DIYでいろいろなものを自作する人がたくさんいますが、近年ではカーポートや階段などの大掛かりな作業に挑戦する方も急増しています。
そこで気になるのがコンクリートDIY、一見すると難易度の高いイメージがあるコンクリートですが、実は初心者でも利用できる素材なんです。コンクリートDIYの基礎知識やコツを掴んで達成感のある作業をしてみましょう。
目次
コンクリートDIYとはそのまま、コンクリートを利用してさまざまなものを自作するDIYの手法です。特に住宅建造物の周囲にある外構やガーデンアイテムを自作するのに重宝します。
何も知らないままではもちろん難易度が高くなりますが、基礎知識や作業中のコツを把握することで初心者でもコンクリートDIYに挑戦することが可能です。基本をしっかりと押さえることで自宅の外構補修などもできるようになります。
コンクリートDIYする場合はまず材料や必要な道具、手順を把握することが必須となります。コンクリートとはどんなものなのか、どうすれば使えるのかなどを知ることでコンクリートDIYに1歩近付けるようになります。まずはコンクリートDIYの方法をチェックしてみましょう。
コンクリートDIYの材料はもちろんコンクリート、セメントや砂、砂利、水を混ぜることでできます。材料の配合によって混ぜやすさや強度が変わってくるので、作りたいものに合わせた比率にするといいでしょう。
セメントはホームセンターやネットショッピングで購入可能ですが、100均でも手に入れることができます。砂は一般的に販売されている川砂やふるい砂などを使います。砂利は粒が大きすぎないものがおすすめです。
必要な道具はスコップや練りクワ、トロ舟、バケツ、ゴム手袋になります。スコップは先端が尖っているタイプより平らなものがいいでしょう。練りクワはあったほうが便利、というレベルなので最悪なくても構いません。
トロ舟はコンクリートを混ぜるための専用容器で、大量に混ぜるなら使うといいでしょう。混ぜ量が少ない場合は他のもので代用もできます。バケツやゴム手袋は必須で、コンクリートを混ぜる際には手荒れを防ぐためにもゴム手袋を付けるようにしてください。あとは必要に応じて表面をならす左官コテがあるといいでしょう。
コンクリートDIYは屋外で作業することも多く、どうしても汚れやすくなります。そのため服装は作業着や汚れてもOKな服装にしましょう。また、長靴があると靴が汚れません。水を扱うのでスニーカーだと染み込むこともあり、服装同様付着したコンクリートが落ちなくなることもあります。
コンクリートを作るときはセメントや砂利から粉が出るので防じんマスクを着用、なければ普通のマスクを付けて作業してください。
必要な材料や道具を揃えたらコンクリートDIYに取り掛かりますが、コンクリートは作る量に気をつけなければいけません。コンクリートは建築廃材に分類されるので、余ってしまうと処分に困ってしまいます。では、どれくらいの分量を作ればよいのでしょうか。
コンクリートの必要量はまず縦・横・高さを掛け算して容積重量・㎥を計算します。1㎥は1000Lなので、仮に0.5㎥であれば500Lの生コンが必要になるということです。大量の生コンを使う場合には工場に依頼して運搬してもらう方法もありますが、500L以下であれば自分で作ったほうがコストがかかりません。
最初に各材料の配分を計算します。セメント:水:砂:砂利の割合を1:1.5~1.8:3:3にしましょう。セオリー通りであればセメント:砂:砂利は1:3:6ですが、この状態では混ぜにくく、DIYならむしろ混ぜやすさを考慮した前述の比率がおすすめです。
比率や計算でも良く分からない、という場合には砂利の分量×1.5ができあがるおおよその分量になるのでそちらを目安に作るといいでしょう。
作り方の手順はこちらを参考にしてください。
生コン作りのコツはスコップですくい上げて流れ落ちないぐらいがベストで、水平部分や型枠に流し込む場合は若干水を多めにして柔らかく、傾斜になる場所には硬めにしましょう。隙間なく埋めるにはスコップを縦に入れます。仕上がりをきれいにするためには数時間後に浮いてきた水を取り除き、再び左官コテでならすようにします。
使用した道具はすぐに水洗いしますが、絶対に排水口に流さないようにしてください。洗浄した水はできるだけ水で薄めて掘った穴に流す、残ったものは別のものを作るなどして処理しましょう。
コンクリートDIYでもっとも重要になってくるのが基礎工事です。生コンの流出を防ぐためにもあらかじめ基礎となる土台作りや流出防止の補強作業を行う必要があります。
流出防止の補強は重量があるコンクリを流し込むので、コンパネなどの外枠を使うことをおすすめします。基礎工事を怠れば正確な位置が把握できない、生コンの必要量を計算できなくなるので気をつけましょう。
土台工事をする際には水盛遣り方(みずもりやりかた)と鋤(すき)取り工事を行います。水盛遣り方は自作するものの位置や高さなどを決めて印をつけるもので、水盛は水平を、遣り方は板や杭で施工範囲を決めることです。鋤取りは地盤の不必要な箇所を取り除く作業になります。
土間コンクリートをDIYする場合には雨水が流れるように勾配を付けましょう。また、コンクリートを流し込む場合は砕石やワイヤーメッシュで土台を作って陥没・沈み込みを防ぎます。そのための砕石層を作るために鋤取り工事を行います。
鋤取りでは砕石層とコンクリ層を合わせた深さが必要になるので、場合によってはユンボやショベルカーなどをレンタルすると便利です。敷き詰めた砕石層は転圧機械を使ってしっかりと踏み固めましょう。
コンクリートDIYでメジャーなのが駐車場の自作です。自宅の庭に車を停める空きスペースがある場合はDIYで駐車場を作ってみるのもおすすめです。
完成度が高く使い勝手や手入れのしやすさでもコンクリートはベストな素材になっています。ポイントとして車の重さに耐えられる厚みを確保するようにしましょう。
コンクリートDIYで駐車場を作る工事の手順はいくつかありますが、先程紹介した土台工事をしっかりと行うことで失敗なく作業をすすめることができます。工事手順を参考にコンクリート駐車場をDIYしてみましょう。
コンクリートDIYで駐車場を自作する場合は平らなので、土台作業や基礎工事をしっかり出来ていれば失敗は少なくなります。
DIYで駐車場を自作する際に全面をコンクリートにしてしまうとシンプルな出来栄えになりますが、コストがかかります。そのためタイヤが乗る箇所だけを耐久性のあるコンクリートにして、周囲は砂利舗装で埋める方法がおすすめです。
砂利はコンクリートよりも安いだけでなく、異なる素材を利用することでデザイン性がアップ、おしゃれな駐車場になります。砂利部分をレンガやブロック、芝生にすることも可能です。
こちらの動画では駐車場DIYの作業しているところを見ることができます。鋤取り作業や転圧作業、型枠作りや設置、生コンの固さなど駐車場DIYに必要な工程が動画で確認できるので参考にしてみてください。広いスペースは仕切りを作ることで数日間かけて作業することが可能になります。
自分好みの外構や庭作りをするために、コンクリートDIYで階段にチャレンジしてみるのもおすすめです。高低差のある場所に階段があれば、と思ったら自作してみましょう。
こちらではコンクリ階段の作り方や手順を紹介していますが、すでにあるコンクリ階段の補修作業にも利用できるので参考にしてみてください。
コンクリ階段をDIYするときは高低差によって1段1段の高さ(蹴上)や幅(踏面)、段数を決めます。面倒でもしっかりと測定し、できれば簡単なものでOKなので図面を作っておくといいでしょう。1段の高さや幅は好みや家族構成によって決めるようにします。
建築基準法では住宅階段の蹴上げ23cm以下・踏面15cm以上、小学校階段蹴上16cm以下・踏面26cm以上、映画館や集会所など蹴上18cm以下・踏面26cm以上となっているので参考にして工事の手順をチェックしてみましょう。
コンクリート階段を作るときのポイントは蹴上・踏面は仕上げ寸法から3cmほど引いた寸法がコンクリートラインになるので、図面には仕上がり寸法とコンクリート寸法を記載するようにします。土壌が沈降しないように砕石転圧による下地作りやワイヤーメッシュでの補強は怠らないようにしましょう。転圧は階段サイズによって専用の転圧機械を使うか、角材などで押し固めるようにします。
型枠を設置する際には、コンクリートを流し込んでも崩れないようにしっかりと固定する必要があります。階段の表面をタイルで仕上げる場合にはモルタル下地を作成し、目地埋めして完成です。
こちらの動画ではコンクリート階段の作業風景を確認することができます。動画は段数の少ない階段ですが、もちろん段数が増えることで手間と時間がかかります。曲がり階段を作るときの参考にもおすすめです。
階段や駐車場以外にもコンクリートを使ったおしゃれなDIY術があります。もっと難易度が低いものを、簡単に手間なくできるコンクリートDIYに挑戦したときにもおすすめのアイデアを紹介してみましょう。ガーデニング好きなら参考になるアイデアもたくさんありますよ。
無機質な印象のコンクリートですが、自作するアイテムによってペイントするのもおすすめです。ペイントする時は水性アクリル塗料を使うとしっかりと色付き、ペイント前に下地材や白を塗ることできれいな発色に仕上がります。
おしゃれなインテリアにコンクリートでキャンドルスタンドをDIYしてみるのもおすすめです。コンクリートでおしゃれ?と思うかもしれませんが、デザイン次第でガーリーなものからシックなものまで幅広く自作できます。コンクリートなので耐熱性がありある程度の重量があるので転倒防止にもなります。
型枠は紙コップやプラスチック容器など100均で購入できるものや筒状のお菓子の空き容器を利用すると簡単です。容器の内側に好みのシールを貼り、コンクリートを流し込みます。キャンドルが入るサイズの穴は同サイズの容器を入れるか、容器に入ったティーキャンドルを入れましょう。
あとはしっかりと硬化したら容器から取り出し、中央にある容器やティーキャンドルをラジオペンチなどで引き抜きましょう。デザインシールを貼らずにペイントしたり糸を巻く、模様のある容器に入れるとコンクリート自体に模様がつきます。ペットボトルや牛乳の空き容器を利用するのもおすすめです。
コンクリートDIYなら作りたいサイズのプランターも自作できます。キャンドルスタンド同様に牛乳パックやペットボトルで室内用の小さいサイズを作ったり、ダンボールを利用すれば三角形など多角形にすることも可能です。コンクリートのシリコン型もあるのでそちらを利用すればきれいな型ができます。
コンクリートDIYでプランターを作る場合は底部分に水抜き穴をあけておきましょう。多肉植物専用のプランターであれば水抜き穴は必要ありません。穴は太めのストローを入れるといいでしょう。プランターサイズにもよりますが、タピオカ専用ストローが太めでおすすめです。
セメントを使って簡単におしゃれなシェードをDIYしてみましょう。コンクリートDIYでシェードを作る場合は厚みを抑えることで吊り下げにすることも可能、カップ麺やペットボトルの空き容器がちょうどいいサイズになっています。無機質で冷たい印象のコンクリシェードと柔らかな明かりが良い雰囲気になっておしゃれです。
シェードを作成するときはコードを出す穴をあける必要があり、先程のプランター同様ストローなどを置いて作りましょう。
ガーデニングアイテムを収納できる便利な物置小屋・ガーデンシェッドをコンクリートDIYしてみるのもおすすめです。ガーデンシェッドはガーデニングアイテムを収納するだけなので簡素な四角形でもOKですが、DIY上級者向けとなのでコンクリ階段や駐車場などを楽に自作できた方や、これまでに木材の小屋やテラスなど大掛かりなDIYをした経験がある場合にチャレンジしてみるのもいいかもしれません。
小屋を自作したことがあるならそちらを参考に、コンクリートDIYでガーデンシェッドを施工してみましょう。ドア周辺や屋根部分は金属素材を埋め込んで強度を上げるようにしなければすぐに破損してしまうので注意してください。
DIYでは木材やアイアン素材、塩ビパイプなど初心者でも扱いやすい素材はたくさんありますが、生コンが自作できればコンクリートDIYに挑戦することも可能です。コンクリートを利用することで、これまでやっていたDIYも自作できる幅が広がります。自信がないならまずはプランターやキャンドルスタンドなど小物から始めるのはいかがでしょうか。