大切に乗っているバイクにも、錆が発生してしまうのはよくある話です。金属部品を多数使用している関係上、メンテナンスを怠るとあちらこちらに錆が出てしまう事になります。除去する方法やアイテムもありますので、有効に活用しましょう。今回は、バイクの錆取りに効果的なアイテムと、錆取りの仕方を解説します。
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バイクに錆が付いてしまう主な原因としては、雨水や酸素と反応しての酸化を起こす事です。バイクに多数使われている鉄金属はこれらによって腐食が進行し、特に雨水に関しては錆付きが起きる最も大きな要因と言えます。
特に、日本の梅雨の時期などは湿気も多く、錆付きが発生しやすい時期です。マフラー部分には錆に強いステンレスが用いられていたりしますが、泥が付いたり海の近辺を走っていて潮が付いたままの状態では、普通の鉄と同様サビやすいです。
こうしたサビが発生してしまったとしても、錆取り剤を使用することで対処は十分に可能です。錆取り剤で調べてみるとたくさん製品が発見できると思われますが、望む効果を得る為には選び方のポイントを覚えておくべきです。
まず、タイプの特徴をつかんでおきましょう。例えばクリームタイプのサビ取り剤は筆やはけを使って作業をします。垂直に塗っても液だれする心配が無く、塗ってから拭き取るだけで錆を除去できます。
スプレータイプのサビ取り剤は、見て分かる通りスプレーを吹き付けて使用します。吹き付けるという使い方である為に、広範囲の錆に対して効果的です。そのほか、漬け置きにして一気に錆落としができる液体タイプなどもありますので、使いやすそうなタイプを選びましょう。
2つ目は、金属の素材に適している製品を使用することです。錆取り剤と一口に言っても、金属であれば全般的に使用可能なものと、使用できる素材が限られている製品とに分かれています。バイクの部品にも、単なる鉄からステンレスやチタンなど素材は様々使われています。
鉄に使用できるサビ取り剤がもっとも一般的ではありますが、上記のステンレスやアルミ、銅などの素材にも対応しているものもあります。対応していないと使っても錆は取れませんので、よく確認しておきましょう。
一度サビ取り剤を使って取り除けたとしても、水や酸化が原因である以上、時間の経過や保管の状態などによって再発してしまう可能性は高いです。その度にサビ取り剤を使っても良いですが、おそらく面倒に感じてしまうでしょう。
そこで、サビ防止効果のあるサビ取り剤を最初から使用してみましょう。名前の通りサビの発生を抑制する成分を含んでおり、以降発生しないまでにはなりませんが長期間錆付きを防いでくれます。
バイクの錆付きの主な原因と、サビ取り剤はどういったものを選ぶべきなのかの基準などを解説しました。実際にサビ取り剤を使ってサビの除去を行うには、サビ取り剤以外に必要になる道具もあります。
1つは、クレンザーです。家庭のシンクやガスコンロ等、キッチン回りの汚れに使用されるクレンザーですが、バイクに使っても効果的です。というのも、クレンザーの中身に研磨剤が含まれており、同じ金属部品の錆に使えるのです。
錆が付いている部分にクレンザーを塗っておいて、スポンジやブラシを使って擦り落とすだけと使い方も非常に簡単です。直ぐにサビ取りをしたいけれど、専用のサビ取り剤が手元にない場合に便利に使えるでしょう。
続いて、たわしを用意します。スポンジのほうがあまりバイクに負担をかけなくてよさそうに思えるかもしれませんが、取りにくい酷い錆付きには金属たわしを使いましょう。サビ取り剤を塗ってから、たわしに水を付けつつ錆の部分をこするだけで落とせます。
そこまでひどくない軽めの錆の場合には、金属たわしと水のみ、サビ取り剤抜きでも十分に落とすことは可能です。先に水とたわしのみで試して、それでも落ちない場合にはサビ取り剤を使うという流れが良いでしょう。
最後に、ワイヤーブラシです。名前の通りワイヤー、つまり針金で出来ているブラシであり、今回の様なバイクの金属部品に付いてしまった錆落としや油汚れの除去を始め、汚れたボルトやネジの掃除、古いペンキの塗装剥がしなどに使えます。
ワイヤーブラシにも種類がいくつかありますが、まず硬めでサビ取り効果の高いステンレスブラシを使用してある程度粗磨きをしておき、その後比較的柔らかめで傷がつきにくい真鍮製のブラシを使うと、綺麗に錆落としができます。
基本的な流れとしては、まずサビ取り剤やブラシを使用し、錆の付いている部分を磨いていきます。続いてパーツクリーナーを使って油を取り除いておき、最後に防サビ剤やワックスを別に用意しているのであれば、それを塗布して終了です。
この様に、錆が付いてしまったとしても、非常に簡単な手順で落とすことが可能です。サンドブラストなどを使用すればもっと本格的な錆落としができますが、初心者向きでは無い為、これでも落ちないのならば整備も行っているバイクショップなどに依頼をしてみましょう。
具体的な錆落としの仕方について解説しましたので、続いてはバイクのパーツごとのサビ取りの方法を解説しましょう。錆の付く金属と言っても、鉄をはじめとしてステンレスやアルミなど、素材によって使い分けることが大切になります。
まず、リムのサビ取りの方法からになります。サビ取り剤をリム部分に刷毛を使用して塗り込んで、錆のある個所に塗り切ったら10分以内に拭き取りをします。錆が頑固だったとしても長時間の放置はせず、これを3度ほど繰り返します。
リムのメッキ表面部分にあった錆はこれで落とせますが、入り込んでいる取りにくい錆はまだ残ったままですので、ワイヤーブラシを使用して残った錆の部分をこすります。目立たなくなるまで落としきれれば完了となります。
続いて、ボルトに錆が付いている場合の方法です。こちらもサビ取りのケミカル剤を錆のある部分に刷毛を使って塗布したのち、10分以内に拭き取ります。これを2,3回繰り返すという事で、リムと同様の作業になります。
これで落ちないレベルの錆付きは、こちらもワイヤーブラシを使って磨いて落とします。真鍮製のブラシは比較的柔らかく、素材を傷つけませんのでお勧めされています。ここまで都合30分程度の作業時間で完了します。
最後に、メッキカバーの部分の錆落としです。目立つ個所である為に出来る限り早急に取り除きたい所でしょうが、通常の研磨剤タイプのサビ取り剤を使って拭き取るのでほとんど落とせるでしょう。
それでもあと少し落とせない、というレベルならば、耐水ペーパーを使ってみましょう。鉄なら粗めのペーパーを使うことができますが、メッキ部分は1,500から2,000番辺りを使います。その後は錆防止のコーティングも必ず行います。
以上、バイクの錆の原因と実際の落とし方の手順などについてを解説してきました。最後に、サビ取りに使ってほしいお勧めのアイテムを3点ご紹介します。
まずはKUREの防錆剤のご紹介からになります。浸透力と洗浄能力に優れる工業用の防錆剤であり、金属の表面に付着している状態の錆、その他の汚れやカーボン、油などの各種汚れを浮き上がらせて落とします。
鉱物油、防錆剤、石油系の溶剤を使用しており、金属に対する親和性が高い為、表面全体にむらを作らずに皮膜を形成、錆の要因であった雨水や酸素による金属の腐食を防止する効果が期待でき、自動車、工作機械等にも使えます。
清掃を専門に行っている、ハウスクリーニングの現役社長が手掛けたプロ仕様の錆除去剤です。錆ついている箇所にかけると紫色に反応し、これを水で洗い流すだけで簡単に除去することが可能になります。
サビ取り作業を必要としないタイプの、錆転換剤です。錆の上から直接塗り込むと、赤サビがそのまま錆止めの被膜に変化します。進行している状態のさびなどに効果的で、塗布すると黒く変色します。
オイル交換をはじめ様々な整備が必要なバイクですが、錆を取り除いて綺麗な状態を保ちたいというのは誰もが思う事です。方法もとても簡単ですから、もし錆を見つけた際には試してみてください。