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山林売却の基礎知識まとめ!必要な書類から費用の事まで徹底解説!

山林は売却することができます。しかし、その手続きは通常の不動産とは違い、ややこしく手間がかかることもあります。事前に内容を把握しておくことで、手続きがスムーズにいったり、売却することが妥当かどうか検討できたりします。

先祖代々からの山林を所有している、またはこれから先、相続によって所有する可能性がある方は必見です。

山林の売却は難しいけど可能!

山林を所有している。またはこの先の人生で相続等により、所有することになる可能性がある方は、売却できるということを知っておきましょう。難しい手続きや、用意する必要書類、税金、費用など、手間はかかりますが、1つずつ分かりやすく解説していきます。

山林といえど、ざっくり「その場所」だけじゃなく、その山林に自生している樹木なども取引の対象となります。仮にその樹木などが、「杉」「ヒノキ」といった建築材料に利用できる価値があるかなど、林業としての需要がある場合は積極的に売却を検討した方がいいかもしれません。

ただし、その山林が間伐してあるなど、長年にわたり管理されていたかどうか?利便性のいい場所かどうか?林道など整備された道があるかどうか?によっても、取引される価格が変わることもあります。

山林売却の価格の相場

それでは、山林売却の価格の相場は一体どのくらいなのでしょうか…?と、言っても、山林売却の相場はあってないようなものです。なぜなら、地域や場所によって全く違う売却価格になります。とはいえ、目安になるものがないと、売却のイメージもわきません。少しでも、山林売却のイメージがわくように、価格を左右するポイントを抑えていきましょう。

  • 宅地などに土地利用できるか?
  • 市街化区域か否か?
  • 材木に利用できる樹木があるかないか?など

さまざまな条件によって考慮され、その価格は大きく変わってくるからです。

上記の条件を、ある程度当てはめたうえで、ご自身が所有されている山林の、おおよその相場を確認してみて下さい。まず、山林は大きく分けて4つの種類に分類されます。

  1. 都市近郊林地 ➡市街地郊外の林地
  2. 農村林地 ➡農村にある林地
  3. 林業本場林地 ➡林業を中心に管理された林地
  4. 山村奥地林地 ➡林道などがなく、整備管理されていない林地

上記の4つの種類に分別されます。この4つの種類ごとの相場は、下記のようになります。

種類 1平方メートルあたりの価格相場
都市近郊林地 1,000円~5,000円
農村林地 100円~1,000円
林業本場林地 100円前後
山村奥地林地 100円前後

注意点としては、山林は登記簿上の公募面積と実測面積が大きく異なったり、隣地との境界があいまいだったり、ということが往々にしてあるみたいです。上記の表は参考程度にご覧ください。

また、現在所有している、山林の評価額を知っておくのもいいでしょう。同じ不動産の土地・建物でよく聞く路線価図や倍率表などで確認できます。こちらの場合は主に、相続の時に重要となる指標ですが、現在の価値を知っておいて損はないでしょう。

山林売却の基本的な流れ

次は、山林売却の基本的な流れを確認しておきましょう。山林は、簡単に買い手が現れることは難しかもしれません。活用が容易ではなく、よほどの好立地かキチンと整備・管理されていないと、なかなか買い手がつかないことも事実です。

しかしながら、タイミングを逃すと「売りたい時に売れなかった」、ということにもなりかねません。しっかりと山林売却の流れを、今のうちに確認しておきましょう。また、一般の不動産とは違う流れもあることを注意しましょう。

流れ①土地の状態を把握

まず、所有する土地(山林)の状態を把握しておきましょう。林道があるか、樹木(立木)の種類や樹齢、傾斜がどのくらいあるかなどの情報を把握しておく必要があります。市町村役場で登記簿や森林簿を確認しましょう。

森林簿は農林課で確認できます。しかし、情報が更新されていないケースもあるようです。実際に調査して現況と照らし合わせてみることも重要です。

流れ②売却方法を決める

不動産の売却方法には、公簿売買実測売買と2通りあります。公簿売買とは、登記簿に記載されている面積で取引されることです。実測売買とは、実測(実際に測量した計測値)で取引することです。

宅地の場合、後からのトラブル回避のために、実測売買にて取引されるケースもあります。一方、山林の場合は、隣地との境界線も不明確なことや、広大な範囲を測量するための費用がかかる等の理由から公簿売買が一般的です。

流れ③媒介契約

媒介契約とは、物件売却の仲介を依頼する不動産業者と契約を結ぶことです。不動産業者も大手企業から、地域密着の地元企業まで、たくさん存在するので、どこに依頼するか迷うかもしれません。もしも迷うようでしたら、地元のことを知り尽くした地元の不動産業者がいいでしょう。もしかしたら、近所の有力な買い手をすでに知ってるかもしれません。

流れ④契約・引き渡し

ここまでの一連の流れを終えると、契約した仲介不動産業者が情報を公開します。そして、購入希望者が現れると、不動産業者が希望価格を提示し、同意すれば契約となります。購入に関しての重要事項を不動産業者が説明し、その後支払い方法を決定して契約が成立します。

契約成立後、購入者は手付金として売却価格の10%を支払います。その後、登記簿等の名義変更などの諸手続きが済めば、契約完了となります。

山林売却にかかる費用

山林売却には、どれくらい費用がかかるのかも気になるところです。費用というのは、仲介手数料や、売却することによって発生する所得に対して課税される税金のことです。

売却しなくても所有していれば、不動産には「固定資産税」、遺産で相続すれば「相続税」と費用はかかるものですよね。所有しているだけで、ランニングコストがかかってしまいます。活用する予定がないのならば、節税の観点からも売却することはメリットがあるかもしれません。

では、2つある「山林売却にかかる費用」を詳しく解説していきましょう。

税金

山林売却によって発生する、税金の名称は「山林所得税」と「譲渡所得税」です。2種類に分けられて課税されます。山林所得税は、立木(樹木)に対して、譲渡所得税は土地の部分に対して課税されるのです。

どのような理由で、2種類に分けられているのかというと、立木は伐採して売ることもできます。また、伐採せずに立木のままで売ることもできるため、財産とされているからです。

仲介手数料は注意!

一般的に、不動産の売買では仲介業者が売り手・買い手の間を取り持ち、契約が成立すれば「仲介手数料」として報酬を受け取ります。その「仲介手数料」は宅地建物取引業法で上限が定められています。しかし、山林の場合は、宅地でも建物でもないため、対象外です。

【宅地建物取引業法の上限】

  • 200万円以下➡5%以内
  • 200万円~400万円➡4%以内
  • 400万円以上➡3%以内

上記のように定められていますが、山林の場合は対象外なので上限がありません。ですので、高額な仲介手数料を提示する業者には気を付けましょう。反対に、この宅地建物取引業法の上限以内の仲介手数料で提示する業者なら安心して任せられる業者と言えるでしょう。

山林売却に必要なもの

山林の売却には、様々な書類や資料を用意することがあります。同じ不動産である、土地や建物の売却と一緒の書類もあれば、山林の売却時ならではの書類もあります。

  1. 登記事項証明書
  2. 固定資産税の課税明細書
  3. 公図
  4. 地盤図
  5. 森林情報

以上の5つの書類や資料があれば、手続きがスムーズになることと思います。聞きなれない名称の書類や資料もあり、どこでどのようにして用意するのか、分からない方も多いのではないでしょうか?書類の意味、資料の意味と一緒に、手続きする場所や方法など、1つずつ解説していきましょう。

必要なもの①登記事項証明書

法務局で取得できる「登記事項証明書」とは、土地の地番や地積、地目などが詳しく記されている書類です。この書類の請求は、オンラインでも手続きできます。オンライン請求のメリットは、交付手数料が若干安くなります。オンライン手続きは、直接窓口で受け取るか、郵送で受け取ることもできます。

直接窓口で受け取る場合、待ち時間の短縮ができるため、お忙しい方はまず、オンラインで請求してみてください。 ➡法務局ホームページ

必要なもの②固定資産税の課税明細書

不動産を所有していれば、土地や建物だけじゃなく、山林も固定資産税の課税対象となります。多くの地域では、四半期に1回、通知書が送られてくると思います。査定の際、必要となる書類ですので、その明細書を保管しておきましょう。

ただし、固定資産税の算出方法の元となる「課税標準」は、3年に一度見直されるため、最新の明細書を用意するようにしましょう。

必要なもの③公図

公図とは、土地の境界や場所、地番を記した地図であります。これにより、山林の場所や形状などが分かります。公図は、登記所(法務局)で取得することがでる書類です。取得する際のポイントとして、地番の記入が必要です。この地番は、一般的な住所とは異なるものです。地番を調べるときは、ブルーマップで調べましょう。

ブルーマップは、登記所にあるもので調べるか、インターネットで検索して調べることもできます。

必要なもの④地盤図

地盤図とは、ボーリング柱状図や、土質試験結果等の地盤情報を明確にしたものです。近年では、土地を売却する際は、地盤の調査が義務付けられているので、提出を求められることと思います。山林の地盤調査は、広大な上に容易ではありません。調査依頼するとなると、費用もそれなりにかかりますし、時間も要します。必ず事前に確認しておきましょう。

必要なもの⑤森林情報

森林情報は、各自治体のホームページ等で確認できます。現在では、「森林情報管理システム」というものもあり、ネットで簡単に閲覧することができます。森林情報管理システムでは、森林基本図や森林計画図、森林簿などの情報を明確に得ることができます。

こちらの書類は、インターネットからPDF形式で無料でダウンロードすることができます。詳しくは各自治体のホームページでご覧ください。

山林が売却できないときは…

山林は、所有しているだけで「固定資産税」の支払いが発生します。手放すことで、「節税」ということにもなりますよね。今後も、山林を何かに利用する予定もない、売却の方法が分からない、といった方は少なくないはずです。または、「売却手続きはしたが、なかなか買い手が現れない…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そのような時は、次の方法もあることを知っておきましょう。山林は、公図で示されている範囲の土地と、その範囲内の樹木(立木)との2つを分けて売却することもできるのです。または、別々の買い手に土地、立木と分けて売却する方法もあります。

ただし、全ての樹木に需要があるわけではありません。ほとんどの場合「杉」「ヒノキ」といった、材木として利用価値のある種類の樹木だけです。そして、自然に生えている天然林よりも、植林されているものの方が価値があります。

さらに近年では、北欧の安価で高品質の輸入木材のほうが、コスト減にもつながるので人気が上がってきています。今後も北欧の輸入木材の需要が高まりそうなので、樹木だけの売却をお考えならば、早めに検討したほうがよさそうです。

山林売却は時間がかかるけれど売ることは可能!

山林の売却は、時間がかかったり、手間がかかったりしますが可能なことです。先祖の遺産として所有することになり、「不要」と感じているのであれば、検討する価値は十分にあるのではないでしょうか?

そして、こういった話題もあります。お笑い芸人でユーチューバーのヒロシさんは、ソロキャンプ動画で人気を集めています。そんなヒロシさんは、「誰にも会わないため」という理由から、まったく手付かずの山林を購入されています。このように、ヒロシさんだけではなく、一般の方も山林の購入を検討している方が増えてきています。昨今のソロキャンプブームも見逃せません。

記事内では、手付かずの山林よりも、管理されている山林のほうが価値があると述べました。一般的にはそうかもしれません。しかし、先ほどのヒロシさんの例で考えてみると、手付かずの山林のほうが思わぬ需要があるのかもしれませんね。

また、林業に新規参入を考えている企業もあるようです。そういった企業が、山林を購入するケースは年々増加傾向にあるのです。

ご自身で「うちの山は価値なんてない」と決めつけないで、一度売りに出してみればいい結果につながるかもしれないのでおすすめです。

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