新生活などを始める際、新しい冷蔵庫を導入した時には古い冷蔵庫は処分してしまう事が多いでしょう。家具の中でも特段大きく、また冷蔵庫の処分については法律によってリサイクルが義務付けられています。今回は、そんな冷蔵庫の正しい処分の仕方、そして費用についてを解説します。
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新生活を始める為に引っ越しをする時などには、新しく家電を用意する事も珍しくありません。この際、冷蔵庫を新しく買い替える事もあるでしょうが、古い方のものに関しては正しい手続きを踏んでの処分を行う必要があるのです。
家具の中でも大きな冷蔵庫は、処分を考えた時に真っ先に思い浮かぶのが粗大ごみとしての廃棄なのではないかと思われます。しかし、冷蔵庫は家電リサイクル法に依って定められている4つの家電のうちの1つに数えられており、粗大ごみには出す事が出来ないのです。
そして後に詳しく解説しますが、引き取りを求めている家電の排出者側は、引き取り手である業者側の求めに応じ、必要な料金を支払う必要もあるので、ただで処分ともいかないのが現状です。
前述した家電リサイクル法で定められているのは、冷蔵庫や例投稿の他にテレビ、エアコン、洗濯機を合わせた4つで、これらの家電が家庭から廃棄しようとする場合、小売業者や製造元のメーカーに引き取ってもらい、有用な部品などのリサイクルを推進するものです。
2001年よりこの法律が制定され、粗大ごみとして冷蔵庫などの家電を処分する事は不可能となりました。こうして廃棄する家電の数を減らす事が、法律によって義務付けられています。
前述した通り、冷蔵庫に限らず法律で定められている家電を廃棄に出す場合、無料で引き取ってもらえるわけではありません。引き取る側である小売業者や販売メーカーから費用を求められた場合、排出する側はそれに応じる事も義務なのです。
実際に冷蔵庫をリサイクル法にのっとって業者に引き渡す際、容量が170L以下のものなら3,672円から、それ以上の容量なら4,644円からと、容量に依ってかかる料金が分かれます。ちなみに、エアコンだと972円、テレビだと液晶かブラウン管かで分かれ、洗濯機や乾燥機は2,484円からとなっています。
以上、冷蔵庫を粗大ごみとして処分できない理由と、法律にのっとった廃棄の仕方についてを簡単にではありますが解説しました。ここからは、本題となる冷蔵庫の処分の仕方を紹介します。まずは、家電量販店に引き取りを依頼する方法からです。
冷蔵庫を廃棄するというのは、新しく使用し始める冷蔵庫を家電量販店等で購入したタイミングである事が大半でしょうから、量販店に処分も依頼してしまおうというものです。この場合、リサイクルの料金に加え、収集や運搬の料金も量販店で支払います。
引き取りをする際の費用に関しては、量販店に依って細かい差があります。例えばヤマダ電機なら、171L以上のものは5,724円、それ以下は4,752円で、収集と運搬の費用が1,080円、合計で6,000円から7,000円弱という所に収まります。同じ条件でヨドバシカメラだと、171L以上で4,644円、それ以下が3,672円で、運搬量が540円と比較的安価になります。
2つ目は、オークションやフリマアプリを活用する方法になります。費用は必要ありませんが、個人で冷蔵庫の様な大型のものを送りに出すのは大変で、その日のうちには配送の依頼ができず、大型の家電に対応している配送業者を探さなければならないなど、手段の1つであるとはいえ他よりもはるかに時間と手間を要します。
この場合の費用に関しては、オークションやアプリで落札されたのであればゼロであり、それどころか収益が発生します。しかし、前述した通り出荷をするのも直ぐにとはいかず、多大な時間と手間を要してしまいますので、それ程大変ならば普通に量販店に引き取りを依頼するか、後述するリサイクルショップへの買取依頼をする方が良いケースが多いです。
3つ目の方法は、処分したい冷蔵庫を購入した販売店に引き取ってもらうものです。1つ目の新規で購入した販売店ではなく、古い方を購入した小売店に頼る方法で、1つ目の方法と同じく処分の際にはリサイクルと運搬の料金を同様に支払います。
もしも購入した店舗が分からない場合には、法律に該当している家電4点を扱っている販売店なら何処でも構いませんので、店舗に収集を依頼しても良いです。販売する側もリサイクルするために受け付ける義務が生じますので、基本的に収集を断られる事は無いです。
こちらの方法の場合でも、ヤマダ電気なら171L以上は5,724円、それ以下の容量のものは4,752円、他店舗に関してもリサイクル料や収集など、費用に関しては1つ目の方法と同様の金額になります。家電を購入した事が無いからと言って、新規購入の方法よりも割高になるという事はありません。
4つ目のリサイクル券の購入というのは、指定の取引場所へ持ち込んで処分をしてもらう方法になります。全国の郵便局で必要事項を記入すれば、家電のリサイクル券を購入する事が出来、時間と場所が指定されますのでそこへ処分したい冷蔵庫を持っていきます。
この方法は、今使っている冷蔵庫はもう必要無くなり、新しいモデルを揃える事は考えていない方におすすめです。出張費や運搬の費用等は罹らず、リサイクルの料金のみで済みますので、販売店に依頼する方法と比べても費用は安く済みます。
気になるリサイクル料金についてですが、170L以下の容量のモデルの場合には振込手数料込みで3,740円、171L以上の冷蔵庫では4,730円となっています。また、最寄りの指定取引場所については家電製品協会のホームページにて確認出来ます。
基本的に必要の無くなったものは新規で購入する販売店か、購入をした方の販売店へ処分を依頼するのがよく取られている方法です。しかし、新しく買い替える予定が無く、且つ購入した店を覚えていない、若しくはすでに無くなっている場合は、市町村へ問い合わせて処分の仕方を教わります。
方法についてはお住まいの市町村に依って異なりますが、住まわれている自治体が処分をしてくれたり、引き取りをしてくれる小売店や処分を許可されている業者を紹介してもらえる場合もあります。
この方法の場合の費用についても、問い合わせをした際の対応と同じく市町村や自治体に依って異なりますが、例として東京で対応してもらえる家電リサイクル受付センターで案内される際には、170L以下でリサイクル料3,672円に運搬料金が1,000円から4,000円ほどかかります。
最後は、リサイクルショップに引き取りを依頼したり、という方法です。比較的新しめの冷蔵庫を処分するのであればショップで買い取ってくれる事があり、この方法であればリサイクル券を購入するなどの必要もありません。
但し、此処で買い取ってもらえるのは人気の高い機種であるか、且つ製造されてから5年以内のものであると言われています。ですが、その範囲内に収まっているのなら、新しいものほど高く買い取ってくれる可能性が高くなります。
前述した通り、リサイクル券などは買い取ってもらう際に用意する必要もありませんので、買取が成立すれば処分に費用などはかかりません。買い取ってもらえなかったとしても、見積もりをしてもらって処分を依頼すれば、大幅に費用を減らせる事もあります。
無料で処分する方法も幾つかあり、1つは既に紹介したリサイクルショップでの買取依頼です。知人で冷蔵庫を必要としているのなら、そこで譲り渡すというのも方法の1つですし、職場等で利用するなど再利用の手段を考えても良いでしょう。
引き取りの依頼をする際に注意してほしいのが、無許可の業者です。家電を廃棄回収してよいのは「一般廃棄物処理業」の許可を得ている業者のみで、それを得ていない業者は大抵高額な処分の費用を請求しがちです。目安と照らし合わせ、正規の方法で処分しましょう。
大きな家電である冷蔵庫の処分については、ご紹介したようにいくつかの方法があります。中には費用をかけずに手元から離れさせるものもありますので、法律に反しない方法を取ってください。