庭に物置が必要という方もいるでしょう。既製の物置だと気に入ったデザインや素材のものが見つからないということもあります。思い切ってDIYで物置を作ってみるのも一案です。そこで今回は物置をDIYするための知識、作り方、物置をDIYするためのアイデアなどについてご紹介するので参考にしてみてください。
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DIYで物置や倉庫を作ろうと思っても、まず何から始めたらよいのか迷ってしまうでしょう。物置の種類や建築に必要な申請など、事前に必要な情報をチェックしてから物置のDIYを始めてください。物置の建て方や大きさによっては公的な申請が必要になるケースもあります。物置のDIYに着手してから「しまった」ということがないよう、よく確認することをおすすめします。
物置は大きく分けて小型タイプと大型タイプの2種類に分けられます。ベランダや玄関の脇などに置ける小型タイプであれば、スペースをあまり取らずコンパクトに収納できます。園芸グッズや工具など細かいものを収納するのが目的であれば小型タイプが扱いやすくて便利です。ベンチやボックスの形をしているものであれば、収納した後は上に座ってベンチとして使えるので一石二鳥です。
ガレージや倉庫のような大型タイプであれば、車やバイク、自転車などが収納できる上に雑貨を片付けたり、イスやテーブルなどを設置してちょっとした休憩スペースを作ることができます。最近はガレージ内をアレンジして趣味の空間を演出するガレージライフなども流行っています。家の中で趣味を追求するスペースはないけれど、自由にできる場所が欲しいと考えるのであれば、ガレージや倉庫をDIYしてみるのも一案です。
日本国内で建物を建てるときは、建築基準法を守る必要があります。「物置のような建物は小屋ではないのでは?」と考えるかもしれませんが、壁と屋根、柱から成り立っているのであれば「建物」に分類されます。物置が10平方メートルを超えると、建築確認申請という手続きを行わなければならないので要注意です。
この建築確認申請では、該当する建物が竣工時に書類に沿って建築されているかどうか自治体が審査する手続きとなっています。通過した場合、検査済証が発行されます。しかしながら、自分が作ろうとしている物置が建築確認申請の対象なのかどうか悩む方もいるでしょう。むやみに自己判断せず、行政に相談することが重要です。相談するときは以下のチェックポイントを参考にしてください。
・更地に小屋のみを新築するのか、 母屋が建っている場所に小屋を増築する形になるのか
・物置の大きさは10平方メートルを超えるかどうか
・都市計画区域と都市計画区域外 のどちらに所在しているか
・物置を建てる場所は、防火地域・準防火地域なのか、もしくはそれ以外か
・土地の用途地域は無指定となっているのか
DIYで物置を作ってみたいと思っても、DIYに慣れていない場合ハードルが高く感じることでしょう。しかし物置はキットを使ったり2×4(ツーバイフォー)工法で作ったりすれば意外と簡単にできます。ここで簡単な作り方についてご紹介するので参考にしてください。どうしても不安が残る場合は、既製の物置の外装をアレンジしてみるのも一案です。
物置の組み立てキットがあるのをご存知の方もいるでしょう。組み立てキットはすでに必要な部材は揃っており、床組みをした後、壁パネルを立ててから正面パネルを取り付け、屋根を組み立てて終了です。DIY初心者の方にぴったりのキットがあるので、気に入ったデザインのものを探してみましょう。商品によっては壁や屋根の色を自由に組み合わせて選べるものもあります。
2×4(ツーバイフォー)工法であれば、ホームセンターで必要な木材や釘などを揃えるだけで比較的簡単に物置ができます。2×4(ツーバイフォー)工法は木造枠組壁工法とも呼ばれ、アメリカで考案された建築法です。床、壁4面、天井という計6面で構成された木造の箱のような工法で、まず床を作ったらそこに壁4面を固定し、最後に屋根をのせるだけというシンプルな構造のため、物置作りで人気の工法の一つです。2×4(ツーバイフォー)木材を使用するので、2×4(ツーバイフォー)工法と呼ばれています。
ホームセンターなどへ行くと、既製の物置がたくさん並んでいますが、玄関周りに置くにはデザインが馴染まない、庭に馴染むような物置が欲しいということもあります。一から物置を作るのが面倒であれば、既存の物置をDIYアレンジするのもよいでしょう。
物置の壁の色を塗り替えたり、壁表面にシートや木材を張り付けるのもおすすめです。100円ショップでもウォールペーパーや防水シートなどが売っているので、コストをかけずにアレンジすることが可能です。自分に合ったイメージになるようにDIYしてみましょう。
物置を組み立てるときは、長く安全に使えるように基礎部分はしっかりと組み立てることが重要です。基礎をどうするかは、物置を置きたい部分の地質や日の当たり具合によっても変わってきます。ここで基礎部分について知っておくべきポイントをご紹介します。まずは基礎をきちんと固めましょう。
物置の基礎部分をブロックにするか土間コンクリートにするか悩む方もいるかもしれません。まず土間コンクリートとは、地面に砂利や砕いた石などを敷き詰めてしっかりとつき固め、そこにコンクリートを流し込んで固めた床のことです。ひび割れしないよう、鉄筋を入れることが多いです。
日陰でずっと湿っているような場所やコケが生えている場所、地面が柔らかく足跡がつくような場所は土間コンクリートで基礎部分を作る必要があります。地面に水勾配以上の傾斜があったり、風が強く吹いたりしている場合も土間コンクリートがよいでしょう。
日が当たる場所であれば、ブロックを置くだけで十分です。物置を砂利の上に置く場合は、ブロックを使って置き嵩上げをするのがおすすめです。置き嵩上げをすることにより、物置の下に水が溜まりにくく通気性が良くなるので物置の耐用年数もアップします。特にスチール製の物置の場合、錆を防ぐことができます。
物置を設置するときは、物置が固定資産税の課税対象になるかならないかについても注意しましょう。物置が地面やコンクリートの上に置いているだけの状態であれば、家屋とはみなされません。しかし基礎工事がしてあったり、土地などに定着したりしている場合は、家屋として認識され固定資産税の課税対象となるので気をつけてください。
物置のDIYにはどんな工具が必要なのか、作業を始める前にチェックしましょう。工具を購入したくない場合はホームセンターなどで工具のレンタルを行っている場合もあります。最寄りのホームセンターでレンタルできるか聞いてみるのも一案です。ここでおすすめの工具についてご紹介します。
ミニラチェットレンチを含むの36本ビート(25mmCRVドライバービット22本と延長アダプター1本、50mmCRVドライバービット5本、ラチェットレンチ1個、ドリルビット1本、六角ソケット5個とアダプター1本)
物置を作るとなると、様々な電動工具が必要になります。HYCHIKA(ハイチカ)の電動ドライバー充電式ドライバードリル であれば、ドライバービットやドリルビット、六角ソケットなどがセットになっているので、これ一つでマルチに活躍します。回転ハンドルで使いやすく、薄暗い場所での作業時にはフロントライトも点灯します。物置のDIYはもちろん、ほかの場面でも使えるので一度買えば長く使えるでしょう。
水平器も物置のDIYをするときにあると便利です。水平器とは、中に液体と気泡が入っており、その気泡の位置で水平かどうかを測る器機です。シンワ測定のブルーレベルBasic300mmマグネット付73490であれば昼間でも見やすくわかりやすいと評判です。傷や汚れから防ぐカバーはついていますが、防水性ではないので要注意です。
物置と聞くと、どうしても質実剛健なイメージですが、おしゃれな物置を作りたいという人も多いでしょう。物置は視界にも入りやすいので、せっかくであればおしゃれなものにしてみるのもよいでしょう。
ここではおしゃれな物置にするためのDIYアイデアについてご紹介します。海外では庭の一角にある物置がよい味を醸し出していることもあります。ぜひ参考にしてみてください。
自転車置き場と一体になっているタイプの物置であれば、自転車の収納をしつつ、工具や雑貨などを収納するスペースも確保できます。自転車置き場部分を屋根付きにすれば自転車も濡れずに保護できます。
物置の内部に自転車を収納するわけではないので、自転車の出し入れがしやすいのも魅力です。自転車収納部分を木材で作った壁で囲えば、自転車が視界に入りにくく見た目もすっきりとします。
既製の物置を買うと、どうしても配色が偏りがちです。家の外装がシックな色合いの場合は、そばに並べる物置もモダンな配色で統一したほうが見た目にもきれいです。既製の物置であっても、外側を好きな色に塗装するだけで重厚感のあるモダンな印象に仕上げることができます。
塗装だけならDIY初心者の方でもチャレンジしやすいので試してみてはいかがでしょうか。塗装することにより、物置の耐久性を高めることもできます。
オリジナルの物置を作りたい、庭に馴染むようなナチュラルな印象の物置を設置したいと考えるのであれば、漆喰塗装の物置がよいでしょう。どこかヨーロッパの田舎町にあるような印象の物置に仕上げることも可能です。
物置としてはもちろん、外側に小さなカウンターを設置すれば小物を置いたり、飲み物を置いてガーデンライフを楽しんだりもできます。庭のアクセントになるような、そんな物置を作ってみるのも素敵です。
鎧戸がついた物置であれば、こだわりの感じられる物置になります。普通の物置ではつまらない、どこか特徴のある物置にしたいのであれば、木製パレットを使って鎧戸付きの物置にしてみるのも名案です。
一見作るのが難しそうな鎧戸も、木製パレットを使えば比較的簡単に制作できます。鎧戸を使ってイギリスの庭にあるような、少しロマンチックな印象の物置にしてみるのもよいでしょう。物置の外壁の色に合わせて鎧戸に塗る色を選んでみてください。
100均グッズを使って物置のドアに窓を作るのも素敵です。窓としての役割は果たさずとも、窓枠に似せたものを付けるだけで、ドアにアクセントができます。100均グッズにある木材や木枠などを上手に組み合わせて窓の形にしてみましょう。中に鏡を張り付けるのもよいかもしれません。100均グッズを使えばコストもかかりませんし、気軽に楽しむことができます。
物置というと四角い箱状のものを思う浮かべる方が多いと思いますが、スペースを活用しようと思ったら庭の角などにL字型で物置を作って設置するのもよいでしょう。家の周りに四角い物置を置くスペースは確保できなくてもL字であれば置けるというケースもあります。物置だから四角くなくてはいけないということはありません。
物置の外壁が家の外壁と馴染まないようであれば、焼き杉の外装材を用いるのもありです。上記の写真では母屋の外装材に焼き杉が使われていますが、同じように物置の外装に焼き杉を使うとナチュラルで落ち着いた味のある雰囲気を醸し出すことができます。
焼き杉は炭化した部分が塗料のようになり、木材の内部までしっかりと守ってくれます。焼き杉は焼いていない杉よりも耐久性が高いので、野ざらしになりがちな物置の外装材にもぴったりの木材です。
ここで物置をDIYするときに役立つ豆知識について動画でご紹介します。動画を見て、自分で物置をDIYする際の参考にしてみてください。
動画内では、物置の基礎や物置のメンテナンス、物置のサイズやおすすめの物置のタイプなどについて紹介しています。経験豊富な現役エクステリアの商社マンが丁寧に説明しているので、プロの目から見たアドバイスが参考になるはずです。まずはDIYを始める前に、物置についての知識をしっかりと蓄えましょう。
今回は物置を自作する前に必要な知識や基礎部分を始めとした物置の簡単な作り方、物置のDIYをする際に便利な道具やDIYのアイデアなどについて詳しくご紹介しましたが、いかがでしたか。既製の物置を買ってきてそのまま使うのもよいですが、余裕があれば自分で物置のDIYをしてみるのもおすすめです。2X4(ツーバイフォー)工法でシンプルな箱型の物置を作るのもよいですし、外壁を漆喰や焼き杉で加工して雰囲気のある物置を作るのも名案です。
住まいを丸ごとDIYするのは難しいですが、物置であればサイズも小さめなだけに自力でDIYしやすいのが魅力です。DIY初心者も様々な電気工具を使ってオリジナルな物置作りにチャレンジしてみてください。