家の崩壊にも繋がってしまうシロアリ被害は、あなたの家もすでに魔の手がさしかかっているかもしれません。
すぐ目につくのであれば被害も分かりやすいのですが、屋根裏や軒下など分かりにくいところにシロアリが潜んでいることもあり、なかなか難しいのが現状です。そこで大事になってくるのがシロアリ予防対策ということになります。
シロアリ被害にあってからでは遅いので、ここでは自分でできるシロアリ予防対策をご紹介いたします。
まず基礎知識としてシロアリについて知っておきましょう。見た目は黒いアリとよく似ていますがシロアリは白く(赤いタイプもいます)、見た目とは裏腹で、私たち人間の被害は甚大なものへと繋がる可能性があります。
シロアリの巣のベース(本巣)は土の中にあり、そこからどんどん蟻が進める道を作っていき、まるで枝分かれのような分巣を作りだします。ちなみに家の木材が蟻の通る道として使われるため、木材の被害が甚大なものになっているのです。
シロアリの巣は思っている以上に大きく、本巣・分巣を繋ぎ合わせると最大100mもあるということも決して珍しいことではありません。
シロアリの数も多く、それだけ大きい巣になると数百匹には留まらず、数万匹を超える可能性も十分あります。だからこそシロアリの巣は、分巣だけを破壊しても意味がありません。
シロアリの巣を完全に撤去するためには、分巣を含む本巣を完全に除去しないといけないのです。
シロアリと言っても、日本だけでも20種類以上のシロアリが発見されています。それぞれ特徴がありますので、1種類ずつ確認していきましょう。
シロアリの被害と言っても初期段階ではなにも分からないことが多いです。しかしシロアリの被害はどんどん拡大し、「気が付けば取り返しがつかなくなってしまった」なんていうケースがあるのは事実です。
例えばシロアリによる被害はこのような2ケースのパターンがあります。
実際にシロアリの被害に合わないためにも、普段からシロアリの予防対策をするようにしましょう。ここでは具体的な予防場所や、見落としがちな点をご紹介します。
ここ最近の新築住宅であればシロアリ予防工事が行われているので数年は心配無用ですが、それでも築5年後以降になってくると本格的なシロアリ予防対策が必要になります。
一般的にシロアリ予防対策は5年に1度行うことになっています。どんなに効果が高いシロアリ予防対策だとしても、5年で効果は弱まります。家を強化するという意味でも、5年に1度のペースでシロアリ予防対策を行いましょう。
シロアリ被害は木造住宅だけではありません。鉄筋コンクリートであってもシロアリ被害の報告は多いのです。その理由は、鉄筋コンクリートの隙間・ヒビからシロアリが浸入すること、湿気が多くシロアリが好むこと、シロアリのエサがたくさんあるということからです。
鉄筋コンクリートだからと言って安心できるというわけではないのです。鉄筋コンクリートでも5年に1度はシロアリ予防対策を行ってください。
シロアリ予防対策って意外と自分でもできることがたくさんあります。シロアリ予防対策=業者というイメージがありますが、まずは普段の生活の中で行えるシロアリ予防対策をチェックしてみましょう。
シロアリは湿気が多い空間、そして暗い空間をとても好みます。それならばシロアリが来なくなるような環境をつくってみましょう。例えば1日1・2回部屋の換気をしてみてはいかがでしょうか。
窓を開けたり、風呂場のドアを開けたり、換気扇を付けたり、自分でできることはたくさんあります。ほんの少しの手間でシロアリ被害を予防することができるのです。
多くのシロアリが木材を好むため、木材を多く設置しておくのはあまりおすすめできません。特に建物の周りには木(朽木や沈木など)は置かないよう気を付けて下さい。
1度シロアリのお気に入り場所として認定されてしまうと、1度に数百匹~数万匹まで増える可能性もあります。
意外と盲点なのですがシロアリは段ボールも好むので、木材以外にも段ボールを放置するのは止めましょう。
シロアリは明るい場所、風通しの良い場所を極端に嫌います。そのためにも家の周りにはあまり物を置かず、暗い空間、湿気が溜まりやすい空間を作らないようにすることが大切です。
ここからは本格的なシロアリ対策方法をご紹介します。シロアリ被害のリスクをなくすためにも是非確認してみて下さい。ここでは主に4つの方法をご紹介しますので、ご自身の家に必要なシロアリ予防対策を実施しましょう。
バリア工法とは薬剤を家の前や家の木材にまいたり塗布することでシロアリを撃退する方法です。床下など気になる場所に直接薬剤を施すことで、ダイレクトに効果を実感することができます。
ただし人間やペットに影響が出る場合もありますので、使用する薬剤には十分注意をしましょう。
ベイト工法とは、シロアリに毒エサを食べさせて巣に持ち帰り、残りのシロアリも壊滅させる方法です。即効性はないかもしれませんが、新たなシロアリを増やさなくなるのは確かです。
定期的に毒エサを置く必要があるので、長い目で見るとバリア工法よりは費用が高くなってしまう可能性もあります。
木部処理とは、木材に直接シロアリ殺虫剤(駆除剤)を塗ってシロアリを寄せ付けない方法です。ドリルで木材に穴を開け、薬剤を注入します。そして木栓を打ち込み、強度を高めます。
更に柱、土台、束柱などに薬剤をふいて仕上げます。ちなみにこの作業を250か所(※30坪の場合)に行うため、シロアリ予防効果は非常に高いです。効果の持続も長いので、長い目で見るとおすすめとなっています。
土壌処理とは、その名の通り土壌(地面)に薬剤をまき、土壌(地面)からシロアリが浸入するのを防ぐ方法です。基礎の内側、配管の立ち上がり、束石は特にシロアリが侵入しやすくなっていますので、重点的に薬剤をまきましょう。
シロアリ予防対策として業者に依頼した時に必要な費用をまとめました。もちろん業者によって差はありますが、参考までにご確認下さい。(※30坪の住宅で計算しています)
工事種類 | 基本料金 | 30坪の場合 |
---|---|---|
バリア工法 | 6,000円 | 18万円~20万円 |
ベイト工法 | 16万円 | 26~30万円 |
業者にシロアリ駆除や予防対策を依頼すると確実ではありますが、その分コストが大きくかかります。予算的に無理な場合は自分でもシロアリ予防対策ができますし、ご自身の都合に合わせて検討してみましょう。
ここでは業者を選ぶポイントやコツをご紹介します。費用だけが高くてシロアリ予防対策の効果が薄いということがないように、業者は慎重に選ぶ必要があります。
シロアリ業者に依頼する時は、こういう点にも注目してみて下さい。もしここで紹介する項目に心当たりがある場合は、悪徳業者の可能性もあるということを頭に入れておきましょう。
シロアリ予防対策は業者に依頼することもできますが、自分でもできることはたくさんあります。ほんの少しの手間でシロアリが寄り付かなくなる家づくりができるので、この機会にシロアリ予防対策について考えてみましょう。
木造住宅、鉄筋コンクリート関係なくシロアリ予防対策は行う必要があるので、簡単な方法からチャレンジしてみて下さい。