一般家庭に設置されている「エコキュート」。毎日使用したとしても10〜15年の寿命で買い替えが生じると言われています。それも使い方や使う地域によっても耐用年数に違いがあるようです。今回は、もしもエコキュートの買い替えが必要になった場合の基礎知識や、買い替える際の注意点について徹底解説していきます。
目次
毎日フル稼働するエコキュートですが、実際、どのタイミングが買い替え時期であるか、その目安について以下に交換時期の動画も交えながら詳しくみていきましょう。
エコキュートは正常に作動していればお湯が沸き、生活する上で何ら支障なく活躍してくれます。しかし、以下のような症状が見られた場合、エコキュートの寿命や故障が疑われることがあります。どのような症状であるかひとつずつ確認してみましょう。
【症状①極端に湯量が減少した】
普段問題なく使用していても、蛇口をひねってもわずかにしか水が出てこない場合、「お湯入れ」の可能性があります。その際は、沸きましを行ってみましょう。また、一度本体の電源をリセットすることで、再度稼働することもあります。
これらを試してみてもまだ水しか出てこない時は、温度調節のためのパーツが劣化していることが考えられます。その場合は業者へ修理依頼を行いましょう。稀に、断水等で止水栓が閉まっているという場合があり、故障と勘違いしてしまうこともあるため、その点もしっかりとチェックしておくようにしてください。
なお、寒冷地でエコキュートを使用する場合、凍結によって水が出ないことも考えられます。その場合は専門業者へ依頼し、対応してもらいましょう。
その他、水やお湯が止まらないという場合、循環口に汚れが溜まっていることもあるため、一度きれいに掃除を行ってみてください。それでも正常に作動しないという場合は、センサーの故障を疑い、業者へ修理依頼を行いましょう。
【症状②水漏れする】
エコキュートの貯湯タンクは、水をお湯へと変える働きがあり、その際に湯量が増え、増水した分は排水口へ流れる仕組みとなっています。しかし、これを水漏れと判断してしまうこともあります。そのため、少し様子を見て使用してください。もしも配管の劣化、貯水タンクのひび割れなどの症状による水漏れの場合は業者へ修理依頼を行い、必要部品の交換を行ってもらいましょう。
【症状③エラーメッセージの表示】
いよいよエコキュートの寿命であると判断できることには、様々なエラーメッセージが表示されるようになります。その際、多くのパーツが劣化したために正常に作動しない恐れがあることを示唆していると言えるでしょう。そこまで頻繁にエラーメッセージの表示がなされる場合は、エコキュートの買い替えをおすすめします。
このように、エコキュートは一般的に10〜15年を目安として稼働し、使用することができます。また、毎日使用するもののため、正しい使用方法を守り、きれいにメンテナンスを行うことで、少しでも使用期間を延ばすことも可能です。
とは言え、機械は10年を単位として必要消耗パーツの生産が終了することもあります。それからでは修理対応も不可となるため、買い替えも検討していくことが大切です。中には修理対応が可能であっても、部品代をかけて修理することで新しいエコキュートと価格が変わらないということもあるため、早めに対策を講じておくようにしましょう。
エコキュートの寿命や交換時期について詳しく解説している動画です。この動画を参考に、現在使用しているエコキュートの状態を確認してみてください。
ここからは、もしもエコキュートの買い替えが生じた場合、どのようなポイントに着目して本体を選ぶべきか、そのポイントや注意点についてまとめてみました。以下に4つのポイントを確認していきましょう。
エコキュートの中でも「給湯タイプ」は、蛇口をひねって手で止めて使用するタイプです。シンプルな設計のため、その価格も他のタイプよりも安価で購入することができます。もしもこれまでオートタイプやフルオートタイプを使用されていた場合、価格に見合うものであっても使用感があまり良いものではないと感じることもあるでしょう。
しかし、給湯タイプは他のタイプよりも高圧給湯を行うことができるため故障しにくく、メンテナンス費用の心配もあまり不要なタイプとなり、予算内でエコキュートの買い替えを行いたいという方におすすめです。
故障や寿命によってエコキュートの買い替えが必要になった際は、タンク容量に着目して選ぶようにしましょう。従来通りのタンク容量で十分だと感じる場合は同じ容量のタンクを選ぶと良いです。
また、買い替えの際にタンク容量を検討されているという方は、参考までに以下の家族人数に応じた最適な容量を選ぶことをおすすめします。
2~4人家族の場合 | 湯量は180〜370Lが最適 |
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3~5人家族の場合 | 湯量は370~460Lが最適 |
4~7人家族の場合 | 湯量は460~560Lが最適 |
タンク容量については、「大は小を兼ねる」というよう、大きめのタンクを選んでおくとまず快適性が増すと言えるでしょう。通常使用であれば大きく光熱費に影響が出るというケースはなく、エコに利用することができるためおすすめです。
エコキュート本体は様々なメーカーから販売されています。そのため、各メーカーでその特徴や機能は異なります。選ぶ時は、メーカーが推奨する製品、かつ、多くの方が支持する人気の製品を選ぶと良いでしょう。
また、購入の前に、エコキュートの保証期間についてしっかりとリサーチしておくことが大切です。これは、実際に使用を始めてからのトラブルにどこまで対応してもらえるかを理解した上で購入できるからです。きちんと保証があれば、万一のトラブルにも即座に対応してもらえるため安心です。
各社メーカーが販売するエコキュートは、それぞれの使用する地域性や気温に合わせた製品を展開しています。そのためお住まいの地域が以下のどのタイプに該当するかで製品を選ぶことが大切です。
寒冷地 (省エネルギー基準1~3地域・気温-25℃までの地域) | 寒冷地に適した エコキュートの使用 |
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一般地 (省エネルギー基準4~8地域・気温がー10℃までの地域) | 一般地に適した エコキュートの使用 |
塩害地 (省エネルギー基準1~8地域かつ海の近く) | 塩害地に適した エコキュートの使用 |
次にみていくのは、実際にエコキュートの買い替えが生じた場合にぜひ検討しておきたいメーカーをご紹介します。各メーカーが持つ独自の機能を備えた多くの製品の特徴を抜粋し、それぞれのメーカーごとに詳しくみていきましょう。
2001年、世界初の家庭用エコキュートを開発・製造・販売を行ったメーカーが「コロナ」です。高性能な製品が多くラインナップされ、また、アフターサービスを徹底することで安心と信頼の実績を作り上げています。そんなコロナのエコキュートが持つ特徴を以下に5つご紹介します。
・特徴①【徹底したアフターサービス】
万一の故障やトラブルに即座に対応する徹底したアフターサービスを提供
・特徴②【耐久性能の高いタンクを採用】
コロナ者独自の突き合わせ接合内面溶接の技術によって、長期的な使用を可能とした耐久性能の高いタンクを採用
・特徴③【スマートナビリモコン搭載】
ヒートショックを逃さずキャッチする安全機能を標準装備
・特徴④【ステンレス素材を採用】
貯湯ユニットにステンレス素材を採用し、耐食性&耐久性を高めた構造
・特徴⑤【ES制御の技術を搭載】
効率的に使用できる給湯回路を確保した、革新的な技術を駆使して設計されたES制御を搭載した製品
馬力のあるパワフルな圧で利用できる日立のエコキュートは、断熱性の高いウレタンフォームを採用し、沸いたお湯を冷めにくくする「ウレタンク」を活用することでより快適な使い心地を実現させています。そんな日立のエコキュートが持つ特徴を以下に4つご紹介します。
・特徴①【ウレタンク採用でお湯を温かい状態に保つ】
貯湯タンクにあるお湯が冷めないよう、ウレタンフォームを使用したウレタンクを採用することで、長時間、お湯を温かいままの状態に保つことができる
・特徴②【ナイアガラ倍速湯はり】
お風呂の湯張りの際、標準仕様とは異なり2倍速で高速湯張りが可能。すぐに利用できる
・特徴③【快泡浴を楽しめる】
噴流と気泡によって心地良いバスタイムを過ごすことができる
・特徴④【パワーのあるシャワー圧で快適に】
給湯圧力が高いため、パワーのあるシャワー圧で快適に利用することができる
メーカーがこだわりを持って開発した機能を搭載したパナソニックのエコキュートは、省エネ効果を利かせたおすすめの製品を多数展開しています。そんなパナソニックが販売するエコキュートが持つ特徴を以下に4つご紹介します。
・特徴①【保温時間を抑えた省エネ機能を搭載】
ふろ自動保温エネルギーの消費を抑えて光熱費削減が可能な製品を開発
・特徴②【リズムeシャワープラスを採用】
シャワー圧を変化させ、節水効果を実現させた高性能な製品を販売。シャワーリズムが2種類選べる高機能なエコキュート
・特徴③【お湯はりエネルギーを10%節約】
お湯はりの際に必要となるエネルギーを10%カットすることで大きく電気代を節約することができる
・特徴④【湯温&タイマー簡単設定が可能】
入浴前に快適な湯温に、また、タイマーの設定も可能な「温浴セレクト」機能を搭載
世界で利用されるエアコンのトップシェアを持つダイキンのエコキュートは、快適性を重視した高性能な製品を数多く展開しています。そんなダイキンのエコキュートにはどのような特徴があるか、以下に3つみていきましょう。
・特徴①【快適な湯温を保つ】
「温浴タイム保温」によって、お湯の温度を常に快適な状態に保つ機能が搭載されている
・特徴②【マイクロバブルの発生でお肌を保湿】
ミクロの泡を発生させることで、お肌に潤いを与える「マイクロバブル入浴」が可能
・特徴③【3段階高圧シャワーで快適性アップ】
高圧300kPaよりもより高圧なシャワーを使用できるため、より快適性を高めた製品を展開
東芝から開発されたエコキュートは、安全性を重視し、そして快適な使用感が得られる製品を数多く販売しています。そんな東芝のエコキュートが持つ特徴を、2点みていきましょう。
・特徴①【銀イオン湯を可能に】
清潔で雑菌のないクリアな湯質に保ち、快適で安全な利用が可能な銀イオン湯を利用することができる
・特徴②【手軽なタッチリモコンを採用】
光と音声によって操作が可能なタッチリモコンを採用しているのでより簡単操作ができる
世界のシェアも高く、多くの製品を生み出している三菱電機からは、エコキュートの製品も強く、多くの方から支持を得ています。そんな三菱電機から販売されるエコキュートにはどのような特徴があるのでしょうか。以下に3つまとめてみました。
・特徴①【マイクロバブル発生により自動洗浄可能】
自動配管による自動洗浄が可能なため、手間要らずで常に清潔感のある衛生状態の整った環境を維持できる
・特徴②【ホットりたーん機能】
「ホットりたーん」機能によって、残り湯を水と熱交換することで貯湯タンクの水を温めて利用することができる
・特徴③【ホットあわーによる美肌効果】
ミクロの泡によってお肌に快適な潤いを与え、すべすべで滑らかな状態に維持することができる
いよいよ修理の対応が難しく、また、寿命の到来によってエコキュートの買い替えが生じた場合、どれほどの費用が必要になるか、一般的な相場価格について以下にみていきましょう。
部分修理・部分交換 | 約0.8~7万円 |
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ヒートポンプユニットの修理 | 約7.7〜22万円 |
機器全体の交換 | 約20~70万円 |
配管を交換、あるいは各部の修理や部品交換などを行い、修理対応とした場合の相場価格は約0.8円〜7円、また、お湯が出ずにエラーが頻繁に表示されるという場合は、ユニット修理となる場合が大半です。もしもその部分の部品交換を行うとなれば、相場価格は約15万円と嵩む金額になる傾向です。
その他、修理対応では難しく、新品に買い替えを行わなければならないという場合の相場価格は、約20万円〜70万円となり、製品の特徴や容量、機能やサイズによってもその価格は大きく変わります。
なお、部品交換や本体を丸ごと交換する場合でも、別途工賃や撤去費用などが嵩むこともあるため、予算を多く取り、必ず業者から見積をとっておくようにしましょう。
エコキュートをやむを得ず修理しなければならない、あるいは故障対応が難しく、寿命等により新品への交換が必要となった際の相場価格がわかりました。その際、少しでも買い替え費用の節約ができると家計が圧迫されず助かります。
そこでこの後は、エコキュートを買い替えする際の費用を少しでも節約するための方法をご紹介します。これから買い替え等の予定があるという方はぜひ以下のポイントを参考にしてみてください。
実際、エコキュートは本体価格が高額になるケースが大半のため、できるだけ価格帯が安価な「給湯タイプ」を選ぶと良いでしょう。この給湯タイプは必要最低限の機能を搭載した最もシンプルなタイプとなるため、その価格も安価に抑えられています。そのため、少しでも予算内でエコキュートの設置を希望される方は、給湯タイプをおすすめします。
実は、エコキュートは住宅用に利用する電気設備という位置付けのため、保険会社によっては故障や交換が補償対象となる可能性もあります。それは加入している保険会社によって異なるため、エコキュートの買い替えの必要性が出た場合は、一度保険会社の窓口や電話を利用して相談されることをおすすめします。
故障によってエコキュートの修理や点検、また部品交換などの作業が必要となった場合、業者への依頼が欠かせません。しかし、それらを取り扱う業者はたくさんあります。
中には高額請求する業者もあるため、エコキュートの修理や取り換えの場合は、複数社に相見積もりを取っておくようにしましょう。その中から最も安価に作業を行ってくれる業者を選ぶことをおすすめします。なお、その際、どのような対応であるか接客態度なども確認しておくとより安心です。
もしもエコキュートの買い替えが生じた場合の基礎知識や、買い替える際の注意点について徹底解説しました。エコキュートは多くのメーカーから販売されており、それぞれ異なる特徴を持っています。
そのため、製品本体は決して安価な価格とは言えず、少しでも費用を抑えた対策で交換することをおすすめします。故障や寿命によるエコキュートの買い替えは早めに検討するようにしましょう。