不動産投資は節税できる?節税対策の仕組みを徹底解説!

不動産投資には様々なメリットがありますが、その中の一つに節税があります。節税対策としての不動産投資を行う為に必要な知識として、税金と節税対策の仕組みを理解しておきましょう。節税する為の計算方法やリスク、確定申告のメリットまで、節税対策の仕組みを解説いたします。

不動産投資で節税対策することができる⁈


不動産投資のメリットの一つに節税対策が出来るという点があります。具体的にはどのような対策が可能なのかを解説いたします。

節税対策①所得税・住民税

所得税と住民税が節税できるポイントは、減価償却という実際の出費を伴わない会計上の赤字を、給与所得にぶつけて損益通算する事にあります。これは、ごまかしやカラクリではなく税務上できちんと認められている節税方法です。

節税対策②相続税

不動産投資が相続税対策として有効な理由は、相続する遺産が現金だと、まるまる課税されてしまう所を、不動産なら購入価格より大幅に低い路線価などの評価に対して課税されるからです。

もしもこの不動産が賃貸マンションなら、「借家権割合」が建物に適用され、約30%が、「賃家健付地」が土地に適用され評価額が更に20%圧縮可能になる為、更に有利になります。同じ価値なら現金相続より、不動産相続の方がずっと得策になります。

節税対策③法人税

企業が不動産投資をするのは、法人税を節税できるからです。

収益不動産は、購入の際、融資を受ける事で現金を手元に置いたままにでき、売却する事でいつでも現金化できます。

また不動産を保有している間は、税の繰り延べで税金を抑える事が出来ます。決算調整などで利益が欲しい時は、売却で利益を上げられるので、オーナーの意のままに税をコントロールするタックスマネジメントが行えるのです。

そして、税の繰り延べで節税できた現金は、無利息で金融機関からお金を借りたのと同じ効果を得られます。

不動産投資で得る所得にかかる税金


不動産投資で得た所得には、どのような税金がかかるのでしょうか?不動産所得にかかる税金について把握しておきましょう。

不動産所得とは?

不動産の所得には種類が3つあります。一つは建物や土地の貸付け、次に不動産の上に存する地上権などの権利の貸付けと設定、最後に航空機や船舶の貸付けで、その内、譲渡所得又は事業所特に該当しないものとなります。

節税対策で不動産投資を行うのであれば、「建物や土地の貸付け」が主になるかと思われますが、この不動産投資で得た所得に「所得税」がかかってきます。この所得税の割合は、不動産所得として算出され、その算出された値の大小によって、節税が期待できるかどうかが決まります。

課税対象となる不動産所得の計算

所得税の税率は「累進税率」という、所得が多くなるほど税率が高くなる仕組みが採用されています。具体的には、課税対象の所得が増えるごとに、5%~45%の7段階で高くなっていきます。

課税対象となる
所得金額
税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超え~
330万円以下
10% 9万7,500円
330万円超え~
695万円以下
20% 42万7,500円
695万円超え~
900万円以下
23% 63万6,000円
900万円越え~
1,800万円以下
33% 153万6,000円
1,800万円越え~
4,000万円以下
40% 279万6,000円
4,000万円越え 45% 479万6,000円

所得税・住民税が節税される仕組み


所得税に関して理解が出来たら、次は所得税・住民税が節税される仕組みを理解し、節税方法を把握しましょう。

減価償却による赤字を損益通算し所得を圧縮する方法

減価償却とは、高額で何年も使えるものに対して、購入した年に全額を費用計上するのではなく、何年かに分けて費用計上していくという考え方です。

例えば1億円のマンション(建物価格5,000万円)を購入し、減価償却期間を5年とした場合、減価償却費は年に1,000万円ずつ、5年間に渡って発生し費用計上します。経費を計上すると利益が減る為、利益にかかる税金は少なくてすみます。減価償却費は実際には支出を伴っていない為、正しく使えば手元の現金を増やす事が出来るのです。

ただし、不動産の場合、減価償却に計上できるのは建築物のみです。土地は経年によって価値が減る物ではない為、減価償却として計上できないので注意が必要です。

続いて損益通算で所得の赤字と黒字を相殺します。不動産投資の場合は、不動産所得の赤字を自身の給与所得とで相殺可能となっています。

例えば先ほどの例の1億円のマンション(建物価格5,500万円/利回り9%/耐用年数5年)を購入し、年間1,000万円の減価償却を行った方が年収1,200万円のサラリーマンだったとします。この時、実際の不動産所得の手残りは100万円ということになりますが、会計上では500万円の赤字になっています。

家賃収入 900万円
諸経費(固定資産税、管理費等) ▲200万円
借込返済(元本部分) ▲400万円
貸入返済(金利部分) ▲200万円
実際の手残り 100万円
減価償却費 ▲1,000万円
会計上の収支 ▲500万円

会計上の赤字500万円と年収1,200万円を損益通算すると、納税金額は年収700万円程度の場合と同程度になり、所得の圧縮に成功したことになります。その際、減価償却費が大きいほど会計上の赤字が大きくなるので、より多くの所得を圧縮でき、節税効果が高まるのです。

法人化すると得られる節税効果の方法


法人化する事で得られるメリットは、実は2つだけと言われています。一つは青色申告をした際、税務上で出た赤字(欠損金)を10年間繰り越せる事、もう一つは減価償却を行うかどうかを選べる事です。青色申告をしている法人の場合、法人税にかかる部分の所得をコントロールしやすくなります。

例えば初年度に赤字が500万円出たとしても、2年目以降の年度に赤字計上を分割して出せる為、利益が多く出た年に赤字計上をして、黒字と相殺し納税額を相殺出来るのです。個人だと繰り越しは3年なので、法人化した方が有利です。

ただしこの方法は、青色申告をしていなかったり、5棟10室という規模基準を満たしていない場合は赤字の繰り越しが出来ないので注意が必要です。

法人の譲渡税率 個人の譲渡税率
23% 短期譲渡 長期譲渡
40% 20%

法人は減価償却をしない選択ができ、物件を所得してから5年以内に売却を行う短期譲渡の際、譲渡税部分がお得になるというメリットがあります。法人・個人問わず、物件を売却する際には、売却で出た利益に譲渡税が発生します。

法人で減価償却せずに取得物件を売却した場合、物件の取得価格と売却の簿価の差が大きくない為、譲渡税が発生する利益部分が小さくなります。また譲渡税率も個人で短期譲渡した場合に比べ、大幅に低い税率となっています。

個人で不動産所得をした場合、減価償却は必ずしなければならないので、譲渡部分の利益が大きくなってしまいます。更に短期譲渡だと40%も譲渡税がかかるので、売却しても手元に利益がほとんど残らないという事にもなりかねません。以上の理由から、短期譲渡を考えているのなら、断然法人化をおすすめします。

不動産投資の節税には確定申告する必要がある


会社勤めをしていると、確定申告にあたる作業は全て会社がやってくれるので、確定申告をした事が無いという方も多いのではないでしょうか。しかし不動産投資の為に不動産を取得した場合、確定申告は必須となります。

不動産所得の金額の求め方は、総収入金額から必要経費を引いた額になります。算出された金額がマイナスになっていたとしても、確定申告はするべきです。長期空室による収入減や、高額な修繕費でマイナスが出た場合は申告する義務はありませんが、不動産所得がマイナスの場合、給与所得と損益通算して、払い過ぎた所得税が還付されます。

総収入金額 必要経費
家賃
地代
礼金
権利金
敷金、保証金の内、返却を行わないもの
更新料
税金(固定資産税等)
損害保険料
管理委託費
司法書士や税理士への報酬
減価償却費
修繕費
借入金利子
入居者募集の為の宣伝広告費

赤字だからと確定申告しないのではなく、損益通算による還付金を受け取る為にも確定申告はしておきましょう。ただし土地に係る借入金利子は損益通算出来ませんので注意してください。

節税目的のみの不動産投資にはリスクがひそむ

不動産投資には節税効果がありますが、しかし節税だけが目的になると、途端に不動産投資はノーリスクではなくなります。バランスの取れていない不動産投資は危険と背中合わせです。

不動産投資は利益を出すもの

不動産投資とは利益を出す事が大前提です。そして得た利益に対して節税を行うのが正しい方法なので、年間数万円の為に不動産投資で損を出すという方法は、既にその時点で失敗していると言えます。不動産投資で物件を購入する際は、節税目的だけを考えず、まずは利益の出る物件を選ぶ事が大事です。

不動産投資の失敗事例


まずは「メリットだけを見て始める」失敗例です。どんな事にもメリットがあればデメリットもあります。不動産投資を始める前には、デメリットもしっかりと把握しておくべきです。不動産における経費や家賃収入は常に一定ではありません。景気の動向や建物の築年数によって変動します。メリットだけを享受できるわけではないので注意してください。

次に「全て同じ方法で成功すると思っている」失敗例です。例え一度成功した方法だとしても、物件や地域が変わればやり方は変えるべきです。

例えば日本で成功したので海外でも不動産投資を始めようとしたとします。海外の不動産投資には「カントリーリスク」という、通貨の急落や急激なインフレ、政権の交代、内乱や戦争など、その国の社会情勢の変化により資産価値が変わるリスクがあります。

特に新興国に起こりやすいリスクですが、こういったリスクを考えず、日本と同じ方法で海外不動産投資を行うと、大変危険です。必ず現地の情報をしっかりと入手するようにしましょう。

最後に「目先の利益だけを求めた」失敗例です。不動産における経費や収入は常に一定ではないので、現在は高利回りだとしても数年後は変わっている場合があります。

築年数の経過による空室の増加や、それに伴った家賃の減額による収入減というリスクもあります。またローン利息の上昇や経年劣化による修繕、管理費の増加等のリスクも当然起こるので、目先の利益だけでなく、中・長期的な視点での不動産投資を行う事をおすすめします。

不動産投資の節税は上手にしましょう


不動産投資の節税は、まず利益を上げてから節税対策を取る事がポイントです。節税対策だけに考えが偏り、結果として損をしてしまったという本末転倒にならないよう、バランスを取って上手に節税を行いましょう。

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※記事の掲載内容は執筆当時のものです。