近年では技術の進歩により、エアコンも以前とは比べ物にならないくらい進化しているものがほとんどです。省エネ機能やAI、自動掃除機能はもちろん、気流制御機能やスマホと連動させることができるエアコンもあります。この記事では、最新のエアコンを選ぶポイント、そして2020年おすすめの最新モデルのエアコンをご紹介します。
目次
エアコンを選ぶ際は、まず最初に部屋の大きさに合う規格のエアコンをピックアップする必要があります。取り付けたい部屋が8畳の場合「8畳用のエアコン」が必要になりますが、エアコンの規格は「6~9畳(冷房)・6~7畳(暖房)」などという表記になっています。
「これなら暖房はパワー不足だけど、冷房は大丈夫だな」と、判断してしまう方が多いですが、この表記の見方は、適用畳数は木造住宅なら6畳、鉄筋住宅なら9畳(冷房)という意味なのです。8畳の木造住宅ならば、冷房・暖房共にパワー不足ということになります。
畳数が決まれば、次は機能です。最新のエアコンには、快適な機能や賢い機能など、どれにするか迷うほどエアコンメーカー各社がしのぎを削っています。エアコンを選ぶポイントは「必要な機能が備わっていること」です。では、注目の最新機能を1つずつ解説していきましょう。
エアコンのカタログには「畳数の目安」が記載されていますが、何となく「とりあえず畳数が範囲内のものでいいか…」と、考える方も多いのではないでしょうか。この機会に、詳しく知っておきましょう。
「畳数のめやす」は、先ほども説明した通り木造住宅なら6畳、鉄筋住宅なら9畳(冷房)という意味です。これは、建物の気密性によるもので、木造構造より鉄筋構造の方が気密性が高いためです。
しかし、最近では木造・鉄筋に関わらず「冷房時おもに6畳用」と表記されているものがほとんどです。お住まいの家が、軽量鉄骨構造などの場合で適応畳数を迷われる方はこちらの表記を参考に選ぶと良いでしょう。
また、高気密高断熱の住宅や、お住まいの地域の気候や部屋の日当たり条件など、必ずしも適用畳数が最適なエアコンとは限りません。気になる場合は、家電量販店の家電アドバイザーに相談してみましょう。
もう一つ、畳数以外にポイントとなるのが③のw低温暖房能力(kW)です。この値は、早く涼しくな・暖かくなるということの基準となる数値です。ただし、この数値に比例して消費電力(W)も上がっていきます。
自動掃除機能は、エアコンのフィルターを自動で掃除してくれる便利な機能です。画像のようなローラーが、フィルターを巻き取るように動作して、ブラシがたまったほこりを落としていく仕組みです。
ダストボックスにほこりがたまっていくので、それは定期的に捨てなければなりません。しかし、最近は自動排出機能という、屋外に自動的にほこりを排出するタイプもあるので要チェックです。
大変便利な機能なのですが、デメリットと言える部分もあります。自動掃除機能付きエアコンと言えど、掃除するのはフィルターだけです。フィルター以外に付着したほこりやカビなどは、手作業で掃除する必要があります。
また、掃除業者にエアコン掃除を依頼した場合、自動掃除機能付きの機種は料金が割高になるケースがほとんどです。これらの点も踏まえて検討しましょう。
省エネ性能も、エアコン選びでは見逃せないポイントです。最新のエアコンでは、上記画像のようなあらゆる条件を検知して「エコ自動運転」をする機種もあります。他にも各メーカー各機種で、様々な省エネ機能を搭載したエアコンがあるので、いろんな機種を参考にすることをおすすめします。
しかし、最も分かりやすくエアコンの省エネ性能を判断する方法は「統一省エネラベル」を見ることです。これは、経済産業省・資源エネルギー庁が定めた基準です。
これは、経済産業省が省エネ家電の基準を分かりやすく表示するために設けた制度です。星5段階で表しており、最高ランクの星5つで省エネ基準達成率は121%です。
近年のエアコンには、気流を制御する機能も進化しています。AIによるセンサーで、人に直接風が当たらないように制御する機種や、指定した部屋のエリアに送風する機能など様々です。
暖かい空気は軽く上に溜まり、冷たい空気は重く下に溜まる性質があります。これを賢く利用するエアコンは各メーカー幅広く取り揃えています。冷房時に足元だけが冷えたり、暖房時に顔付近だけが暖かかったりすることも無くなります。この気流制御を、自動で行う機種もあるので、エアコン選びの際にぜひチェックしてみてください。
スマホと連動できる便利な機能も、エアコンを選ぶ際のポイントになるでしょう。この機能は、ご自分のスマホにアプリをインストールして、エアコンを遠隔操作できることが魅力です。「エアコンを停止することを忘れた」、「帰宅までに部屋を快適な温度にしておきたい」等のスイッチのON・OFFが外出先から操作できます。
また、最近ではGoogleアシスタントやAlexaなどのスマートスピーカーと連動する機種もあります。これなら話しかけることで、エアコンを操作することができます。
各メーカーの、エアコンの特徴を詳しく解説していきます。各メーカー共に、最新のエアコンには最先端の技術を惜しみなく搭載しています。その違いやそれぞれの特徴を、6つのエアコンメーカーで比較してみて下さい。
Panasonicのエアコンは、ナノサイズの微粒子イオン「ナノイー」を搭載した「エオリア」シリーズが有名です。「ナノイー」とは、空気中の水に高電圧を加えて生成し、拡散してハウスダストやダニの死骸、フンなどのアレル物質を抑制・除菌する超微粒子イオンです。
近年さらに進化した、「ナノイーX」はナノイーの10倍のOHラジカルで、より強力にアレル物質を抑制・除菌します。
また、省エネ機能の「ECONAVI」や「ENECHARGE」など、最先端の省エネ技術を搭載したエアコンを提供する、信頼と実績のあるメーカーです。
日立のエアコンと言えば「白くまくん」が有名です。長い歴史のある、日立のエアコン「白くまくん」の最大の特徴は、室内機・室外機共に搭載したモデルがある「凍結洗浄」でしょう。この凍結洗浄とは、まず熱交換器を凍らせます。そして、たくわえた霜を一気に溶かし、汚れを洗い流します。
さらに、エアコン内部にあるファンを自動で掃除する「ファンロボ」、凍結とは逆に加熱してカビを抑制する「ヒートアタック」など、クリーン機能が優れています。
霧ヶ峰でお馴染みの、三菱電機です。赤外線センサー「ムーブアイ」は、人の場所や手足の体温変化も見極めてそれぞれに最適な風量で送風する、霧ヶ峰の賢い機能です。
クリーン機能には、ホコリも油も付きにくくされた「よごれんボディ」や、通風路が簡単に掃除できる「はずせるボディ」があります。もちろん、フィルターを自動で掃除する機能や、熱交換器を結露で洗浄する「おまかせボディ」搭載モデルもあります。
空調機器設備の大手メーカー、ダイキンです。オフィスや店舗などの業務用から、家庭用のルームエアコンまで幅広く展開しています。
換気しながら加湿・暖房できる「うるさらX」は、屋外から新鮮な空気を取り込み、エアコンを運転しながら室内換気が行えます。さらに、ダイキンだけの技術の「無給水加湿」は、外気の水分を取り込んで加湿するため、給水する手間がかかりません。
シャープと言えば、あらゆる電化製品に搭載されている空気浄化技術「プラズマクラスター」が高い知名度があります。そのプラズマクラスターにも、グレードがあります。
簡単に言えばイオン濃度の高さで区別されており、最高位のNEXTでは50,000個/cm³という高濃度のイオンを拡散させます。NEXTは、空気浄化作用に加えて、消臭効果やリラックス効果が期待できるのです。また、他社同様のクリーン機能や気流制御機能、IoT技術の「COCORO AIR」など、充実した機能も多く装備されたモデルもあります。
ノクリアシリーズで、人気の富士通のエアコンです。部屋の環境や温度の変化、操作の頻度や内容をAIが学習・分析し、クラウドにデータを送るモデルもあります。その他にも、他社メーカー同様に省エネ機能、クリーン機能、快適機能なども充実しています。
また、ノクリアはどのようなインテリアでも合う「調和するデザイン」が特徴的です。主張しすぎず、かといって溶け込み過ぎずのデザインは、世界三大デザイン賞の一つであるreddot賞、日本では2020年度グッドデザイン賞を受賞し、デザイン賞二冠を達成しました。
おすすめの6~8畳用エアコン5つをご紹介していきます。それぞれの特徴を比較しながら、ご自身に合ったエアコンを選んで下さい。6~8畳用ですので、リビングから子供部屋、寝室など幅広く対応できるサイズです。
シャープのプラズマクラスター7000を搭載したエアコンです。シンプルにシャープのエアコンを使いたい方におすすめで、コスパも良くお求めやすい商品と言えるでしょう。無線LAN内蔵で、スマホと連動できる「COCORO AIR」も搭載したエアコンです。
三菱エアコン「霧ヶ峰」のGEシリーズです。霧ヶ峰のスタンダードモデルで、快適機能には床温度センサー「フロアアイ」が搭載されています。このフロアアイとは、エアコン付近の温度だけではなく、床付近の温度も赤外線センサーで検知します。したがって、人がいるところの空間を快適にしてくれます。
アイリスオーヤマから、設置工事費付きのエアコンをご紹介します。何と言っても、設置工事費が込みでこの価格は、コスパ最高と言っても過言ではないでしょう。大きな特徴としては、前面パネルに部屋の温度が表示される「室温ディスプレイ」です。見えやすくLEDで表示されます。また、上下左右自動ルーバー搭載で、部屋の空気を効率よく循環してくれます。
日立の白くまくん、スタンダードモデルです。室内機・室外機に「凍結洗浄」を搭載し、熱交換器をクリーンに保ちます。また、本体の高さが24.8㎝とスリムな設計なので、ハイサッシの部屋やカーテンレールの上など、スペースが約30㎝あれば設置可能です。さらに、ファンを自動で掃除する「ファンロボ」も搭載した、おすすめのエアコンです。
ダイキンのベーシックモデルEシリーズのエアコンです。冷房運転で発生させた結露水を利用して、熱交換器の汚れを洗浄する「水内部クリーン」を搭載しています。これにより、熱交換器にこびりついた汚れをキレイに落とします。その他快適機能も充実しており、子供部屋などに最適です。
続いては、10畳~18畳用のエアコンをご紹介していきます。広めな部屋やリビングなど、近年の住宅では一番汎用性があるサイズかもしれません。広い畳数なので、快適さのポイントとなるのは、エアコンの能力値です。その辺りのスペックにも注目して、比較してみて下さい。
主な機能は、おすすめ④でご紹介したモデルと同等です。ただ、大きく異なることが1点あります。それは、電圧が200V用だということです。必ず、部屋のエアコン用コンセントの電圧を確認してからご購入ください。暖房能力・冷房能力共に、6畳用のほぼ倍のパワーもあり、快適に過ごすことができます。
霧ヶ峰のスタンダードモデル、GVシリーズの冷暖房エアコンおもに12畳用のモデルです。冷房能力3.6W・暖房能力4.2Wと十分な能力もあります。あまり多くの機能を求めていないという方には、価格も抑えられておすすめです。
アイリスオーヤマの2020年度温度表示モデルです。「手元温度ボタン」を押せば、前面パネルに部屋の温度がLEDで表示されます。6つの充実した、シンプルな機能や内部洗浄機能も搭載したモデルです。余計な機能を省いてコストを抑えたい方におすすめです。200V用ですので、確認してからご購入しましょう。
パナソニックのエオリア10畳用エアコンです。こちらもエントリーモデルで、複雑な機能や不要な機能を省いた低価格帯エアコンです。高外気温対応室外機(46℃対応)で猛暑でも快適な冷房運転を持続できます。
シャープの最新式エアコン、Airestです。プラズマクラスターNEXTを搭載しており、空気浄化機能は申し分ありません。また、近未来的な他にはないデザインで、目を引くインテリアにもなるでしょう。スマホと連動するCOCORO AIRも搭載です。空気清浄機が欠かせない方には「これ1台で2役」といった高性能エアコンです。
広いリビングは、近年のマンション・一戸建てでは一般的です。そのような広い空間に対応できるエアコンは、各メーカー共にラインナップされております。吹き抜けがあるか?高断熱・高気密の家か?など、単純に畳数だけでは判断できないときは、能力値も考慮して選びましょう。
日立の白くまくんの、おもに23畳用プレミアムXシリーズです。最上位グレードだけあって、「凍結洗浄」「ファンロボ」「カビバスター」「くらしカメラAI」等々、フル装備仕様のエアコンです。広いリビングでも快適な空調を実現してくれます。
富士通ノクリアのスタンダードモデル、Vシリーズのおもに20畳用エアコンです。上級モデルのXシリーズには、学習して成長するAIの「ダブルAI」が搭載されていますが、Vシリーズには搭載されていません。その分、価格がお求めやすく設定されています。十分にノクリアの性能を堪能できる、おすすめエアコンです。
シャープのコンパクトなハイグレードモデル、L-Hシリーズのエアコンです。この商品は、設置工事費込みの価格になっています。プラズマクラスター25000搭載で、空気浄化機能もバッチリです。エアコン停止中も、プラズマクラスターでお部屋の空気やエアコン内部をキレイにする「プラズマクラスターパトロール」も搭載。COCORO AIRも、もちろん装備されています。
三菱エアコン霧ヶ峰の、ハイスペックモデルXシリーズです。赤外線センサー「ムーブアイ極」など、充実した機能が搭載されたモデルで、性能は申し分ないエアコンです。おもに23畳用なので、広いリビングでも快適に過ごせることでしょう。
最後におすすめするエアコンは、ダイキンから寒冷地にお住まいの方向けの「スゴ暖」おもに23畳用のDXシリーズです。このエアコンは寒冷地に向けて、暖房性能を強化しています。ダイキン独自の技術「ストリーマ」が、クリーン機能から空気清浄まで効果を発揮してくれます。他の機能も充実しており、寒冷地にお住まいの方には絶対おすすめなエアコンです。
エアコン選びのポイントは、欲しい機能と能力(㎾)の数値でしょう。本当に使いこなせる機能か?本当に必要な機能か?など、購入する人によって違いはあるものです。「無くてもいいな」と思う機能は省いて、性能重視で選べばしっかり予算内で高性能エアコンも手に入ります。
また、同じ畳数でも能力によって適温になるまでの速さが変わることも覚えておきましょう。能力が高いエアコンは、冷える(暖まる)速さが違います。すぐ快適温度にしたい方には、能力が高いエアコンをおすすめします。以上のポイントをおさえて、ご自分の部屋に最適な1台を選んでください。