電気絶縁、防食、防水保護、結束、識別、機械的保護、補強、異音防止などと様々な場面で活躍するのが熱収縮チューブです。ですが、実際に購入する時にどういったものを選べば良いか悩むことはありませんか?そんな方の悩みを解消するために、特徴から使い方まで紹介しますので選ぶ際の参考にしてみてください。
熱収縮チューブとは、加熱することで事前に記憶しておいた形状に収縮するプラスチック状のチューブのことをいいます。熱を加えることでチューブの直径が収縮するので、外からの熱から中身を守ったり防水・防食保護などにも使用されます。
熱収縮チューブは、電線やハーネスを保護する用途のほか、耐薬品・高絶縁性もあるので、引っ張り・折り曲げ・摩擦・摩耗などから中の素材を保護するためにも活用することができます。
素材としては、フッ素系ポリマー・塩化ビニール・シリコンゴムなどが使用されており、それぞれの材料の特性を活かした使用が可能です。蛍光灯やアンテナのカバー、ホールの保護、基板の保護、医療用カテーテルにも活用されています。
使用される用途としては、家電製品や電子機器、自動車などに使用されることが多くあります。電化製品や自動車などに使用される一番の理由は、ケーブルや電線などを結束させるのに便利だからです。チューブでしっかりと結束をすることで、耐摩耗性や引っ張り強度が強くなるというメリットも出てくるため、とても便利なのです。
また、防水性や防食性、耐油性といったメリットも発生します。これは、ゴミや水が入りにくくなるためです。他のメリットも含めてまとめると、電気絶縁、防食、防水保護、結束、識別、機械的保護、補強、異音防止、緩衝材、装飾、見栄え向上、滑り止めと多くの利点があるのが特徴となります。
様々な種類があり、その種類によって用途などが変わってきます。ここでは一層式・2層式の違いと、材質に関して紹介しますので参考にしてみてください。
一層式と2層式の2種類があります。それぞれの特徴を紹介します。
1.一層式
一層式タイプは薄肉、中肉厚、肉厚の3種類に分類されるチューブのことをいいます。一層タイプの主な役割としては、結合部の保護や絶縁など、周囲の影響からチューブの中身を守ることにあります。
2.2層式
2層式タイプは、外側と内側の二層式構成で作られているチューブのことをいいます。チューブの中身を腐食から守ることや、シーリングが必要なものに使用されるのに最適です。2層式のチューブを例にすると、電子線架橋軟質ポリオレフィン樹脂と熱溶融性接着剤のが使われているタイプがあり、これらの材質は熱を加えると溶けて流れ出す仕組みになっています。
使用されている素材には、ゴム系、ポリエチレン系、ペット系、フッ素、シリコン系などがあり、使用箇所に合わせて製品を選ぶことが大切になっています。
商品を選ぶ際に適当に選んでしまっては、せっかく購入したのに使用できない!なんてことにもなりかねません。ここでは選ぶ際の大切なポイントを2つ紹介しますので、しっかりチェックしてみてください。
選ぶ際の1つ目のポイントは、対象物の直径より小さいものを選ぶことが大事です。使用環境や用途に合わせてサイズや厚さを選定し、熱をかけて完全に収縮した後の内径が、対象物の直径よりもやや小さいサイズのものが最適です。
ですが、内径が小さいサイズのものは安価で厚みがない代わりに、挿入する際の利便性が落ちます。一方で、内径が大きなサイズのものは厚みがあり、挿入性が高い代わりに熱をかけた際にチューブが縮むのにかかる時間が必要です。チューブで覆う時の中身や、補強したい箇所に応じて必要な大きさのものを選定することをおすすめします。また、難燃性がある熱収縮チューブは高温環境に使用することが可能です。
選ぶ際の2つ目のポイントは、用途に合うサイズ、タイプ、厚みに注意をすることです。1つ目のポイントと重複しますが、やはりサイズ選定の目安として、熱をかけた後の完全収縮後の内径が、対象物の直径よりも、やや小さ目のサイズになるようなチューブを選ぶことが大切になってきます。
熱収縮チューブの使い方はヒートガンを使用する場合や、家庭用ドライヤーを使用する場合など様々なタイプがあります。ここでは熱収縮チューブの使い方を動画と合わせて紹介しますので、参考にしてみてください。
ドライヤーで熱収縮チューブを収縮させたい場合は、カバーしたい対象物などに合わせて熱収縮チューブをカットしてかぶせ、ドライヤーなどを使ってチューブを収縮させるだけでOKです。家庭用のドライヤーでも対応している熱収縮チューブもあるので手軽に電気コードの修理などが出来て便利です。
幅が太い熱収縮チューブを使用すれば電気ケーブルを一つにまとめることもできます。また、コードが破れていなくても、断線やほこりなどが原因の火災の予防のために防止カバーとして使用するのも効果的です。その他にもアンテナのカバーや、靴紐のほつれ防止、工具の滑り止めなど様々な用途に使用してみましょう。
低温タイプの熱収縮チューブは家庭用ドライヤーでも収縮しますが、一般的に入手できる120℃のチューブは専用工具のヒートガンを使用します。使用方法はとっても簡単なので、使用方法を順番に紹介します。
1.適切な色と、適切な直径の熱収縮チューブを選択する
2. 事前に通しておく
3. ヒートガンで熱風を吹き付ける
これだけで完了です。とても簡単なので1台ヒートガンを常備しておくのもおすすめです。
切る時は、何度も切らずに一度で切り終えてください。この際、チューブに傷をつけないようにカットするのが大切なポイントです。チューブが傷ついてしまうと、せっかくの耐性が低下してしまいます。防水性などを失わないようにするためにも一度に一気にカットしましょう。
一般的なのがヒートガンなどで直接加熱して収縮させる方法ですが、工業用の量産などの場合はベルトコンベアオーブンなどで一気に加熱する方法もあります。加熱をする際は、内部に空気が残らないよう、チューブ中央から両端に向かって収縮させる必要があります。特に長いチューブや接着剤付きの収縮製品を熱風機器で収縮させる場合に必要な工程です。縦方向の収縮変化率が気になる場合は、チューブの両端に熱を加えると真ん中が収縮します。真ん中が収縮することにより、縦方向の収縮を抑えることができるようになるのです。
動画で観ると作業がとても簡単なことが分かりますよね。ヒートガンが無い場合は家庭用のドライヤーでも対応可能な熱収縮チューブもありますので、購入する際に材質をチェックしてから購入することをおすすめします。
実際にアマゾンで人気の熱収縮チューブを2種類紹介します。おすすめの商品を選定しましたので、迷った時はどちらかを選ぶのも有りかもしれませんので、参考にしてみてくださいね。
WOERの「熱収縮チューブ 100ピースセット」は、長さ100mm、チューブ径が1.5mm~13mmと6種類のチューブが100本入っており、さらにΦ1~20mmまでのボーナスチューブが20本も入っているため、コストパフォーマンスにとても優れたアイテムです。
内径収縮率は約50%、長さ変化率は誤差5mmでラジコンなどの細い配線から、私たちが普段資料する家電の電源ケーブルまで幅広く使用することが可能です。収縮開始温度が70度、完全収縮温度は120度のため、自宅にあるドライヤーの熱でも十分に収縮してくれますので、お手軽に結線保護作業ができる点がおすすめポイントです。
このアイテムは、異なるサイズの熱収縮チューブが入っているのでさまざまな種類の電線に扱うことが最適です。これだけの数があると全て使いこなすのは難しいかもしれませんが、いざ必要な時に常に最適なサイズがあるのがとても便利です。そして、このキットは、さまざまなサイズや色だけでなく、特に見つけにくい小さなサイズもあるので幅広く対応することが可能です。
他の特徴として、この熱収縮チューブは高品質の素材でできており、厚くて十分な耐久性があります。それらで対象物を覆いヒートガンでチューブを収縮させてから、ワイヤーシュリンクラップはわずか10秒でしっかりと均一にワイヤーをラップします。このキットを使用すると、各修理作業が今までよりも捗るかもしれません。
もし、使用する際に手元にヒートガンがない場合は、ライターや家庭用ヘアドライヤーで収縮チューブを収縮させることができるのも便利です。もちろん、より本格的に使用したい場合は、標準のヒートガンを購入することをおすすめします。シュリンクラップすべて必要とされる一般的なサイズに既にカットされているため、各作業がはるかにスムーズになります。
いかがでしたでしょうか?熱収縮チューブを上手く活用するとさまざまな場所の接続だけでなく、防腐や防菌などのさまざまな効果や恩恵を受けることができます。また、各種サイズの入ったセットを購入すれば作業が格段に楽になります。是非、このサイトの情報を元に各作業にお役立てください。