外にも琴や琵琶などの楽器に使われたり、木炭に使用されたりと様々ものに使用されています。
ここからはファルカタ材と桐の違いを見ていきましょう。見た目が似ていて桐の代用品としてファルカタ材が使われるくらいなので、どっちを選んでも同じように感じますが、やはり違いはあります。違いをチェックした上で、材料を購入するようにしましょう。
フォルカタ材には、伐採した木を乾燥してそのまま使う天然木材である無垢材は少なく、細かな木材を乾燥させて接着剤で張り合わせた集成材や薄い板を何層も貼り合わせた合板と呼ばれる人工木材が多くを占めています。
人口木材ですが品質が安定していて使用する上で問題もなく、扱いやすいのでDIYに向いています。無垢材とはやはり見た目の違いはありますが、塗装してしまう場合は気にならないはずです。
見た目も色合いも似ているフォルカタ材と桐材ですが、植林されている地域以外にも違いはあります。大きな違いは価格です。桐材も成木になるまでの期間が他の木に比べて早い方ではありますが、フォルカタ材はもっと早いので、安価になります。
材木名が書かれていないものでも同じサイズで比べたら、見た目では違いが分からなくても価格を見るとフォルカタ材か桐材かが判別できます。
ここからはフォルカタ材の特徴をご紹介していきます。フォルカタ材を使うメリットもあればデメリットもあります。特徴を踏まえたうえで、フォルカタ材を使ってDIYをしてみてください。
フォルカタ材の特徴1つ目は、軽いことです。DIY初心者が1人で何か作ろうとする場合でも持ち運びや作業もやりやすいです。合板の種類の中では、ファルカタ材の合板が最も軽いので、引き出しや小物入れ、クラフト加工にも使われやすいです。
桐の代わりに使われやすいのは見た目以外に、軽いという特徴が一緒ということも言えます。
特徴2つ目は、加工がしやすいという点です。フォルカタ材は軽いだけでなく軟らかい素材なので、加工がしやすいのです。木製の板を切ろうと思うとノコギリを使わないと切れないものが多いですが、フォルカタ材は厚みによってはカッターでも切れるほど軟らかいです。
DIYをする上で固いなどで加工がしにくい素材は、思った通りの形に切れなかったり、うまく穴を開けられないなど、作る上で苦労することもあります。その点、フォルカタ材ならノコギリが上手く使えなくてもカッター使えば細かくカット出来ます。
フォルカタ材はDIY初心者でも思い通りに加工出来るのでおすすめです。
3つ目の特徴は、見た目がきれいに仕上ることです。フォルカタ材は合板や集成材が多いので、切断面がザラザラしがちですが、ヤスリをしっかりかければ綺麗になります。また、見た目が桐に似ているので、高級感がある見た目に仕上がります。
木目があまりないので、木の雰囲気を出したいものには向いていませんが、塗装すると綺麗に仕上がるので、木目を気にしないデザインのものにはおすすめです。
特徴4つ目はデメリットになりますが、強度が弱いという点です。軽くて軟らかいので、DIYをするのに加工しやすいメリットがある反面、カッターで切れるほど軟らかい為、重いものへの耐久性は低くなります。
軽いものを乗せたり、ちょっとした小箱の収納程度のものなら心配ありませんが、本などの重たいもの乗せたりするような棚や台にはあまり向きません。
ここからはフォルカタ材を使ったDIYアイデアのご紹介です。フォルカタ材は初心者でも気軽にDIYで物を作れるので、多くの方が使っています。デメリットも踏まえつつ、メリットを生かしたアイデアも多いです。
DIYに興味がある方や、欲しいサイズが売っていないという方も、ぜひフォルカタ材で作ってみてください。
DIYアイデア1つ目は、飾り棚です。趣味のグッズやフィギア、子供のために買いそろえた電車や車など、見せる収納としての飾り棚を作る方も多いです。レクポストと言うネジ穴がいていて溝が付いている支柱3本と、溝にはまる数の棚板を用意します。
レクポストも棚板もフォルカタ材のものを選びます。支柱を真横2つに置き、溝に横板をはめ込んでいきます。全てはめ込んだら、横板の真ん中あたりに最後に支柱をはめます。背面がないので、支柱3本で支えるイメージです。
レクポストについているネジ穴から横板をネジで固定します。電動ドライバーを使うと短時間かつ女性でも簡単に固定出来ます。丁寧に作業したい方は、先に横板に下穴を開けておくと、より綺麗に仕上がります。全ての横板を固定したら完成です。
厚みがない棚が多いので、高さがある場合は転倒防止用に金具を取り付けて、壁や他の家具に固定させておくと安心です。1人で作業しても1時間もかからずに組み立て出来てしまうので、簡単で手軽です。
DIYアイデア2つ目は、コの字ラックです。コの字ラックは、デッドスペースを活用できるラックで、シンク下や押し入れなどでも活躍するアイテムです。
ファルカタ材のコの字ラックはシンク下など湿気が多い場所には向きませんので、書類を置く棚やおもちゃを片付ける場所のデッドスペースにおすすめです。
デッドスペースの場所に合わせて足になる高さのフォルカタ材を2枚用意し、棚になる面のフォルカタ材1枚に足の部分を釘やネジで張り付けます。下穴を付けて取りつけがおすすめです。サイズが大きい場合は、足の高さの真ん中あたりに足と足を繋ぐ板を取りつけておくと安定感が増します。
コの字ラックは市販品もありますが、DIYすると置きたい場所にピッタリのサイズ、じゃうとサイズの高さのものを作ることができるので、見た目もすっきりして綺麗です。
DIYアイデア3つ目は、モニター台です。パソコンのモニターを上に載せて、台の下にキーボードを収納できる台になります。作り方はまずコの字ラックで紹介した通り、コの字ラックを作ります。
足部分がコの字ラックよりも低く、台部分が広いイメージになるので、ネジは少し多くなるかもしれません。塗装したい方は、組み立てる前に塗っておくと綺麗に仕上がります。
コの字の状態になったら、板のしなり防止のために、台の裏側に台の1/4ほどの幅の板を2枚ほどネジで取り付けます。机に接する足の裏に滑り止め用のシートを貼り付けておくと、台が滑ってモニターが落ちてしまう事もなくなります。紙やすりで角を取ったら完成です。
フォルカタ材を使ったDIYに、ゴミ箱もおすすめです。ゴミ箱と言っても、正確にはゴミ箱カバーです。部屋にゴミ箱をそのまま置いておくのは見た目が良くない、インテリアと合わないという方におすすめです。
テーマパークなどにあるゴミ箱のようなイメージで、ゴミ捨ての部分だけ口が空いていて、ゴミ箱や袋などはあまり見えないタイプです。底面と蓋用の板2枚と、ゴミ箱より少し高くゴミ箱の横幅より少し大きい側面用の板2枚と、この2枚より高くゴミ箱の奥行きより少し大きい板を2枚用意します。
背の高い板2枚を対面に、背の低い板も2枚も対面に来るように底面の板に4枚を釘やネジで留めます。上から見ると箱になるように組み立てます。蓋はズレ防止に3cm幅くらいの板を蓋板の前後に取り付けると、蓋の上に物を乗せても安定感があります。
ここで塗装をしたい場合は蓋も併せて色を塗ります。転写シールを使ったりしてアンティーク調やカフェ風に仕上げるなど、自分好みのデザインに出来ます。塗装を乾かし、蓋を乗せてゴミ箱をセットすれば完成です。
最後にご紹介するのが、調味料入れです。調味料入れは入れるものが多い方は3段にしたり、自分で何段にするかも決められます。2段にする場合は側面の板2枚と横板2枚、ポケットごとの背面にくる板2枚とポケット部分になる板2枚が必要です。ポケットの板は背面の板の半分くらいのサイズになります。
まず板全てにヤスリをかけ、塗装をしたい場合はここで板に塗装をします。乾いたら側面の1枚を下に置き、寝かせた状態でポケットを2つ組んでボンドで仮留めします。ポケットの板と横板と背面の板がコの字になるようなイメージです。
もう1枚の側面の板もボンドで留めたら、下穴を開けてネジや釘で板同士を留めたら完成です。調味料入れは段を同じ高さにしなくてもいいですし、家の調味料サイズに合わせて作ってみてください。長さや高さなど、置きたい場所に合わせられるので、市販のものよりちょうどいいものが作れます。
難しい作業はどのアイデアもさほどありませんが、電動ドライバーがあるとどれもスムーズに作業出来ます。短時間で綺麗に、しっかりと作りたい方は電動ドライバーを使ってネジ止めをしてみてください。
フォルカタ材のDIYアイデアをご紹介してきましたが、DIYでフォルカタ材を使う際の注意点があります。安いし作りやすいからなんにでも使いたい、初心者でも綺麗に作れるから使いたいという方もおられるかもしれませんが、おすすめ出来ないものがあるのです。
フォルカタ材以外の木材なら問題ない場合も多いので、DIYをよくする方は覚えておきましょう。
フォルカタ材の特徴でもご紹介しましたが、カッターで切れるほど軟らかい素材で強度が低いので、大型の家具をDIYするときの材料にはおすすめ出来ません。DIYアイデアでご紹介したようなちょっとした棚や台などは問題ありません。
しかし大きい本棚などをフォルカタ材で作って、重いものをずっと載せて置くと壊れてしまったり、歪んでしまう可能性が高いです。家電を置く棚や高さのある家具なども強度の面で不安があるので、破損の可能性の低い強度のある木材で家具を作るようにしましょう。
フォルカタ材の特徴をご紹介してきましたが、カッターでもカットできるというのは驚いた方も多いのではないでしょうか。DIYのアイデアもほんの一例で、様々な小物や便利グッズをフォルカタ材で作っている方もおられます。
安価で扱いやすいというのは初心者でもDIYに使いやすく、綺麗に仕上がるのでDIYにはまってしまう方も多いです。ただ軟らかく強度の面は心配があるので、重みのあるものを載せる物づくりには使用しないことが安全面では大切です。
エコ素材であるフォルカタ材は、土に還る利点から今後も様々なものに活用される期待も大きく、使う側も自然にも配慮したもの使うのは気持ちのいいものです。
フォルカタ材は強度の面を理解していれば、飾り棚など自分の作りたい幅や高さで、自分の好きな色に塗装して、まさに自分好みの物が作れます。フォルカタ材を使って様々なアイテムを作って、DIYを楽しんでください。