屋外にウッドデッキを作りたいけれどなるべく長持ちさせたいという方もいるでしょう。しかし安価で手に入りやすいSPF材をそのまま使うと、屋外での耐久性が低く、長く使えないケースも多々あります。DIYをしたら、キシラデコールを塗装して木材を守りましょう。今回はなぜキシラデコールがおすすめなのか、またその使い方について徹底解説します。
木材を使ったDIYの作品を屋外で使う場合、雨や汚れ、紫外線などへの耐性が気になりますよね。屋外で野ざらしにして木材を使う場合、使用する前に表面をしっかりと加工して耐久性を高める必要があります。木材の塗装剤としてキシラデコールが様々な現場で愛用されています。ここでキシラデコールについてご紹介します。
ホームセンターへ行くと、他の木材よりも安価なSPF木材を購入する方も多いです。SPF木材は北米産のトウヒ(スプルース)、松(パイン)、もみの木(ファー)を指し、それらの頭文字をとってSPF木材と呼ばれています。
これらの木は成長が早い分安価ではありますが、耐久性が低く虫に弱いので屋外での長時間利用にはあまり向かないという欠点があります。しかしSPF木材は、ホームセンターには必ず置いてあるといっても過言ではないほどの商品なので、手に入りやすいのも大きな魅力です。
キシラデコールは基本的に木材の表面を覆うタイプの塗装剤ではなく、内部まで浸透していくタイプの塗料です。耐候性顔料が配合されているので、紫外線や雨風から木材を守ってくれる効果が期待できます。塗料が内部まで浸透することにより、木材の内側から防腐・防カビ・防虫効果を発揮することが可能です。塗っても木材の表面に膜ができないので、通気性がよく、木材が膨張したり割れたりする心配も不要です。
時間が経つと木材の表面を再塗装する必要がありますが、この時キシラデコールであれば、前回の塗装時にできた皮膜を木材から剥がす手間を省けるので、再塗装も簡単に始めることができます。これから使う新しい木材はもちろん、すでに外的要因により色が濃くなっている木材にも使えるので、まずはキシラデコールで木材を塗装してみましょう。
キシラデコールには色々な種類があるので、目的に合ったものを選ぶことが大切です。木目を生かせるもの、木目を隠して塗装できるもの、さらに色の種類も豊富なので、ここではキシラデコールをタイプ別にご紹介します。選ぶ時の参考にしてみて下さい。
いざキシラデコールを使おうと思っても、どの色味がよいのかわかりませんよね。実際に塗ってから「やっぱりほかの色が良かったかも」といった事態を招かないためにも、まずは色見本帳を使って色味をよくチェックしましょう。ネット上の商品写真やパッケージの写真を見ただけではイメージが湧きにくいこともあります。手元に色見本帳があれば、塗った後のイメージも湧きやすいはずです。
まずは色見本帳を手に入れ、出来上がりをイメージしながら、理想の色を検討してみてください。
木目を生かしがらもある程度の着色を望んでいるのであれば、半透明の着色タイプがよいでしょう。20色あるので、きっと必要な色が見つかるはずです。耐候性顔料のおかげで鮮明な色が長続きします。木材に浸透する性質を持っているので、塗膜ができず表面の塗装が割れるといったトラブルもありません。ハケで塗る時も、ムラになりにくく塗りやすいという特徴を持っています。
白木用の防腐、防虫塗料を探しているのであれば、キシラデコールの白木やすらぎがおすすめです。寺社の白木部分の塗料に使われることもあるほど、その仕上がりの美しさは保証付きです。ウッドデッキはもちろん、庭のラティスなどに塗るのにもぴったりです。
木目を生かしたまま表面に塗膜を作らず着色するので、木材の持つ自然な風合いを引き立たせる。
用途:屋外の木部(ウッドデッキ ラティス パーゴラ ベンチ ログハウス 羽目板 板へい)
キシラデコールを初めて使う方や、ラティスやパーゴラといったガーデン家具や木箱など、比較的面積の狭い箇所に使うのであれば、キシラデコールのエクステリアを選びましょう。木材ならではの風合いを生かしながら、防腐および防虫加工を施すことができます。
塗りたい木材がすでに日に焼けていたり色が濃くなっていたりするといった場合には、キシラデコールのウッドコートがおすすめです。半造膜タイプなのでここまでにご紹介した浸透タイプに比べ、木目を生かしながらも明るい色へ塗り替えることが可能です。浸透タイプでは着色が物足りないといった場合にはこちらがおすすめです。
木目を消しても大丈夫、しっかりと色を塗りたいという方にはコンゾランがよいでしょう。造膜タイプなので希望の色に着色できます。一般的な造膜タイプは、塗った後しばらくすると塗膜の割れやヒビなどが目立つようになりますが、コンゾランであればその特殊な性質で長く鮮やかな色を保つことができます。こちらの商品はほかのキシラデコールと違い、木目は生かせないので要注意です。
キシラデコールを手に入れたものの、きれいに塗るための塗り方が分からないという方もいるでしょう。ここでは、キシラデコールを美しく塗るためのテクニックについてご紹介します。
キシラデコールをきれいに塗るためには下地処理が大切です。新しい木材に塗る場合は、表面についているゴミやホコリをたわしや不要な布などを使ってきれいにします。塗り替えに使う場合は、以前の塗装をサンドペーパーでよく除去し、水で洗い流すか濡れた布で拭き取るかするようにしましょう。その後は水気が抜けるまでしっかりと乾かします。
塗料を塗らない部分は、マスキングテープや新聞紙などを使ってきちんとカバーしましょう。
木材の表面をきれいにしたら、キシラデコールのカラレスで下塗りすると、色のムラを防いで均等に塗装ができますよ。カラレスであればその名の通り、色がつかないので、上に重ねた色を生かすことができます。カラレスをあらかじめ染み込ませておくことにより、木材の部位によって浸透具合が不均等になるのも防ぐことができます。
カラレスで下塗りをしたら、上塗りは2回行うようにしましょう。キシラデコールの耐久年数は一般的に3~5年とされていますが、下塗り1回、上塗り2回の計3回塗ることにより、キシラデコールの効果を最大まで引き出すことができます。下塗りそして上塗り1回で終えるところをさらにもう1回塗ることにより、防カビ、防腐、防虫効果をさらにアップできますよ。
面倒に感じるかもしれませんが、このひと手間でさらに長く愛用できると思えば簡単ですね。ちなみに塗る時は上から下に、細かい所から先に塗るのが鉄則です。面積の広い部分から塗りたくなるかもしれませんが、面積の狭い細部から始めるのが正解です。塗る時は木目に沿って丁寧に塗るようにしましょう。
実際にキシラデコールを塗る前に、まずは塗り方について動画で学んでみましょう。きれいな仕上がりを手に入れたいのであれば、塗り方のハウツーを文章で読むだけでなく具体的な作業動画を見て参考にしてみるのも一案です。ここでは、4年たったウッドデッキをキシラデコールを使って塗りなおす作業をご紹介しています。
この動画のようにウッドデッキをキシラデコールを塗装して守ることが可能です。
動画では実際にキシラデコールの塗り方を紹介しているだけでなく、どのような道具を最初に揃えたら便利なのかについてもご紹介しています。塗り始める前に動画を参考にして、塗り始めてから忘れ物がないよう、一通りの道具を揃え、準備万端で臨むようにしましょう。
今回は、キシラデコールの防虫防腐効果や、なぜSPF木材にキシラデコールが必要なのか、キシラデコールの種類やその塗り方などについてご紹介しましたが、いかがでしたか?キシラデコールはDIY初心者でも扱いやすい塗料なのでおすすめですよ。
そのままでは屋外では長く使いにくいSPF木材もキシラデコールを塗ることにより、木材が傷むのを防ぐことができます。せっかく作ったDIY作品を少しでも長く愛用するためにも、キシラデコールを使って守りたいですね。
木材だけではなく、金属の切断もできてとても便利です。