キッチンや洗面所などの排水口掃除に便利なパイプユニッシュですが、より効率良く使うためにはどうすれば良いのでしょうか。説明書きを読んでなんとなく使う方も少なくありません。こちらの記事ではパイプユニッシュの使用方法や効果、使う頻度の目安などを詳しく解説していきます。パイプユニッシュの正しい使い方を知って、清潔感ときれいさを保ちましょう。
目次
パイプユニッシュは家庭用洗剤を扱うアメリカの化学薬品メーカー・SCジョンソンの排水パイプ用洗浄剤です。ジェルタイプや錠剤タイプ、粉末タイプがあり、使い方によって選ぶと良いでしょう。
パイプユニッシュ溶液の成分は溶剤である水や酸化剤の次亜塩素酸水、アルカリ剤の水酸化ナトリウム、界面活性剤のアルキルアミンオキシドや脂肪酸ナトリウム、安定化剤からできています。
種類によっては防サビ剤のけい酸塩やスルファミン酸、固化防止剤の珪藻土、非イオン界面活性剤の高級アルコール系などを含む場合もあります。どれも汚れや詰まりをしっかり落とすための強力な薬剤が含まれているので、取り扱いや使い方には注意が必要です。
パイプユニッシュの効果は商品パッケージにも記載されているように、排水パイプや排水口の流れが悪くなったときや汚れ、ニオイを除去してきれいにする専用クリーナーです。汚れや悪臭の元であるカビやバクテリアを殺菌除去してくれます。
繁殖した菌以外にもヘドロや髪の毛などのタンパク質を溶解し、油や石けんカス、洗剤が付いて通りが悪くなったパイプをきれいにする働きもあります。使用後は付着防止剤によって汚れが付きにくくなる効果も含まれています。
悪臭や汚れ、詰まりに便利なアイテムですが、どこにでも使える、という万能アイテムではありません。パイプユニッシュが利用できるのはキッチンや洗面所の排水口、浴室、洗濯機の排水パイプなどになります。
つまりキッチンや洗面台、お風呂にある排水パイプに使うことができ、その3箇所の汚れやニオイ、詰まりであれば解消することが可能です。また、汚水を処理するための家庭用合併式浄化槽は、大量に使いすぎなければ利用してもOKです。
家の中で詰まりが発生する場所といえばキッチンなど以外にトイレがありますが、実はトイレの詰まりにパイプユニッシュを使っても効果はありません。そもそもトイレが詰まる多くの原因はトイレットペーパーなので、菌や髪の毛、ヘドロではないためパイプユニッシュの成分が効きません。
しかしパイプユニッシュを使ってトイレの詰まり解消を手助けすることは可能です。トイレに詰まったトイレットペーパーは、水に浸かっていると少しずつ分離しますが、パイプユニッシュをプラスすることでこの分離を早める手助けをすることができます。
詰まったトイレットペーパーの量が少量であればパイプユニッシュを流して分離を促す方法もあります。それでもあくまで少量の場合の手助け程度しか効果はないので、トイレの詰まり解消にはラバーカップを浸かったほうが良いでしょう。
元々パイプユニッシュの使い方は薬剤を入れてしばらく放置、水を流すだけなのでとっても簡単です。流す分量は使用する場所や用途によって異なるのでパッケージに記載されている使用方法を見るといいでしょう。
あとは15~30分ほどしてからしっかりとたくさんの水を流せば、薬剤と一緒に分解された汚れが落ちます。より効果を発揮させるためには、取り除くことができるゴミはあらかじめ除去しましょう。使用時にはできるだけ換気することをおすすめします。
排水口掃除に便利なパイプユニッシュは使用後の汚れやニオイを抑える働きもありますが、ずっと効果が続くわけではありません。そこで場所ごとの使用頻度を見てみましょう。
髪の毛や石けんカスが多い洗面台は半月に1度、1カ月2回の目安で使うのがおすすめです。特に現在はハンドソープを使って手を洗う頻度も増えているので、パイプユニッシュで汚れを落とすことで悪臭や詰まりを防ぐことができます。
洗面台同様に髪の毛や石鹸カスが溜まりやすいお風呂場は、1カ月1~2回の使用が良いでしょう。特に家族が多い場合には汚れや髪の毛も多くなるので、適度にパイプユニッシュできれいにすることをおすすめします。
浴室はシャンプーやボディシャンプー、石けん、髪の毛だけでなく身体を洗ったあとの皮脂なども汚れの原因となります。湿度が高くジメジメした浴室の排水口は、きれいな状態を保つことで悪臭・詰まりに悩まされることはありません。
油汚れやヘドロで頻繁に水が流れにくくなるキッチンは、季節によって使用頻度を分けるといいですが、基本的には1~2週間に1回がおすすめです。
キッチンは洗い物から出る油汚れや食品の食べかす、キッチン洗剤など毎日のように汚れが溜まります排水口にこの汚れが溜まってくると排水パイプ側面に汚れが付着し、悪臭や詰まりの原因となります。特に夏場は菌が繁殖しやすいので週に1回のパイプユニッシュが効果的です。
排水パイプの掃除に効果的なパイプユニッシュも、使い方を間違えると逆効果になったり、人体に悪影響を及ぼす危険もあります。パイプユニッシュを安全で効果的に利用するためにも、使用時の注意点をしっかりとチェックしておきましょう。
最も気をつけるべき点は他の洗剤と混ぜて使わないことです。パイプユニッシュの成分は塩素系のため、酸性タイプの洗剤が混ざってしまうと化学反応によって有毒ガスが発生します。
他の洗剤や石けんを使う場合は、万が一を考えてパイプユニッシュをしっかりと水で流してから、できれば1時間程度してから使うようにしましょう。キッチンでは洗剤だけでなく、クエン酸にも注意してください。
パイプユニッシュは長時間放置しないようにしましょう。これは詰まりやニオイがひどいときや、しばらく排水口の掃除を怠っているときに意外とやってしまうことですが、実はパイプユニッシュは長く時間を置くと逆に詰まりの原因になってしまうのです。
使用方法でも150~30分とありますが、それ以上になれば分解された汚れや髪の毛などと溶液が固まり底に沈殿します。そのため正しい放置時間で使うようにしてください。もし1回の使用で汚れやニオイが取り切れない場合には、長時間放置ではなく繰り返し使うようにしましょう。
パイプユニッシュの成分は石けんカスや髪の毛に絶大な効果を発揮します。そのためそれ以外のもので排水口が詰まっている場合は、意味がないので注意してください。
まずは使用前に詰まりの原因を把握してからパイプユニッシュを使ってください。パイプユニッシュはプラスチックやビニール、紙、布、ゴム、金属は分解できないので、洗面所に歯ブラシが落ちたからといってパイプユニッシュを使っても意味がないので気をつけましょう。
こちらも長時間放置同様にやりがちですが、熱湯は使用不可となっています。油汚れがあるキッチンでは熱湯のほうが落ちやすい、と思われるかもしれませんが、パイプユニッシュの成分は塩素系のため、熱いお湯を入れると有毒ガスが発生する場合もあります。
また、熱湯をかけることでニオイがキツくなるので、溶剤を流すときは熱湯は避けて水を使うようにしてください。パイプユニッシュ使用時に限らず、塩化ビニル系の排水パイプに熱湯を流すのは劣化を早めることにもなるのでやめましょう。
先程も記述したように、パイプユニッシュは長い時間放置してしまうとせっかく分解した汚れなどが固まってしまいます。時間を見ていなかった、流し忘れたなどで詰まってしまったら、もう一度パイプユニッシュを流して今度は適切な時間放置します。それでも解消できない場合はラバーカップやワイヤーブラシでチャレンジしてみてください。
排水管クリーナーはニーズに合ったタイプを選択できるので、ここからはおすすめの商品をピックアップするのでチェックしてください。詰まりや悪臭除去だけでなく予防的に使えるタイプもあるので、用途に合わせて使い分けるといいでしょう。
一般的に良く使用されるタイプがこちらの【ジョンソン・パイプユニッシュ】です。キッチンや洗面所、浴室、洗濯機の排水パイプとマルチに利用でき、濃い粘度によってパイプ側面にこべりついた汚れもしっかり落とします。定期的な使用で汚れやニオイ対策になり、きれいな状態を保つことができます。
【ジョンソン・パイプユニッシュ激泡パウダー】は粉末タイプで、排水パイプに入れると水と反応して発泡します。細かい隙間まで泡が入り込み、隅々まできれいに汚れを落としてくれます。こちらは非塩素系なので、塩素系の匂いが苦手な方にもおすすめです。また、配管が横向きになっている場所にも使いやすくなっています。効果的に使うなら、先に40~50度のお湯を流して固まった油分を柔らかくしてからパウダーを投入するといいでしょう。
【ドメスト・パイププロ】は油汚れ分解が得意な水酸化ナトリウムが2%、パイプユニッシュより若干ですが油汚れに強いので、キッチン排水口や皮脂・石けんカスの多い風呂場におすすめです。掃除専門業者もおすすめするパイプクリーナーで、他のパイプクリーナーと比較しても粘度が高く、汚れにしっかりと絡みついてくれます。
粘度の高さが優秀な【サニボン・パイプ泡パワー】は、発泡タイプではなくボトルから泡が直接出てくるタイプで、水酸化ナトリウム3.5%配合で、汚れの溶解力と粘度共に優れた威力を発揮します。スリムタイプの注ぎ口が溶液を流しやすく、大容量のため1本で複数の排水口に使うことができます。スーパーやドラッグストアではあまり入荷されていないようなので、Amazonなどネットショップを利用するといいでしょう。
キッチンや浴室は汚れが溜まりやすく、すぐに悪臭が漂ってきます。パイプユニッシュがあれば簡単手軽に排水口がきれいになるので、定期的な掃除におすすめです。安全・安心に使うためにも正しい使い方を知って、上手に排水口を掃除してみましょう。