一人暮らしをするとなると、どこにどれだけの費用がかかるのかを計算することも多いでしょう。そんな中、電気代は食費などと同じく必ずかかる生活費の中の1つです。安くなるに越したことはありませんから、節約の仕方も知りたいところ。今回は一人暮らしの電気代の平均や、節約の仕方を解説します。
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一人暮らしとなれば、様々な費用を計算して収入と支出のバランスをとることが大切になります。費用にもいろいろある中、電気代は平均してどの程度かかっているのでしょうか。まずは一人暮らしの電気代の平均などを見てみましょう。
全国の一人暮らしの方の電気代の平均は、総務省の統計局のデータを基にして得られます。一人暮らしの方のうち、世帯主が会社に勤められていたり、官公庁、学校など働いている勤労者世帯の方の中では、平均して4,219円という結果になっています。
そして、勤労者世帯かどうかに限らず、全国の一人暮らしの家の電気代の平均を見てみると、5,392円でした。全国の平均額と比べてみると、勤労者世帯は仕事で家を空けている時間があるため、その分は電気代が安くなっていることが分かります。
続いて、IHなどのオール電化の世帯の電気代の平均も見てみると、月の電気代は10,751円という数字が出ています。一般の勤労者世帯やそうでない一人暮らしの方の平均と比べてみると、倍以上、それに近い差があります。
これは、コンロなどもIH式ですべてが電気式であり、ガス代や灯油台といったほかの費用が必要なくなった分、電気代が増えているのです。この平均額よりも高いのならば、節約術を実践してみたり、プランを見直してみると平均以下に抑えられることも十分可能になるでしょう。
平均の電気代の額について紹介しましたが、実際に一人暮らしをされている方は平均額以下だったでしょうか?では、理想的な電気代はどの程度の額になるのかというと、東京都環境局の調査では、戸建ての場合218kWh、マンションなどの集合住宅なら184kWhが目安となるようです。
料金に関しては契約されている電力会社によって差は出てきますが、仮に基本料金が300円で、電力量ごとの料金が1kWhから120kWhで20円、121kWhから300kWhが30円としたら、戸建てで5,150円、集合住宅では4,300円と、大体4,000円から5,000円に収まると理想的な模様です。
一人暮らしの電気代の平均額と、世帯による理想的な電気代の額が分かりました。出来ることなら年間通じで平均以下の安い電気代に抑えたいというのは皆が思うところでしょうが、季節ごとで電気代は異なってきます。
月の電気代の平均が比較的高くなるのは、やはり冬や夏の時期になります。ではどちらのほうが電気代が高くなるのかというと、これも総務省統計局のデータから算出したところ、2019年の7月から9月までの電気代平均が5,059円、2020年1月から3月は6,535円でした。
数値からわかる通り、冬のほうが1,476円、ひと月当たりで換算すると約492円高くなっています。ちなみに、2人世帯の場合では冬のほうが2,736円、3人世帯であっても3,156円と、世帯人数別でみてもどこも冬のほうが電気代が高かったのです。
近年の日本の夏は非常に暑いため、エアコンの使用時間も長くなりがちで夏場のほうが電気代が高くなりそうなのに、なぜ冬場のほうが高くなりがちなのかというと、1つは冬のエアコンの設定温度と外気温の差が夏よりも大きいため、暖房費が多くかかってしまうことが挙げられます。
夏場は日照時間が長く、冬場は逆に短めになり、朝夕に電気をつけている時間が夏場よりも多くなることも原因の1つと考えられますし、夏と比較すると外出する頻度も控えめになる傾向があり、在宅時間が長く家電の使用頻度が多くなるのも関係しているといえます。
特に電気代の高くなりがちな夏場と冬場の平均額と、なぜ冬場が高くなるのかの理由についてもわかりました。当然ながら、安く抑えられるのであれば抑えたい所でしょう。そこで、電気代の節約術をいくつか解説します。
まず、家電の使い方を見直してみましょう。例えば洗濯機は乾燥する時期に特に電気代がかかりがちですが、電気料金プランの単価の安い時間帯にタイマーをかけて使用すれば、年間で8,500円以上の電気代の節約ができる計算となります。
エアコンは夏でも冬でも使う電気代のかかる家電の筆頭ですが、扇風機やサーキュレーターとの併用が効果的です。部屋全体の温度を効率的に調整でき、1つの部屋で年3,000円近く節約できますし、設定温度も夏場なら28℃、冬場なら20℃が最も電気代が安くなります。
使用する家電を省エネ家電にするのも、コツの1つです。省エネ家電といってもいろいろありますが、基準となるのが「省エネルギーラベリング制度」というもので、国の省エネルギー基準を達成していれば緑、達成していなければオレンジのマークが記されます。
緑色のマークの中で、省エネ達成率の数値が大きければ大きいほど、より電気代が安くつくということになります。また、小売店などではこの達成率を星の数で表していますから、選ぶ際の参考にするとトータルの電気代も安くできます。
こうした家電の使い方や選び方によっての節約術も間違いなく効果があるのですが、どうも電気代が平均の値よりも高いという時には、自分の契約している電気料金プランの見直しをしたほうが、根本的な解決につながる可能性が高いです。
まず、契約アンペアの見直しからです。契約アンペアというのは一度に流される電気の量のことであり、このアンペア数が高ければ高いほどに、同時にたくさんの家電を動かせはしますが、その分電気代も高くついてしまいます。
逆に数値が低ければ、たくさんの家電を一度に動かすとブレーカーが落ちてしまいますが、日ごろの電気代は安く抑えられます。大抵の電力会社では一人暮らしに20~30アンペアを目安としていますから、それほど家電を使わないのに目安よりもアンペア数が高いなら、下げたほうが良いです。
もう1つ、電力会社との契約プランそのものを見直すのも1つの手です。電力会社では様々な契約プランがあり、夜間の電気代が割安になったり、朝方が割安になるプランなどがあります。自分のライフスタイルに合う契約プランなら、同じ家電の使い方をしていても電気代は安くなります。
また、契約できるプランは先に述べた契約アンペア数によって異なります。多くは公式ウェブサイトの中で「日中は家にいる時間が長い」「夜間に電気を多く使う」など家電の使い方によってプランを探すことができますから、最適なプランはどれなのか探してみましょう。
今契約している会社のプランの中に自分のスタイルに合うものが無かったり、これから一人暮らしをはじめるにあたって会社を選ぶ際には、事前にしっかりと調べておけば、電気代を安くできる可能性があります。
2016年には家庭向けの電力が自由化され、今まで地域ごとで契約できる会社が決まっていたのが、自分で自由に選べるようになりました。それに合わせて新しい電力会社も増加し、独自の料金形態を提供しているところも増えています。毎月どの程度の電力を使っているのか、契約アンペア数などを把握すれば、見合った安いプランも見つかるでしょう。
ただし、家電製品を極力使わないなど、最大限電気を使わない生活をしているというような場合、それ以上安くはできません。また、契約がアンペア制でアンペア数が20以下の場合、それ以下の契約自体無い場合もあります。
地域によってお勧めできる会社は異なり、例えば東北、中部、九州エリアでの一人暮らしならENEOS電気が、関東ではCDエナジーが、関西や中国、沖縄ではシンエナジーと、それぞれ最安値とされる会社がありますので、一度チェックしてみましょう。
生活の中で確実に必要になる電気代は、可能な限り安くしておきたいものです。もし平均よりも高い額になっているようであれば、自分の生活スタイル、契約しているプランなどを見直してみてください。