DIYをする上で、自分好みの色合いに仕上げるために塗料は欠かせません。塗料も種類があるので、何を使ったらいいか迷う方も多いものです。
今回はDIY塗料の中でも簡単に使えるおすすめ商品をご紹介していきます。DIY初心者の方でも使いやすい塗料も多いので、ぜひチェックしてみてください。
目次
DIY塗料は様々なメーカーから販売されていて、どれを使ったらいいか迷ってしまいがちです。DIY塗料は、大きく分けると2種類に分けられます。まずここでどちらの種類を選んだらいいかをはっきりさせましょう。
1つ目の種類は、油性です。そもそも塗料は、原料が顔料などの固体が使われていますが、希釈剤で溶かして塗りやすいように液状になっています。この希釈剤に他の物質を溶かす性質を持つ有機溶剤が使われているのが油性タイプです。
油性ペンでもお馴染みのシンナーなどが含まれたタイプなので、臭いがキツイのでイメージも湧きやすいかもしれません。有機溶剤は揮発性が高いので蒸気になって呼吸から体内に吸収されやすく、人体への影響があることから、近年は以前ほど使われる機会が減ってきました。
しかし油性塗料の方が紫外線にも負けない耐久性があることや、雨水に強いというメリットがあるため、外で使うものの塗装には油性が使用されることもあります。
もう1つの種類は、水性です。原料を溶かす希釈剤に水が使われているタイプになります。油性と違ってキツイ臭いがあまりなく、乾燥する前なら水で洗い流せるというメリットがあるので、失敗してもやり直しが可能なことから、初心者におすすめの種類です。
キツイ臭いがないことから、室内で使う家具や小物などの塗装に向いており、安全性も高いので需要が高くなっています。水性塗料のデメリットは、金属への塗装は付着が良くなくはじいてしまうことがあったり、冬場は気温が低いと塗膜が作れず乾かないことがあります。
水性タイプは外では全く使えないというわけではなく、近年は屋外での使用にも向いている耐久性の高い種類も出ているので、安全性を重視したい方は水性の屋外使用可能なものを選ぶといいでしょう。
ここからはDIY塗料の選び方をご紹介していきます。色は他の家具やインテリアなどから、こんな色がいいなと言うものがある方が多いので、色の選択はしやすくても、同じような色合いの塗料が複数あった場合は迷いがちです。
自分が使いたい用途に使えるならどれでもいいかなと安易に考えてしまう方も、いくつかチェック点があるので、その中から最適なものを選んでいきましょう。
選び方1つ目は、乾燥時間です。乾燥時間は、塗料や何に塗るかによって違います。また、乾燥時間は気温や湿度にも左右されます。気温が高ければ乾燥の時間は早く、気温の低い冬場は乾燥時間が長くなります。
また気温が高くても湿度が高い梅雨時期などは乾燥が遅くなります。乾燥時間で表記されている時間は、20℃の気温のときに乾燥にかかる時間が書かれていることが多いです。乾燥の目安時間が書いてある塗料も多いので、チェックしてみましょう。早く乾く方が二度塗りなどもしやすく次の作業もしやすいので、おすすめです。
続いての選び方は、木材に塗料を塗る場合はオイルステインから選ぶことです。ステインは木材の着色剤のことで、木の雰囲気をそのまま生かし、木目などを塗りつぶさない塗料です。ステインは水性もありますがオイルは油性で、保護膜を作って光沢のある仕上がりになります。
色も木の色合いを生かすものが多く、微妙な色の違いのカラーバリエーションを豊富に揃えているメーカーもあります。高級感のある綺麗な仕上がりになるのでおすすめです。油性なので臭いはありますが、換気をしながら作業するようにしましょう。
選び方3つ目は、塗料の成分です。塗料には石油系の成分が含まれていたり、合成樹脂や添加物など様々な成分が含まれています。アレルギーがあったり、小さなお子様がいる家庭では安全性の高いものがいいという方も少なくありません。
そういった場合には、自然由来の原料を使った塗料や、植物性油脂や天然樹脂を使った塗料を選ぶといいでしょう。牛乳や漆、アルガンオイルやクルミオイル、オレンジ油が配合されていたりなど、様々な自然由来の成分を使った塗料があります。
自然由来の油を使うことで石油系のツーンとした臭いがなく、人体や環境へ悪影響を及ぼす心配がある成分を使っていない塗料もあるので、安心して使うことが出来ます。
最後の選び方は、容量です。塗料は200㎖程の少量タイプから1ℓ以上の大きな缶入りのものまで様々な容量で販売されています。余ったらとっておけばいいと言う考えもありますが、水性の場合は湿気によって色のムラが出やすいので、一度で使いきれる量を購入するのがおすすめです。
余ってしまった場合には、油性はペイント薄め液で表面の乾燥を防ぐ必要があったり、油性も水性も直射日光が当たる場所や湿気の追い所でも保管できないため、意外と面倒です。
また、塗料は缶のまま捨てたり液体を流して廃棄が出来ないため、ペンキ用硬化剤を使って固めて廃棄しなければなりません。余ったら余ったで面倒なので、使い切れる量を購入するようにしましょう。
ここからは、水性のおすすめDIY塗料のご紹介です。水性塗料はプロじゃない方でも使いやすく、扱いも油性に比べると楽です。インターネットやホームセンターなどでも様々な水性塗料が販売されています。ぜひ使いやすい塗料を探してみて下さい。
最初におすすめするのが、ターナー色彩の水性ウッドステインです。ターナー色彩は塗料の販売会社で、水彩絵の具からガラスに塗れる水彩ペイントなど様々な塗料の研究や開発、製造をを行っている会社です。
オールドウッドワックス ウォーターベースコートは、屋内で使う無塗装の木製品用の着色剤で、成分は水性の合成樹脂塗料になります。
基本はこの塗料を塗った後にオールドウッドワックスを重ね塗りをすると、奥深さが表現出来ます。
カラーバリエーションが15色あり、どれも木目を生かした素敵な風合いになるため、アンティーク調に仕上げたい場合におすすめです。乾燥時間は1~2時間です。
続いてもターナー色彩の塗料で、チョークボードペイントというちょっと変わったタイプの塗料です。この塗料を塗ったところが黒板になるという魔法のような塗料で、塗料が乾いたら学校の黒板のようにチョークで書いて消すことが出来てしまいます。
水性なので安全性もあり、室内の壁や石膏ボード、塩化ビニールクロスなどに塗装が可能です。好きな場所に黒板が作れて、自由に落書きが出来てしまうので、お子さんがいる家庭におすすめの塗料です。
乾くと耐水性が出るので、重ね塗りが可能です。2回の重ね塗りで乾燥時間は2時間以上かかり、完全に乾燥するまでは2日以上かかります。アクリル合成樹脂や防カビ剤などの成分が含まれています。
容量:200ml
種類:アクリルエマルションペイント(水性塗料)
塗装面積:1㎡塗装可能(2回塗り) 例)子供サイズの椅子2脚、カラーボックス2段 等
おすすめ3つ目は、カラーワークスのHIPminiです。カラーワークスは水性ペイントや塗装用品を販売しているメーカーで、色がこんなに細か違いの色まで取り揃えているかと言うほど、ラインナップが豊富です。
HIPminiはHIPという1488色ある塗料のシリーズの妹分にあたるシリーズで、容量が200㎖と一度で使いきれる手軽な量です。カラーバリエーションは39色あり、日本の住まいに馴染む色合いになっています。
水性塗料ですが耐久性があり、F☆☆☆と低VOCなので安全性も高い商品です。木部やビニールクロス、モルタルなどにも塗装可能です。欲しい色が見つけやすく色合いが可愛いので、子供用品の塗装にもおすすめです。
おすすめ4つ目は、アサヒペン APの水性多用途EXです。アサヒペンは、昭和15年創業の塗料や壁紙、障子紙などを製造・販売する老舗メーカーで、ホームセンターに行くとアサヒペンの商品をよく見かける方も多いはずです。
水性多用途EXは屋内外に使用可能で、木製品だけでなく漆喰やコンクリート壁、鉄製品や発泡スチロールにも塗装出来る使い勝手のいい塗料です。基本は2回塗りで、半艶のある仕上がりになります。
サビドメ剤と防カビ剤を配合していて、日光や雨にも強いので屋外の塗装にも安心して使えます。カラーバリエーションは20色で、乾燥時間は夏期が30~60分、冬期は2~3時間かかります。
容量:170ml
塗面積 約0.3㎡~0.4㎡(3回塗り)
用途:屋内壁、塩化ビニールクロス、石膏ボード、プラスターボード、モルタル、コンクリート、木部等に塗布する事が出来ます。
続いてのおすすめもターナー色彩の商品で、マグネットペイントという塗料です。こちらも不思議な塗料で、マグネットペイントを下地として塗ると磁石が付くようになります。3回以上マグネットペイントを重ね塗りして、その上に内装用の塗料で上塗りします。
乾燥時間は重ね塗りをするのに1時間以上あける必要があり、完全乾燥には1日以上かかりますが、屋内壁や塩化ビニールクロス、木部にも塗装可能なので、マグネットボードにして磁石で貼れるようになると自宅の壁に画鋲などで穴を開けずに済みます。1.5ℓの大容量入りのものもありお得です。
おすすめ6つ目は、大阪ガスケミカルの水性XDエクステリアです。大阪ガスケミカルは機能性化学事業を展開する会社で、水性XDエクステリアは屋外の木部に使える塗料になります。塗膜を作らずに着色するタイプで、木の自然な風合いを生かせます。
防虫・防腐・防カビ・防藻・UVカット効果があるので、ウッドデッキやベンチ、ラティスなどの塗装に向いています。乾燥時間は4時間以上かかりますが、乾けば雨での色落ちの心配もありません。カラーバリエーションは10色で、3.4ℓの大容量缶もあります。
工作にもちょうどいい500ml缶(2回塗りで、約3~3.5平米)
嫌なにおいがほとんどしない水性ペンキ
続いては壁紙屋本舗のイマジンウォールペイントです。壁紙屋本舗は壁紙や塗料を扱うWEBショップで、大阪にショールームがあります。イマジンウォールペイントは壁紙の上から塗装するのにおすすめの塗料で、ビニールクロスやコンクリート壁、木部に使用出来ます。
防カビ材は入っていますが有害物質0なので、子供部屋の塗装にも安心して使えます。全69色あるオリジナルペンキは、注文ごとに1缶ずつ日本で作られています。乾燥時間は約1~2時間です。色のサンプルも販売しているので、色を確かめてから大きい缶を買うことも可能です。
続いては、アサヒペンの水性多用途カラーです。屋内外の瓦やコンクリート、木製品や鉄製品の塗装が可能で、1回塗りで仕上がります。強力防カビ剤と錆止め剤が配合されているので、耐久性も高く汚れにくい塗料です。
使用用途が多く、1回で塗れるのに価格も手頃なので、コストパフォーマンスがとてもいいです。カラーバリエーションは40色あり、乾燥時間は夏が30~60分、冬は2~3時間ですが、重ね塗りの必要がなく、早く塗り終われるので便利です。
水性のおすすめ塗料、最後はターナー色彩のターナーミルクペイントです。選び方でもご紹介した、安全性の高い塗料の成分のものを選びたい方におすすめで、森永乳業のミルクを原料にした天然由来の塗料です。
屋外向けの塗料で、ラティスやベンチなどの木製品やガーデン雑貨や缶のリメイクに使用できます。カラーバリエーションは14色で、アンティーク調に仕上がる落ち着きながら可愛い色合いです。2度塗りで乾くと耐水性もあるので、お庭を可愛く彩れます。
ここからは油性のおすすめ塗料をご紹介していきます。水性タイプの使いやすや安全性も聞いてしまうと、油性を選ぶのをためらってしまいますが、油性の良さや油性を使うほうがいい場合もあるので、自分の用途に合うかチェックしてみてください。
塗り面積(1回塗り標準面積)100ml:1.5~1.8平方メートル(畳約1枚分)
塗料の種類:油性 ステイン(木目をいかした仕上がり)
油性のおすすめ塗料でまずご紹介したいのが、カンペハピオのオイルステインです。カンペハピオは塗装業界国内トップの関西ペイントのグループ会社で、家庭用の塗料を製造、販売しているメーカーです。
着色力がいいのですが木目を生かしながらも鮮やかに仕上がり、初心者でも色むらが出にくいです。屋内外の未塗装の木部や木製品に使用出来、木の雰囲気を生かすカラーが10色展開しています。用途に応じてニスの上塗りが必要です。乾燥時間は夏は約1時間、冬は約2時間です。
続いてはオスモ&エーデルのオスモカラー フロアクリアーです。オスモ&エーデルはドイツのメーカーで、世界の人から愛される人に優しい塗料を扱っています。オスモカラーはひまわり油、大豆油、あざみ油の植物油と植物性ワックスで出来た自然由来の塗料です。
フロアクリアーはフローリング用の塗料で、木質無塗装フローリングに使用出来ますが、おもちゃや家具や壁にも使用できます。撥水性と防汚性が高いので、水をこぼしてもシミになりません。塗装は2回必要で、乾燥時間は約12時間です。
自然志向の方におすすめなのが、尾山製材の木工用みつろうクリームです。国産のみつろうと、亜麻仁油や椿油などの国産植物油をブレンドしたもので、肌にも優しくお子さんが使っても安心です。家具などの木製品やギターや伝統工芸品、加工したフローリングなどの保護に使用出来ます。
軽く広げるように塗って、からぶきするだけで、木の質感はそのままでベタベタせず撥水効果が持続するので簡単にメンテナンスしたい方におすすめです。乾燥の目安は30分です。
おすすめ油性塗料、続いては和信ペイントの油性オイルステインです。和信ペイントはニスと塗料の専門メーカーで、学校教材のニスなども扱っています。油性オイルステインは、未塗装の木工製品や床、家具などの着色に使用できます。
色むらが出来にくく、木目が生えるステインです。カラーバリエーションは6色あり、オイルステイン同士を混ぜて使うことが出来るので、自分の好みの色を作ることも出来ます。乾燥時間は1時間、ニスの上塗りも必要です。
続いては英国王室に認められたブライワックス社が作るトルエンフリーです。イギリス製のトルエンフリーは、蜜蝋や天然素材のカルナウバを主原料にしたワックスで、『F☆☆☆☆』相当の基準をクリアした安全性の高い塗料です。
使用用途は木工家具で、半固形のワックスなので塗りやすく自然な風合いに着色できます。塗って磨くだけでよく、1m2あたり約5〜10分程度で完了してしまうため、乾燥時間が取れない方にもおすすめです。カラーバリエーションは8色あります。
油性塗料で最後にご紹介するのが、北三のワトコオイルです。木材専用オイル塗料のワトコオイルのシリーズは、木の魅力を最大限に生かすオイルです。木製品全般に使用可能で、住宅の内装にも使えます。塗むらがないので初心者にも使いやすいです。
調湿効果があるので、割れや狂いの抑止効果があります。カラーバリエーションは8色、1回塗りですが乾燥時間は24時間以上と長めです。
ここからは簡単に使えるスプレータイプをご紹介します。スプレーの塗料と言うと壁の落書きなどを思い浮かべてしまいがちですが、刷毛だとうまく塗れない方でも簡単に綺麗に仕上げられるかもしれません。
刷毛を洗ったりする手間や刷毛で細かく塗るほど時間もかからないのがメリットです。価格もそんなに高いものではないので、ぜひチェックしてみてください。
まずはアサヒペンのニススプレーです。ニスだけでなく、着色も同時にしてくれる優れもので、屋内外の木部、木製品やフローリングにも使用出来ます。スプレーですが耐久性も高く、仕上がりも艶のある美しい仕上がりになります。
カラーバリエーションは8色で、乾燥時間は夏が1~2時間、冬は3~6時間と刷毛塗とあまり変わりはありません。2度塗りが必要で、塗り重ね時間の目安は夏が1日以上、冬は2日以上です。
もう1つのおすすめは、和信ペイントの油性ニススプレーです。こちらも着色とニス塗りが同時に出来るタイプで、屋内の木部や家具、ひさしのある屋外木部に使用出来ます。飴色の塗膜は少し硬めで傷が付きにくく耐久性があります。
カラーバリエーションは10色で、乾燥時間は1時間です。深みのある風合いも人気の理由です。
ここからはちょっと変わった錆が付いたように仕上げられる塗料のご紹介です。塗料で真新しく綺麗に仕上げたい方もいれば、アンティーク調に少し錆びれた風合いがあった方が好みと言う方もおられます。実際に錆が出来るようにするのは難しいので、錆風の塗料を使ってみてください。
錆風に塗装できるのは、タカラ塗料の錆エイジングペイントです。水性の塗料ですが、乾けば水がかかっても平気なので、屋外のガーデニング用品にも使用可能です。錆と言っても本物の錆ではないので、屋内のインテリアに使っても汚れたりする心配もありません。
錆があることでアンティーク調に出来たり、レトロ感が出せるので、味わい深い雰囲気になります。塗り重ねも出来るので、自分好みの錆感をスポンジや布で叩きつけたり擦ったりして錆の風合いを出すことできます。
オリジナルの塗装にしたい場合にうってつけで、価格も手頃で誰でも簡単に出来るのおすすめです。
塗料を探すにあたって、やはりまず自分が使いたい色があるかどうかを見る方が多いですが、カラーバリエーションが豊富にあっても、自分が塗りたい色がないこともあります。家具の補修など、元の色を変えたくない場合に近い色がないと困ってしまいます。
そんなときは種ペンキと呼ばれるペイント調色剤を使って、自分の使いたい色に調整しましょう。水性の塗料であれば、種ペンキを混ぜて色合いを変えれます。
後から同じ色を作るのは難しいので、塗りたい部分よりも多く用意しないといけませんし、乾いた時に色が塗った時より違う感じになることも多いので、少し難しい作業になります。しかし色がないという時はぜひチャレンジしてみてください。
様々な種類の塗料をご紹介してきましたが、塗料=臭いのきついペンキと言う昔からの印象があった方でも、これなら自分でも使いやすいのではないかと言う塗料があったのではないでしょうか。
ただ色を塗るだけのものではなく、木目を生かしたり、木材を保護したりと塗料によって、見た目以外の効果を期待できるものも多くあります。錆風にしたり、黒板にする塗料など、塗料に詳しくない方でも使ってみたいと思うような楽しい塗料などの新発見もあったかもしれません。
塗装は難しそうだからとやってこなかった方でも、扱いやすい塗料がたくさんあるので、一度試してみてください。塗装を自分で出来ると、DIYの幅も広がり楽しみも増します。ぜひ使いやすい塗料を見つけて、DIYを楽しんでください。